高島 巌/ボランティア―それは生活であり、権利である―

高島 巌/ボランティア―それは生活であり、権利である―


ボランティアのはたらきの原点・ボランティアする心の原点

ボランティアのはたらきは
かまえたものであってはならない
ボランティアのはたらきは
活動ではない 生活なのだ
活動にはかまえがある
けれども
生活にはかまえはない
活動には限界がある
けれども
生活には限界はない

ボランティアのはたらきは
もてるものが
もたないものに
ではない
しあわせなものが
ふしあわせなものに
ではない
もてるものも
もたないものも
しあわせなものも
ふしあわせなものも
ともに考え
ともに学び
ともに生活しあうことなのだ

いそいではいけない
かまえてはいけない
たえることだ
まつことだ
いのることだ

人間はみな
ボランティアする権利をもっているのだ
その権利は人間にだけあたえられた
楽しき権利なのである

 

(参照)
高島 巌『子どもは本来すばらしいのだ』誠信書房、1963年1月。
阪野 貢/高島巌先生と木谷宜弘先生のこと:木谷宜弘「学校における福祉教育を考える―5つの柱―」(1979年10月)―資料紹介―/<ディスカッションルーム>(59)/2016年4月19日/本文