「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

五輪へと駆り立てる

わたしは 五輪をしてほしくない
その関心は 誰かさんの作略と知って失せました
その感動は 誰かさんの思い出話で薄まりました

しかしIOCが 一方的にゴリ押ししてきた
世界中がコロナ禍で やってられないってときに
たかが民間団体が偉そうに五輪するなんて ほんと許せない
そんな不条理な五輪の世界に わたしを巻き込まないでよ

IOCの指導者は 悪意の塊のような人間だ
あんたも人のことはいえないけど
安心安全って なにを根拠にしてるのか皆目不明
賠償金払えって脅かされて 国民のいのちを担保にするのは許せない
意地汚い者を相手に闘うどころか 借りてきた猫となる
片意地を張るだけで 問答無用と開き直る
小心者の空威張りは 見苦しいだけのこと

IOCは崇高な五輪精神を実現するために開催する
崇高な五輪精神の元々はなんだったけ?
「女性や性的少数者を排除し、開催地住民や先住民から土地を奪い、反対の声を無視して強行されてきた暴力的な歴史をもつ。五輪はこれまでも、これからも、誰かの命を脅かし生活を破壊するものだということを知ってほしい」(井谷聡子「差別と開催地蹂躙こそ五輪の歴史『平和の祭典』という虚構から目覚めよう」(週刊金曜日6月11日号)
戦後リメークされた五輪の崇高さの裏の顔 バレバレなんだよね
恥ずかしいから 言い繕うのはもう止めようよ

誤って犠牲を出すことがある だがIOCは強引に開催する
故意にすることで 誤ってなんて嘘でしょ ごめんで済むはずありえない
いのちを危険にさらしておきながら IOCへの弱腰はなんなの?
戦後占領された 欧米人への負い目と人種的なコンプレックス?
みっともないから もう捨てようよ
開催すれば 助かるいのちも助からない
感動の共有なんてくそ食らえ!
子どもでもわかる これ常識

IOCは卑劣な言動と戦略を用いている
五輪って美しいものじゃないって ほんとは知ってるでしょ
アスリートを前面に出す戦略も みんな卑劣で残忍だよね
緊急事態宣言中でもやるって よく言うよ
リオの五輪後の荒廃を見たら 身の毛もよだつ
暮らしを奪われた残骸を もう一度見ておかなきゃいけない
札幌で冬季五輪誘致なんて やめてくれ!
全く説得力は ゼロ!ゼロ!ゼロ!だよ

IOCが受けた被害は小さく 国民に与えた被害は甚大
平和の祭典なんて いまじゃ誰も信じはしない
よくそうやって 世界中を騙してきたんだよ
東京では すでにリバウンドの兆候が表れたって!
そりゃそうだよ
五輪ありきのイベントごっこには ついていけない
呆れてしまうのは 当たり前でしょ

知識人も芸能人も この開催を疑いだしている
観客入れるとか 酒を提供するとか
水際対策失敗しても 知らん顔するとか
開催前倒しで進めるツケが 出てきただけのこと
中止や延期の声を小さくする マスコミの情報操作装置が働く
文化人よ 科学者よ 経済人よ 教育者よ 芸能人よ 信念あるマスコミ人よ 
民主主義の根幹が揺らいでいるのを 傍観するのかい
もっと中止の声を 大きく上げよう

IOCの大義は 神聖なものである
あんたらの さもさもらしい五輪神聖論
五輪教の布教は 御免被ります
ワクチンの接種も効果も間に合わない
供給できぬと 申込中止を指示する体たらく
期待し準備してきた 職場や大学の集団接種も戸惑い頓挫する
ここはAll Japanで乗り切るしかないと 腐りきった精神論
その言葉が吐かれるたびに どれだけの犠牲を払ってきたのか
学ばぬ者たちよ 黒歴史をいまさらながら読み返そう 

この正義に疑問を投げかける者は 裏切り者である
国威発動を夢見た者たちは 集団暴走し始めた
正義に見せかけて煽る戦術は もうたくさんだ
五輪に反対して 喜んで裏切り者になろう
五輪へ導くプロパガンダの法則は 通用しない
都議会選挙も始まった
都民はその良識が問われることを 心して欲しい
見せかけの者たちに惑わされぬよう 見極めて欲しい

開催ありきに執着する明日はままならない 
五輪名誉総裁天皇陛下も懸念されてると拝察される と報道された
官僚は揃って沈静化に躍起になる
安心安全を科学的な説明もできぬまま あざとい企てを続ける 
責任も覚悟も見せぬまま 論議を避け逃げ続ける
その滑稽さは 見事にみっともない恥のかきすて
少し賢くなったわたしは 拒絶権を行使する  
ただすでに「壮大な社会実験」に 
承諾なく強制的に参加させられている
そのことが 悔しくてたまらない
屈辱を味わい 強い義憤を覚える

※「壮大な社会実験」:BuzzFeedでの五輪開催に関するインタビュアーで東京大学先端科学技術研究センター教授牧原出氏の言葉。  

(2021年6月25日書き下ろし。『戦争プロパガンダ10の法則』(アンヌ・モレリ)をアレンジしながら、五輪開催に狂信する者たちに問う)

小さな抵抗

五輪を開催すれば 風向きが変わる
日本国民は単純だから すぐに五輪に熱中する
これまでの嫌なことは 全部忘れてしまうだろう

コロナのしんどさをぶっ飛ばす 強力な忘却剤
信奉するスポーツの力で 歓喜に誘う強烈な興奮剤
ぼったくられても 笑顔でおもてなしする洗脳剤
祭りの後に飲まされる 現実回避の覚醒剤

支給された薬を並べて観戦すれば
IOCと国の術中に 見事にはまる
興奮モードを全開し みな魂を抜かれる

今日は天国 明日は地獄 
市中のコロナは 猛威を振るう
緊急事態宣言どころか 最悪の事態に打つ手なし
インド変種がまん延し 誰も責任は取らず
能面みたいな顔を揃えて なすり合う 
感染した選手は 国を相手に即刻訴訟を起こす

強欲傲慢なIOCの幹部は 血税を湯水の如く浪費する
悪夢の始末に借財抱えるのは 侮辱された弱き者たち
悪因悪果の責めを負うのは 逆らわぬ心優しき者たち
悪衣悪食を約束されたのは お人好しの罪なき者たち

五輪経費は 総額1・6兆円にまで膨らんだ
「平和の祭典」の名の下に おぞましい搾取は懲りずに続く
いのちと暮らしを脅かす祭典を 諸手を挙げては楽しめない

〈わたし〉にできる 小さな抵抗
物わかりのいい人のふりは 決してしない
提供される薬剤は破棄し 全ての競技観戦を断つ
俯瞰剤を飲み 開催中の出来事に注視する

〔2021年6月24日書き下ろし。五輪への小さな抵抗の決意表明。水際作戦など強行突破され、バブルも見事に弾けるだろう〕

付記
隔離免除の特例入国 感染者さらに4人判明、計6人に 東京五輪
東京オリンピック・パラリンピックに参加するため日本に入国した外国の選手や関係者のうち、新型コロナウイルスの感染が確認された人は、ウガンダ選手団の2人のほかに4人いることが判明した。内閣官房が毎日新聞の取材に明らかにした。
内閣官房によると、入国後に感染が確認された選手や関係者は、2月にフランス1人、4月にエジプト1人、5月にスリランカ1人、6月にガーナ1人、ウガンダ2人。多くは来日直後の空港検疫で確認されたが、スリランカ1人は入国5日目、ウガンダ2人のうち1人も入国5日目に判明した。(毎日新聞 2021年6月24日)

孤独なる生命と魂

立花隆氏の死を悼む
「死後の世界が存在するのかどうかは、個々人の情念の世界の問題であって、
論理的に考えて正しい答えを出そうとするような世界の問題ではない」
(立花隆『知の旅は終わらない』より)

この世に ひとり生まれし生命(いのち)と魂
この世を ひとり去りし生命と魂
宇宙の時空の大いなる環のなかに 
〈わたし〉という人間存在を問う

孤独なる生命と魂
いまにとどまることなく 明日に進む時間
生命と魂は 運命づけられた有限の時間を生きる
閉じ込められ制約された空間
生命と魂は 約束された地の環境に生きる

孤独なる生命と魂
時空間に規定された存在としての〈わたし〉
意思ある生命体の存在としての〈わたし〉
生きたいと渇望し死を遠ざける〈わたし〉
つながりあう社会の存在としての〈わたし〉

孤独なる生命と魂
なぜ現世に生まれてきたのか
なぜ生きなければならないのか
なぜ人として生かされてきたのか
解を求め続ける 不可解な〈わたし〉

孤独なる生命と魂
人生の苦悩を 分かち合いたい人がいる
人生の意味を 孤独な魂に見出す人がいる
人生の価値を 愛に求める人がいる
生きる最中に 死の恐怖に抗(あらが)い闘う〈わたし〉 

ときに人は ひとりぼっちであるが
決して ひとりぼっちにはならない
生命と魂を救ってきたもの
それが愛だとすれば
そのことだけは 紛れもない真実だ

現世から解き放されるその日まで
情念の世界に執着し もがき続ける
凡なる〈わたし〉を 生きるしかない

〔2021年6月23日書き下ろし。生に執着し、孤独であるがゆえに求めてやまぬ愛なくば生きてはいけない〕

考える・書く・読む・見る

考えることに疲れたら
こだわることなく 別のことを考えよう
考えることが他にあれば
いま硬直した思考から 逃れられる

書くことに疲れたら
無理することなく 別の文章を考えよう
書くことが他にもあれば
いまどん詰まりの表現から 逃れられる

読むことに疲れたら
ためらうことなく 別の本を手にしよう
読むことが他にあれば
いまの悩みの検索から 逃げられる

見ることに疲れたなら
目薬をさして 目を閉じよう
眺めることが他にあっても
いまは心無にして作業から 逃れよう

考えること
書くこと
読むこと
見ること
新たなテーマがなければ 先には進めない

求めてやまない思索活動
表現の新たな着想と葛藤
解決の新たな発想と試行 
創造の新たな渇望と苦悩

考えること
書くこと
読むこと
見ること
新たな刺激がなければ 先には進めない

求めてやまない思索活動
連想し連動し連続する
猶予なき時間とおもいで織られるタペストリー
魅入られ心地よさに浸る いまがある

〔2021年6月22日書き下ろし。考える、書く、読む、そして見ることの当たり前がいまは嬉しい。ただそれだけのこと〕

紳士な手帳

父の日の娘からのプレゼント
「紳士な手帳」(商品名)
シルクのような滑らかな書き心地の紙質
万年筆が 紙の上をさらりと踊る
娘推薦の言葉の受け売り さらりと流した

翌夕おもむろに手帳を取り出し試し書きする
太字の万年筆の青インクが 紙に馴染むように滲みる
詩『いまを描く』(2020年5月18日自作)を 書き写す
用紙は 方眼のマス目で列は乱れない
見開きページに 縦書きする
そのうち書き慣れてくれば 
マス目を無視して 文字も躍り出すだろう
行数が多いときには 細字の万年筆を使のがいい
楽しみは明日にとっておこう

「紳士な手帳」は 似合わぬだけに照れくさい
「真摯な手帳」に 時間をかけて仕上げたい 
いつかこのノートは 娘たちの手に残こされるだろう
自作の詩を自筆で綴った「たった一つの詩集」
それもまた悪くない
それまでは 親父が詩に託したおもいを静かに記そう

父の日のいつもの酒は 「紳士な手帳」に変わった
万年筆の活躍の機会が出来て 幸いだった
自由に万年筆を踊らせて 書き続けることにしよう
創作意欲を喚起する 娘の作略に見事にはまった
これが父の日の最良のプレゼントかもしれない

〔2021年6月21日書き下ろし。日記を書くのは苦手だ。それよりも好きな自作の詩を書き留める方が楽しいに違いない〕

1回目ワクチン接種終わる

15日 年齢別に時間差で配布された接種予約券が届く
夕刻郵送されてきた
これで団塊世代に行き渡った

さっそく通いの病院に問い合わせた
受付時間には30分間に合わなかった
そこで予約状況を尋ねた
30日以降になるとの返答だった

即刻諦めた
市内の集団接種会場をネットで検索した
5月24日から最初に集団接種を始めた 
中島公園の札幌パークホテルを迷わず選択した
すぐに予約番号と生年月日を入力した

さすが団塊世代
目論見は外れた
画面は すでに予約で埋まっていた
ピンポイントで 20日父の日が数席残っていた
16:00~16:30をチェックして 確認し予約を終えた

二回目の予約画面に移る
3週間後は埋まっていた
多少過ぎても大丈夫だろうと
ここも数席空いていた7月14日13:00~13:30をチェックした
どちらの日も 地下鉄が混み合うリスクが少ない時間帯だった
予約情報をプリントアウトして作業を終えた
要した時間は10分程度だった

なぜホテルを選んだのか
自宅から歩いて10分余の新札幌のホテルにも会場が設営された
19日から接種が始まっている
道が運営する会場で 市外の近郊のマチからも接種に訪れる
交通アクセスがいいので 市外の高齢者には都合がいい
たった一人分でも 遠くから来る人にはありがたいだろう
予約した中島公園パークホテルまで 歩いて10分 地下鉄で30分
このくらいなら 別に不都合はない
よく知っている大きなホテルなので 使い勝手もいい
運営の様子も見てみたかった

20日15:45 ホテルに入った
入り口で体温確認36・2 2階の待合室に誘導される
入る前に予約券の受付(4カ所)を行い 席に案内される
待合会場には 14列×16席 計224人分の席があった
会場の正面のスクリーンには 
ワクチン接種に関する情報が繰り返し流される 
ハンドスピーカーを持ったチーフスタッフが 
接種会場が混み合っているので
帰宅時間は これから1時間程度かかるとアナウンスする
小用に方は会場を出て右手にトイレがあることを告げる
年寄りが多いので大事なことだ
会場が概ね埋まり 周りを見ると6割は女性だった
車いすで介助された人も数人いた
身体の弱い高齢者に付き添う介護者も 
ネームプレートを下げて着席していた

16:00 1列ごとに地下接種会場への移動が始まった
次の列まで3分程度の間隔で 自分の列までは20分程度待つ
16:20 予想通り20分でエレベーター前に移動する
3台のエレバーターが動き ピストンで地下に下ろす
ここでもスタッフが機敏に次の指示を出し 動きは滑らかだった
接種会場は入り口が2カ所あり スタッフが左右の振り分けをする
入り口で 予約券 予診票 身分証明書の準備を指示される

16:30 接種受付 ホテルに入ってから45分かかっていた
受付で書類を挟んだ赤いバインダーを手渡される
再度検温をされて 予備問診を受ける
アクリルの遮蔽板越しに質問を受けるが スピーカーがよくない
相手の声が 音声を変えた機械音のように響く
何度も繰り返し聞く羽目になった
お薬手帳を聞かれたが 持参すべき項目にはなかった
渡されたチェックシートには
手帳を持ってこない旨のコメントが 記されていた 

予診室は9カ所
各室の青ランプが点滅すると 次の人が入室する
接種可能かどうかの診断を受けて 接種の待機スペースで待つ
16:43 入室 
16:44 ファイザー社製ワクチン接種 一瞬で痛みもない
16:59 接種後15分待機して 体調に異常なく最終受付
返却された予約券には 1回目の接種券のシールが剥がされ
予防接種済(臨時)の1回目のシールが 貼られていた 
「コミナティ筋注 製造番号EW0201 有効年月日21年9月30日」

各所に配置されたスタッフの誘導や優しい対応は 高齢者には嬉しい
動線の流れは 予診後から接種までの待機に
多少改善があるかと思えるが 
スタッフの指示で 混乱もなく動いてきたことを考えれば
いまさらの変更は 野暮なことだろう
不安や不平不満を生まぬよう サービスに徹するスタッフ
長時間にわたる緊張の連続で 対応に当たるスタッフや関係者には 
頭の下がるおもいと感謝しかない
ホテルを会場にしたのもうなずける
ホテルとしても 単なる会場提供ではなく
プライドを賭けているのである

18:00 帰宅すると娘と孫の長男坊が待っていた
父の日を祝う夕食に 心を和ませた
早くこの現役世代にも 
ワクチン接種を受けさせねば 経済は回らないと 
五輪開催に狂信する政治に 失望と批判を重ねた

21日昼現在 打った箇所に痛みがあるだけで問題ない
 
〔2021年6月21日書き下ろし。1回目体験接種レポート。21日緊急事態宣言解除後まん延防止法が3週間発令された。札幌の感染者は3ヶ月ぶりに30人以下となる〕

進軍ラッパが耳につく

国家とは軍と警察という暴力装置を
合法的に独占する主体である(マックス・ウェバー)

♪ 敵はみなみな殺せ!
♪ 敵はみなみな殺せ!

進軍ラッパが 吹き鳴らされる
殺せの命令一下 突撃開始
生死を賭けた 人海戦術
作戦が失敗しても 責任取らす
指揮官 安全地帯で生き延びる 

♪ 敵はみなみな殺せ!
♪ 敵はみなみな殺せ!

進軍ラッパが 開催を誇らしく合図する
東京五輪は コロナとの戦場に化す
東京五輪の ワクチンも竹槍もどきと化す 
東京五輪で コロナは戦線を日本中に拡大する
東京五輪を IOCは続行を無理強いする

♪ 敵は民意を無視して強行した
♪ 敵は安心安全と大嘘ついた

進軍ラッパは 
ぶん投げられ壊された
扇動のパワーを失った
抗議の怒号が渦巻いた

♪ 敵は科学を軽視して自滅する
♪ 敵はさらなる国難を招来して失脚する

コロナに打ち勝つどころか 惨敗の白旗をあげた
世界の失笑ばかりか 国威を失墜させた
戦犯は責任を互いになすりつけ合って 自壊する

コロナ戦争は まだまだ続く
五輪の感動がいまの閉塞感を打ち破り 民意は逆転する
独り合点で楽観的な言動に 振り回されるほどバカじゃない
政治家の誠実の欠片すらない言葉は 死語となり朽ち果てる 
飲食店を規制したぐらいじゃ どうにもならない
学校の休校処置も 科学的には効果なし
そもそもは
優柔不断で偏屈な指導者たちを 後生大事にした者たちの責任だった
軽率で独善的な判断が 厄をさらに大きくしただけだった

♪ 政治家たちよ 民意の下で死線を守れ
♪ 政治家たちよ 一兵卒で死線を守れ
♪ 政治家たちよ 生き残りを賭けて死線を守れ

〔2021年6月20日書き下ろし。緊急事態宣言解除後は感染拡大目に見える。五輪やるなら命懸けで国民を説得せよ。原稿読むだけの指導者たちには閉口し信用もすでにない。体たらくな野党にもうんざりだ〕

孤独酒

馴染みの店(居酒屋)の指定席
酒を飲むなら 
孤独酒(ひとりざけ)がいい

冷えたビールを一気に飲み干す
心を無にする
孤独酒がいい

酒の肴に干物の氷下魚(カンカイ)
すえた味に舌鼓する
孤独酒がいい

賑わう店の片隅で
酔客の愚痴を聞き流す
孤独酒がいい

薄暗い照明(あかり)の下で
店の雰囲気にただひたる
孤独酒がいい

升酒に塩を添えて
心の傷を静かになめる
いまは孤独酒がいい

「時代おくれ」をふと口ずさむ
男の悲哀を想い出させる
孤独酒がいい

〆の酒をゆっくり飲み干す
未練残して夜風にあたる
明日も孤独酒がいい

〔2021年6月19日書き下ろし。明日20日緊急事態宣言解除。規制の続く酒場。その賑わいはまだ先にある。2019年12月17日アップの『酒を呑む』も併せてお読みください〕

札幌で羆撃たれ哀れなり

おれは どこにいるんだ
山の中から出たのは 日の出の頃だった
えさを探して 迷ってしまった
周りの景色は 見慣れなかった 
ずいぶん遠くさ 来ちまった

おれは ここで何してるんだ
脅かすつもりは なかった
襲うつもりも なかった
何かされるかと 逃げ回った
ずいぶん遠くさ 来ちまった

おれは 山さ戻りたかった
山の匂いは なにもしなかった
動くもんがぶつかりそうで 面食らった
ずいぶん遠くさ 来ちまった

おれは ともかく逃げ出したかった
やつらが 邪魔するから仕方なかった
やつらが 襲ってくるようで怖かった
ずいぶん遠くさ 来ちまった

おれは 思いっきり走った
来た道がわからず 迷いに迷った
パニクって 探せなかった
ずいぶん遠くさ 来ちまった

おれは 追いかけられた
空には 化け物が爆音をたて浮いていた
怯えを我慢して 草藪に隠れた
ずいぶん遠くさ 来ちまった

おれは 一か八か賭けた
飛び出して走りだすと バンーと2回音がした
体が急に重くなり倒れると またバーンと音がした
ずいぶん遠くさ 来ちまった

おれは かすかに山の匂いをかいだ気がした
あそこまで 戻っていればよかった
こんなに 怖い目に合わなくともよかった
どんどん遠くに 山並みが離れていった
ずいぶん遠くさ 行くんだな

おれたちの山では もう住めない  
おれたちは 山を追い出される
おれたちの山で もうなくなる
おれたちが 里に出たらすぐ殺される
おれたちは いつからか厄介者になっていた

〔2021年6月18日書き下ろし。野生動物との共生は難しい。午前中札幌の街中に羆(ひぐま)が現れ4人が襲われて怪我をした。無事を祈りたい。その後射殺された。街に出た羆になぜか哀れを感じる〕

やりたい放題

五輪に舵を大きく切った
ワクチン接種の進まぬマチには
ワクチン渡さぬと 河野太郎さんは脅しをかける

嘘の塊だった安倍晋三さん
Ⅰ億5千万円の支出の嘘がようやく固まる
党から説明と 責任逃れの道普請を終える
二階俊博さん 凄みは消えてタダの年寄りの顔と涸れた声
林幹雄さんと野田聖子さん 介助しながら時代錯誤のフォローする

脅しも凄みも言い訳も 先輩から継承した平井卓也さん
干されるNECと推奨されるACES(画像認証サービス) 
名前が挙がって迷惑至極 ベストな仕事で競い合おう
文春は 内部告発の証拠の音声データ入手した
勘違いの平井さん 信頼失せて職員は離反する 
救いは 国会閉会で逃げ追おせるとニタリとワニ顔

G7で首脳が五輪を支援すると誇らしく帰国した
なんことはない 菅義偉さんの努力を認めただけのこと
IOCは中国以上の金に群がる独裁団体 G7は全く批判なし
問題は 米国に忖度して中国との関係悪化への道を示す
いままでの「遺憾に思う」から 弾けて過激な発言に
さてこの後始末は コロナ対策以上に
外交・国防の理念なき管さんには とんと難しい

党首討論後に 内閣不信任を求めた立憲の枝野幸男さん
政権奪取も原発ゼロも なぜか信用とはほど遠い
独り相撲の総選挙への突入は 敗亡宣言準備中
まずは本多平直さん みっともない人次はない
公明党の山口那津男さん 一体どこが地盤だか
平和の党是も 形骸化の一途を辿る
高級庶民に姿を変えて 庇(かば)うは失態自民党
自民党公明山口派閥の名に甘んじ 風見鶏に徹する 

尾身茂さん 五輪への提言は近日中に発表予告とか
昨夕の立場をわきまえた慎重な記者会見 期待が薄まる
宣言解除で人流が増えれば リバウンドは当たり前
五輪とワクチン秤にかけて 大きな賭に出た
管さんリスク回避に失敗し 五輪中に緊急事態宣言発出か
IOC涼しい顔で責任放棄し国外脱出 残すのは後始末の請求書

寄り合い所帯の日本医師会中川俊男さん
五輪やるなら宣言延長が望ましい
もっともらしいが その影響力はいかがなものか
一方どこでも誰とでも 自由に遊べる特権階級
とあるリゾート地のホテルは 金持ちで潤うという
とばっちりが怖いから マスコミもリークはしない
裏も表もある命の仕切りは IOC同様札束でしかない

20日の緊急事態宣言解除は まん延防止法に移行する
ステージ3の北海道 いまだに死亡者多数 哀しく続く
ワクチン接種 約1844万人 国民全体では約15%(14日現在)
道内は 高齢者166万人中 接種率26・8%(13日現在)  
札幌の感染者は高止まりが続き 油断は許さぬ
不要不急の外出自粛と飲食店での飲酒の規制は 店も客も限界を超える
命か暮らしかではなく 命も暮らしも崖っぷちにある人を先ず救え!
昨日今国会で公務員の定年延長を決めて 老後の生活を安定させた
弱者は厳しい生活を余儀なくされる一方で うらやむばかりの厚遇法令可決  
若者の就労が拒まれる法令に果たして納得がいくのか 断じて思えない

五輪開催を 多くの犠牲の上に粛々と準備する者たち
五輪開催で 儲けを企む世界の金の亡者たち
五輪開催に 命懸けで取り組んできたアスリートたち
五輪開催は 命と暮らしのリスクを晒し蹂躙される人たち

みんなみんな日本という国の喜劇と悲劇の舞台を堪能する
みんなみんな日本という国は国民の命を賭けた怖い国だと知らされる
みんなみんな日本という国で人間の醜さと美しさのカオスを味わう

〔2021年6月16日書き下ろし。やるせなさを書き記す。愚かな指導者しかいない現実に立ちすくむしかないのか〕