「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

分かる瞬間がいい

モヤモヤしていた
考えても考えても 答えが見つからない
寝ても覚めても 気にかかってしかたない

小骨が喉に刺さっている気分で 気持ち悪かった
すぐに 差し障りのあることでもなかった  
他人(ひと)には どうでもいいささいなことだった

いつか気にかけなくなって 忘れていた
何気ないことから 不意を突かれて答えが現れた
なんだこんなことだったのかと スッと納得をした

気がかりだったことが分かるということ
諦めかけていたことが分かるということ
理由(わけ)もなく分かった瞬間がいい

自分のたわいなさが分かるということ
自分のこだわりが分かるということ
それでも分かった瞬間がいい

イライラしていた
考えても考えても よくわからなかった
どうしたらいいのか 不安が募った

他人との つながり方だった
気持ちが 相手に伝わらなかった
ひとりぎくしゃくしてるのが 悔しかった

つながりを 切りたくなかった
何気なく悩みを つぶやいた
なんだ そんなことかと笑顔が返ってきた

自分の思い込みの強さが分かるということ
相手の懐(ふところ)の深さが分かるということ
その違いが分かった瞬間がいい

自分のことが分かるということ
相手のことが分かるということ
どちらも分かった気になる瞬間がいい

〔2021年6月15日書き下ろし。たわいないことで誤解は生じる。突然訪れる「分かる」という瞬間がいい。「分かり合う」はその先にある〕

宣言解除の吉兆か

6月 1日 緊急事態宣言の初日
全道で254人 札幌市内で162人の感染者がでた 
死者は7日連続2ケタを記録する
2日:317(201)死者8日連続2ケタ
3日:300(193)死者過去2番目18人
4日:202(112)
5日:274(159)感染者全国2番目、札幌死者最多に並ぶ13人
6日:183(125)約1か月ぶり200人下回る
7日:147(91)約1か月ぶり150人下回る
8日:120(74)死者最多並ぶ19人(札幌市も最多並ぶ13人)
9日:179(124)死者16人(札幌市2日連続2ケタ)
10日:181(113)死者11人
11日:145(72)死者17人(札幌市最多14人)
12日:124(92)死者15人(全国最多)
13日:82(59)死者4人
札幌市で60人を下回るのは 4月14日59人以来約2か月ぶり
道内で100人を下回るのは 4月19日78人以来約2か月ぶり
(括弧内は札幌市の感染者数)

解除の日までの1週間
札幌駅周辺もススキノも 人出は前週よりも減少する
道内一円にまん延したクラスターが 起こらぬ事を願うだけだ
集団接種の会場も 2カ所から3カ所増設される
一気呵成に接種を行う体制づくりが 本格化する
しかし 75歳以上の未接種者の動向が気にかかる

今週から74歳以下の接種が 年齢別の時間差で始まる
元気のいい団塊の世代だけに 予約は殺到するだろう
受付順位獲得アクセスが ヒートアップする
待ちに待ったワクチン接種に 希望をつなぐ

74歳以下の世代が打ってしまえば 鬼に金棒
接種済証を首からぶら下げて ガンガン飛び回るのは必至
街中の人出も 改善されることだろう
経済が回って行く期待が 広がる

20日緊急事態宣言を解除する
ワクチン接種で 五輪開催にこぎつける目処が立つ
暗かった1年半の 鬱憤を晴らす扉がいま開く
活発な人流が生まれて 経済が回復していく吉兆が現れる
五輪の入場券と飛行機の手配に 追われる
7月以降の札幌のホテルの予約は順調と 風の便りに聞こえてきた
内地からも ドンと五輪の観戦と観光で押し寄せてきてほしい

G7の全首脳は 熱意にほだされ力強い支持を表明した
命の危険も顧みず 五輪開催一筋に奮闘努力された
恨み辛みに怒りを買ってまでも 国難を正しく導かれた
ワクチン接種の一念が 正しいことを証明された
ヘーシンクの強さよりも 強いリーダーシップを見せつけた
東洋の魔女の活躍よりも 感動する
東京大会は 必ずや成功します!

6月 ほんの夏の夜の悪夢の始まりです

〔2021年6月13日書き下ろし。札幌コロナ感染レポート。感動と感謝を伝える日は来るのか。解除後の予期せぬ事態が怖い〕

付記
菅首相、五輪に「G7全首脳から力強い支持」
菅義偉首相は13日午後(日本時間夜)、英コーンウォールで主要7カ国首脳会議(G7サミット)閉幕後に記者団の取材に応じ、東京オリンピック・パラリンピックの開催について「全首脳から大変力強い支持をいただいた」と述べた。
「私自身、改めて主催国の首相として、こうした支持を心強く思うとともに、東京大会をなんとしても成功させなければならない」と強調。「しっかりと開会をし、成功に導かなければならない。そういう決意を新たにした」と述べた。
サミットの首脳宣言では東京大会を「新型コロナウイルス克服に向けた世界の団結の象徴」と位置付け、「安全、安心な方法での開催」への「支持」を盛り込んだ。
菅首相はサミットの討議やG7各国首脳との個別会談で、東京大会で新型コロナウイルスの感染対策を徹底する方針を説明した。日本政府の発表によると、フランスのマクロン大統領が開会式に合わせて来日する意向を改めて示し、バイデン米大統領が開催に「支持」を示すなど、各国首脳との会談で支持を得たとしている。(毎日新聞2021年6月14日)

バッターボックスに立つ

川砂をまいたバッターボックス
軟式用の黒い木のバットで構える
グリップを赤い手袋で握りしめる
スパイクは砂に沈む

静かにスイングを始める
1回2回と数を数えながら
庭に緑濃く茂る紫陽花の葉に向かい
球筋をイメージして徐々に強く振りきる
50回で右から左にスイッチする

ワンサイクル100回
これを二度すると顔から汗が噴き出す
その汗が全身に回るところで終わる
二年ぶりの快感だ

歩くことも面倒になった
思索などとは恐れ多いことだった
走ることは出来なくなった
手っ取り早く庭で汗をかく

60を過ぎてからスポーツとは縁遠くなった
好きだった野球もソフトもしたかった
バッテングだけは庭でも十分出来た
腰回りの運動にはもってこいだった

バッターボックスは聖域だった
雑草が生えるものなら天敵とみなし退治した
狭い庭の貴重な1畳ほどのスペースは
ここ十年丹念に整備されてきた

去年腰痛でボックスに立つことが出来なかった
運動へのモチベーションも下がった
雑草が我が物顔することだけは許さなかった
いつかの日のために整備を怠らなかった

6月快晴 気温も高まりコンディションは整った
目標は1日500本
十年前は1000本振った
いまは振れるだけでも良しとする

7月末からワクチン接種を無事終えて
全道を駆け回る体力づくりを心がける
都市間バスに何時間も揺られての移動に堪える
腰の強化が目的だ

汗をシャワーで流して一息つく
庭のベンチに腰掛け太陽を見上げる
片手に炭酸多めの夏の「サッポロクラッシック」
冷えたビールを口中に一気に放り込む

バットを無心で振り汗かくだけのことが
どれだけリフレッシュされるのか
二年ぶりの爽快さをビールで盛り上げる
こんなことで救われることが嬉しかった

足できれいにならされたバッターボックス
明日の出番を待って夏風に砂が巻かれる

「2021年6月13日。書き下ろし。ビールを飲み終えた勢いで書いた。夏の仕事へのモチベーションを高めることと、コロナ禍で自宅待機の体力づくりにはもってこいの運動だ〕

わたしに出会う

臆病者は 戸惑うばかりで 
いつも誰かの言いなりだった
オロオロするばかりで
何も自分で決められなかった

臆病者は 人影に隠れるばかりで
いつも自信なげにうつむいていた
オドオドするばかりで
何も自分から始めることはなかった

臆病者は わたしに出会った
いつか目を懲らすようになった
ドキドキするばかりで
何かが心を動かし始めた

臆病者は わたしが忘れられなくなった
いつしか強く意識しだした
ズキズキするばかりで
何かが心を叩き始めた

臆病者は わたしが何ものかを知った
いつも抑えてきた本心だった
ジリジリするばかりで
わたしが心を刺激し始めた

臆病者は わたしを忘れていた
いつも触れずにいた感性だった
キラキラするばかりで
わたしが心を揺さぶり始めた

臆病者は わたしが必要だと知った
いつもそばにいた自律心だった
清々(すがすが)しいばかりで
わたしなしでは もう生きられなくなった

臆病者は わたしに導かれていく
いつも護るべき自由意思だった
毅然とするばかりで
わたしらしく生きることの存在理由となる

〔2021年6月13日書き下ろし。人はその人なりの存在をどのように見出し変えていくのだろうか。臆病者の自分にも、ようやく少し分かりだしてきた〕

時を待つ

着古した上着を脱いで
夏の真っ赤な陽ざしの中に
心を解き放す時が来た

カビの生えた家を出て
夏の透きとおった青空の下で
心を熱く燃やす時が来た

歓喜に沸く街にいて
真夏の夢見る群れの中で
心が砕ける時が来た

歓声で沸くアリーナで
真夏以上の熱気を浴びて
心を高ぶる時が来た

夜の街の喧騒に紛れ
熱帯夜に狂気の叫びをあげて
心を麻痺させる時が来た

厭世を振り払う享楽にふけ
祭りに人に酒に酔いしれながら
心が恐怖に突き落とされる時を待つ

〔2021年6月12日書き下ろし。五輪開催はG7でも支援すると国民無視の馬鹿げた会議が行われている。恐怖の時を待つしか選択肢はないのか〕

無言の抗議

9日、党首討論 五輪「安全」根拠を語れ(8日神奈川新聞社説)
党首討論 首相の言葉が響かない(朝日社説)
党首討論と五輪 開催の意義を語れぬ首相(毎日社説)
党首討論 やはり肩透かしだった(北海道新聞社説)
国民の疑問に応える党首討論へ改革を(日経社説)
党首討論 疑問に答えぬ不誠実(東京新聞社説・中日新聞)
党首討論 国民の疑問になぜ答えぬ(西日本新聞社説)
党首討論 五輪開催へ情熱と具体策語れ(読売社説)
菅氏初の党首討論 国民の納得には程遠い(秋田魁社説)
菅首相初の党首討論 会期延長しコロナ論議を(琉球新報社説)
菅氏初の党首討論 「不安」に答えていない(沖縄タイムス社説)
2年ぶり党首討論 「丁々発止」促す制度に(中国新聞社説)
党首討論 問いに答えない不誠実(信州毎日社説)
菅首相 ワクチン接種 “希望者全員10~11月に終了へ取り組む”(9日NHKニュース)
党首討論 ワクチン邁進が最優先だ(産経主張)

一言 歳費の返納を求める

〔2021年6月10日書き下ろし。10日各社朝刊の社説等の見出しを並べた。産経だけが擁護的な論調だった〕

お題目を唱える

「国民の命と健康を守るのが私の責任」
8日も北海道は 2度目の最多19人死亡
6月だけで死者111人を数えます
なぜ死亡率が高いのか その理由を教えてください
命を守らないのは 自助能力の欠如と自己責任ですか
ワクチンが行き届かないのは 遠地だからと
子飼いの鈴木道知事は 言い訳してました
健康も 北海道は後回しにされるんですね
地域医療をないがしろにしてきてツケは 
あなた方の責任ですよね
でも五輪開催の意気込みとは えらい違いです
「国民の命と健康を賭けるのが私からのギフト」

どんな質問がとんでも お題目を唱えます
「安心安全を守る」
そのためには どんな対策をするんですか
「安心安全な対策です」
五輪は本当に開催するのですか
「安心安全を守ればできます」
海外からの入国者を規制できますか
「安心安全に守ります」
ボランティアや国民に感染するリスクはありますか
「安心安全を守れば大丈夫です」
無観客なら東京で開催する必要がありますか
「安心安全をアピールします」
コロナで多くの方が犠牲になっています
「安心安全だからその程度ですんでいます」
五輪開催に世論は半々になってきています
「安心安全を守ることが理解された結果です」
世論操作はお手のものですね
竹中平蔵さんも熱く応援されてるとか いい風向きですね
「私自身の安心安全を守るために全力で尽くします」

「国民の命と健康を守るのが私の責任」
「安心安全を守る」
たった2つのフレーズで 局面を乗り切る
身の丈さを超えた責務の重さと
見苦しさをさらけ出しながら
そう言い続ける虚しい生き様に
この男の哀しい執念を見ている

〔2021年6月9日書き下ろし。今夕不毛な党首会談がある。10日には緊急事態宣言の解除日程について協議される。いよいよ五輪強行カウントダウン開始。その前に都議選あり。それ以上に札幌市厚別区選出の本多平直衆院議員は「認識不足」で次はない〕

付記
立憲・本多氏「認識不足で不快な思いさせた」 性交同意発言で謝罪
立憲民主党の本多平直衆院議員(56)=比例道ブロック=は8日、国会内で記者団に対し、刑法の性犯罪規定見直しを巡る自らの発言について「私の認識不足の発言で多くの方を傷つけ、不快な思いをさせたことを心からおわびしたい」と謝罪した。7日に謝罪と発言撤回のコメントを出していたが、初めて取材に応じた。本多氏は5月10日の党ワーキングチームの会合で「50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」と発言していた。(北海道新聞2021年6月8日)

記者は特ダネを狙

なぜ危険極まりない東京に 行こうとしてるんだ
黒歴史に刻まれる悪魔の祭典を 見逃すわけにはいかないしょ

かなり報道機関も 規制や拘束がかかるっていうぜ
アホらしい ルールなんぞ守ってられるかい
そんなお行儀のいいやつなんぞ いるはずはない
日本人はお人好しだから コロリと騙(だま)される

何を取材するんだよ
コロナで死にかかっている〈都市風景〉ってやつかな

五輪の取材は?
公式発表やらで インタビューなんか簡単に手に入る
家でテレビ観戦している連中の うっとうしさとか
炎天下 外で仕事している連中の やるせなさとか
熱中症で倒れていく連中の 顛末だとか
コロナで苦しんでいる連中の 病棟戦記だとか
夜の酒場で盛り上げっている連中の 厭世感だとか
東京の街で 生き死にしている人間の懐に入って
残酷かつ奇妙な滑稽さと異常さを 世界に発信するのさ

待てよ それって少しおかしくないか?
日本中が五輪で苦しんでいる様子を取材したって
面白くもおかしくもない!
そのために東京まで行く必要があるのか

そこだよ そこなんだ!
「犠牲」という本当の意味を 誰が知らせるんだ
「責任」という本当の取らせ方を 誰が伝えるんだ
五輪に現(うつつ)を抜かして 私腹を肥やす連中を
一体誰が糾弾し 誰が裁くんだ

当たり前の暮らしが 五輪で犠牲にされても
家に閉じ籠もって 熱中症になっても
救急車で運ばれて たらい回しにされても
コロナで仕事をなくし 子どもにひもじい思いをさせても
一体何のために五輪をやるのかさえ あやふやにされても
五輪への恨み辛みを抱えて 抗うことなく辛抱強く我慢する

礼儀の国であるがゆえの約束で 邪悪(よこしま)な歴史を刻む
為政者たちは 常に歪曲した報道管制をしく
真実を隠蔽するのは 分かりきっている
そこに メスを入れなければ 暴かなければ なんぼのもんだ
ありのままを 見たままを 聞いたままを 感じたままを
ひとりの人間として ジャーナリストとして「記録する」

ルールを 破るんじゃない
そもそものルールが 間違っていることを証明する
そのためにも 街に出ていく
その覚悟がなければ 黒歴史の立会人にはなれない
東京の狂気に満ちた祭典の顛末を 報道するのがオレの仕事だ
火中の栗を拾わなければ 真実は逃げていく
五輪中止を訴えきれなかった せめてもの償いかもしれない

そうか 強制出国にならぬよう気をつけろよ
心配ない 楽勝!
大勢で規制を破るから 警備のしようがない
いろんな国の 記者連中がとっ捕まるから
警察には通訳が足りなくて 即刻根を上げる
五輪で通訳は手一杯だから お咎めなしで放免される
日本の警戒体制なんぞ戦場とは雲泥の差 いいとこ限界だね
まずは東京から送るスクープ 楽しみにしてくれ
「潜入東京五輪 管(すが)下統制で隠蔽された真実」

〔2021年6月6日書き下ろし。プレーブック(規則集)の順守など誰が信じますか。特にジャーナリストには、無理です。どんな特ダネが報道されるのか、不埒な想像をする〕

付記
五輪開催は「安全なTOKYO2020オリンピック・パラリンピック」と表記したのみだった。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は3日の参院厚生労働委員会で、東京五輪・パラリンピックについて「こういうパンデミック(世界的大流行)でやるのが普通ではない。やるなら強い覚悟でやってもらう必要がある」と話し、徹底した感染対策を求めた。近く専門家の考えを示すことも明らかにするなど、開催ありきの政府や五輪関係者にくぎを刺す発言が相次いでいる。
尾身氏は、五輪開催時は全国から会場への観客の移動、パブリックビューイングなどでの応援といった要因から新たな人の流れが生まれると分析。「スタジアムの中だけのことを考えても感染対策ができない」と指摘した。「ジャーナリスト、スポンサーのプレーブック(規則集)の順守は選手より懸念がある」と、来日する大会関係者らの行動制限にも不安を漏らした。…(東京新聞2021年6月3日)

出る杭であれ

出る杭を打った
杭は 小心者には脅威だった
杭の才覚を無力化するのに 血眼をあげた

出る杭を打たなければならなかった
序列が混乱することは 放置できなかった
秩序を攪乱(かくらん)することは 許せなかった
権威が侮蔑(ぶべつ)されることを 阻止した
業績を評価することなく 無視した

出る杭は徹底的に打たれた 
異議を訴えるのは 御法度だった
バカ正直だったばかりに 恨まれ疎(うと)まれた
狡猾(ずる)さがないばかりに 冷や飯を食わされた
器量は 日に日に輝きを失っていった
いつも出鼻を挫かれ いつかタダの人になった 
 
出る杭にはなりたくなかった
同調圧力を甘受し追従する
他者承認を常に意識し振る舞う
自己主張を封印し依存する

出る杭は隠さなねばならない
平凡さを身に纏(まと)い ふつうを装う
世渡りの媚(こび)の売り方を 倣(なら)う
適当にあしらい おくびにも出さない
いつか杭は朽ち果て 魂の抜け殻だけが残された

渇望 出る杭でありたい
自己感応 自己判断 自己決定
自由意思を追認する
自己目的 自己評価 自己責任 
自己の存在を再認する
自己肯定 自己開発 自己成長
思考と行動を解放する

熱望 出る杭であれ
わたしがわたしである理由がそこにある
わたしがあなたと違う理由がそこにある
わたしがわたしとして生きる理由がそこにある
あなたがわたしと生きる理由はきっとみつかる

※出る杭は打たれる:①才能・手腕があってぬきんでている人は、とかく人から憎まれる。②さし出たことをする者は、人から非難され、制裁を受ける。

〔2021年6月7日書き下ろし。昨夜京都醸造株式会社製造のクラフトビールを飲んだ。赤唐辛子と花椒が入ったビールだった。ビールで初めて汗をかいた。缶のパッケージに書かれた「出る杭であれ」に触発された〕

心の五味のひとあじ

怠惰な一日だった
朝から身体が重く 気だるさが心を占めた
気分転換に庭に出た
外気は25度の夏日 
陽ざしは強かったが 吹く風も強かった
長居も出来ず 冷えた部屋に戻った

リクライニングチェアを倒した
読みかけの本を 手にする
効果なく 眠気が走る
iPadを手に ニュースを指であさる
集中できず あきらめる

考えることを やめた
見ることも やめた
怠惰な状態を 受け止めた
モチベーションが落下する
心の欠落 

心の五味の批判感覚
酸(すっぱい)さが ここ数日キツかった
苦(にがい)おもいが 溜まっていった
甘(あまい)くはない事態に 憤っていた
辛(からい)論調が 己の弱さを吐露した
鹹 (かん)が身体に回り 毒気に冒された

心の五味の感覚停止
悲観感ゆえの 心の痛みからの回避
無力感ゆえの 心の衰弱からの回復
閉塞感ゆえの 心の崩壊からの回生

心の五味の喪失からの再生
焦燥感ゆえの 苛立つ心の制御
失望感ゆえの 逆らう心の抑制
危機感ゆえの いのちと心の防御

※五味(ごみ):古くから言われている、酸(すっぱい)・苦(にがい)・甘(あまい)・辛(からい)・鹹 (かん:塩からい)の五種の味。

〔2021年6月3日書き下ろし。虚しさと疲れが倦怠感となった。怠惰は時に自分を見つめる機会となる〕