阪野 貢/「コミュニティ・エンパワメント」基礎考 ―その概念、原則、発展段階等と “まちづくり”

エンパワメントという言葉は、さまざまな分野で使われている。実はその分野ごとに違う定義がある。代表的なものを紹介すると、教育分野では、内発的動機づけ、成功経験、有能感、長所の伸長、自尊感情。社会開発分野では、人間を尊重し、すべての人間の潜在能力を信じ、その潜在能力の発揮を可能にするような平等で公正な社会を実現しようとする活動。ビジネス分野では、権限の委譲と責任の拡大による創造的な意思決定。保健福祉分野では、自分の健康に影響のある意志決定と活動に対しより大きなコントロールを当事者が得る過程、としている。(下記[4]3ページ)

〇筆者(阪野)は、前稿(<雑感>(197)「アクションリサーチ」基礎考―その概念、原則、プロセス等と実践的課題―/2024年2月10日投稿/ ⇨本文)で「アクションリサーチ」の概念、原則、プロセス等について整理するなかで、筆者がかねてより議論してきた「まちづくりと市民福祉教育」の実践と研究に通底する要素として、「当事者主体」「課題解決と社会変革」「パートナーシップ」「エンパワメント」「話し合いと協同学習」「リフレクション」を指摘した。
〇そんな折、本ブログ読者のN氏から、「エンパワメント」の基礎・基本についていくつかの問い合わせをいただいた。本稿は、それに応えるために草したもの(その一部)である。
〇筆者の手もとに、「エンパワメント科学」研究の第一人者である安梅勅江(あんめ・ときえ)の本が5冊ある(しかない)。

(1)安梅勅江著『エンパワメントのケア科学―当事者主体チームワーク・ケアの技法―』医歯薬出版、2004年9月(以下[1])
(2)安梅勅江編著『コミュニティ・エンパワメントの技法―当事者主体の新しいシステムづくり―』医歯薬出版、2005年4月(以下[2])
(3)安梅勅江編著『健康長寿エンパワメント―介護予防とヘルスプロモーション技法への活用―』医歯薬出版、2007年8月(以下[3])
(4)安梅勅江編著『いのちの輝きに寄り添うエンパワメント科学―だれもが主人公、新しい共生のかたち―』北大路書房、2014年11月(以下[4])
(5)安梅勅江編著『エンパワメントの理論と技術に基づく共創型アクションリサーチ―持続可能な社会の実現に向けて―』北大路書房、2021年2月(以下[5])

〇そこで本稿では、「エンパワメント」(とりわけ「コミュニティ・エンパワメント」)の基礎的理解を図るために、前稿と同じような枠組みのもとで、5冊の本からその論点や言説のいくつかをメモっておくことにする(抜き書きと要約。一部見出しは筆者)。

コミュニティの概念
「コミュニティとは、目的、関心、価値、感情などを共有する社会的な空間に参加意識を持ち、主体的に相互作用を行っている場または集団である。」
どんな組織や地域にも「人々がともに何かを構築するための単位」があり、それは、「あるテーマに関する関心や問題、熱意などを共有し、その分野の知識や技能を、持続的な相互交流を通じて深めていく人々の集団」である。これが「コミュニティ」の1つの側面である。
コミュニティの特徴(要素)は、➀目的、関心、価値、感情などの共有、②帰属意識、③自主的な運営、④相互作用、である。([2]4ページ)

エンパワメントの概念
エンパワメントとは、元気にする、力を引き出す、好奇心の共感ネットワークを作ることである。([1]2ページ)
エンパワメントとは、元気にすること、力を引き出すこと、きずなを育むこと、そして共感に基づいた人間同士のネットワーク化である。人間は生まれながら自分の身体的、心理的、精神的、スピリッチュアルなウエルビーイングを成就しようとする意欲を持っている。当事者や当事者グループが、自らのウエルビーイングについて十分な情報のもとに意思決定できるよう、ネットワークのもとに環境を整備することがエンパワメントである。和訳すれば、絆育力(きずなを育む力)、活生力(いきいき生きる力)、共創力(ともに創る力)となろう。([2]5ページ)

コミュニティ・エンパワメントの概念
コミュニティ・エンパワメントは、コミュニティやシステムなど、「場」全体の力を引き出す、活性化することを意味する。いわば共創力である。
すなわち、コミュニティ・エンパワメントとは、個人や組織、地域などコミュニティの持っている力を引き出し、発揮できる条件や環境をつくっていくことにほかならない。力には顕在力と潜在力があるが、その両者を引き出すのみでは不十分であり、力を活かす「条件」が整ってはじめてコミュニティ・エンパワメントといえる。
その結果、コミュニティの「自己決定力」を高めていくことが可能となる。コミュニティによる「決定力」「コントロール力」「参加意識」を支える環境整備が基本である。つまり、コミュニティ・エンパワメントを引き起こすには、コミュニティのメンバーの「主体的なかかわり」と「連帯感(組織性)」が必要であり、これをいかに実現するかがコミュニティ・エンパワメントの技術なのである。
実際には、コミュニティ・エンパワメントは「現実の関係性のつながり」と「共感イメージのネットワーク」という2側面を持つ。現実とイメージの両者が車の両輪のようにエンパワメントを推進する。([2]6ページ)

エンパワメントの原則
エンパワメントの原則は次の8点である。([1]4~5ページ)
(1)目標を当事者が選択する
目標は当事者が最終的に選択する。当事者の意思決定が難しい場合は、当事者の代弁者としてふさわしい者が選択する。目指すところがどこなのか、最終決定は当事者であることをつねに意識する必要がある。
(2)主導権と決定権を当事者が持つ
目標を実現するための方法や時期などについて、当事者が希望する方法を最優先する。もちろん選択肢の可能性と限界については、あらかじめ十分に情報を提供する必要がある。
(3)問題点と解決策を当事者が考える
課題を遂行するうえで、どこが障害となってくるのか、問題になるのか、自らが考え、解決法を工夫するよう働きかける。
(4)新たな学びと、より力をつける機会として当事者が失敗や成功を分析する
ネットワークは継続し発展するものである。成功でも失敗でも何か動きがあった後には次の機会のためになぜそうなったのかを当事者が自ら考え、次の動きに備える機会を設ける。
(5)行動変容のために内的な強化因子を当事者と専門職の両者で発見し、それを増強する
「内的な強化因子」とは、当事者が強く必要と認識し、自らの意思で求めようとするきっかけを意味する。行動変容のための価値を自らが発見し、それを強めることで実現していく。専門職はそのための環境の整備に徹する。
(6)問題解決の過程に当事者の参加を促し、個人の責任を高める
「自らの問題解決の能力を増強する」ために、すべての問題解決の過程に当事者がかかわり、自らの責任で判断することで個人の責任を高めていく。
(7)問題解決の過程を支えるサポートネットワークとネットワークと資源を充実させる
問題解決の過程を支えるため、サポートネットワークと資源(人的資源、物的資源、経済的資源、情報資源など)を適切に活用するよう環境条件を整える。
(8)当事者のウエルビーイングに対する意欲を高める
何よりも大切なのは当事者の「やる気」である。「やる気」を育てるための技術を縦横に用いる。

エンパワメントを実現するための指標
エンパワメントを着実に実現するためには、8つの指標を満たすことが求められる。これは評価指標として活用することができる。([3]11ページ)
1.共感性(empathy)
・メンバー間、あるいはメンバーのプログラムへの共感性はどの程度が?
・あるのかないのか、あるなら限定的なものなのか発展的なものなのか?
2.自己実現性(self-actualization)
・メンバー一人ひとりが、どの程度自己実現できていると感じているか?
3.当事者性(inter sectral)
・メンバー一人ひとりが、人ごとではなく、自分のこととしてかかわっているか?
4.参加性(participation)
・メンバー一人ひとりが、どの程度参加していると感じているか?
5.平等性(equity)
・参加者が、プログラムの内容やフィードバックを平等であると感じているか?
6.戦略の多様性(multi strategy)
・ワンパターンではなく、さまざまな戦略を複合的に組み合わせてプログラムを遂行しているか?
7.さまざまな状況への適用性(contextualism)
・参加者や環境が変化しても、プログラムは対応できるか?
※7.可塑性(plasticity)
さまざまな状況変化に柔軟に対応できるかどうかは、個人や組織の発展に大きな影響を及ぼす。メンバーや環境が変化しても、メンバー、活動、目標達成 へのプロセスが前向きに形を変化させながらどこまで対応できるかを評価指標とする。([5]27ページ)
8.継続性(sustainability)
・プログラムには、安定した継続の見通しがあるか?
※8.発展性(innovation)
将来への発展性や持続可能性は、メンバーに安定感をもたらす。活動において、 発展へのイノベーションや安定した継続の見通しがあるかを評価指標とする。([5]27ページ)

エンパワメントの発展段階
エンパワメントの発展段階は、「創造(Creation)」「適応(Adaptation)」「維持(Sustain)」「発展(Enhance)」の4段階(CASEモデル)として捉えることができる(図1)。([5]17~18ページ)
(1)「創造」段階は、何もないところから、新たに活動や関係性が発生する段階である。創造技術、創発技術、変革技術など、新しい活動や関係性の開始に向けた技術が必要である。
コミュニティ・エンパワメントの開始には、まずメンバーがどこに関心があるのかという「テーマ」を共有する必要がある。創造段階においては、メンバーに、「コミュニティ」に参加することの意義に気づいてもらうよう仕向けることが鍵となる。([2]32ページ)
(2)「適応」段階は、発生した活動や関係性が周囲との調整で定常化するまでの段階である。適応技術、調整技術、協調技術、伝達技術など、活動や関係性を軌道に乗せるための環境調整、チーム調整などを含む技術が求められる。
適応段階のコミュニティは、いまだ脆弱であり、適応のためのさまざまな軋轢に耐えなければならない場面が出てくる。メンバー間の結び付きを強め、信頼を築きながら、共通のテーマに対する関心や必要性に対する認識を高める活動の継続が求められる。([2]33ページ)
(3)「維持」段階は、活動や関係性を定常化する段階である。維持技術、実施技術、追求技術、統制技術など、活動や関係性を安定した形で維持するための技術が重要となる。
維持段階では、メンバーの情熱や関心と適合させる形で、テーマを設定し続ける必要がある。維持段階の「コミュニティ」は、共通性と多様性をおびてくる。長期に及ぶ相互交流は、安定性と拡大性を必然的にもたらすからである。実践場面においては、共通の価値のもとにメンバーが集うネットワークを構成することが、維持段階におけるコミュニティ・エンパワメントのかなめとなる。([2]34ページ)
(4)「発展」段階は、さらなる進展に向けて活動や関係性を拡大する段階である。展開技術、影響技術、統合技術など、混沌とした複雑な対象に対して統合的に発展するための技術が求められる。
発展段階には、さらに多くの「テーマ」を巻き込み、「コミュニティ」の拡大にともないメンバーが増加し、「活動」がより多様で複雑になる。そうした状況下においても、信頼感や関係性を維持し、おもしろいと思わせる刺激を失わないようにすること、助け合うための相互交流を図りながら実践を体系化することが鍵となる。([2]35ページ)

図1 エンパワメントの発展段階

エンパワメントの種類
エンパワメントは、対象の種類別に見るとセルフ・エンパワメント、ピア・エンパワメント、コミュニティ・エンパワメントの3種類に分けるこができる(図2)。
セルフ・エンパワメント(self empowerment)とは、当事者自らが力を発揮するものである。自分自身の力をつける、対処能力をつける。それが他者とのかかわり、地域とのかかわりに発展する。
ピア・エンパワメント(peer empowerment)とは、仲間(ピア)同士、グループが力を発揮するものである。ピア・エンパワメントの強みは、自分の「思い」に、ピアの「思い」を加えられる点にある。
コミュニティ・エンパワメント(community empowerment)とは、コミュニティ、地域社会、社会システムが力を発揮するものである。コミュニティやシステムなど、「場」全体の力を引き出す、活性化することを意味する。([1]18~25ページ)

セルフ・エンパワメント、ピア・エンパワメント、コミュニティ・エンパワメントの3つを組み合わせて活用することが、継続的で効果的なエンパワメントの実現に必須である。これをエンパワメント相乗モデル(Empowerment Synergy Model)という(図3)。([5]13ページ))

コミュニティ・エンパワメントは、セルフ・エンパワメント、ピア・エンパワメントに加え、ソーシャルサポート、ソーシャルネットワーク、コミュニティ・オーガニゼーション、コミュニティ心理学などと関連している。
またコミュニティ・エンパワメントと関連付けてコミュニティ能力(community competence)という考え方が生まれ、コミュニティの課題を自ら把握し改善を推進してゆく力量と定義されている。([1]26ページ)

     図2 エンパワメントの種類      図3 エンパワメント相乗モデル

コミュニティ・エンパワメントの目標・戦略設計
コミュニティ・エンパワメントの開始には、まずメンバー間にパートナーシップを築くことが前提である。そして共に問題と目標を見きわめ、対象とする範囲を定めて全体像を把握する。戦略とは、目標を実現するための論理的な手順を定めることである。([2]35ページ)
論理的に目標設定と戦略設計を行うためには、次の6つのステップに沿って順に整理することが有効である(図4)。
このモデルの特徴は、目標と戦略がどのようにプロジェクトを成功させるかの“筋道と根拠”を明示できる点である。プロジェクトが成功するかどうかの可否(whether)に加えて、方法(how)、根拠(why)を論理的に明確にすることができる。([3]27~29ページ)
第1ステップ:もたらしたい成果は?
当事者は何を求めているのか、どんな夢をもっているのか、どうなってほしいと期待しているのか、それを成果として記述する。
第2ステップ:現状の問題点あるいは課題は?
“問題や課題”を明らかにする。この場合の問題や課題とは、当事者が意識化しているものにとどまらない。サポーターや専門職などが気づき、将来的に予測しているが、当事者には意識されていない問題や課題を含む。
第3ステップ:その背景は?
第2ステップにあげられた“問題や課題”について、その“背景”となる要因を記述する。そのコミュニティ自体が抱えている背景に加えて、社会全体にかかわる背景を含めて記述する。
第4ステップ:問題点や課題、コミュニティの背景要因に影響を与える要因は?
“問題や課題”はもとより、“背景”に影響を与える要因を整理する。問題や課題に直接的に影響する要因、背景に影響することで間接的に問題や課題に影響する要因を記述する。
第5ステップ:影響を与える要因を変化させる戦略は?
影響を与えている要因を変化させる戦略を立てる。“変化させられる要因”に焦点を当て、できるだけ数多くの戦略をあげる。また“変化させることが難しい要因”については、放置しておいていいのか、側面から別の方法で間接的な変化を起こすよう試みるのが望ましいのかなどを検討する。“変化させられるのか、させられないのか、させられなくても何らかの手を打つ必要があるのか”を見抜く洞察が求められる。
第6ステップ:戦略の根拠は?
戦略の根拠となる理論や既存研究をあげ、その戦略が適切で効果的であることを示す。

これらの6つのステップの完成後、将来にわたり論理的な流れに沿って戦略を実現するために、“目標、成果、影響要因が十分に定義されているか” “目標が妥当で実現可能であるか”をメンバー間できちんと確認しておく。すなわち、その目標と戦略が効果をあげる根拠をはっきりさせておく。

図4 コミュニティ・エンパワメントの目標・戦略設計の枠組み

コミュニティ・エンパワメントの「コツ」
コミュニティ・エンパワメントには、効果的に展開するための、ある意味で「コツ」とでもいえる7つの原則がある。これらを活用することで、無理なく発展することが可能となる。([3]12~16ページ)
(1)目的を明確にする:価値に焦点を当てる
当事者が何を求めているのか、そのニーズにしたがって“目的を明確に”設定する。そのニーズは当事者の価値を反映している。価値とは、目指す状態を実現するプロセスにおいて、守る必要のある基準や方針などである。一人ひとりの価値を束ねて、基本的な考え方、理念、行動指針、方針などを共有していく。
(2)プロセスを味わう:関係性を楽しむ
“プロセスを味わう”とは、参加メンバー同士の関係性やテーマへの取り組みのプロセス自体を楽しみながら味わう、という意味である。
エンパワメントの最も重要な原則は“ともに楽しむこと”である。そもそもが“共感に基づく自己実現”に大きく依存するからである。
(3)共感のネットワーク化:親近感と刺激感
“共感のネットワーク化”とは、親近感と刺激感の両方の感覚をもちながら、つながっているという感覚をもつことである。親近感とはリラックスした安心感、刺激感とはピリッとした緊張感である。コミュニティ・エンパワメントには、硬軟併せもつこと、すなわち硬い部分と柔らかい部分、安心感と緊張感との両側面をもつことで、より活性化することが知られている。
(4)心地よさの演出:リズムをつくる
エンパワメントの推進には、“変化のリズム”と“秩序化のリズム”のまったく異なる2つのリズムを用いることが有効である。“変化のリズム”は変化を敏感に察知し適応するリズム、“秩序化のリズム”は生み出した適応の方法を秩序化して、より効果的、効率的、拡張的に広げていくリズムである。
(5)ゆったり無理なく:柔軟な参加様式
当事者の参加の状態や役割は、時期により変化してかまわないなど、参加の様式には柔軟な幅をもたせることが原則である。また、さまざまな人が、さまざまな時期に、さまざまな状態で参加することができるようにする。
(6)その先を見据えて:常に発展に向かう
どんな人もコミュニティも、ひとつの状態にとどまっていられない存在である。未来に向かって、その先を見据えながら、常に発展に向かう動きを伴うことで活性化する。硬直化することなく、さまざまなメンバーを柔軟に取り込み、ダイナミックに環境に適応しつつ、より意味のある活動を展開する。
(7)活動の意味づけ:評価の視点
活動の意義を感じるためには、活動の意味づけ、すなわち評価の視点が必要となる。それは、携わっていることの“有効性”すなわち“価値”を明らかにすることである。コミュニティや関係性にどんな意味があるのか、その目標、活動結果、影響力、コストはどの程度なのか、などを知ることで、満足感を得たり、次への見通しを得たりできる。

〇安梅にあっては、「エンパワメント」は、「湧力(ゆうりょく)」すなわち「人びとに夢や希望を与え、勇気づけ、人が本来持っているすばらしい、生きる力を湧き出させること」([5]7ページ)である。それはまた、「絆育力」(きずなを育む力)、「活生力」(いきいき生きる力)、「共創力」(ともに創る力)([2]5ページ)である。そこでは、「縁パワメント」「援パワメント」(安梅)の広がりが期待され、管理・運営主体による統制型のコミュニティから当事者主体による自律型のコミュニティへの変革が構想される。そして、「共感」、「共働」(協働)、「共創」が肝要となる。
〇ところで、「絆育力」「活生力」「共創力」の類似語あるいは関連語に、「地域力」「住民力」「福祉力」などの言葉がある。それらは、「地域コミュニティ」や「まちづくり」などとの関わりでも使われる。またときに、それらは「エンパワメント」(セルフ・エンパワメント、ピア・エンパワメント、コミュニティ・エンパワメント)を包含する概念でもある。
〇ここで、旧稿(<雑感>(150)「地域力」「住民力」再考のために―宮城孝著『住民力』のワンポイントメモ―/2022年3月18日投稿/ ⇨本文)を思い起こしておきたい。

付記
忘却の彼方に消え去っていた拙稿に、「地域の福祉力・教育力と福祉教育のネットワーク形成」がある。およそ30年も前のものであり汗顔の至りであるが、あえて<雑感>(150)との関連で付記しておくことにする。

地域の福祉力・教育力と福祉教育のネットワーク形成



出所:阪野 貢『福祉のまちづくりと福祉教育』文化書房博文社、1995年5月、158~173ページ所収。