ユネスコ学習権宣言/サラマンカ宣言/ハンブルグ宣言
ユネスコ学習権宣言
学習権
学習権とは、読み書きの権利であり、問い続け、深く考える権利であり、想像し、創造する権利であり、自分自身の世界を読みとり、歴史をつづる権利であり、あらゆる教育の手だてを得る権利であり、個人的・集団的力量を発達させる権利である。/学習権は、人間の生存にとって不可欠な手段である。/学習権なくしては、人間的発達はあり得ない。/学習権はたんなる経済発展の手段ではない。それは基本的権利の一つとしてとらえられなければならない。学習活動はあらゆる教育活動の中心に位置づけられ、人々を、なりゆきまかせの客体から、自らの歴史をつくる主体にかえていくものである。
<ユネスコ「学習権宣言」(抜粋)「第4回国際成人教育会議」(フランス・パリ)1985年3月採択。国民教育研究所 訳>
サラマンカ宣言 ― インクルーシブ教育 ―
インクルーシブ教育
すべての子どもは誰であれ、教育を受ける基本的権利をもち、また、受容できる学習レベルに到達し、かつ維持する機会が与えられなければならず、/特別な教育的ニーズをもつ子どもたちは、彼らのニーズに合致できる児童中心の教育学の枠内で調整する、通常の学校にアクセスしなければならず、/このインクルーシブ志向をもつ通常の学校こそ、差別的態度と戦い、すべての人を喜んで受け入れる地域社会をつくり上げ、インクルーシブ社会を築き上げ、万人のための教育を達成する最も効果的な手段であり、さらにそれらは、大多数の子どもたちに効果的な教育を提供し、全教育システムの効率を高め、ついには費用対効果の高いものとする。
<ユネスコ「サラマンカ宣言」(抜粋)「特別ニーズ教育世界会議:アクセスと質」(スペイン・サラマンカ)1994年6月採択。国立特別支援教育総合研究所 訳>
ハンブルグ宣言 ― 成人学習 ―
成人学習
生涯にわたる過程という視点からみた青少年教育および成人教育の目的は、人びとと地域社会の自律と責任感を育み、経済・文化・社会全体の変化に対応する能力を強め、共存と寛容を促し、人びとが情報を得て地域社会に創造的に参加することを促進すること、てみじかに言えば、目の前に直面している自分たちの運命や社会の課題に対して、人びとや地域社会が自ら対処できる力を高めることである。成人学習の手法は、人びとの伝統、文化、価値、過去の経験に基づかなければならない。また実施にあたっては、市民の積極的な参加と表現を促すための多様な方法がとられなければならない。
<ユネスコ「成人学習に関するハンブルグ宣言」(抜粋)「第5回国際成人教育会議」(ドイツ・ハンブルグ)1997年7月採択。三宅隆史 訳>




