ボランティア学習―日本青年奉仕協会研究室等
ボランティア学習―日本青年奉仕協会研究室等
日本青年奉仕協会研究室
「ボランティア学習」とは、学習者が、ボランティア活動をとおして、さまざまな社会生活の課題に触れることにより、公共の社会にとって有益な社会的役割と活動を担うことで、学習者の自己実現をはかり、さらには自発性を育み、無償性を尊び、公共性を身につけ、よりよき社会人としての全人格的な発展を遂げるために行う、社会体験学習である。その学習内容は、教育的活動、社会福祉的活動、歴史及び社会文化の向上に寄与する活動、自然及び生活環境の保全、コミュニティづくり、国際社会への協力と貢献、その他の幅広い分野に渡っている。また、ボランティア学習においては、私たちの暮らす地域社会及び国際社会そのものを学習のフィールドとしてとらえる。こうした学習は、家庭、学校、地域、さらにはあらゆる地域社会において世代を越えて取り組まれることが大切である。
(JYVA「ボランティア学習ガイドブック」編集委員会編『地球人になろう―ボランティア学習ガイドブック―』日本青年奉仕協会、1991年3月、22ページ)
興梠 寛
ボランティア学習とは、人とのふれあいや自然とのふれあいをとおして、地域社会や地球社会にある多様な課題を知り、その解決のために果たすべき、公共の社会の一員としての役割を探るための社会体験学習である。学習者は、その課題を体験的に知ることによって、それぞれの発達年齢や個性に応じて、課題解決のための役割を担う。と同時に、自発的社会参加の芽を育み、公共性を身につけ、自己の実現をはかり、やがては自立した人間へと全人格的な成長を遂げることが期待される。また、その学習の対象となる社会課題は、社会福祉、教育、文化、スポーツ、国際交流と協力、自然と環境、保健医療、消費生活、人権、平和、地域の振興など、多様である。
(興梠 寛「ボランティア学習の理論」『たすけあいのなかで学ぶ―教師のためのボランティア学習ガイドブック―』日本青年奉仕協会出版部、1995年3月、12ページ)
長沼 豊
ボランティア学習の構成要素は、「ボランティア活動」と「学習」との関係のあり方から分類すると次の3つになる。
タイプ➀:ボランティア活動のための学習(目的としてのV活動)
タイプ➁:ボランティア活動についての学習(対象としてのV活動)
タイプ➂:ボランティア活動による学習(手段としてのV活動)
ボランティア活動と学習との関係は、ボランティア活動は
➀(Learning for Volunteer activity)では学習の目的、
➁(Learning to Volunteer activity)では学習の対象、
➂(Learning by Volunteer activity)では学習の手段、
ということになる。
(長沼 豊『新しいボランティア学習の創造』ミネルヴァ書房、2008年12月、145~146ページ)
(参照)
長沼 豊『新しいボランティア学習の創造』ミネルヴァ書房、2008年12月、145~146ページ。




