「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

トマトを食べた

6月5日
ゴーヤーとトマトの苗を買いに
園芸センターに行った
時すでに遅し
腰を痛めて 外に出られなかった
付けがここに回った

売れ残りのわずかな苗たちが
一角に集められ
半額の値札を付けて
処分されるのを待つ
その姿は痛々しい
中から 1本だけ選んだ
それしか めぼしい苗はなかった

庭の片隅に移植し 成長を楽しむ
脇芽を摘まぬと いつもの如く
自由奔放に 枝を伸ばす
その我が物顔の ふるまいがいい
花が咲き 下の方から実を結び
大きくなって 熟すのを待つ
毎日いまかいまかと 焦がれるのがいい

2ヶ月かけて ようやく1個
食べるに値するまでに 成長した
無農薬の赤いトマトを さっと水で洗って
工事中の口の中に 放り込む
甘酸っぱい果汁が 口に広がるのがいい
歯の腫れの痛みを忘れた
ひと坪農民の 収穫の喜び

百円の苗が 観察と世話という
小さな役目を 毎日与えてくれる
大それたことなど 出来るわけはない
隣には枝豆が 小さなサヤをたくさんつけて
中身の子豆を 育てている
夏の終わりには 間に合うだろう
ビールのつまみにと 希望を託すいまがいい
ひと坪農民の ささやかな歓び

〔2020年8月9日書き下ろし。いまは5種類の紫陽花が花の盛り。3本はいただいた切り花を刺したら根がついた。草花は、なにかほっとかれんところがいい〕

歯の改修工事中

今日は、長崎原爆の日。原爆資料館で見た、亡くなった弟を背負い焼き場で順番を待つ少年の姿が焼き付いて、いつも心に浮かびます。原爆手帳を持ったボランティアの師も十年前に逝きました。犠牲者の皆様のご冥福を心より祈ります。核なき世界を希求します。

3月 歯周病に冒された前歯を抜いた
いまプラッチクの仮歯で 体裁を繕う
いずれ 隣の歯二本を削って支える
保険でまかなうイミテーションの歯が入る

歯周病に冒された歯は 
両奥歯上下に及ぶ
口内は 惨状だった
80歳20本というスタンダードな目標は
当然クリアできると豪語していた
でも このありさまで意気消沈

今どきの歯科治療は興味深い
大して役に立っていない親知らずの利活用
抜歯しかない奥歯の後釜に
その親知らずを移植する
その前に歯の根を始末する

若手の腕の確かな
歯周病の専門歯科医が手腕を振るう
根の治療は、移植で抜かれる不要な歯の神経を抜く
抜かれた後の細い神経管に注がれた薬の影が
見事にX線に映し出される
かぶせ物は仮のものだから 固い物は御法度
前歯は 噛み切れず 左右の奥歯も 噛めず
悪戦苦闘しながら 
少しでも噛みたい欲求を満たそうと
残った元気な歯で セコセコと噛むしかない

次はいよいよ本格的に歯周病治療
歯肉剥離掻爬(しにくはくりそうは)
麻酔をかけて 歯肉を剥いで
歯に付着している悪しきものを掻き取る
その後薬を塗って 傷跡を縫う
3ヶ月かけて 上下の奥歯を順番に 
2~3本セットで 1時間の改修工事が続いた
時には あまりの気持ちよさに つい居眠りこいた

さらに 治療は続いた
再生の可能性のある 歯の骨の衰退した箇所に
骨の再生薬リグロスを注入し縫われた
年金生活者には 高価な薬だ
効果は1年後 楽しみが増えた

その治療から 3日目
腫れが引かない
痛み止めを飲んで 我慢する
昨日の夕食は 痛いといいながら
好物のおかずに 食い意地が勝つ
血の巡りをよくすると腫れるから
まだ2~3日は ブクブクうがいは御法度
酒も運動もお風呂も アウト

さて 抜糸後の改修工事
工期は長~い
そうなってしまったことに
深く後悔しながら
少しでも長く 好物を噛める歓びに
少しでも浸ることが出来ればと
希望を胸に 治療台に横たわることにしよう 

毎日3食後と就寝前に 欠かさず歯磨きしてきた
でも歯周病は 知らぬうちに侵略して
口内を占領することだけは 痛いほどよくわかった
こうなってからでは 遅すぎる
くれぐれも 歯の磨き方は
正しく 正しく 磨こう!

〔2020年8月9日書き下ろし。実体験中です。コロナ禍で感染リスクが高い歯科医の真摯な治療には、本当に感謝しています〕 

名より実を

おらほの名は 捨てられぬ
そんなに 後生大事なお名前ならば
家宝の如く 愛でるがいい

おらほのおもいは 変えられぬ
そんな 誰もが忘れたおもいでも
家宝の如く 執着するといい

おらほも 背に腹はかえられない
持参金 たんまり貢いでくれるなら
家宝は打ち捨て 打って出るしかない

煮え切らない 腐れ縁
ちゃぶ台返す 腐れ縁  
コップの中の嵐のごとし 腐れ縁

名如きで グダグダと策を弄する
小さな信念 小さな器の方々に
小同断結の リスク抱えた
アフターコロナの舵取りを
果たして任せられるのか

仲介せし異才の復活こそ 
いとおかしきことなり

※おかしい:興味深い。おもしろい。風情がある。情趣がある。

〔2020年8月7日書き下ろし。壊し屋と異名をとった政治家が最後の闘いに挑む姿を見たい〕

付記
立民、新党名投票受け入れ 国民との合流協議進展も
立憲民主党の福山哲郎幹事長は7日、国民民主党と合流した場合の新党名について、国民側が求めていた投票での決定に応じる意向を表明した。国会内で記者団に述べた。党名の選考方法で意見が対立し、停滞していた合流協議が進展する可能性が出てきた。
党名を巡っては、立民が「立憲民主党」を提案したのに対し、国民は民主的手続きによる選定を要求。さらに同党の玉木雄一郎代表は「無記名投票以外は考えられない」と明言し、2週間以上、膠着状態が続いていた。
国民の小沢一郎衆院議員が6日に立民の枝野幸男代表と会談し、投票に応じるよう説得していた。(共同通信社 2020年8月7日)

SNSと落選運動

通常国会が閉会
トップを切って
資金集めのパーティー開く
3密回避のパーティー会場
挨拶も時間も短縮して 感染対策大丈夫 
アソウ(麻生太郎)ですかと 納得します?

大物たちは
東京の感染拡大 何のその
ニカイ(二階俊博)目の緊急事態宣言が 出ぬうちに
スガ(菅義偉)りつきます 人脈に
いまが稼ぎ時です いましかない!

夜の街 バッジのお陰で歓待受ける
特権階級のお得意さん
感染広がり 「夜の街」と見下す発言
よくもしゃあしゃあ言えたもんだと 呆れてしまう
働く人の 辛苦も知らずに
女性蔑視 労働差別を 平気でなさる
北方領土で 女を買いたいと騒いだ男
接待された 歓び知って
ホダカ(丸山穂高)ら やめられない?

衆議院解散選挙の風向きが
いまは 一時おさまった
シンゾウ(安倍晋三)に悪い不意打ち 何度も食らった
狐と狸の化かし合い
風を読むなど 至難の業です
だからいまから 準備します「落選運動」
SNSを駆使して
政治という夜の街に 光をあてます
政治家という特権階級に メスを入れます

検察庁法改正を 廃案させたSNS
今度は 国民の代表にはしたくない代議士の選別
公選法で 合法の落選運動
政治にうとい 寝た子を起こす落選運動
子どもに 政治への関心を持たせる落選運動
政治も知らんくせにと息巻いた 代議士ら
知ってるもんも知らぬもんも 同じ一票持ってます
油断めさるな ご指名します落選運動

SNSが 新しい世論を創る

※落選運動:特定の候補を当選させる目的の選挙活動は公職選挙法で様々な制約があるが、落選運動は公選法の対象ではない。だから選挙期間外でも運動できるし、年齢制限もなく、選挙権がない18歳未満でも参加できる。ネット選挙の規制にもかからないため、SNSやメールで運動できる。

〔2020年8月7日書き下ろし。この夏じっくり地元選出の政治家が、本当に働いているのかどうかを評価してはいかがだろうか〕

躍動する太陽の子

札幌市内の小中学校
午前授業で 夏休み返上
連日30度前後の中を
クーラーなしで 授業を受ける
3密を避けて
授業も遊びも規制を受ける
放課後のグランド 
子らの姿はない

昼下がりの公園
子らが 三々五々集まってくる
東屋風の屋根の下で カードに集う数人
野球もどきの三角ベースで 広く場所を占領する数人
サッカーボールを蹴り合う数人
築山を駆け回って鬼ごっこに興じる いくつかのグループ
1年生から6年生まで 
行き場のない子らは みんなここに集まる
ブランコには 幼児の背を優しく押す
若い母親らも交じる
駐車している車中には 
外回りの営業マンが つかの間の午睡に沈む

ごくありふれた 夏の昼下がりの公園
学校で思いっきり遊べないストレスを
ここで 思う存分発散する
密着を避けるように 上手に動く子ら
元気に歓声をあげて 走り回る子ら
暑い陽ざしの下で
太陽の子になる

コロナ禍の想い出詰めて
短い北の夏に 
太陽の子のいのちが 
眩しく躍動する

〔2020年8月6日書き下ろし。広島の夏空を思い出しながら、コロナ禍でも外で元気に遊ぶ子らの姿に健康と世の平和を祈る〕

妖精さん

妖精さん
巷(ちまた)で こう呼ばれている
別称 働かないおじさん

若いときに 安月給に耐えて
企業戦士として 会社に貢献
その見返りに いまの処遇が約束された
ちょっとみ 正当論
周りは不服で 見下し論

企業の終身雇用と年功序列(給与体系)
多くは成果主義にシフトして
崩れてしまった
終身雇用も年功序列も
雇うリスクは 労働意欲と相まって
ただただ大きくなるばかり

秋には決まる 公務員65歳定年延長
ここに巣くう 妖精さん
してやったりとしたり顔
働くそぶりして 血税で生活安定
その席当分あかず 
役所は 妖精さんたちで老害化
若者は 就職難で生活困窮化
人生設計ままならず

教育公務員
終身雇用で年功序列の好待遇
定年まで 身分保障はバッチグー
忙しいといっては 責任回避の妖精さん
本も読まずに 教育語る妖精さん
子どもを知ったかぶりする 妖精さん
コロナ禍で 益々はびこる妖精さん

身近に妖精さんしている人いませんか?
すでに妖星化しているかもしれません

※妖星(ようせい):災害の前兆と信じられた,あやしい星。彗星 (すいせい)や大きな流星などをいった。

〔2020年8月3日書き下ろし。終身雇用、年功序列が残るそのシステムがしぶとく生き残る企業の中で中堅どころの40代50代のおじさんが働いている様子もなく それなりの給料をもらって妖精さんと呼ばれている。公務員と公立学校教員も、妖精さん化して職場で幅をきかせていませんか〕 

正直にある

正直は
裏切りの対価

正直は
背信の悔恨

正直は
慢心の非倫理

忖度せし者たちよ
正直者への冒涜 許しがたし

忖度せし者たちよ
地位を利用した圧迫 許しがたし

その口を塞ぎし者たちよ
犠牲者の死を悼まぬ非情 許しがたし

その口を塞ぎし者たちよ
真実の代償に出世させた魂胆 許しがたし

正直であるがゆえに
悩み苦しみぬいて 自死した者の
その真実とその存在は
否定されてはならない
 
不実な者たちを 
白日の下にさらし
正直にあるがゆえに 
真実を貫く 
不義を裁く

〔2020年8月3日書き下ろし。森友事件で夫の死の真相を究明するため、妻赤木雅子さんが起こした裁判が始まっている。裁かれし者たちの弁明は正直になるかどうかだけだ〕

みんなと同じじゃないといけないですか

みんなと同じっていい
何も考えなくていい 
誰かについて行けば それでいい
誰かの話に相づち打てば それでいい

みんなと同じっていい
中学生は 
特に 同じじゃないといけないって
考えるお年頃
中学生は
特に 目立ってはいけないって
思うお年頃

みんなと違っていいわけない
中学生は
周りの空気を読み取る学習中
中学生は
集団指導で空気を読まされる学習中
中学生は
空気を読まなきゃ 空気を感じなきゃ
これからずっとしばかれる

先生 みんなと違っていいわけない
一斉指導がやりにくい
個性尊重は建前で 校則指導でしばきをかける
違う子相手は 徒労の元凶
みんなと同じでいいと思う 生徒が気楽でいい
みんなと同じじゃないといけないと 思い込ませて
従順なお気に入りの生徒で 空気を作る
進路指導で評判取るには 好都合

わたし みんなと違っていいわけない
クラスで うきます
クラスで 面倒くさいと避けられます
クラスで 一緒になにもできません
クラスの先生 無言で容認します

でも
やっぱりみんなと違っていいんです
先生や同級生の空気を読んで
自分を押し殺すと 窒息します

だから
みんなと違っていいんです
こころ呼吸 思いっきりします
わたしは わたしという人を生きます

いま
みんなと違っていいんです
だれでもない わたしなんだから
生まれてきたことの意味に 
目覚めた 中学生のわたしです
生きるということの意味に
悩み始めた 中学生のわたしです

先生
みんなと同じじゃないといけないと
思わせているのは あなたです
わたしは
あなたの思いとは違うことを
わたしを生きることで 明かします

大人になりかけている
中学生のわたしです
 
〔2020年8月2日書き下ろし。中学生の教師への反骨心を刺激したい。みんなと違うひとりの人間存在としてのわたしを感じてほしいだけです〕

ジャブジャブ

ジャブジャブ 
降ってきた
ジャブジャブ ジャブジャブ 
浴びてみたい
ジャブジャブ ジャブジャブ ジャブジャブ 
このままいたい

ジャンジャン
災害復興の札束が 舞い上がる
ジャンジャン ジャンジャン
過剰な接待を 求めてやまない 
ジャンジャン ジャンジャン ジャンジャン
湯水のように湧き出し 歓喜する 

ルンルン
大手が 下請け差配する
ルンルン ルンルン
上納しないと 下請け外す
ルンルン ルンルン ルンルン
喜び勇んで 分け前に群がる

バレバレ
大手がいままでもしてきたこと
バレバレ バレバレ
大手は下を切れば お咎めなしか
バレバレ バレバレ バレバレ
お役所の監督機能が 不能不全だと

ガツガツ
災害列島 儲けに走る大企業
ガバガバ
災害列島 官庁なめて手にする儲け
ウハウハ
災害列島 助けるのは大手企業優先か
ヘラヘラ
災害列島 悪事発覚すれば しばらく謹慎
ホトホト
災害列島 泣くのはいつも 被災者と貧しき者たち

〔2020年8月1日書き下ろし。大手ゼネコンばかりが儲ける構造、地元企業の恩恵は薄い実態をいつも知らされる。コロナ禍で、湯水のように血税を投入する政策も、電通絡みで発覚する。今回チェックするのが環境庁?〕

付記
復興事業裏金、4社調査 環境省
東日本大震災の復興事業を請け負ったゼネコン支店幹部らに提供することなどを目的に、複数の下請け企業が裏金作りをしていた問題で、田中和徳復興相は31日の閣議後会見で、「大変な事実なので、環境省に事実の把握を徹底するよう要求した」と述べた。環境省は朝日新聞の取材に、ゼネコン4社へのヒアリングを進めているとしている。
ヒアリングを受けているのは、清水建設、安藤ハザマ、鹿島、大成建設(いずれも本社・東京)の4社。朝日新聞の取材で確認した裏金は少なくとも1億6千万円にのぼる。鹿島は、復興事業関連工事に従事した社員1人が2014~18年、協力会社から過剰な接待・供応を受けていた事実が判明、今年3月に懲戒解雇処分としたことをホームページに29日付で公表した。(朝日新聞2020年8月1日)

祈りの花火

札幌も いつもの夏なら
週末の夜には どこともなく
花火の音が していた
ベランダから 
小さな花火の輪が 見える夏もあった

コロナ禍は 夜空を彩る花火の
豪快で繊細な光と音の演舞を消した
コロナ禍は 夜空を見上げる花火に
興ずる歓声と感動を葬った
コロナ禍は 夜空の静寂を破る花火で
世の災いを打ち払う祈りを妨(さまた)げた

いつもの8月なら 
老人福祉施設の前庭は
地域と合同の夏祭りで 賑わう
でも 中止された
地域とのつながりは 
こんなことで奪われない
感染予防で頑張った利用者 職員 
お世話になった地域の方々への感謝を込めて
今夏も 花火を打ち上げる

コロナの収束と 無事を願った花火は
前庭に集まることなく 家々から見るだろう
利用者にも職員にも そして地域にも
ありがとう! 
がんばろう!
まけないぞ!
そんなおもいの和と輪を広げる
花火の美しい光と音の競演に 
熱く拍手を贈りたい

願うは 笑顔の連帯
祈るは 地域との共生・共存の約束

〔2020年7月31日書き下ろし。「和顔愛語」のおもいをこめて施設で今年も花火を上げる。夏休みの子どもらへのささやかなプレゼントになればいいな〕