「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

裸のこころ

飾りは 捨てよう
もう 裸のこころで生きていこう

嘘で飾る言葉は 捨てていこう
もう 裸のこころのままに語ろう

飾り立てる人は 捨ててしまおう 
もう 裸のこころでも生きていける

地位も 捨て置こう
見栄も 外聞も 捨ててしまおう

人はみな 願わくば
欲をかかず 欲を捨て
いらぬ飾りを 脱ぎ捨てて
裸のこころのままに 生きたいと

人はみな 
裸のこころの おもうがままに
ともに生きてゆくことが 仕合わせだと

人はみな
裸のこころで いつか逝く日を
静かに迎えることが 倖せだと 

〔2020年8月28日書き下ろし。安倍総理の辞任報道に接し、ふと浮かんだ「裸のこころ」〕

ミスる

根性なし
ミスると
しばらく立ち直れない
それが些細なことであってもだ

自己嫌悪
ミスると
愛想を尽かす
それがしばらく尾を引くのだ

自己否定
ミスると
能力を疑う
それが心底つまらないのだ

意気地なし
ミスると
意欲がそがれる
それが結構だらしないのだ

ひとは
小さいミスでも
これだけダメージを受ける
こころぼそい存在なのだ

気を取り直すまで
気を紛らわす
おかげで余計なことをさせられる
小さなミスだけど
決して小さくはないのが
ミスだと思い知る

〔2020年8月28日書き下ろし。恥ずかしくて言えないが、朝からアホなことをやらかして、意気消沈!〕

何をか求めん

確証は何一つない
糸口を探す
何を求めているのかすら
ボケてしまうような
漠然とした気分をかもす

手がかりすら疑わしい
とっかかりを探す
何を求めねばならぬのかすら
つかみきれないような
判然としない気分が襲う

無能だとわきまえていても
やり始めたからには やめられない
ここでリタイヤすれば
全てが無に帰す

確信はまだ持てない
思索の迷い道を
行きつ戻りつ 立ち止まり
時に思考停止に陥る

一筋の光明もいまだ見えない
混濁した世界の淵に
片っ端から言葉を 投げ捨てながら
時に立ちすくみ震える

何をか求めん
生きたいという自問は
解のない堂々巡り
書きたいという渇望は
存在が無になることへの反動

何をか求めん
内なる世界の 時間に囚われし戦慄
つまずき おののき 苛なまれながら
生きるを描く不思議を いま生きる

〔2020年8月26日書き下ろし。限りある命の時間と貧しい表現力に妥協しつつ、書く事への渇望が続く〕

ゆらぎ

生きている限り
一点に留まることは 決してない
ひとは いつもゆらぐ

なにもせずとも
ひとは ゆらぐ

何か考えていても
どうしょうかと ゆらぐ
何かしているときも
これでいいのかと ゆらぐ

こうしたいと思いながら
こうありたいと思いつつも
ひとは ゆらぎを楽しむ

ゆらぎは
分身との対話
本意との対立
本心の確かめ

ゆらぎつつ
生きる本質に迫る

〔2020年8月25日書き下ろし。生きている限り、まだゆらぎ続ける〕
 

名の下に

コロナ禍という名の下に
危機対応不能なるもの

信頼という名の下に
不実なるもの

正義という名の下に
隠蔽するもの

繁栄という名の下に
差別せしもの

決断という名の下に
利得するもの

教育という名の下に
恭順するもの

男女共生という名の下に
不作為なるもの

共存という名の下に
選別せしもの

防災減災という名の下に
不備せしもの

平和という名の下に
武装せしもの

勇退という名の下に
五輪期待せしもの

権力という名の下に
ただ長く居座りしもの
それだけがlegacy

みな 残滓なり

〔2020年8月24日書き下ろし。ものとは、長期政権の人たちであり政策の一端である〕

待ち明かす

早く逢いたい
5分も待てない 
10分すら 長すぎる
30分なら 我慢しよう
45分で もう限界
60分たっても 諦めない

出会いの新鮮さは
おもいの熱さのバロメーター
逢いたい一心で
刻まれる 待ち時間との葛藤
待たされても 待たされても
逢えば 笑顔にはかなわない

待ち遠しさの
募るおもいがいつの日か
相手の心の枷(かせ)となり
ためらう時間の長さに変わる

待ちぼうけ
いつか 待つだけの日が重なる
待ちくたびれて
遠くない別れを予感する
待ちわびた
一方通行の思い入れ
待ち明かして
片恋から ようやく醒める

〔2020年8月24日書き下ろし。待つことのやりきれなさを詠みながら…〕

くたびれる

くたびれた服を 脱ぎ捨て
少しはましな 服に着替えて
こころの乱れを 整えましょう

くたびれた靴を 脱ぎ捨て
少しは楽な スニーカーに履き替えて
こころの負いを 軽くしましょう

くたびれはてた身体は そのままに
少し休ませ 目を閉じて
こころのおもゆくままに 身を任せましょう

くたびれた日々の重荷は そのままに
少し見つめて 周りを見回し
こころが決まるまで 捨て置きましょう

なぜに身体が こんなに重いのか
なぜに心が こんなに虚しいのか
なぜに明日を こんなに恐れるのか

くたびれ果てた その先に
裸の心が 彷徨(さまよ)う
くたびれ果てた その背後に
裸の影が 長く伸びていく

〔2020年8月23日書き下ろし。くたびれた服、靴を脱ぎ捨てたとき、人は裸になってその運命を受け入れるしかない〕

リリーフ再登場

先発は 長いイニングを投げすぎた
マウンドに へたり込むように尻を落とした
すでに 目に力なく戦意を失っていた

ピンチに強かった
ごり押しのストレートが走った
カーブでかわす ご飯論法は絶妙だった 
鋭く切れ込むシュートで 論敵をなぎ倒し
落差のあるフォークで 煙に巻く
ゲームづくりは 独擅場 
血気盛んに マウンドに立ち
虚実で主導権を握り 勝利に導く 

イニングが進むにつれて
守りのミスが 足を引っ張る
1億5千万の金をかけた夫婦が ドジを踏む
ただいま 二人揃って拘留・裁判中
対戦相手がコロナになってからは
悪戦苦闘 作戦失敗 顔面蒼白 意気消沈 
ついに力尽きる

24日を目の前に マウンド譲る決心ついた
リリーフが告げられた
老体を引きずりながら 再登板
観客席から 歓声が上がった
ふりかぶった 投げた
超スローボール 届かない
二球目 いやいや投げた
というより ポトリと落ちた
観客席から 罵声が飛んだ
三球目 投げずに
自らマウンドを降り 敗戦を告げた

このチームに託すものは 
限りなくゼロとなった
新しいチームの人選は
ダッグアウト裏で 
我田引水の戦いが 醜くも始まっていた   

〔2020年8月22日書き下ろし。8月24日以降にXディーはくるのだろうか? リリーフにも期待うす〕

昼下がりの悪夢

微睡(まどろ)みの中で
思考が停止する

IR汚職疑惑の衆議院議員秋元司容疑者
組織犯罪処罰法違反(証人等買収)容疑で逮捕
道内のIR誘致に動き 賭博場づくりに加担した

日本海に面した漁業の町寿都町
片岡春雄町長が突然 国の核ゴミ処分場調査への応募を表明した
高レベル放射能廃棄物の最終処分場の候補地選定プロセスに応募
過疎の町の産業振興に活用したいと 見返りの交付金を当てにする 

午後の日だまりの中で
微睡みながら 国政を担う者たち
金の匂いを 嗅がせることに腐心する
相変わらずの どんぐりの背比べ
次の首相候補らと 担ぐ者たちが闇で蠢(うごめ)く
野党は 暢気な内輪もめで 烏合する 
互いに 国のゆくえも示せず 彷徨するだけ
吐く言葉は 悪夢でしかない

米民主党全国大会 11月の米大統領候補を選ぶ
高齢の77歳のバイデンは訴えた
長く暗闇で覆い 多くの怒りと恐怖と分断を生み出した
光は闇より強い 闇の終わりがここから始まると
前大統領オバマは 支持を呼びかけた
国際的評価は下落し
17万人のコロナの犠牲者 数百万人の雇用の喪失
トランプは勝つためであれば 我々の民主主義を破壊する用意を見せると
悪夢との 民主主義を守る光の闘いが 火蓋を切った

翻って
米トランプ政権の失政を 
追従してきた日本の政権に重ねた
米国の闇は 日本の闇でもあった
その闇に光をと 力強く訴える指導者は いない
心動かす 真の説得力をもった指導者は 誰ひとりいない

コロナ禍の
つかの間の微睡みの中で
なぜか思考が停止する

〔2020年8月22日書き下ろし。思考が停止している〕

老人ホームスタッフの心・意気 

疲れないよう、自分のケアをしっかりしています。プライベートでも人混みは避け、必ず感染症対策をして出かけます。仕事への影響がないよう意識しています。
どんな感染対策をしてますかって? 
仲間の自粛生活ぶりを、ちょこっと教えましょう。

With コロナと体裁つくろうよりは 緊張感を薄れさせない
他業種より高齢者と接する機会の多いことを忘れない
万一の場合は重症化になることを常に意識しコロナ感染防止を
自分の心が壊れてしまわないように 適度に休憩を取るようにしている
日々の検温 休みでも検温 明けでは外出を控え休息を心がけている
十分な睡眠 バランスの良い食事 ストレスを発散することに注意
漠然と無意味に怖がらない
休日は家族以外と過ごしていない
不要不急の外出はせず
本州への旅行は控えている
道内の観光地へは極力いかない
マスコミ報道 気を許さない
遠くない時期にワクチン製造報道 根気強く感染防止
コロナが終息しても安易に出歩かない。

帰宅後何も触れないで真っ直ぐ手洗いうがいする
帰宅時すぐ着ていた服に消毒液をかける
帰宅したらすぐ着替える
帰宅後衣服をすぐ洗う
帰宅後なるべくすぐに入浴する

家族全員 毎朝検温
マスク・消毒・手洗い 3密回避
布マスクと紙マスクの二枚重ね
自分の手で目・鼻・口の近くに触れない
なるべく病院にかからなくてすむように体調管理に気をつけている
体調に異変があれば連絡して休む
栄養・睡眠・運動を今より心がけ免疫力をアップ
歯磨き粉・コップ・洗面タオルの共有はしない
トイレ・キッチン・洗面台のタオルをペーパータオルに替えて家族間の感染防止
食事前のテーブルのアルコール除菌 ドアノブ・スイッチのアルコール除菌
自宅玄関にアルコール消毒設置 アルコールティッシュを常備
洗面所以外にも手洗いできるようハンドタオル(使い捨て)ハンドソープ3カ所設置
換気口を全開にして換気
換気後にカーテンやカーペットに殺菌系のスプレーをかける
これから秋冬に向けて流行すると考えマスク等の準備
自宅への外部の訪問者はできるだけお断り
訪問の際は消毒等の協力をお願い

外出時のマスク着用 携帯消毒の持参
外出時ピークやラッシュを避ける
自宅での楽しみを見つけられるよう 子どもが楽しめるよう工夫する
免疫力アップと言われるものを家族全員で食べてみたい
札幌の孫たちとも辛いけど月1~2回短時間の面会 みんなで協力してます
高齢の親のことは心配 でも実家に行くことは当面見送り
家族の公共交通機関 使用頻度を軽減
公共交通機関の利用は必要最低限に

マスク・消毒液・除菌シートは絶対持ち歩く
落ち着くまではお休みの日も買物に以外は外に出ない
外出先でも手指消毒を小まめに行う
札幌中心街には行かない。
人混みには行かない
なるべく市内から出ないようにする
ソーシャルディスタンシングを保つようにしている
咳エチケット 人に向けないこと
感染者の多い所には行かない。
買物と通院以外外出していない
買物の頻度を減らす
買うものをメモして短時間で
極力買物は ネットを利用
買物等カート・カゴをアルコールで拭き取り使用
日用品はできるだけまとめ買いして外出の機会を減らす
お金にもバイ菌がついているかと思いスマホ決済
外食せず馴染みの店でもテイクアウト
ドライブスルーを利用
三密を避け映画館は行かない
車を運転するときは手袋着用
物に余り触れない
不特定多数の人が触れたと思うものに触るときは必ず消毒
アルコールはポンプやセンサー以外は触る範囲が広くなるので自分のを使う
お店などのドアを開けたりする時には身体か手の甲で開ける
エスカレーターやドアの手すりを直接手で触れず服を通して触れる
共有部(トイレなど)の使用はできる限りしない
エレベーターでは息を止めている

できるだけ外部者と接しない
メール活用
直接会うという方法ではなく LINEを活用
友人宅に遊びに行った時も 家と同様に手洗いうがい手に消毒
大声で話をしないよう気をつける
友人に直接会うことをなるべくしないようにしている
大好きなサウナも平日人のいないときだけ
ひたすらステイホームで曲作りに励んでいます
ススキノ厳禁

Withコロナが現状なので、その状況下で生活を前向きにしていくしかないが、Withコロナと思いすぎない。経済を回してゆくことも大切だが、感染者が増えている現状を受けとめ、今まで同様の生活をできる限り継続する。気持ちで負けない。

〔2020年8月21日書き下ろし。老人施設の職員126人のコロナ禍での厳しい自己統制を課した暮らしぶりの一コマ。職員の言葉ですべてつないで、介護現場のプロとしての心意気を伝えたい〕