「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

つまんない男です

本気で勝つ気はありません
連合の傘下で青息吐息です
市民は置いてきぼりです

野党共闘はポーズです
連合に気兼ねしています
市民は二の次です

大人の対応苦手です
連合は厳しくチェックします
市民は蚊帳の外です

本音をすぐにさらします
連合の顔色をうかがいます
市民はあきらめが早いのです

正義漢を吹聴します
連合の支持がすべてです
市民の期待は萎んでいきます

建前では勝負になりません
連合はたった17%の組織率です
市民を巻き込めない男です

〔2021年10月24日書き下ろし。新聞でしか動向が伝わらない多くの人に、この記事はどんな意味を与えたのか。タイトなのは相手も同じ〕

付記
枝野氏、志位氏らとの撮影応じず 市民団体のイベント参加も
立憲民主党の枝野幸男代表と共産党の志位和夫委員長は23日、都内で行われた市民団体のイベントに参加した。枝野氏の演説終了後、志位氏ら参加者との記念撮影が予定されていたが、枝野氏は応じることなく会場を去った。先に演説した志位氏は約30分間、待機していた。立民関係者は「枝野代表の日程がタイトなため」と説明している。
演説では志位氏が大半を野党共闘の説明に費やした一方、枝野氏は「党派を超え今の政治をまっとうにしなくてはならない」と述べるにとどめた。
両党の共闘には立民最大の支援組織、連合内に懸念の声がある。撮影に応じなかったのは連合との関係に配慮したとみられる。(共同通信社2021年10月23日)

懲らしめの一票

助けてとは
言えず
言われず
言わぬ
困った人は固まったように押し黙る

助けては
聞かず
聞こえず
聞かぬ
困らぬ人は言わぬが悪いと白を切る

巷(ちまた)の助けての小さな声
心なき人の耳には届かない

助かったと
言えればほんとありがたい
聞けばなんだかありがたい
互いに心があったまる
通わぬ心の距離が恨めしい

吹き抜ける寒風の中
候補者の名を連呼する選挙カー
彼らの助けての声こそ聞き耳持てぬまがい物
その場限りの果たせぬ空約束
選挙が終われば元の木阿弥

大勢いる助けてと言えぬ人たち
職を失い病に倒れ貧しさに耐える人たち
耳障りのいい甘い言葉に騙されず
懲らしめの一票を行使しませんか

〔2021年10月22日書き下ろし。候補者の看板が片田舎の農道の道端に立てかけられている。各党のキャッピコピーを見て吹き出した〕

死を遠ざけてはならない

死は身近にいつもあった
老衰もまた日常の風景だった
家族は介護と看護に手を尽くした

いつしか死に場所が代わった
病院のベッドで死を迎えた
家族とのつかの間の再会も意識はなかった

さらに死は遠のいていった
家族に看取られることもなくなった
臨終の場に立ち会い死を確認するだけだった

死に逝く人の手を握るのは赤の他人だった
尊厳を護ることが唯一の救いとなった
死を悼む感情は寄り添う頻度に比例した

在宅ケアを主流にしようと国は動く
平穏な死が約束されるならと覚悟する
自分の家で家族に看取られて逝きたい

死に方を選べるのなら幸いか
人生の終末は突然来る
父も母も目を落とすまで
生きるという意思をまざまざと見せて逝った
父母の死と対面してこそ
己の「いまを生きる」を問う

〔2021年10月21日書き下ろし。もうすぐ娘と父の誕生日。父の詩的なセンスが孫の名に映る。父も母も在宅ではなかったが看取ったことだけは幸いだった〕

在庫一掃セールが始まった

正直売りにはならないガラクタばかり
ただ同然の一斉セール始めます
商品一覧はネットでご覧ください

賞味期限が切れてます
すぐに捨てても害は在りません
ただ残こされるのが心配です

ともかくガラクタ一掃します
年齢経験実績問わず
残れば邪魔になるばかりです

このタイミングしかありません
人を食ったような面構えです
信用ならない人ばかりです

鑑定を考慮するかは勝手です
人物には保証書がついています
「不用不信につき要注意人物」

開催期間2週間限定品を提供します
気に入っていただけるものと信じています
ただし政治的悪臭を発しますのでご勘弁ください

このセールにご来場いただき感謝です
心おもむくままにご堪能ください
きっとこれぞというものに出逢えます

ただ一つお願いがあります
気合いを入れてご入場ください
冷やかしはお断りいたします

なぜっておわかりになるでしょう
世直しを真剣に考えております
賛同されない方はご遠慮ください

まったるいつまらぬ世界をご希望の方には
あなたの怠慢とどうでもよさが邪魔します
自分を見る思いで退散するしかないでしょう

〔2021年10月19日書き下ろし。政治家のセールが始まった。議員になってはならぬものを選別する唯一の機会。与野党もセールにかけなければならない〕

いまさらながら

獄に幽閉された吉田松陰が松下村塾で実践した
「師が弟子を生かす教育ではなく、師が弟子のなかに生きる教育」
29歳で没した青年の教育理念とその実践に圧倒される

歴史の大きな転換期に
国中の青年たちが血潮たぎらせ時代を駆け抜けた
その志はつながる人の中にいまも脈々と生きる

無理だな
そう考えた事もない
いまさら真意を知っても仕方がない

無駄だな
実践する場を失った
いまさらトライするには遅すぎる

ダメだな
志がこうも違うとやり切れない
いまさら非力を突きつけられて気落ちする

ただただ嬉しかったこと
この生き方に共感しえたこと
この考え方に共鳴したこと
そして恩師が心に生きていること

いまさらながらできること
教育のあり方を問い続けよう
人の心を揺さぶるものは何かと

〔2021年10月17日書き下ろし。若い吉田松陰の魅力を感じる。気づくには遅すぎた〕

原油の高騰と北の暮らし

すでに部屋は肌寒い
明日はもっと気温が下がる
腰にホッカロンをあてて暖を取る
寒さしのぎに厚手のハーフコートを羽織る
膝掛けは常備の必需品だ
ストーブを焚くにはまだ早い
今冬は自衛を余儀なくされる

寒さは防ぎようがない
札幌の一年の寒暖の差は50度以上にもなる
最も寒く感じるのは初雪の降る頃から12月初めまでか
徐々に身体が寒さに順応するまで我慢比べが始まる
老いゆく身には暑さも寒さも懐にしみる

これから3月までの灯油代の高騰は家計に痛い
今冬はより節約せねばならなくなった
原油は下がる気配が全くない
暖房器具は多くの電気を喰う
足下を温める温風機も納戸に置かれたままだ
暮らしのリズムも早寝遅起きにするしかないか
布団の中が一番の生活が合っているのかも知れない

要は机にへばりつく時間を減らすこと
12月までには執筆中の仕事もケリが付く
多少灯油代がかかっても良しとしよう
身体を芯から暖めるには…酒しかない
これは節約節制できない命の水
心していただくことにいたしましょう

〔2021年10月18日書き下ろし。灯油は北の暮らしを左右する。厳しい暮らしを強いられる方々への支援を厚くしてほしい。かじかんだ子どもの手を見られますか〕

付記
ガソリン高騰道内160円台 観光や物流、回復に冷や水
道内のガソリンが平均で1リットル160円台、軽油が140円台と高騰し、緊急事態宣言の解除でようやく動き始めた観光・物流業界の足かせになっている。15日には道の旅行助成事業「新しい旅のスタイル」が再開されるなど、人や物の動きの回復が期待されるだけに関係者は頭を抱えている。(北海道新聞2021年10月16日)

灯油は、指標となるコープさっぽろの配達価格で1リットル96円(札幌地区)と前年同期より19円高い。灯油は一段と値上がりする恐れがある。高齢者や低所得世帯を対象に購入費を助成する「福祉灯油」の拡充が求められる。(北海道新聞2021年10月16日社説一部抜粋)

劣悪なトイレ

市内の大学にある障がい者が利用する仕様のトイレ
いままで見たなかで最も適当かつ劣悪な仕様だった
誰が設計したのか恥さらしの仕様だった

車いすユーザーが入った
ヘルプの声がしてなかに入った
まずその狭さに驚いた
車いすでは方向転換ができない
ましてや便座のそばまで自力で車いすを移動できない
便座を金属棒が柵のように取り囲む
それを伝わって歩いて辿り着かす仕様だ
車いすを便座の前に置いて移乗するには柵の隙間を通るしかない
その関門に苦戦した結果のヘルプだった
手回しのハンドルを使うことのできない関門をギリギリ通過する
電動車いすではきっと無理だろう
次に便座に移乗するための介助に苦労する
金属棒と便座の狭い空間では腰を曲げることすらできないのだ
ようやく落ち着いたので外で待機する

大きな声が上がった
ドアを開けると金属棒が頭に乗っかっていた
左横にあった棒を握った瞬間倒れてきたという
なぜそんなことが起こったのか
棒は右の柵に横がけにして上体が前屈みにならぬよう補助するものだった
彼の震える左手が棒にかかれば簡単に落ちてくる
そんな仕組みを知らぬまま握ってしまったことで悲劇が起きた
何か異変が起こるかと心配した
後頭部にたんこぶができたと翌日メールで知らされた
そもそもこんな具合に設備されているところは見たことがない

終わると車いすに移乗させて関門を出る
次に手を洗う洗面台が笑える
車いすが下に入れず手を伸ばしても蛇口に届かないのだ
名ばかりのトイレ仕様に呆れかえった
大学でユニバーサルデザインを考えるきっかけをもらった
彼の痛みの代償に折角用意された劣悪トイレを教材にする
問題を提起したときの学生の反響を楽しみにしたい

〔2021年10月16日書き下ろし。車いすユーザーが使用するトイレの概念が根こそぎ崩された。身近な教材を活用して学生との学びを深めたい〕

神父からのメール

合点がいった
メールアドレスを教えてほしいという依頼があった
大学教員の友人を通してシスターからだった
昨日旧知の神父からメールがあった
大学のHPで検索したら名前を見つけたという
そこで連絡を取りたいと依頼したのだろう

メールを見て驚いた
すぐに書かれてあった携帯に電話した
別れて十年は過ぎていた
我が人生の試練の時に立ち会った神父とは
想い出したくないことをたくさん共有していた
なぜか声が聞きたくて電話をすると
「この番号はただいま使われていません」
これで完全につながりが切れてしまった
そう思っていた矢先のことだった

札幌に一時戻ってきて教会の仕事を担っている
関係するマチや施設にも頻繁に通っているという
知人とのつながりも判明して嬉しくなった
互いに現状を語りながら話は尽きることなく弾んだ
再会の約束をした

若い彼から学ぶことも多かった
人生の大きな節目で出会った彼とのつながりは
これからも切れることなく続いてゆくだろう
人は会うべきして会うのだと縁の深さを知らされた
札幌市内の飲食店への時短要請が14日で終了した
まずは市内の感染の動向に注視しながら
二人で美味い酒を酌み交わしこれからを語り合いたい

〔2021年10月16日書き下ろし。心にかけてくれた神父との再会に心躍る〕

負ける原因

華やかにスポットライトを浴びるが如く
今年のドラフト会議は終わった
即戦力として高く評価された高校生球児
伸びしろがあると判断された高校生球児
基本からガッチリ鍛えられプロの道に挑む

ペナントレースの最中にプロの非情を垣間見る季節が巡る
ファンは日本シリーズへと続く熱戦を期して応援を続ける
贔屓(ひいき)のチームや選手への熱狂的なファンは根性がいる
そのチームのなかで真っ黒に日焼けしながら白球を追う者への
ささやかなエールと期待もきっとあったに違いない
期待されながらもユニフォームを脱がされる者たち
育成の選手の年俸はスター選手の雀の涙にもならない
厳しい練習に耐えた数年間が無駄にならぬよう祈りたい

抜きん出て若手の育成に力のないチームを見つけた
内野手(21=18年5位)→戦力外通告
投手(26=16年育成3位)→戦力外通告
投手(22=17年育成4位)→戦力外通告
投手(21=18年育成2位)→戦力外通告
外野手(23=19年育成2位)→戦力外通告
投手(25=16年3位)→自由契約通達→育成再契約へ
投手(23=15年3位)→自由契約通達→育成再契約へ
投手(20=19年1位)→自由契約通達→育成再契約へ
内野手(21=18年育成4位)→自由契約通達→育成再契約へ
外野手(21=18年育成1位)→自由契約通達→育成再契約へ

なかにはドラフトで1位指名しながら2年で自由契約となる
スカウトの見る眼のなさなのか
現場の指導力のなさなの
本人の実力の有無を早めに判断した結果なのか
ド素人には何もわからない
ただ若者たちが憧れのユニフォームを着て
スタメンを夢見た日は訪れることはなかった
日ハムの太田泰示選手のように移籍で甦ったスラッガーもいる

チームはリーグ優勝から早々に脱落した
今季多くの熱狂的なファンを失望させたに違いない
その敗因は何か
フロントや現場の指導者の若い選手への熱意を感じない
球団はそもそも若手の育成に本気で取り組んできたのか?
人気と金にものを言わせて若い選手をかき集めたものの
育成システムの欠陥を認識できぬ指導層の問題なのか?

どこの世界も次代を担う人材を育成できなければ衰退するばかりだ
まさに政治の世界の人材不足は国の衰退を約束する
だから政治の世界の戦力外通告が待ち遠しい
10月31日衆議院議員選挙に行こう!

〔2021年10月16日書き下ろし。ドラフト会議の後に球界から去る若者たちの姿が目に浮かんだ。次への人生トライにエールを贈りたい〕

団塊の世代の介護に備えを

団塊の世代
戦後の経済を動かし豊かにした
稼ぎは自家用車となり持ち家となった
結婚率も高かった
子どもの教育にも熱心だった

熾烈な競争化時代を生き抜いた戦士たち
現役を引退し老いとの戦いに挑む
夫婦が人生をかけて快適な空間にした家
夫婦で共に支え合い老いながらえる家
夫婦で病み暮らす時にはリフォームも厭わない
介護用ベッドの導入を想定して部屋を直す
最期の願いは在宅死しかない
だから看護と介護の在宅ケアは必然となる

団塊の世代の生き方
快適な生活を送ることを優先した
消費社会を先導し国内需要を高め生産力に貢献した
電化製品は最新のものにすぐ手を出した
車の買い換えも積極的だった
パソコンはお手のもので情報化社会の先端を走った
仕事も遊びも旅行もエンジョイした
トイレのウォシュレットは当たり前だった
今夏の異常な暑さでクーラー需要はさらに増す

果たして在宅で最期を迎えられない人も出てくる
老人施設は団塊の世代を受け入れる準備をすでに始めていた
介護保険制度が始まり個室化はそのための環境整備だった
問題は快適な自宅から出されて施設に入ることへの抵抗だ
自分の意思で入所することはまずない
家族の意向が優先する

クーラーもないウォシュレットもついてない
道内の介護施設の多くはそこまで完備されていない
認知症を患っていても五感で快適さを実感する
寝たきりになっても五感で暮らしを実感する
時代を変えてきた団塊の世代が入所し始めると
介護施設の働く環境も大きく改善される
団塊の世代はクオリティオブライフの物差しで評価する
選ばれる施設になるためにも備えを怠ってはならない
いまから準備しなければ間に合わなくなるだろう
措置から契約への施設経営の根幹が問われている

〔2021年10月15日書き下ろし。昨夜施設職員を10人集めた座談会を参観した。クーラーとウォシュレットが話題になった。団塊の世代には深刻なQOL問題となる〕