「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

旅立ちの日

たった一度の人生に
生きてく不安と苦痛が ダブルで襲った
いじめられて こころが折れた
たまんないほど こころが砕けた
のびのびと こころ呼吸したかった
苦く辛いおもいは 過去に捨て 
望んで挑む 自ら求めた道へ
さあ旅立とう

できもしないくせにと 笑われようと
怯むことなく 正直に生きたい
理不尽なことに こころが萎えぬよう
野に咲く花のように こころに強く根を張りたい
希望のひとかけらを握りしめ 歩き始める
めざすのは 人としてありたい自分
いま旅立つ

学校や級友という まとわりつく悪しき集団
その呪縛から 解放される日
自らの人生を生きると 覚悟した日
いまを生き明日をつくる 主人公になる日
待ち遠しかった 旅立ちの日

こころから 卒業おめでとう

〔2021年3月1日書き下ろし。辛く悲しいおもいを背負ってきた子らの旅立ちの日に〕

島根県知事の涙

カネの切れ目が 縁の切れ目
カネがないから 支援は打ち切り
カネでしばるのは もう無理です

野となれ山となれ
野垂れ死にしようがしまいが
好きにするしかないでしょ

国の懐あてにせず
客の懐あてにして
営業するしかないでしょ

一見さんは無理でしょ
常連さんに泣きついて
どうぞ経営努力してください

運転資金貸し付けてます
もう借り入れ無理だって
そんなら助けようがありません

これからは五輪にシフトします
もう飲食店など構ってられません
生き残るなり潰れるなり
ご随意にどうぞ

〔2021年2月27日書き下ろし。五輪に前のめりになっている政権に、丸山達也島根県知事が涙して苦境を訴える。その姿に地域経済の切迫した危機を痛く感じる〕

付記
消える支援金 不安濃く 札幌時短終了 「客足戻るとは…」
新型コロナウイルスの感染対策で、札幌市内全域の飲食店などに出ていた道の営業自粛要請が3月1日に解除される。営業制限の全面解除は約4カ月ぶりとなるが、札幌・ススキノの飲食店主からは「客足が戻るとは思えない」とため息が漏れた。同居人以外との飲食自粛などの要請は続く一方、営業自粛の協力支援金はなくなる。「歓送迎会の人出も見込めなくなる」と冷ややかな受け止めも広がった。
「さあ3月からという期待は、とても持てない」。ススキノで居酒屋を経営する木村正美さん(58)は嘆いた。異動期の宴会需要は見込めず、「支援金はなくなり、厳しい現実だけが残る」とこぼした。 (北海道新聞2021年2月27日)

かるいとおもい

なんてかるいんでしょ
まるでシャボン玉のよう
すぐにかぜにとばされます
あなたのことば

なんておもいんでしょ
まるでおもしのよう
すぐにはかつげません
あなたのおしごと

なんてかるいんでしょ
まるで鳥のはねのよう
すぐにおそらにまいあがります
あなたのおしり

なんておもいんでしょ
まるで気がしずんだよう
すぐにはもどせません
あなたのせきにん

なんてかるいんでしょ
あなたのことばとおしり
なんておもいんでしょ
しごととせきにん

かるさもおもさもかみしめて
まじめにはたらいています
かるさもおもさもわきまえて
それなりにくらしています
かるさとおもさをちがえれば
もうたべてくことはできません

かるくとも
おもくとも
正しいことをするだけです

〔2021年2月26日書き下ろし。見たくないものを見せつけられる官僚たちの醜聞劇場。自律心のなき者たちの哀れな顛末。それでも生き残る魔界を見る〕

続ミャンマー22222

ミャンマーの民は勇敢に銃口の前に立つ
無念にも命を奪われた犠牲者へ哀悼の意を表したい

不服従せよ
敵は軍事クーデターで民政を揺るがす国賊だ
敵は民意に背く許しがたき叛逆者だ
敵は私欲を貪る由々しき犯罪者だ
救国の民は平和的デモに参加する
救国の民はゼネストで軍政を追い詰める

不服従せよ
民は正義なり
選挙で選ばれた文民政府を支持せよ
軍部の偽りの民主主義を排除せよ
不当に権力を得た者たちを糾弾せよ

心ある軍人よ 服従せよ
民意を疑うことなく信じて従え
民と共にこの難局に立ち上がれ
銃を捨てデモに参加せよ
悪魔の命令を放棄せよ

軍人も不服従せよ
その前に一人の優しき民なり
境遇への慈悲と情をかけよう
家族への中傷と差別は許さない
寝返りへの良心の呵責は真なり

民政に服従させよ
ミャンマーの国は民政によって統治する 
軍司令官を追放せよ
ミャンマーの国は民政によって正される
軍司令官を法廷で裁け
ミャンマーの国益は民政によって守られる
軍司令官の資産を凍結没収せよ

不服従運動が全国に広がる
国民に向けられた銃口は静かに下ろされる 
軍政は内部からも崩壊していく
指揮した者たちは厳しく弾劾される
真の民主主義を実現するために
選ばれし民政は混乱を鎮め
仁政を国内外に示さねばならない

そうあってほしいと強く願わずにはいられない
道遠しといえども希望への一歩はここに始まる

〔2021年2月25日書き下ろし。ミャンマーの軍事クーデターに立ち向かう国民の民主主義を死守しようとする覚悟とその先にある希望に託す〕

気が緩む

春の陽ざしに誘われて
花の香りに惹かれて
人恋しさに魅せられて
いま心を解き放ちます

他人様に迷惑かけぬようにと
膝を抱えて寂しさに堪え
長い巣ごもりの季節を過ぎて
いま暮らしが戻ります

お外は明るさに満ちてます
人混みは生気であふれてます
商店街は人出で賑わいます
いま世間が活気づきます

伸びをする
弾(はじ)ける
箍(たが)を外す
気が緩む

欲求を満たす
衝動に駆られる
マナーを無視する
気が緩む

ワクチン打つまでと気を紛らわす
そのときスッとコロナウイルス入り込む
あっという間に世間に広がり
不平不満が世を満たす

〔2021年2月24日書き下ろし。五輪やりたさに一刻の猶予もならぬ宣言解除。それどころではない事態に、しっかりと備えるしかいまはない〕

付記
首都圏知事、宣言解除要請に警戒感「気を緩めたら努力が無に」
関西圏や中京圏の知事が政府に緊急事態宣言の解除を要請したことに、東京や神奈川など首都圏の4都県知事が住民の気の緩みにつながるのではないかと警戒を強めている。4知事は23日にテレビ会議で新型コロナウイルスの感染状況などについて意見交換したが、「気を緩めたらこれまでの努力が無になる」などの厳しい声が相次いだ。宣言解除ができるのか、首都圏は正念場を迎えている。
4知事が懸念しているのは、新規感染者数の減少ペースの鈍化や、変異株の広がりが確認されているためだ。感染対策の切り札であるワクチンも行き渡るには時間がかかる。こうした中で「宣言解除要請」の情報が広がれば気の緩みにつながり、リバウンドで一気に新規感染者数が増加する恐れがあるとみている。
テレビ会議では、小池百合子・東京都知事が「とことんみんなで協力して対策を進めなければ、(宣言の期限である)3月7日の解除につながらないし、その後の再拡大も防がなければならない。一人一人のもう一段の協力が、今の事態を抜け出すためには必要だ」と強調。黒岩祐治・神奈川県知事は「今は(感染者や病床使用率が)下がっていても、暖かくなって梅や桜が咲き、卒業や入学シーズンだとワッと人が出始めれば、患者が激増することがありかねない。(宣言解除の)前倒しなんて冗談じゃない」と語気を強めた。(毎日新聞2021年2月23日)

気だるさの先に

緊急事態宣言もどきの
道独自の集中期間が ようやく解除される

札幌と道内の往来自粛が 続く
依頼された全ての研修事業が 中止された
意欲は削がれ 出会いは消滅する

長い自粛生活が 続く
コミュニケーションも ままならず
電話とメールのやり取りに 終始する

気ままな暮らしが 続く
机にへばりつき 仕事に精出す
それでも気だるさは 日々つのる

変化に乏しい日が 続く
飲んで食って寝るを 繰り返す
体重は 人生最大の数値を示した

新規感染者の減少が 続く
警戒ステージ4を 下げられるのか
外出自粛要請の解除が 検討される

解除されても 警戒心は続く
ワクチン接種の予定は 延ばされる
揺り戻しが起これば 元の木阿弥

予断を許さない 厳戒体制が続く
気を緩めず 箍(たが)を外さず
気だるさの先に 解放の春を待つ

〔2021年2月23日書き下ろし。外は吹雪。しばらく外に出ていない。緊急事態宣言の解除の動きも出ているが、気を緩ませると揺り戻しは起こる。五輪開催は赤信号に〕

付記
道、外出自粛要請解除も 札幌と小樽、2月末で
道は22日、新型コロナウイルス対策で行っている札幌市内と小樽市内の不要不急の外出、往来の自粛要請を28日に解除し、延長しない方向で検討に入った。日別の新規感染者が減少傾向にあるためで、26日にも感染症対策本部会議を開いて解除の是非を決める。
外出、往来の自粛要請は札幌市が昨年11月17日、小樽市は今年1月28日に始まった。道が要請解除を検討するのは、札幌市内の22日の感染発表数が12人と約4カ月ぶりの少なさとなり、小樽市内も感染が沈静化しつつあるため。道は感染対策の基準とする5段階の警戒ステージで札幌市内を2番目に高い「4相当」としているが、道内全域と同様の「3」に引き下げるかどうかも焦点となる。
道は札幌市内全域の飲食店に対する時短営業要請については、全道および札幌市内で入院している感染者数など明確な基準に基づいて解除の是非を検討する方針で、現時点では解除基準に達していない。(北海道新聞2021年2月23日)

ミャンマー22222

ミャンマーの軍政は 銃口から生まれた

服従せよ
敵は 暴動と無秩序で国政を揺るがす国賊だ
敵は 国家に背く許しがたき犯罪者だ
敵は 国体を破壊する由々しき叛逆者だ
救国の兵士よ 迷わず標的を定めよ
救国の兵士よ 暴徒から祖国を死守せよ

服従せよ
軍は 正義なり
違法な選挙で選ばれた文民政府を打倒せよ
偽りの自由と民主主義を弾圧せよ
不当に権力を得た者たちを糾弾せよ

服従させよ
軍は 敵に銃口を向け発砲する
軍は 命令一下敵を駆逐する
軍は 情け容赦なく敵を粉砕する

服従せよ
我が勇敢な兵士よ 疑うことなく信じて従え
我が勇猛な兵士よ この難局に立ち上がれ
何百万の敵が迫ろうとも 誰かを殺せば押し黙る
何百万の敵が声を上げようとも 誰かを殺せば怯えあがる

服従させよ
敵は 同胞であって同胞ではない
敵に 慈悲も同情も許されぬ
敵が 家族でも容赦してはならない
敵に 寝返るような輩は抹殺する

服従せよ
ミャンマーの国を軍政によって統治する 
軍司令官を死守せよ
ミャンマーの国は軍政によって正される
軍司令官を崇拝せよ
ミャンマーの国益が軍政によって得られる
軍司令官の資産を守れ

不服従運動が 全国に広がる
国民に向けられている銃口は 
いつか軍政に向けられる
軍部は断末魔の叫びをあげ
国民は勝利の歓声をあげる

〔2021年2月22日書き下ろし。ミャンマーの軍事クーデターに立ち向かう国民の民主主義を死守しようとする覚悟を見る。我にその覚悟はあるか?〕

付記
ミャンマー、ゼネストで経済マヒ 最大級の抗議デモ
【ヤンゴン=新田裕一、バンコク=村松洋兵】ミャンマーで22日、国軍のクーデターに抗議する最大級のデモが実施された。ゼネストの呼びかけに応じて各地で多くの商業施設や工場が休業し、経済がマヒした状態となった。治安当局による発砲でデモ隊に死傷者が出たことを受け、国軍への反発が強まっている。
デモ隊は1988年8月8日の民主化運動「8888蜂起」にならい、日付に2が並ぶ2021年2月22日に「22222」運動と称してSNS(交流サイト)で参加を呼びかけた。
最大都市ヤンゴンや首都ネピドー、第2の都市マンダレーなどで大規模なデモとなり、主要産業の繊維業を含む大半の工場が閉鎖された。営業を続けてきた大手スーパーも休業した。国軍への抵抗を示す「不服従運動」に多くの労働者が加わったとみられる。
国軍はデモを取り締まる姿勢を強め、これまでに治安部隊によるとみられる発砲で3人が死亡、ヤンゴンでも自警団の男性が死亡した。
国軍は同日、国営テレビを通じ「デモ隊は命を失う対立に人々を扇動している」と警告した。国軍は5人以上の集会を禁止している。(日経2021年2月22日)

茶の間に居座る

21日朝から依頼された原稿の執筆に集中した
夕方ようやく添削を終えた
妻の夕食の声で茶の間に行った

豆ご飯とおかずを口に運ぶ
視線の先に「真相報道バンキシャ!」が流されていた
食後のお湯をすする時には 「NHKニュース」
天気予報でチャンネルを変える

「ザ!鉄腕!DASH!!」
東京湾沖で釣り上げたイナダ(ハマチ)の試食
ブリ大根ならぬイナダ大根の煮付けに秘訣を学ぶ
米のとぎ汁で大根を茹でると 煮汁の通り道ができる
飴色に煮詰まった大根を見て 
妻におでんで食べようと約束する

NHK大河ドラマ「青天を衝け」にチャンネル移動
北大路欣也の当時の江戸の世情の語りから始まる
大きな白布を使ったプレゼンに目を奪われながら
悪代官の理不尽な要求を飲み 道普請に駆り出される農民たち
いつの世も役人の横暴さは変わらぬと妙に納得
時代が動き始めるなかで能を舞う 徳川慶喜の心をおもう
ただ若者の装いも 40を超えた草彅剛では皺は隠せぬか

21時「サンステ~大坂なおみの特集」を妻に薦められた
NHKスペシャル「ワクチンあなたの町は感染収束への道筋は!?」
これは翌日NHKプラスで見ることにした
予定通り大好きな女優綾瀬はるかの「天国と地獄」を選択する
女刑事と男の犯罪者?が入れ替わった奇想天外なミステリードラマ 
安直なストーリーの展開の割には 謎解きが難しくなっていく 

22時NHKBSで「潜入10年・北朝鮮国際武器ビジネスの闇」
素人スパイデンマーク人ウルリクの潜入により暴かれる北朝鮮の武器取引
その実態が10年に渡って 隠しカメラやマイクを通して暴かれてゆく
スペインに本拠地をもつ北朝鮮との文化交流団体KFAにスパイとして潜入
KFA会長の信頼を得て 北朝鮮との武器取引ビジネスの話を持ちかけられる
偽の投資家とともに北朝鮮を訪れ 武器輸出ビジネスの実態を知る
武器を売るのではなく武器の製造方法を売るという 北朝鮮の商法には一理ある
武器のカタログにも価格が明記され ミサイルから銃の果てまで何でもござれ
製造工場基地をアフリカウガンダにつくり 技術者を送り込み生産する方式
その武器を紛争地帯に売りさばくのが 武器商人の出番となる
嘘の交渉と行動を取り混ぜながら 北朝鮮関係者を信用させる
国連で規制が強化されている石油も その瀬取りの方法が克明に暴かれる
臨場感あふれる緊迫した状況が伝わってくると同時に
素人がこうも簡単に 北朝鮮中枢の懐に入っていけるのか
懐疑的になるのは 妻だけではないだろう
NHKが流すのだからと 疑念を晴らす言い訳をした
虚実の判断は素人目にはできないが 事実だとすればただただ驚愕する

6時間茶の間のTVの前に居座った
ここ数年なかった
ニュース バラエティ ドラマ ドキュメンタリー
さすがに視聴疲れか 寝付けず目が冴えた

コロナのワクチン供給と接種の時期の遅れを知るにつれ
自粛生活で時間を持てあます者たちは
朝から夕方まで垂れ流される情報番組を
ながら見しながら相手にしなけりゃ間が持たない
それが日常だと言われると
堪えがたい日々はまだまだ続く

〔2021年2月22日書き下ろし。週末大坂なおみのAOのゲームに歓喜し、昨夜はべったりとTVの前に陣取った。それが日常になることへの辛さを感じた〕

想い出補正

初恋は 想い出によって語られるからこそ美しい

その感慨こそ 誰もが納得する
その歓喜こそ 誰もが心に刻む
ただ失恋の痛みは 飾るしかない
 
想い出せない
想い出したくない
想い出して欲しくない
消し去りたい過去に 人は執着する

想い出の補正しか 避ける術(すべ)はない
想い出の美化しか 繕う術はない
想い出の忘却しか 逃げる術はない

消し去りたい過去に 縛られる
慙愧に堪えない過去に おののく
嘘で塗られた過去を 上書きする

初恋の純朴さを想い出すということ
失った純真
涸れた憧憬 
捨てた希望
空虚な人生

※慙愧(ざんき):元来は仏教語で、「慚」は自己に対して恥じること、「愧」は外部に対してその気持ちを示すことと解釈された。自分の言動を反省して恥ずかしく思うこと。

〔2021年2月21日書き下ろし。初恋を美化する心に潜む闇とは何かを問う〕

穀潰し

穀潰しが 世にはびこる
飯を食うだけで 稼ぎもしない

穀潰しが のうのうとしている
ただいるだけで 稼ぎが入る

穀潰しが 世迷い言をのたまう
天下国家と言うだけで 稼ぎとなる

穀潰しは メディアでちやほやされる
無駄なコメント電波に乗せて 稼ぎにする

穀潰しは なぜか大きな蔵建てる 
私腹を肥やして 稼ぎを増やす

穀潰しは 自覚がないだけ始末が悪い
ボスの顔色伺うだけで 稼ぎに代わる

世にはびこる 穀潰し
税金食べて 私腹を肥やす
献金食べて 私欲を満たす
料理食べて 公権を匂わす
人を食って 国難を招く

〔2021年2月19日書き下ろし。記憶にないことが恥ずかしい。そういう事になっていることはもっと恥ずかしい。役人も議員も穀潰しが少なくない〕