「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

暑気払い

札幌も30度の炎天下
昼から ビールを飲んだ
クラフトビールの 味比べをしながら
丸いグラスを 次々空ける

木漏れ日が降り注ぐ テラスは
涼しい風に伴われ 冷やされる
万緑に満たされた 夏空の下
ビールのほろ苦さが 喉をつたう

4人に貸し切られた店
暑気払いの宴は 忘却の時を刻む
ススキノの外れで 無秩序に草木が茂る
小さな庭は 静かに酔客を歓待する

都会の喧騒もない
穏やかな風の流れに 身を置きながら
木々の葉に透ける光を仰ぎ
もう1杯のビールを 求めた

〔2021年7月26日書き下ろし。暑気払いで英気を養う。仲間と飲むビールに歓喜する〕

感染爆発は必ず起こる

新型コロナウイルスが猛威を振るう
世界の累計感染者 1億9294万6915人
世界の累計死者数 414万725人
世界の死亡率 2・15% (世界のデータは日経2021年7月24日現在)

東京の死亡率 1・16%
北海道の死亡率 3・31% 
それは 東京の2・7倍 世界の1・5倍
ただそれだけのことなのか
なぜ高いのか 道知事は何も語らず
ただ移動自粛を強い 飲食店の規制を強めるだけ
クラスターの発生が 顕著になった
今日も北海道は 感染者118人(札幌88人)と減らない
まん延防止法の発令は 果たして効果があるのか
東京に感染爆発は 切ないかな必ず起こる

コロナ感染は 何度も大きな波になって襲ってきた
リスク管理すらできずに 機能不全に陥った
当初なすことは全て裏目に出て パニクったのは致し方ない
1年半を過ぎても 安心安全とのたまうだけで
何度も煮え湯を飲まされる人には その無能さがたまらない
IOCの思うままに 五輪開催に突っ走った
IOCはパラリンピックは観客をと 無謀な要求を懲りずにする
台風8号が 五輪の海浜競技場を直撃する 
IOCの天意に背く罰を都民が受ける なんという不条理か
東京に感染爆発は 哀しいかな必ず起こる
 
世界に恥をさらした者を功労者として崇め名誉職まで準備した
誰が発案したのか こんなレベルの者が大会を仕切る無恥を知れ
見る地平線の違いより 情けない運営を制御できない無恥を語れ
為すべき事もなさず ボランティアを消耗させる無恥を知れ
無観客を強いた世論を アホと貶(おとし)めた無恥を知れ
過注文した弁当が手も付けられず 棄てられる無恥を知れ
呆れかえる五輪の舞台裏には愛想も尽き 言葉が 心が 尖る
ただ東京に感染爆発は 悲しいかな必ず起こる

〔2021年7月24日書き下ろし。大坂なおみの聖火点灯は最高のパフォーマンスだったろう。大好きな世界のアスリート。東京五輪の負の現実を心に刻んで欲しい〕

太鼓を叩け

祭りだ 祭りだ
太鼓を叩いて 笛吹いて踊れ
クソ アホ ほざけ
バッハは ゴリ押し通してご満悦

祭りだ 祭りだ
何が起きても 成功させる
反日ら中止を ほざけ
バッハは 小池にスガって高評価

祭りだ 祭りだ
コロナは無敵 誰でもうつす
ワクチン足りぬと ほざけ
バッハは 犠牲はないと太鼓判

祭りだ 祭りだ
醜聞 失敗 失態の果ての辞任
ルール違反はないと ほざけ
バッハは でっかい顔して殿様気分

祭りだ 祭りだ
高温多湿 最悪コンディション
条件はみんな一緒と ほざけ
バッハは ハッパをかけて強行突破

祭りだ 祭りだ
失敗できぬ 損できぬ
賺(すか)して脅すと ほざけ
バッハは 取るに足らぬと知らんぷり

祭りだ 祭りだ
テレビ観戦 応援強いる
盛り上がらぬと ほざけ
バッハは 金の回収で一息ついて安堵顔

祭りだ 祭りだ
五輪の終わりの始まりだ
もう二度とないと ほざけ
バッハは 懲りずに札幌にアプローチ

〔2021年7月23日書き下ろし。ゴリ押しするバッハにゴリン(五輪)のゴリヤク(御利益)無に帰して、もうこりゴリと嘆きは深い。開会式は見ない〕

東京五輪開幕する

スキャンダラスに晒された
大義なき五輪が開幕する

金と欲が渦巻き
世紀末を象徴する五輪となる

詭弁の上に虚言を重ね
安心安全と唱える夏の亡者たち

コロナは衰えを知らず
万策尽きて万事を休す

東京砂漠に歓喜が広がる
アスリートは戦う以外ない

サイバーテロに弄(もてあそ)ばされる
脆弱なセキュリティー

手のひら返しで五輪を煽り
熱闘列島を演出するマスメディア

求めた開幕の舞台は整った
IOCと政権の命運を賭けた東京五輪

五輪の黒歴史がスタートする
新たな犠牲へのプロローグ

〔2021年7月23日書き下ろし。今夜8時開会式。開催中のボランティアとアスリートの無事を願う〕

一粒の種

岩見沢市民会館に 空知管内7市12町から 
133名の 民生委員が集まった
コロナの影響で 2年越しの新任研修を開催した

514席の中ホールは 感染予防対策で
前後左右かぶらぬよう 指定席だった
ステージの演壇は 木枠に透明シートが貼られていた
マイクは完全消毒が徹底され 一人1本だった

岩見沢の民生委員6人が登壇した
マイクが6本しかなく まわして使うことができない
だから この6人には最初から最後までお付き合い願う
演壇は上手に置き。中央に並べられた椅子に座った
何かが起こる予感に 観客席は6人に注目する
ワークショップが始まった

冒頭本来のワークショップができないことから
皆さんを代表して 6人の方に協力いただき
劇場型ワークショップを行いますと 6人を紹介した
指名は 名簿の今日の日付21番から順に6人を選んだ
ステージに上がるまで 全く面識はなかった

詩集『情緒は私を支配する、論理よりも強く』
テキストには、48編の詩と2本のシナリオが
90ページにわたり紹介されている
これを90分で消化するのは とうてい無理である
だから 朗読できなかった詩はお土産だと伝えた

導入に『他人の靴を履く』の一節を引用した
「言葉は思い込みを溶かす。固まっていたもの、凍っていたもの、不変だと信じていたものを溶かして、変える」
詩を通して 何かしらの前向きな変化があれば嬉しいと
情感に迫ることに 許しをもらった

早々に シナリオ『稼いで半人前』の上演
「一粒の種」と名付けた にわか朗読集団
初めて目を通す台詞を 心情豊かに見事に演じきる
これで今日はいけると 確信した

詩は6人と代わりばんこに 朗読した
時には その詩の感想を話してもらうこともあった
2時間半で設定したワークショップは 90分しかない
コロナ禍で全体の時間が半分となり 詩の大半を残す
それでも時間のかかる二つ目のシナリオ
『自分のネットワークを作ろう』にこだわった
この6人で演じる世界を味わって見たいと思った
案の定 見事な台詞回しで 会場から小さく拍手がわいた 

言葉は 情感豊かに表現されることで
素直に心に響き その意が受け入れられる
初見しただけで その情景や心に動きを想像する
「一粒の種」のメンバーが 思い込みを溶かす
6人という集団が一つに溶け合い 自らを変えた
「一粒の種」がメンバーによって
このワークショップで 蒔かれていった

時間は押していた
テキストの未消化を謝罪した
いつもなら『めんこいしょ』で〆(しめ)るが
女性の朗読が聴きたくて 指名した
小さないのちへの限りない愛の詩は 静かな余韻を残した 

※『他人の靴を履く』プレイディみかこ著、文藝春秋、2021年6月刊。

〔2021年7月22日書き下ろし。ようやく解禁となった矢先、今日札幌は百人を超えた。札幌を中心にまん延防止法の発令は近い。仕事がしたい〕

信じられる?

信じろ
信じられることもしないで
何を信じるのか

信じろ
信じられない人の
何を信じられるのか

信じて
パートナーでもない 友人でもない
人は 簡単には信じない

信じて
信じるに値しない人に
あなたは 命を預けられますか

信じる
金しか信じられないあなたには
犠牲は 人ではなく損得でしかない

信じる
信じるに足りぬ人の言葉は
人心を 逆なですることでしかない

信じる
これだけ感染拡大で不信と不安を拡大しいて
レセプションとはいい加減にして欲しい

信じられない
どれだけ人心を 虚仮(こけ)にするのか
反発どころか 冷えた憎しみすら覚える

信じよう
次の選挙は 無下にされた民意の表明
無党派が 自公に決して投票しなければ
保身に走る者たちを 糾弾粉砕できる

信じぬ 嘘と欺瞞と傲慢な言葉を
信じる 押しつける抑圧からの解放を 
信じたい 困難に立ち向かう気迫と正義を
信じよう 危機を乗り越える人智と科学を

〔2021年7月20日書き下ろし。お互いの信頼とは、呆れた。スポーツとアスリートに世界と未来を変える力があるならとうの昔に変わっている。しばらく話題に事欠かない〕

付記
IOCバッハ会長「お互いに信頼し合わなければ」国民の高まる不信感も意に介さず
大会組織委員会は1日以降、選手ら大会関係者の陽性者数を発表しており、この日は1日で最多となる15人。選手村からも初めて陽性者が1人出た。バッハ会長は14日に菅義偉首相と会談した際、「我々がコロナのリスクを持ち込むことは絶対にない」と胸を張っていたが、既にほころびが顕著になっている。
バッハ会長は日本国民へ「アスリートを歓迎してほしい」とし、「彼らも犠牲も払って来ている。日本の人も同じ。制限的な対策を歓迎してくれている。日本だけでなく世界各地で見ても最も制約がかかった試合だ。お互いに信頼し合わなければならない。日本のパートナー、友人に対して信頼しているように、このような対策を信じて欲しい。効果が出ている。厳しい検査体制を敷いている」と話した。
バッハ会長は13日に組織委を訪問。全ての人々にとって安全な大会開催への意欲を示す際に、日本人と中国人を言い間違え「チャイニーズピープル」と口に。慌てて「ジャパニーズピープル」と言い直す一幕があった。18日には迎賓館でバッハ会長らIOC委員の歓迎会が行われることになっており、さらに反発は強まっている。(2021年7月17日スポニチアネックス)

安心安全の呪文

食あたりが怖い
パンケーキだと 大丈夫
さあ 唱えましょう
安心安全 菅さま安倍さま大明神

デルタ株が怖い
ワクチン接種 大丈夫
さあ 唱えましょう
安心安全 菅さま河野さま大明神

熱中症も怖い
医療体制 大丈夫
さあ 唱えましょう
安心安全 菅さま田村さま大明神

お酒が怖い
規制解除で 大丈夫
さあ 唱えましょう
安心安全 菅さま西村さま大明神

五輪が怖い
無観客だから 大丈夫
さあ 唱えましょう
安心安全 菅さま小池さま橋本さま大明神

役立たずが怖い
存在感なくても 大丈夫
さあ 唱えましょう
安心安全 菅さま丸川さま大明神

五輪の負債が怖い
たっぷり借金 大丈夫
さあ 唱えましょう
安心安全 菅さま麻生さま小池さま大明神

五輪後の選挙が怖い
公認が分裂しても 大丈夫
さあ 唱えましょう
安心安全 菅さま二階さま安倍さま大明神

どんな怖さよりも
恐ろしいのは 人間の業の深さ
さあ 唱えましょう
悪魔退散 菅さま小池さまバッハさま 
悪霊退散 安倍さま麻生さま二階さま 

トヨタが 五輪の呪縛を解きました
安心安全の呪文も 呪力を失いつつあります
安心安全の神話は 負のレガシーとなるでしょう

〔2021年7月19日書き下ろし。安心安全の神話づくりに欠かせない「呪文」です〕

付記
トヨタ、五輪関連国内TVCM見送り 最高位スポンサー
トヨタ自動車は19日、東京五輪に関連する国内でのテレビコマーシャル(CM)を見送る方針を明らかにした。トヨタは東京五輪の最高位のスポンサーとなっているが、大会開催や運営に関わる混乱で「理解されていないことがある」(トヨタ)として、CMを流さない。開会式など公式なイベントにも豊田章男社長含めたトヨタ関係者は出席しない方針も示した。(日経2021年7月19日)

北海道は熱暑です

十勝の足寄町で37.5℃
十勝池田町とオホーツク置戸町で37.4℃
北海道の23地点で35℃を超えて 3日連続の猛暑日となった。
札幌市でも34.3℃まで上がり 今年一番の暑さとなった

7月中旬で この熱暑は異常だ
涼しいからとマラソンと競歩を 強引に札幌に持ってきた
さてさてこの判断は 吉と出るか 凶と出るか
北海道の夏はお盆までと 海水浴場はクローズする
さてさて次なる試練は 8月本番の酷暑対策か
会場警備の立ちんぼボランティアが あまりに切な過ぎる

18日 2日連続で札幌80人超え 全道で100人を超えた
まん延防止法や緊急事態宣言も 視野に入ってくる
デルタ株に置き換わると予想され 危機感は日毎増す
千歳空港やJRでの内地から大勢の往来も 
夏休みとお盆と五輪の三重奏で 活気を呼び込む
ワクチン接種もままならない街に 人が溢れる
ビール園の大ジョッキは 観光客にはたまらない

マラソンの日に 猛暑が襲ったら
沿道での応援は 自粛せざるを得ません 
年寄りには 熱中症危険警報発令です
危険ゾーンに立ち入ることなく 家で観戦します
さっさと終わって 大通公園を元に戻してください
憩いの場は たかが数日のイベントで数ヶ月も奪われました
さっさと終わって 日常の風景を返してください
二度と札幌で 政治と金に汚れた五輪なんか持ち込まないでください 
犠牲を強いる為政者への 小さな小さな抵抗の声です

五輪の開催と広島を訪問した IOCバッハのねらい?
えっ! ノーベル平和賞を狙った パフォーマンスだって!
フェイクだとしても ストンと落ちるのが怖い

〔2021年7月18日書き下ろし。千歳空港に降りた乗客の一言、「満席だった」〕

教え子大井浩平君 NPO法人づくりに動く

東京在住の最後の教え子 大井浩平君
子どものために いまを生きる大人としてやるべきことがあると
30年ぶりに再会したときの話題が カタチになっていた
悠久の宇宙にある小さな太陽を公転する 命の惑星「地球」
そこに生きる様々な命の営みに 危うさを感じてひとり動き出す
NPO法人づくりへの一歩を印す 優しさと心意気に溢れたメッセージ
五輪開催とコロナの感染拡大で 辛辣になっている心が和んだ
事はひとりから始まる ひとりからしか始まらない
そのはじめの一歩を 彼の旧友たちと共有したい 

地球の上で生きているってこと
「地球」と聞いて 何をイメージしますか
宇宙から見た 青い丸い地球を思い浮かべますか
太陽系の中の一つの惑星の 地球を思い浮かべますか
地球を遠くから見たら きっとただの球体です
近くから見れば どこを見ても同じ景色はありません
いろいろな自然があり いろいろな景色があり
いろいろな植物たち いろいろな動物たち 
いろいろな昆虫たち いろいろな微生物たち
いろいろな細菌や いろいろなウイルスたちだって生きています
いろいろな人間たちも

「地球」という一つの家の中で みんなが共に生きている
でもいまは ひしめき合い窮屈そうに 互いに攻撃しあって生きている
同じ家に住みながら いつも喧嘩が絶えず ときに命を奪い合う
知恵を手に入れた人間たちは 自分たちが住みやすくなるように
科学や技術をすさまじい勢いで進化させて テクノロジーが巨大なものになった
人間たちは 地球の命の糧を我がもの顔で奪い合う
より多くの有益を貪欲に求めて 必要以上に自然を破壊してきた
数千年を経て 人間たちは住みやすい環境を手に入れた

しかしそれは 他の住人を怒らせた
自然が怒っている
住んでいる「地球」が怒っている
人間は自ら自分の首を絞めていることに どれだけの人が気づいているのか
気づいていても 何もできないのかもしれない
もうこれ以上の技術革新は要らない もうこんなにも必要ない

イヤホンを刺して歩いていたら 隣の人の悲鳴が聞こえるかい
マスクをしていれば 真実は見えにくい
イヤホンもマスクも 自分だけの世界に閉じ込める
我がもの顔で生きるって それでいいのかい
ウイルスがなんだ
ウイルスだって生きている 共存するんだ
体を丈夫にしよう 抗体力をつけよう
そうすれば ウイルスとも共存できる
いつか 口元を覆い隠すマスクを外して 
人間らしい笑顔をみせて歩きたい
そんなおもいが 日々つのる

そこで気づいた
この奇跡の惑星「地球」で生きる私たちには 大きな果たすべき役目がある
未来を生きる子どもたちが 明るく健やかに育つ世界になるように
大きく深呼吸しても 息苦しくないように 
社会の動きを緩めて「いま」を見つめなおそう
子どもたちの感性を豊かに育もう

どうか急がないでゆっくり周りを見ながら 歩いてください
たくさんの命との響き合いを確かめながら 歩いてください
その歩みが 未来になる
「いま」が未来になるのだ
「いま」を大切にするんだ
「いま」の笑顔が未来の笑顔になる
「いま」を見つめなおそう
「地球」に住む全てのものにやどる命を 大切にしよう
「街」で行き交う全ての命とその存在を 大切に生きていこう

大きな未来が待っている 子どもたち
その未来が 命の輝きに満ちるように
子ども時代にしか 味わうことのできない
様々な機会を与え 生の経験をさせたい
一人ひとりの感性を刺激して 色あせない豊かな心を育みたい
地球環境や福祉に目を向け 涸れることのない好奇心を育みたい
体の健康  心の健康 地球の健康を学ぶことで
自分を他人(ひと)に接するように大切にして
他人を自分のことのように大切にできるような
まごころをしっかりと育みたい
おもいのある仲間たちと 協力し合うことの大切さを知り
社会や人 そして地球とコミュニケーションする力を身につけ
自分も周りの一人ひとりも 地球社会の一員であり
尊い存在であるという自覚と 広い視野と実行力を育みたい
そんなおもいを託した「NPO法人」を立ち上る

〔2021年7月18日書き下ろし。昨夜浩平君からメールがきた。嬉しくなって、今朝、彼の純朴な思いを早来小の旧友たちにも伝えようと電話して承諾を得た。すでに子どもの「かけっこ教室」を主宰し社会教育に飛び込んでいるのも頼もしい。心から応援したい〕

5つのしない

無理しない
もう身体がきかない
意気はあがらず 息があがる
老いるとは 体力を知ることか

無精しない
やぼな注文 面倒くさくて仕方ない
無精髭に ジャージ姿でうろつく
老いるとは 色気も失せていくことか

無駄しない
これ肝心 年金暮らしはきつい
出費は 医療費オンリー
老いるとは 生きるを粗末にしないことか

無茶しない
できないことは できません
おとなしく ただ薄笑いするだけ
老いるとは できないと自覚することか

無心しない
甘えない ねだらない 相手もいない
ただ無心になることは できる
老いるとは 日だまりに座することか

〔2021年7月15日書き下ろし。「5つの無」は、心を老いさせぬ戒律か。穏やかな日々が戻ることを願いつつ、17日から投稿3年目に向かう〕