「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

日程調整

1日緊急事態宣言が解除された
札幌の休日の人の流れも増えてきた
昨日の感染者は1年ぶりに5人だった
今日は4人クラスターも数日おとなしい
急激な減少と不思議な静けさが怖い

道民児連は計画した研修事業の多くが中止となる
各地の主催する側は警戒して先々の日程も中止した
これからも感染のリバウンドには油断できない
札幌は不要不急の外出や飲食店の規制は月末まで続く

道民児連はなさねばならない法制研修だった
今月と来月は予定通りの日程で動く
日程調整で道内各地に連絡する
中止されたところはまず3箇所決まる
残り6箇所は2月以降になりそうだ

インフルエンザの流行を予感する
去年はあまりに少なく今冬はヤバい
札幌は今日からインフルエンザのワクチン接種が始まった
さっそく接種した
各地を出歩くには欠かせない転ばぬ先の杖となる

コロナで研修が滞りアンケートでは学びたいおもいも強い
一人ひとりの活動へのモチベーションを支え高めるためにも
日程調整を終えて当日を無事迎えたい

〔2021年10月4日書き下ろし。仕事がしたい! なぜこんなに感染者が減ったのか? でも仕事の再開を喜ぶ人の顔が嬉しい〕

付記
北海道5人感染 約1年1か月ぶり”2日連続1ケタ” 札幌市4人 旭川市1人
北海道内で10月4日、新たに新型コロナウイルスの感染者が5人確認されました。感染者が1ケタになるのは2020年9月11日、12日以来の2日連続で、8日連続で50人を下回り、前週の同じ曜日を40日連続で下回りました。感染者は札幌市4人、旭川市1人です。(UHB北海道文化放送2021年10月4日)

長距離ドライブを楽しむ

朝6時自宅を出た
20数年ぶりに 函館に通じる国道5号線を走った
札幌の奥座敷定山渓温泉を経由して 中山峠を越える
靄(もや)る羊蹄山を右手にしながら ニセコに出る

この道を函館まで2年間通ったことが想い出される
雪道やアイスバーンで何度も危うい目に会った
有珠山噴火の年は 登別までの道が虻田で封鎖された
倒れた父の看病に 札幌経由で通った想い出も懐かしい
あのときは 1年間に4万㎞を走破した

長万部で国道から外れ市街に入る
これも記憶にあるルートの取り方だった
金曜の朝の駅前通りは シャッターが下ろされ沈黙していた
国道に戻ると ドライブインの廃れた姿が哀れを誘う
左に太平洋を見るが まだ台風16号の余波はない

八雲から5号線を外れ 日本海に抜けるルートの熊石峠に向かう
この道は父を連れて釣りに来たことを 想い出させた
道すがら美しい渓流が 渓谷の右や左に展開される
道南八景の紅葉は これからがシーズンだった
カーブの多い峠道を快適に走った

快晴の日本海は 波が穏やかだった
沿岸を南下して江差に向かう途中 崖崩れで通行止め
長い迂回路を走って 11時目的地の厚沢部町に着いた
269㎞5時間のドライブを終えた
疲労はさほど感じず 午後からのボランティア研修会に臨んだ

午後5時町内の温泉旅館に入り 一風呂浴びた
夕食は日本酒を飲みながら たっぷりの肴を味わった
満腹で部屋に戻り また数時間横になった
それからが大変だった
トイレが別にあるので 夜中に3度出入りする
寝不足で朝起きた
部屋から白鷺が2羽飛翔しているのを見て 何だか嬉しかった
9時旅館を出て 八雲までの道を森町落部に抜けるルートにした 
最短距離を選択して 整備された山道を木漏れ日の中走る

大型トラックの尻について太平洋を右手に走っていると
大粒の雨が降り出した
中山峠まで降ったりやんだりの悪天候だった
途中低速車を次々と前の車が追い越してゆく
前方を確認しながら 抜くタイミングを計る
トヨタヤリスは1500CCのエンジンに軽い車体がのっかる
アクセルを踏み一気に加速する
すこぶるいい感じだ
雨がやんだ中山峠を越えると 1時間余で自宅に戻れる

いつものスタンドで給油した
走行距離514㎞ 消費ガソリン17.34ℓ 燃費29.64㎞/ℓ
復路の所要時間も5時間だった
ヤリスでの初めての長距離ドライブが終わった
購入して1年近くになるが ようやく4600㎞になった
コロナ禍で遠方に出向くことはなかった

1日の緊急事態宣言の解除は 車の性能を試す機会ともなった
そしてドライバーの老いを 試す機会でもあった
疲れ切った老体は 帰宅後すぐにダウンして4時間爆睡した
夕食後から夜中に目覚めるまで また寝た
なぜかその疲れは嬉しかった

もうしばらくすれば寒くなり雪もちらつく
長距離ドライブは来春の雪解けまでお預けとなる
次は宗谷岬かオホーツクの海を見に行くのもいいかな
ただ父のような釣り吉ではないのが いまは悔しい

〔2021年10月3日書き下ろし。一晩でようやく疲れも取れ檜山の旅の記録を認める。車の性能を確かめたくてうずうずしていたドライブ好きには、楽しい2日間だった〕

第三者認証滞る

緊急事態宣言後
道は10月末まで独自の規制をかけます
不要不急の外出は控えてください
それでも観光客はWelcome
大手を振ってEnjoyします道内巡り

「第三者認証」制度は4月知事宛に事務連絡されていた
政府の基本的対処方針の中に通知されたが放置した
認証までの時間がかかるので可及的速やかに導入の検討促す通知文
札幌市は再三再四道に制度導入をお願いしてきた

1時間でも長く営業したい飲食店関係者のおもいを逆撫でしてきて
ようやく9下旬になって本格的に申請を受け付ける
道議会でも知事の怠慢問題ならず対策会議も踊ってばかり
決まり文句はお願いしますだけの壊れたレコードプレイヤー
道は先手どころか無策無用の長物と成り果てる

去年の秋の失敗に懲りたかどうかわからぬが
GOTOキャンペーンの失態が暮れと正月の稼ぎ時を潰してしまった
根拠のない全道一斉休校処置で華々しく一世を風靡した
知事の政治生命はそこで終わってあとは隠居の1年半
期待はしないが必要な対策は準備を怠りなくすべきであろう
記者会見でボード出すのも研究発表もどきで食傷気味
周りのブレーンがしっかり支えなければ大きな票田失う
道産子はいつまでもなまらいいなんて言ってられない
堪忍袋の緒が切れるまでのタイムリミットは
国の助成金が切れると同時かもしれない
頼れる菅さんはもういない

〔2021年9月30日書き下ろし。安倍傀儡政権の人事が着々と進んでる。一方道知事は事前に為すべき事すら放置して怠慢を露呈する。札幌市長これからも強く申し入れよ〕

ボランティアってなにもの?

もしも誰も助けたり支えたりしなかったら
どんなにか住みにくい暮らしにくい
世の中になるでしょうか

当たり前にしていた助け合いがなければ
どんなにかこころすさんだこころ貧しい
世の中になっているでしょうか

助け合うことや支え合う人がいなくなったら
どんなにかこの世はけもののように
いのちを奪い合うことでしょうか 

辛いとか哀しいとかしんどいとか苦しいとか
そんな心の痛みを知っている人たちが
まっとうな世の中にしているのです
そんな人がきっとボランティアなんですね

お金ももらわず人助けなんて割に合わない
自分だって困っているくせに人の世話なんぞよくできる
でもあんたに意見される筋合いなんぞありません

面倒だとかお節介だとか時間が惜しいだとか
やりたくない人はたくさん言い訳並べます
助けることにわけなど必要ですか

困っているからほっとけないから
猫の手ほどのお手伝いでも買って出る 
笑顔がこぼれたらそれだけでいいのです

自分で決めて汗かいて好きでやってます
わたしには生きてるって感じがご褒美(ほうび)です
ボランティアって気取っていません
ただお節介やくだけって知ってます
そんな人をボランティアって呼ぶのかな

ボランティアと呼ばれると少し照れくさい
ボランティアの看板背負(しょ)うと少し重たい
ボランティアのこむずかしい理屈なんかわからない
ボランティアうんぬん…
さっさと動いてしまった〔わたし〕です

〔2021年9月21日書き下ろし。10月1日道内でも高齢化率の高い地区で頑張る人たち。檜山管内ボランティア研修会で地域で生きることを考える〕

岸田文雄新総裁の厳しい船出

自由闊達とは言い難い
放言と策略だけの総裁選
自民祭りに飽きが来るほど
面白おかしくメディアは毎日盛り上げた
そもそもつまらぬ出来レース

派閥ではまとまりつかぬと縛りを外す
男は虎視眈々とキングメーカーの座を狙う
一人だけは勝たせてならぬと当て馬立てる
思惑通り決戦の議員の票に結実された

最後に笑うあの男
引退寸前の二人の影響をカットする
ノーサイドなんて綺麗事 
裏で仕分けてしばきする
子飼いの者を要職に画策始まる
自民党の胡散臭い体質は何も変わらぬ
新総裁の寛容な手腕はすぐに人事に現れる

新しい資本主義ってなんだかよくわかんない
成長と分配の好循環で成長の果実を全国に届けるんだって
できるだけ幅広い人たちの給与を引き上げるんだって
そもそも経済の成長なんて頭打ち望み薄い泡沫の如し
アベノミクスの検証なくして経済戦略は無となる
できるだけの一言が逃げ道となりさらに格差を広げる

党と閣僚人事は人よりも派閥のバランス重視する
論功行賞は目玉に誰を登用するかで初動と評価はあらかた決まる
内閣・財務・総務・厚労・経産・文科・外務・防衛
早々に菅さんの残務整理で青息吐息となるだろう
ただ岸田政権が求める政治を実現したければ
安倍政権と真逆をすれば盤石にできるが無理だろう

さて衆議院議員選挙を盛り上げますか
元気な団塊の世代が世の中の趨勢に反応する
この世でのご奉公は子どもに未来を信じさせてあげること
この世の思い残しは若者たちの政治への無関心と不信と諦め
団塊の世代はノンポリだった過去を捨て本気で利他に動く

※ノンポリ:英語の「nonpolitical(ノンポリティカル)」の略で、政治運動に関心が無いこと、あるいは関心が無い人。元は1960 – 70年代の日本の学生運動に参加しなかった学生を指す用語である。政治にまったく興味を持たなかった人だけではなく、政治問題に関心はあるものの、次第にセクト化・過激化していった学生運動を嫌い、特定の党派に属することを拒否した人々(ノンセクト・ラジカル)なども含まれていた。

〔2021年9月29日書き下ろし。団塊の世代は次世代に対しての責任となすべきことがある〕

棚ざらし

繁盛してます
海千山千のお客でごった返しています
ご要望には何でもかんでも適当にこたえてます

繁盛してます
嘘のてんこ盛りがお得です
裏でアドバイザーが暗躍してます

繁盛してます
キングメーカーになりたくて仕切ります
強いプッシュで功を奏してます

繁盛してます
会員制でお金を出せば誰でも入れます
割り勘ならどこでも口利き可能です

おっとそこは立ち入り禁止ゾーンです
棚ざらしのもので詰まっています
返品のアベノマスクにアベノミクスの折れた3本の矢
もりかけ・さくら・お友だちに出処進退の離党届け
忘れちゃいけないコロナのつけに憲法改正…エトセトラ
50年の誇りも薄汚れて埃(ほこり)化進行中です

そうそう29日は数年に1度の棚卸しの日です
でも棚ざらしの物件が増えるだけかも知れません
人気の薄いお隣さんはバーゲン中
呼び込みする店主自ら棚ざらしみたいです

※棚ざらし:品物が売れないで、いつまでも店に残っていること。また、その商品。問題を未解決・未処理のまま、いつまでも放置しておくこと。

〔2021年9月29日書き下ろし。29日自民党の総裁選挙。まとまり付かない泥仕合。誰がなっても舵取りは至難の業。棚ざらしにされるのだ~れ?〕

道産子よ!試練の壁に耐えて立て

どうにもならない日々だった
さんざん道も市も 迷走を繰り返した
こんなに この日を持ちわびたことはなかった
よかれと思うことは 何でもした

仕方ないと 弱きにもなった
連日連夜 隙間風に愚痴った
暖簾(のれん)に腕押しの 毎日だった
かなりがおって ヤバいと思った
弁当づくりも 焼き石に水だった

逃げるに逃げられない 試練が続く
耐えねば 従業員は守れない
縁を結んだ人のつながりが 強さになった
手に温もりさえあれば きっと乗り越えられる

絶えず励まし合って 30日を迎える
手放しでは喜べない 緊急事態宣言解除
通常営業までには まだまだ予断は許さない
終わりの始まりを いまは常連の笑顔で満たそう

〔2021年9月27日書き下ろし。全国的も減少傾向が続く。リバウンドすることを覚悟しながら、それでもなおこの数字には意味がある。病床にある道産子の快復を祈る〕

付記
道内19人感染 20人以下は昨年10月以来 新型コロナ
道などは27日、新型コロナウイルスに感染した1人が死亡し、新たに19人が感染したと発表した。道内の日別の感染者が20人を下回るのは昨年10月19日の17人以来。道内の感染者は延べ6万141人(実人数5万9956人)となった。
死亡したのは旭川市発表の80代女性。発表者別の新規感染者数は札幌市が8人、道が8人、旭川市が3人だった。(北海道新聞2021年9月27日)

夢のかけらは映す

たくさんの夢を見た
みんな藻屑となった
忘れられて過去となった

見果てぬ夢は追っ手を阻んだ
みんな露と消えた
捨てられて過去となった

叶わぬ夢と知らされた
みんな失望となった
破られて過去となった

突然夢のかけらが舞った
あのときの情熱のかけらだと知った
まだくすぶっていた過去の断片

出し抜けに夢のかけらが語り出す
あのときの一途なおもいだと知った
まだ消されぬ青春の断片

慌てて夢のかけらをかき集めた
あのときの生き様が現れた
まだ残り火が灯(とも)る人生の断片

置いてきぼりにした夢のかけら
力なく心折れた青春の夢の残骸(あと)
忘れるしかなかった青春の蹉跌

そのかけらすら愛おしい
そのかけらに映るふたりの人生模様
伴侶に人生悔いなしかをいつか問おう

〔2021年9月27日書き下ろし。人生の同伴者と歩き続けた老齢のいまを、夢のかけらが映しだす〕

おひとりさまの支度

気心知れた友だちが集まった
みんな五十代になっていた
団塊ジュニアの女性たち

2025問題も深刻な世代
団塊の親と夫の介護も任される
老老介護の確率が高い女性たち

2050問題は怖くて想像拒否
在宅ケアを支える態勢に悲観する
おひとりさまになる確率の高い女性たち

地域も行政も頼りにならない
自立して暮らさなければならない
支度を始めなければ間に合わない女性たち

おひとりさまは避けられない
気ままで気楽は元気なうちだけ
老いの支度を現実的に考える女性たち

一人だけでは老いを闘えない
ここは一致団結して互いに協力するしかない
仲良しごっこの助け合いの先を見すえる女性たち

無償の相互扶助では気合いが入らぬ
ここはみんなで会社を立ち上げよう
仕事にすればと面白いと盛り上がる女性たち

合同会社を作ってしまおう
団塊の親のケアも仕事にしちゃおう
おひとりさまの危機に挑む女性たち

ボランティアに頼る地域包括ケアシステム
かけ声ばかりで人も地域も動かぬ机上論
解決を迫られてこそ知恵が湧く女性たち

団塊ジュニアの新しい発想が福祉の世界を変える
介護の人材不足を補う新戦力が登場する
自主防衛を掲げて会社の支度を始める女性たち

〔2021年9月26日書き下ろし。団塊ジュニアの女性たちが会社を作ると面白い。2018年「高齢化の進む里山の起業による村民の医療と福祉の自主防衛のあり方~ひとつのアイディアとしての合同会社の設立と福利厚生事業の創設」(藤女子大学人間生活学研究第25号)は別の視点で論じる。関心があればネットで検索を〕

秋の彼岸法要

コロナ禍で老人施設の法要も様変わりした
新年の法要からONLINEが活用された
施設内の各階のホールにある大型のテレビに流れる
その様子を利用者家族にSNSで流した
信心深い母の姿を見つけた娘から感動と感謝の言葉が添えられた
師はコロナ禍での法要のあり方に不安もあったが喜びを禁じ得なかった

お盆は法人の廟でONLINEで行った
1979年共同墓苑「友愛の廟」を市民墓地の一角に建立した
そもそもは入所者の老女の苦悩を僧侶である37歳の師が聴き取った
「後妻に入った私は、先妻と一緒の墓に入るわけにはいかない」
廟ができその老女は心安らかにして旅立った
施設で亡くなった人ばかりかその親や子
法人とはゆかりのない引き取り手のない人もここに眠る
『因縁諸生法 縁欠不正』(いんねんしょしょうほう えんけつふしょう)
(この世に在る全ての生きとし生きるものは、因縁によって存在する。縁がなければ決して存在することはない}
縁がなければここで縁を結ぶのが役目と屈託なく笑う

秋の彼岸法要がONLINEで始まった
82歳の師は仏間にしつらえた祭壇の前で経を唱える
数人の利用者しか入れない規制された部屋の外には
20人近い利用者と職員が取り囲む
各階では十数名の利用者が画面に手を合わせ
まわってきた香炉にしめやかに焼香を済ます
南無阿弥陀仏と20分の読経を終え説法に入る

最近声が出ないと言い訳をすることが多くなったが
親鸞聖人の「人は煩悩具足の凡夫である」ところから入る
50余年もの間語り続けてきた法話をいつもの節回しで展開される
画面には大写しで目の前の利用者に語りかける楽しそうな表情を捉える
昭和38年老人福祉法が制定された当時からいまの長寿まで
数字を挙げてさりげなく比べる数字に強い一面を垣間見せる
入所者の百歳以上の五人の名を紹介しながら長寿の秘訣を披露する
時に笑いを取りながら久しぶりに20分の法話を終える

心安らぐ法話だった
師の話し方には人の心に添う優しさと包容力をいつも感じる
ONLINEで視聴した人にもそのおもいは伝わっていたであろう
部屋に戻った師に参列者の様子と感謝を伝えた
謙遜しながらも安堵した表情が嬉しかった

ONLINEでの物足りなさを感じながらも
もうしばらく辛抱してください
来年の新年の法要はいつものようにホールでいたしましょう
そんなおもいを強くした秋の彼岸法要の一コマだった
南無阿弥陀仏と唱え合掌する老人たちの姿が美しかった

〔2021年9月25日書き下ろし。昨日施設でONLINEで行った師の彼岸法要を綴る〕