「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

始動

新しきことが始まる
新しきことを始める
新しきことは始まった

用意はいいか
合図を出せ
始動の響きが心に伝わる

動いてこそ見えることがある
動かねば分からぬことがある
動かしてこそ試されることもある

己の古き道標を外さねばならない
己の道ゆえに始めねばならない
己の描く新しき道に踏み出そう

夢への始動は喜びである
夢への始動は己を悟り知る
夢への始動は世界の鼓動に共鳴する

新しきことは小さきことから始まる
新しきことに心躍らせるのがいい
新しきことが新たな世界を開いていくだろう

始動せよ
既成概念からの離脱
始動せよ
固定観念からの解放
始動せよ
新たな価値の創造

〔2022年3月15日書き下ろし。孫の二十歳の誕生日の祝詩。そして「世語り」の〆の詩編を贈ります。長い間ご愛読頂きありがとうございました〕

皆殺し宣言

人道回廊の為の停戦中に産科・小児科病院を爆撃した
女児ら3人が死亡し医師や出産中の女性を含め17人が負傷した

なぜ攻撃したのか
「ウクライナ軍が病院内で戦闘配置に就いていたせいだった」と強弁
「爆撃直後の動画では、明らかに患者とスタッフしかおらず、妊娠した女性たちが担架で運ばれていた」と非難

無差別攻撃の魔の手は誰でもどこでも勝手放題
爆弾持ったきちがいたちはゲーム感覚でぶち込み遊ぶ
被害が甚大になろうが殺人鬼にはお咎めなし
国家がすべて抗弁する

無差別攻撃は高揚し化学兵器を使用可か
ガスマスクを装備した途端に効率よく排除するだけ
避難しない市民は皆殺しと宣言済みだ
国家の命令にニヤニヤしながら従うだけの兵士たち

軍隊は善悪を判断する集団ではない
上部の命令に自ら従うことだけ
上部の狂気を自らの狂気にして戦うだけ
上部の野望を自らに課して命をかけるだけ
上部の判断を自ら最善と思い込まされるだけ

軍隊は命令一下戦う集団でしかない
戦線離脱は許されない
命令拒否は軍法会議で厳罰が待つ
悪魔の手先に豹変し生き血を求める
疑心は封印して人殺しに加担する

皆殺し宣言下戦果を求める集団でしかない
戦線は非人間的な輩が命を奪い合う場と化す
戦場は非人間的な輩の縦横無尽な人殺しの場と化す
戦果は非人間的な輩の胸を飾る勲章の評価の場と化す

〔2022年3月10日書き下ろし。書いても書いても書いても…書いても、この怒りは言葉を綴り続けるしかないのか〕

付記
ロシア軍が停戦の時間中に病院を爆撃 気温は氷点下4度
…負傷した赤ちゃんは凍死の恐れも、ロシア側は認めるも”強弁”
ロシアによるウクライナ侵略開始からちょうど2週間が経過した9日、ウクライナ政府は南東部マリウポリにある産科・小児科病院がロシア軍に爆撃されたと発表した。「市民を退避させる人道回廊を開くため合意した停戦のはずの時間中だった」と非難しており、同市当局が公表したところによると、出産中だった女性を含めて少なくとも17人が負傷した。
英紙デーリーメール(電子版)は「爆撃による“ジェノサイド(民族大量虐殺)”で、生存者を捜す絶望的な闘い。気温は氷点下4度まで落ち込む中、レスキュー部隊はがれきをかき分けている。負傷した赤ん坊たちは、凍死の恐れがある」と伝えた。
マリウポリ市が公表した動画では、3階建ての複数の病棟は窓ガラスが全て割れ、中庭の地面は爆撃でえぐられた深さ8メートルの大穴が口をのぞかせている。赤子を抱いた女性が泣き叫び、放心状態の少女は顔面が血だらけだ。
ロシア外務省の報道官は病院の爆撃を認めた上で「ウクライナ軍が病院内で戦闘配置に就いていたせいだった」と強弁したが、英BBC放送は「爆撃直後の動画では、明らかに患者とスタッフしかおらず、妊娠した女性たちが担架で運ばれていた」と非難した。
首都キエフの西にあるジトーミルでも2カ所の病院が爆撃を受け、ウクライナでは、侵略開始から既に18の保健医療施設などが爆撃を受けたことが世界保健機関(WHO)で確認されている。(中日スポーツ2022年3月10日)

3・11と核施設への攻撃

チェルノブイリ原発が最初に占拠された
欧州最大級のザポリージャ原発が制圧された
核物質を扱う研究施設も攻撃された

ザポリージャ原発の職員の必死の館内放送が耳に残る
「撃つのをやめろ」「全世界が危うくなる」
ジュネーブ条約を破り 原発への攻撃を正当化する

地球とすべての生命を人質にした想像を絶する蛮行悪行である
放射能が森と土と海を汚し地球の命を蝕んでいく
核の傘は存在しえない妄想であることを知らしめた
ロシアの侵攻は自国民すら危険に晒す人類史初の暴挙である

プーチンの暴走は誰にも止められない
スターリンに憧れる暴君は亡国へと扇動する
国連の決議も経済制裁も戦争を止める圧力にならない
外野の声に混じる己の無力さを恥じながら
一刻も早くこの戦争に終止符と祈るばかりだ

ロシア革命の血を受け継ぎし者たち
日露戦争敗戦による権威の失墜が「血の日曜日」事件を招いた
ストライキ運動の弾圧は さらなる抗議ストは全国に波及する
ポーランドとバルト海沿岸地方での激烈なストと街頭デモで
多数の死傷者を出した歴史を忘れてはいまい
農村でも闘争に立ち向かい 戦艦ポチョムキン号の反乱は軍をも動かした
1905年革命が最高潮に達し「十月宣言」がなされた

ロシア人よ 真実に目をつぶってはならない
拘束を恐れることなく 反旗をひるがえす者たちの勇気こそすべて
地球の危機を救うのは欧米ではない
ロシア人の為すべきことは反戦の拡大しかない

3・11福島原発のメルトダウンの事故は風化させてはならない
3・11の教訓をいまこそ世界に発信しなければならない
ロシア人に独裁者の非道を許さぬ断固とした行動を促すために

労働者よ団結せよと 革命戦士たちはシュプレヒコールを全土にあげた
独裁者の許し難き虐殺に 反戦のシュプレヒコールをあげよ
心あるロシア国民よ 世界と連帯しシュプレヒコールをあげよ
核の脅迫から 命と未来を守るシュプレヒコールをあげよ

〔2022年3月10日書き下ろし。核の脅威とその影響を知る日本だからこそ、プーチンの蛮行悪行は断じて許し難い〕

国を捨て逃亡するロシア人

プーチンの支持率71%
国営放送を丸呑みする国民は扱いやすい
海外情報遮断して情報操作はお手のもの
反戦デモの参加者は13,000人も拘束された

フィンランドに逃げ出す列車が満員だ
ロシアにいては危ない危ない
財産捨てても命と心は捨てられぬ
ロシアにいてはプーチンに隷属するしかない
覚悟の国外脱出いましかチャンスはない
ロシアはすぐに国境閉鎖して厳罰を科するだろう
異常で容赦ない侵攻が核施設への砲撃すら容認する
ロシアを捨ててこそ人間証明の行動となる
戦火から逃げ惑う者たちの苦しみを享受する

旧ソ連のスターリンの大粛清は繰り返された
ロシアの国際的信用はすでに回復不能だ
プーチンの蛮行は世界から猛烈な非難を浴び裁かれていく
ロシア人への嫌悪感と不信感が日々増幅される

ロシア人の良心を弾圧するプーチン
ロシア人に国を捨て絶望に陥れるプーチン
ロシアからの逃亡者は決して許さぬプーチン

それでも列車が動いている限り逃げよ
スパイが中に紛れていても逃げよ
かくまう国は助ける民はきっといる
黒歴史から逸脱する証言者として逃げよ
悪しき政治を告発する者として逃げよ
報復を恐れず逃げおおせよ

〔2022年3月9日書き下ろし。海外への移動はこれから禁止されるだろう。国家統制が自国民により縛りをかけていく。逃亡も強い抗議行動である〕

付記
フィンランド行き列車は連日満席
ロシア西部サンクトペテルブルクからフィンランドの首都ヘルシンキに向かう国際列車には連日、およそ700人のロシア人乗客が詰めかけ、満席の状態が続いている。フィンランドの交通運営当局によると、侵攻開始以前にはこの路線はほとんど空席だったという。欧州連合(EU)とロシア間の航空便の運航が停止されたためとみられる。
また、フィンランドのほか、国境を接する隣国エストニアやラトビアに向かう車が数百台に達し、国境で長い車列を作っているという。(ロイター2022年3月8日)

ウクライナで8000体分の遺骨発見 旧ソ連のスターリン「大粛清」の犠牲者か
ウクライナ南部オデッサで、旧ソ連の独裁者スターリンによる「大粛清」の犠牲者のものとみられる5000~8000体分の遺骨が発見された。地元当局が25日、明らかにした。
地元当局高官によると、旧ソ連国家保安委員会(KGB)の前身である内務人民委員部(NKVD)の手で、1930年代に処刑された人々と考えられる。空港の敷地拡大計画の一環で始まった予備調査で発見されたという。犠牲者の国籍などは明らかでない。
ウクライナの歴史家の推計によれば、30年代の抑圧ではウクライナ人数十万人が収監されたり、処刑されたりした。(JIJI.COM2021年8月26日)

足りない足りない

足りない足りない
何足りない?
なる人足りない
やる人辞めてく

足りない足りない
何足りない?
あんたの笑顔がぎこちない
わたしの動きはもの足りない

足りない足りない
何足りない?
こぼすばかりで動かない
あきらめばかりで変えられない

足りない足りない
何足りない?
おもいを伝える場が足りない
わかり合える場も足りない

足りない足りない
何足りない?
知識も経験も時間も足りない
それより相手と会うのが足りない

足りない足りない
何足りない?
やる気があっても体力足りない
課題に挑む気力が足りない

足りない足りない
何足りない?
人を育てる場が足りない
人が育つ機会が足りない

〔2022年3月7日書き下ろし。単位民児協役員研修でこの即興詩を導入に使った。組織として、個人として、いま何を求められているのか考えるワークショップ〕

財産を守れオルガルヒ

あぶく銭を懐いっぱい貯めたオルガルヒ
この世の春を謳歌するオルガルヒ
政商の甘い汁を思う存分味わうオルガルヒ

世界から経済制裁をもろに受けたオルガルヒ
杞憂は杞憂にあらず身に迫ってきたオルガルヒ
財産を凍結され没収を怖れるオルガルヒ

身を委ねし者は世界の極悪人となった
ロシアの黒歴史を賑わす戦争犯罪人となった
連座するリストにオルガルヒも挙げられた

オルガルヒよ
裏切りの手のひら返しの得意技を見せよ
ルーブルの急落なんか屁のかっぱだろう
まずはドルで財産を死守せよ

オルガルヒよ
政府の転覆などどうでもいい
戦争に巻き込まれたなら逃げる算段しかない
勝てばいつもの倍を積めば無罪放免となる

オルガルヒよ
飛行機だろうヨットだろと差し押さえろ
生き残りを賭けた戦いはまだまだ序の口
金の匂いを嗅ぎ分けた処世術を発揮せよ

オルガルヒよ
成り上がり者の酷評は無視せよ
金は唯一の身分補償と心得よ
いまは捨て金と割り切って生き延びよ

オルガルヒよ
裏切り者と罵られてもひるむことなかれ
それが己の生き方と隠すことなかれ
金に生きることこそ本望と見栄を切れ

オルガルヒよ
いまこそ社会への恩返しとポーズせよ
惜しげもなく慈善もどきの金をばらまけ
既得権を投げ出すふりして世論にすり寄れ

オルガルヒよ
知恵は授けた
あとはうまく立ち回り生き延びよ
没落の憂き目にあわぬようベストを尽くせ

※オルガルヒ:寡頭政治を意味するギリシャ語の「オリガルキア」をロシア式に表記した言葉。1991年のソ連崩壊後、国営だった石油・金融企業がグローバル化と民営化の風に乗り、巨大財閥に成長し、ロシアの政治と経済を独占・寡占し始めた。プーチン大統領の統治に積極的に協力し、自分たちの既得権を維持・拡大するオリガルヒは、ロシアを実際に思いのままに操る支配階層だ。

〔2022年3月6日書き下ろし。オルガルヒたちの反逆もありか〕

戦争犯罪人を裁く

今世紀最悪のテロリストはいったい誰か
テロリストを野放しにするのか
テロリストを断罪したのは誰か
テロリストを暗殺した倫理とは何か

政敵を暗殺してきたテロリスト
ウクライナの指導者の暗殺を企てるテロリスト
暗殺を恐れ安全地帯で生息するテロリスト

ウクライナに侵攻したテロリスト
ロシア軍隊を統帥するテロリスト
粛正すべきテロリストはロシアを乗っ取る

ロシア国民よ
プーチンに騙されるな
ロシア国民よ
真実を見極めよ
ロシア国民よ
テロリストの汚名を破り捨てよ

ロシア国民よ
無垢なる者たちの尊い犠牲の上に幸せを求めるのか
ロシア国民よ
虐げられているのはあなたたちだ
ロシア国民よ
過去にテロリストが栄えた国はない

ロシア国民よ
テロリストからロシアの国と民を奪還せよ
テロリストに奪われた平穏と自由を奪還せよ
テロリストが巣くわぬよう悪政を正せよ
テロリストを拘禁し世界の恐怖を一掃せよ

テロリストは戦争犯罪者として裁かれなければならない

〔2022年3月5日書き下ろし。プーチンこそテロリストである。ロシア国民は断じて容認してはならない。過去の世界大戦でアジアを貶めた日本人と同じ轍を踏んではならない〕

公認テロ行為

「平和か侵略か、正義か強者の願望か、行動か見て見ぬふりか」
(1日午後、米ニューヨークの国連本部。ウクライナ危機をめぐる緊急特別会合開催での、ドイツ・ベアボック外相の演説から)

無差別に殺戮する
市民は驚愕し震えおののく

無差別に破壊する
平穏な暮らしを爆破する

無差別にテロを起こす
武器を持たぬ者を平然と殺傷する

テロリストは正義をかざした
敵対する国と民を容赦なく攻撃する

テロリストは臆病者だった
敵対する国と民に疑心を抱き陰に隠れた

テロリストは妄想者だった
敵対する国を支配する強欲に駆られた

テロリストは嘘つきだった
虚実を混ぜながら厳罰を以て信じ込ませた

テロリストの戦術は巧妙だった
核をちらつかせ原発を手にして脅しをかけた

テロリストの言い訳は子ども騙しだった
恥ずかしく情けない姿をいまもさらけ出している

〔2022年3月5日書き下ろし。ロシアは国家の体を為さないテロリスト集団である。重大な戦争犯罪人たちである〕

反戦の声を

反戦の声を誰もがあげよ
反戦の声で大地を揺るがせ
反戦の声で犠牲者を悼もう

人間である証の声をあげよ
平和を求める証の声をあげよ
即停戦を求める証の声をあげよ

ミサイルで都市を破壊する
戦車で強引に押しつぶす
瓦礫の中で抵抗する者たちの声を聞け

ミサイルで市民を殺戮する
核を使うと脅しをかける
前線で命をかけて防衛する者たちの声を聞け

ミサイルが無垢なる命を奪う
無差別攻撃を狂ったように仕掛ける
亡骸を抱いて涙する者たちの声を聞け

ミサイルの砲撃は容赦なく続く
生きながらえても次の恐怖をじっと待つ
怯えながら救助を待つ戦火の子らの声を聞け

反戦の声を世界中に響かせ
反戦の意思を世界中に示せよ
反戦の連帯を世界中に広めよ

〔2022年3月4日書き下ろし。怯えながらいる子らが無事であるように祈るしかないのか。国連総会のロシアへの即時撤退の決議はほんの始まりにしか過ぎない〕