「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

虚脱感が襲う

一年間取り組んできた執筆も
ようやく最終章を書き終えた

充実感や達成感以上に
なぜか虚脱感が襲った

気持ちと書く手が空回りした
こころが置いてきぼりを食っていた

詩を書く気力は湧き上がらなかった
創作を避けるように気を紛らわした

空腹感はさすがに我慢できなかった
寝不足は満腹感を受け入れ午睡した

夕方ようやく回復の兆しを感じた
でもキーワードは浮かんでこなかった

出張中に溜まった資料の整理を優先した
一抹の期待を込めて集中した

心に引っかかることは何も起きなかった
世相の動きにも鈍感になっていた

はたと気づいた
この虚脱感を書くべきだと

安直な発想で書き出した
いまの心境を印しておくのも悪くない

勝手な解釈は納得するに足りた
明日感度が戻ることをいまは願おう

〔2021年11月13日書き下ろし。何か不思議な感覚だった。一つ終わると次のことが待っている。明日は約束したことの準備がある。だからいい骨休めの一日となった〕

町民フォーラムの準備

町社協がつくる地域福祉実践計画 愛称「あずましプラン」
昨夜町民主体の 第3回の策定委員会が開かれた
地域から 町民や福祉施設・農協・商工会・NPOなど
19名が委員の委嘱を受けて14名が参加した
オブザーバーに施設と行政から4名委嘱され3名が参加した

第3期の5カ年計画づくりは 前期の継続事業の検討から始まった
この10年で町民とつくる地域福祉事業は ずいぶん充実してきた
ただコロナの流行でこの2年 多くの事業がストップしてしまった
昨夜の会議も ようやく議論できる状況にまで回復してホッとする

来る20日 2年ぶりの町民フォーラムを開催する
従来アンケート調査や住民座談会を開いて町民の声を集めてきた
アンケート調査は町が実施した「介護予防・日常生活状況調査」を活用する
住民座談会は時期を失い このフォーラムでその声を聴くことにした

フォーラムの参加者は会場の広さを勘案して50名を想定した
6名のグループを作り 10のテーマに沿って協議する
進行と記録するのが 委員の役目となる
どのようにグループワークを進めるのか 
不安を払拭するため シミュレーションを組み込んだ

協議したい10の地域課題は すでに委員会で承認されていた
自由勝手なしゃべり場づくり
有償性の実現の可能性
コミュニティの繋がり方
助けられ上手お互い様づくり(防災を含む) 
介護保険の活用の仕方
町民の福祉教育の充実 
新しい拠点作り(あずまし食堂等の運営方法)
サロンづくり(町民の主体的運営)
法的サービスだけではなく相互扶助的な関係づくり
社協の限界(地域の福祉課題の把握 人と財源問題)

テーマを設定した理由の その一つひとつが協議の柱となる
これらの中からグループで2つ選ぶ
すでにこの段階でわがまちの地域福祉の問題が共有される
さらに2つを選ぶ作業を通して関心度の高さを掌握できる

一般の参加者がすぐに理解して選ぶというのは難しい
でも関心のあるテーマは 直感で選ぶことはできるだろう
協議を始めればきっと入り込んでしまうと経験上確信している
あっちに行ったりこっち来たりと 話はきっと弾むだろう
コロナのおかげで 集まり話す場と機会を1年半も制限された
フォーラムは腹の底から思いっきりおしゃべりできる解禁日
形式張らずに テーマについて考えてもらうのが一番だ
会場は 分散させて感染対策に万全を期す

さっそく委員に グループワークについてレクチャーする
落とし所は「どんな地域に住み暮らしたいのか」
そのためには〈わたしは〉〈わたしたちは〉〈地域は〉〈社協は〉〈行政は〉
〈何をするのか〉〈何ができるのか〉〈どんな支援が必要なのか〉
〈こうしたいという〉いう提案(欲求)
〈こうありたい〉という希望(願望〉
いろいろなおもいを語り合ってほしい
ただし一人で時間を独占することがないよう
当日は事前にルールを示すことにする

さらにひとつにまとめる必要はないと 付け加えた
記録だけは ポストイットで残してほしいとお願いした
模造紙に貼られた意見は後日カテゴリーに分けながら処理する
そこでテーマ別のよる全体の意見が集約され明らかにされる

シミュレーションが始まった
実際に進めてみると課題も見つかった
まず2テーマを選択するには時間が足りない
後ろに用意した時間を削って 70分とした
選択のためには テーマの解説が必要不可欠
当日ファシリテーターのガイダンスの際に
自分が関心のあるテーマを チェックするよう指示をする
それから グループでの選択に臨むよう指示しよう
移動の時間も必要 10分足さざるを得ない
最後のグループ発表に15分 合わせて95分となった
当日委員は12時集合するから しっかり流れを確認しよう

話し合いは 楽しかったようす
終わった後 名残惜しそうにしていた 
会議の事前打ち合わせの時には心配していた委員長 
大丈夫だと 手応えを感じて帰っていった

ここに市民福祉教育の現場がある
福祉課題と向き合い地域を学ぶ
どのように人とつながり暮らすのかを考える
福祉でまちづくりをめざす計画づくり
20日の町民フォーラムは 大事なスタートラインとなる

〔2021年11月12日書き下ろし。北海道空知管内月形町の地域福祉実践計画づくりは、策定委員のモテベーションが頼りである。楽しく頑張ってくれることを信じている〕

学ばぬ者は

学ばぬ者は
事の本質を知らず
学ばぬ者は
事の本質を知らされず
学ばぬ者は
事の本質を知るよしもない

知らぬままに生きる
知る機会もないままに生きる
知る人とも出会わずに生きる

処世術
何も分からず
何も知らずとも
さも分かったフリをする

処世術
よく分からないんですが
よく知らないけど
枕詞を置いてしゃべり出す

処世術
まるで分かっているが如く
まるで知っていたが如く
知ったかぶりを発揮する

知らないことは恥ではない
学んでいけば済むことだ
知ったかぶりがバレたなら
学ばぬことの恥をさらす

無恥を上書きして生きてきた
その事実を突きつける
学生たちは直ぐさま反応
納得づくで意識を変える

大学は知識の注入機関にあらず
人間の生き方とあり方を問い迫る
福祉教育は意識変革学習を求め続ける

〔2021年11月11日書き下ろし。昨日市内の大学でゲスト授業をした。福祉で学生に向かって行く導入部分である〕

ノー天気

この人にして反省なく
惨敗は必然だった
参議院選まで持たぬ者をまだ担ぐ
この人ありて組織が見えた

この人にして懲りることなく
惨敗の原因はここにもあった
参謀は狭い世間しか知らなかった
この人だからこそ組織が潰れた

この人にして空気が読めず
惨敗は巷と時の信用度だった
指導層の不信を払拭できなかった
この人だからこそ組織が持たなかった

この人にして危機感が薄く
惨敗は戦略の失敗だった
有能な次期の指導者を葬った
この人に選挙は任せてはならなかった

この人にしてこだわりが強く
惨敗は党首の器の大きさだった
神輿を担いだ人材もよく似ていた
この人たちだからノー天気がよく似合う

〔2021年11月9日書き下ろし。立憲民主党の福山哲郎幹事長、衆参両院議員総会の終了後の会見のコメントの感想。これでは立ち上がれない。ガンバレ立憲!〕

たったこれぽっち

0・10ヶ月分減で3・25ヶ月分
雀の涙ほどで さもさもらしい
給料と報酬は 据え置く
政務活動費には 手は付けぬ
国に準じて答申するだけ
特別職報酬等審議会はお優しい

この2年 道会議員は何をした
この2年 国の補助金おんぶに抱っこ
この2年 バッジで税金食ってきた

何もせずとも 無駄な税金出て行くばかり
何もせずとも 大枚稼いでふんぞり返る
何もせずとも 議会で座れば報酬入る

たったこれぽっちで 腹はどこも痛まない
たったこれぽっちで 腹を探られることもない
たったこれっぽちで 吾は腹に据えかねる

〔2021年11月8日書き下ろし。アホらしくて言葉を失う。緊急事態で道議会が果敢に動いた記憶はない。こんな程度でお茶を濁すか〕

付記
知事らボーナス2年連続減 道審議会答申 給料・報酬は据え置き
道の特別職報酬等審議会(会長・田村智幸弁護士)は8日、知事や道議ら特別職の本年度の期末手当(ボーナス)について、2年連続で引き下げ、0・10カ月分減の年間3・25カ月分とする意見を鈴木直道知事に答申した。給料と報酬は据え置きが妥当とした。
国は本年度、新型コロナウイルス流行による民間企業の落ち込みも踏まえ、大臣ら特別職は0・10カ月分減、一般職員は0・15カ月分減としており、道の特別職もこの水準に合わせた形だ。道の一般職員については、道人事委員会が10月に本年度の期末・勤勉手当を平均0・15カ月分引き下げる勧告を出している。(北海道新聞2021年11月8日)

コクワ酒を造る

コクワが2キロ半 十勝から届いた
去年は コクワ酒をもらった
今年は 現物がやってきた

いまでは山深く入らなければ 手に入らない
羆やエゾシカとの争奪戦ともなる 奥山の貴重な果実
甘く香り豊かな山の幸
キウィフルーツのスモールサイズ

さっそく 果実酒にする段取りを始めた
容器を買ってきたら 小さくて取り替えに走った
焼酎ではなく ブランデーにトライした
氷砂糖は控えめにして 大人の味にする

コクワの茎を取り 水洗いする
キッチンペーパーで 十分水気を吸い取る
熱湯消毒した5リットル容器に入れる
果実酒用のブランデーを3リットル入れる
氷砂糖を入れて蓋をした

3ヶ月で実を取り出して
半年かけて熟成させる
春にはうまいコクワ酒が飲めそうだ
納戸で静かにその時を待つ

採取された方の労苦を忍び 感謝しかない
こんな貴重な酒は 一人で味わってはいけない
山の神の恵みを ともに分かち合う人がいて
振る舞い酒は 心の芯まで楽しく酔わせる

※サルナシ(猿梨、学名:Actinidia arguta):コクワとも呼ばれる。日本、朝鮮半島及び中国などの低山に見られるツル性の木。他の木や岩に絡んで生い茂るように育つ。実は小さな梨のようで、猿が好んで食べるためサルナシと名付けられた。

〔2021年11月7日書き下ろし。山の神の恵みをいただくには、まていに始末することで自然への畏敬の念を示すことかと〕

為すことで事を成す

為すことにはわけがある
成された結果は偶然の産物ではない
成されたことにもわけがある

為すことにはめあてがある
成された結果がすべてではない
しくじりにもわけがある

為さねばならぬことには覚悟がいる
為すべきことには決着をつける
為してはならぬことは後悔が残る

事を為すしか解は得られない
事を為すしか納得できない
事を成してこそ生きた心地がする

自ら為すことで事を成し得た実感
上手くいかなくともやり遂げた実感
人はいつも小さな企てを続ける

それは生きていることの確かめ
それが生きていくための宿題
人はいつも小さな問いを持ち続ける

〔2021年11月7日書き下ろし。いま為すことにどれだけ自分を注入しているのか? 小さな問いはずっと続く〕

なまらいいBIGBOSS

新庄剛志
日ハムFIGHTERSの監督就任
なまら面白くなってきた

常識外れの奇抜なパフォーマンス
ド派手な格好で度肝を抜く
なまら計算されたインパクト

低迷する日本プロ野球界
「夢はでっかく、根は太く」
なまら心にビビッと響いた

記者会見は新庄節で大爆笑
監督就任の場は陽気が満つる
なまら元気が注入された

理論経験未知数だからと冷評する
言いたきゃ好きにしておくれ
なまら期待も夢も膨らんだ

フロントの英断に勇気をもらう
未知数のタレント性に魅力満載
なまら危機回生の勝負と出た

ビッグボス 新庄剛志
野球への純粋な情熱に圧倒された
若い選手の持ち味をきっちと引き出す
なまら筋書きのない采配にドキドキしたい

ビッグボス 新庄剛志
コロナと政治でよどんだ空気を一掃する
北海道に帰ってきてくれてありがとう
なまら嬉しいビッグニュースとなった

ビッグボス 新庄剛
なにか仕出かすオーラを放つ
掛け値なしにまっとうさを受け入れた
真っ直ぐに応援したくなる男
なまらテンション上がった

ビッグボス 新庄剛志
これからお手並み拝見します
ニュー球場のオープンゲームまで
なまらワクワク感がつのります

〔2021年11月6日書き下ろし。ガンバレ!〕

上司のストレス

頑なに同じ失敗を繰り返す
何度も書き直しをさせられる
なぜか指示が理解できない

頑なにこだわりミスを繰り返す
何度も思い込みを指摘される
なぜか解釈が人とは違う

仕事の始末が遅い
事務処理が上手くない
周りが振り回される

難しい仕事ではない
報告書を複雑にする
モチベーションは互いにダウンする

付きっきりで指導する
時間も手間も半端ない
育てることのしんどさを引き取る

何度も繰り返される顛末に
根気比べも根を上げそうだ
上司はストレスを溜める

些末なことに時間が食われる
いまは大事な仕事を優先したい
上司はストレスにじっと耐える

〔2021年11月5日書き下ろし。どう指導したらよいのか上司は悩む。ストレスを抱える上司にはいまはけ口が必要だ〕

不気味な空気

当選した代議士の顔写真
一番お気に入りを出したのだろうか
こうも並ぶと何だか不気味だ
一癖も二癖もある顔が国を牛耳る

あんたはなっちゃいけないお人
落選したのに比例当選?
いまもよく分からぬ不気味なシステム
偉そうにいけしゃあしゃあとバッジを付ける

選挙に負けて責任取ります
党の代表下りれば顔のすげ替え始まる
挙がった不気味な候補の顔ぶれからも
党の体質改善奨励したい

失敗した
不気味な最高裁裁判官の国民審査
沖縄の辺野古新基地建設の訴訟問題
罷免の×をつけずに猛省遅し

しばし静観するしかない
コロナは不気味になりをひそめる
経済は不気味なくらい回り出す
政治は不気味な顔をして動き出す

〔2021年11月4日書き下ろし。不気味さを味わいながら、しばし静観するだけ〕

付記
沖縄は全国の2倍 最高裁判官への罷免要求14.8% 
最高裁裁判官の国民審査の結果が1日発表され、辞めさせたいと×を付け罷免を求める率が沖縄は平均14・8%と、全国(6・8%)の2倍以上に達した。対象11人のうち、罷免率の上位には辺野古新基地建設の訴訟で県に不利な判断をした裁判官が並んだ。次いで夫婦別姓を認めなかった裁判官の罷免率が高く、二つ目の判断材料になったことがうかがえる。(沖縄タイムス2021年11月3日)