「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

憎悪と報復

人は憎しみ合わなければならないのか
国は憎しみを育てなければならない

人は憎しみをたぎらせなければならないのか
国は憎しみをたきつけなければならない

人は憎しみを恨みに変えなければならないのか
国は憎しみを恨みに強く変えなければならない

人は恨む者へ仕返さなければならないのか
国は恨む者と恨む隣国へ言いがかりをつけるしかない

北との統合の道は果たして悲願なのか
ミサイルに興じる男に翻弄され続ける南の国
大統領選を前に政治的報復の兆しが現れる
憎悪と報復を国民感情に訴える哀しき国情

恨みに報ゆるに徳を以てす
良識と愛のある南の知人は染まらず自律する
判断力と批判力のある南の知人は流されず毅然とする

※恨みに報(むく)ゆるに徳を以(もつ)てす:ひどい目にあって恨みを抱くような相手であっても、仕返しをするのではなく、許しの心であたたかく接するべきであるということ。

〔2022年2月11日書き下ろし。大小国の政治家たちがきな臭い情勢を楽しむ。南の国も大統領選で哀れな感情をむき出しにする〕

第3回接種券がやってきた

2月に入って感染者は過去最高を更新中
1日(火) 2660人(なし)/1467人
2日(水) 3587人(2人)/1817人
3日(木) 3788人(2人)/2233人
4日(金) 3543人(16人)/1973人
5日(土) 4046人(5人)/2369人
6日(日) 3464人(5人)/1926人
7日(月) 2687人(9人)/1420人
8日(火) 2879人(7人)/1333人
9日(水) 3606人(12人)/1732人
10日(木) 4098人/2204人(道内の感染者数は過去最高更新)
(道内の感染者数と死者そして札幌の感染者数)

死者も増えている
岸田内閣はボロが見えだしてきた
何の対策もなくワクチン担当相はお飾りでしかない
ワクチン接種もかけ声だけで支持率低下中
経済をと強調するだけ対策不全の堂々巡り
国会は代わり映えしないあら探しに言い訳三昧
市会議員も道会議員も何をしてるんだか無用の長物
道知事もこれだけ道内一円にまん延しては打つ手なし
20日までのまん延防止法の延長は避けられない
札幌市長は五輪誘致に五億の予算を計上するが
市民が賛成してない誘致事務に消耗される市民税
一体だれの懐を暖めるのか気にかかる
道路の除排雪もいまだままならず
お天気次第で融けると算段してか
ノー天気のお役所仕事は継続中
市民のぼやきは懐の寒さで凍り付く

ようやく接種券が届いた
さっそくかかりつけの病院に電話する
1ヶ月後の3月9日に予約が取れた
ファイザーワクチンを希望した
モデルナだと更に二週間遅れるという
配給されるワクチンには限りがある
前倒しで盛んに打てと号令鳴らすが
国のやることはこんなもん

道民が第3回目を打ち終えるのはいつになることか
桜の散る5月を過ぎて新緑の季節を迎える頃だろうか
それまでに多くの尊い命が無下に散ってゆく
痛ましい時間が無能な者たちによって過ぎてゆく

〔2022年2月10日書き下ろし。接種券を手に予約を入れた。1ヶ月後の接種は果たして早いのか?予約を入れただけ良しとする〕

付記
北海道の新たな感染4098人で最多更新…札幌2204人、石狩初の400人超、胆振初の250人超など地方で拡大
10日、北海道全体の新たな新型コロナウイルス感染確認は4098人で、最多を更新しました。4000人を上回るのは、これまで最多だった5日の4046人以来、2回目で、先週の木曜日(3日3788人)より300人以上多くなっています。
新たな感染確認4098人の内訳は、札幌市で前週の同曜日を3日連続下回る2204人、旭川市で160人、函館市で170人、小樽市で80人、その他の北海道発表の14の地方の合計1484人で、14の地方で拡大に拍車がかかっています。
その他の北海道発表の1484人の地方ごとの内訳は、石狩463人、空知103人、後志37人、胆振256人、日高26人、渡島66人、桧山4人、上川90人、留萌1人、宗谷25人、オホーツク62人、十勝153人、釧路169人、根室14人、道外在住など15人でした。
石狩で200人を上回るのは18日連続(300人以上は3日連続、400人以上は初めて)、100人を上回るのは、胆振で15日(200人以上は2日連続)、釧路で8日、空知で3日、十勝で2日、それぞれ連続です。
10日発表(9日現在)の北海道全体の患者数は前日より1144人増えて32,371人、このうち重症が前日同じ5人、軽症+中等症が32,366人、入院患者は99人増えて748人となっています。病床使用率は前日より4.8%上がり、36.2%となりました。(2022年2月10日HBCニュース)

陽陽介護

老人介護施設がクラスターに晒されている
一時も休むことができない老人介護
三度の食事 排泄 入浴
手を抜くことができない老人介護

コロナは見境なく老人も介護士も襲う
老人は入院すら出来ず施設内看護を余儀なくされる
介護士は無症状や軽度であっても一時自宅待機を強いられる

健康な介護士の数も負担もすでに限界がきていた
学校の感染もインフルエンザの比ではない
子どもが感染したり濃厚接触したりすると自宅待機となる
そうでなくても介護士が足りない業種
現場はもう回らなくなっていた
他施設に応援を頼むにも難しい現状だった

施設長は同意を得て陽陽介護を決断した
陽性の老人を陽性の介護士がケアする
とんでもないと批判は覚悟した決断だった
許せないと非難を覚悟した行動だった

苦渋の決断を迫られる介護現場
切迫した現場はいまだ三回接種が進まない
医療現場に目がいきがちの国会論争
クラスターで疲弊する介護現場を注視したい

札幌圏がドカ雪で埋められた朝
4時間もかけて出勤する介護士たちがいた
そこには自分を待つ人がいる
そこには自分に頼る人がいる
そこには自分を信じる人がいる

陽陽介護はその尊い命と暮らしを護る究極のケア行為
生きるとはなんと苛酷なのか
仕事とはなんと苛酷なのか
それを承知で担う介護士たち
「人間は崇高にして偉大な存在である」(松下幸之助)
ただただ頭を垂れるしかない

〔2022年2月9日書き下ろし。クラスターが収まらない。介護現場で奮闘する介護士にエールを贈りたい〕

ドカ雪と保線区員

今日も一日JRは止まった
5日から全く列車は動かない
札幌と新千歳空港間の黄金路線千歳線
明日には運行すると夜のTVニュースが流れた

新千歳空港は飛行機は飛んでいる
バス乗り場は長蛇の列
ピストン輸送で乗り切るしかない
高層道路から一般道を走れば渋滞の憂き目に
これが解消するだけでも多くの人が救われる

12号線はアスファルトが出ていた
でも1.5車線では1台しか走れない
幹線道路がこの有り様では
他の道路は推して知るべし
除雪しようにも排雪がおぼつかない
集積場に行ったきりトラックはなかなか戻れない
時間のロスはさらに除排雪を遅延させる
中心街は交通マヒの真っ最中

札幌駅の構内はすっかりドカ雪に埋まった
除排雪にもかなり苦労している
構内には車庫に移動できずに列車が留まった
線路上の雪の始末に除雪車はスムーズに動けない
特に多くのポイントの除排雪は人力に頼るしかない
終日保線区員がスコップで雪をかきだす

全道各地でも復旧に向けて頑張る人たちがいる
雪に弱いと揶揄されるJR北海道
線路を守る人がいてはじめて安全が担保される
保線区員のなり手は不足していることだろう
足止めを食う人も物もいまは我慢するしかない

厳しい冷気の中で
災害復旧に奮闘する保線区員
北の線路を守る人たちに感謝しつつ
あたたかいエールを贈ろう

〔2022年2月8日書き下ろし。雪害で見過ごされている普段の風景が一転する。そこでも人力で奮闘する人たちがいることに、改めて感謝しかない〕

解決できない

解決困難
孤立するのか
自助努力の限界

解決困難
放置するのか
地域の福祉活動の限界

解決困難
丸投げするのか
行政の制度と施策の限界

あえて解決しようとしない
問題を抱えた人をほっとかない
問題を起こした人を無視しない
問題を蔑(さげす)む人を批判しない

あえて解決策の是非を論じない
無理せずその人と一緒に悩む
焦らずその人と一緒に考える
力まずその人と一緒に試してみる

あえて結果を求めない
関わることで福祉を身近にしてゆく
関わる過程が人と地域を福祉でつないでゆく
関わる人たちが福祉に疑問を膨らませてゆく

〔2022年2月7日書き下ろし。解決努力を求める現状に対して、少し間を置いてみた〕

今冬一番のドカ雪の朝

冬一番のドカ雪
札幌は大雪警報発令中
朝カーテンを開けると30センチの雪が車を埋めていた
数人が雪かきをしていた
やっても切りがないと諦めて戻ってゆく

すでに雪かさは50センチを超えてきた
天気予報では夕方まで警報が続く
問題は石油ストーブの吸排気口だ
外からは回って行くことは困難を極める
窓からまめに雪をかくしか手はない
道具は床拭きの簡易モップが役に立つ
パウダースノーだから軽いので救われる
そろそろ雪かき用のブラシを車から取ってこなくては
簡易モップの限界が見えてきた

除雪車はまだ入らない
入っても集雪する場所がない
排雪しながらの作業はいまは無理
国道12号線もノロノロ運転で渋滞中

風もなくひたすら静かに降り続ける
大雪への備えが不完全な札幌は交通機能をマヒさせる
JRも高速道路もストップし交通網は遮断される
火事や不完全燃焼での事故が心配だ
緊急事態が起これば車は言うことをきかない

コロナには休みはない
今日も札幌は2千人近くの感染者を数える
不穏な空気を感じながら雪空を見上げる

〔2022年2月6日書き下ろし。こんなドカ雪は30年前に一度体験した。地下鉄だけは動いていたので、職場に出たら3分の1しか出勤してなかった。役所は機能不全を起こしていた。今日は日曜なので役所も休みだが、コロナに休みはない。対応している方々に改めて感謝しかない〕

「希求」の発刊は生涯の想い出

法人五十年を記念し出版した『希求』が納品された
包まれた紙を破き真新しい本を手にした

ジャケット中野章氏の版画「夏の丘」が飛び込んでくる
紺碧の空が限りなくBlueに広がり
白い雲が湧く遠方の防風林を背景に
収穫を迎えた黄色の小麦畑と
手前に青々とした畑が広がる
雄大で豊饒な北の大地の夏がひときわ美しい
空には白抜きされた「希求」の二文字が映える

ジャケットをとりハードカバーを見る
角背製本された赤地の布の上製本
師の自筆の書を表紙に「希求」裏表紙に「和顔愛語」と
筆跡をそのまま凹ませて刻まれていた

予想以上のお洒落で品のある装丁に心が奪われた
予想以上の本の重さに手応えを感じた
予想以上の感慨と感動が心を走った

600ページ近い本は
師の五十年の福祉に生きた人生の軌跡と感謝
今春経営を譲る若い世代への願いと期待
師の人間性が溢れた一冊は
「希求」におもいのすべてを託した
福祉の道を求めてやまない次代への継承本

帰宅後編集に関わった感謝をメールで伝えた
すぐに返信があった
このように素晴らしい本を発刊できたことは
生涯一番の想い出だと
達成感と充実感に心に満たされていた
喜びは感謝以外言葉にならない
そう綴られていた

〔2022年2月5日書き下ろし。昨日納品された。「希求」と題して、多くの福祉人への師のメッセージでもある〕

18歳の子ども食堂

18歳の誕生日を今日迎えた
堂々と生きよと祝福した

8時間後
もう18歳だからね
遊びも趣味も夢も本気で生きてく!

仕事には一つも触れていない
フリーランサーはそれが似合う
夢の実現のためにトライする
それが仕事といつかなる

遊びも本気にならなきゃ
生きてる気はしない
中途半端に遊びがわかったふりする
呆(ほう)けるものとはきっと違う

趣味も本気にならなきゃ
生きてる気はしない
中途半端にあれもこれもと手を出して
粋(いき)がるものとはきっと違う

中学にはほとんど行かなかった
校則を身にまとい大人たちは少年をイラつかせる
指導とばかりに大人たちは少年をいたぶる
理不尽な振る舞いで大人たちは少年の心を折る

いろいろあった少年時代にさよならする
青年になる日を前に母と語った
しんどいおもいをしている子がいる
飯さえ食べられない子らがいる
俺子ども食堂してもいいか?

反面教師たちが真っ直ぐな気持ちを育ててくれた
反面教師たちの狭い世界を逸脱して自らを磨く
反面教師たちには想像できない人の道を歩き始める

〔2022年2月4日書き下ろし。末孫の誕生日を祝す。夢の途中はドラマチックだ〕

なぜ先生に従うのですか

先生の言葉にはいつもぬくもりがありますか
先生が教えているときはいつもわかりやすいですか
先生が子どもに接するときはいつも公平ですか
先生が諭すときはいつも厳しくそして優しいですか

先生はミスったら間違えをすぐに謝りますか
先生は意見が違うと不機嫌になりますか
先生は依怙贔屓(えこひいいき)してませんか
先生は勉強してますか

なぜ先生というだけで従うの?
信じてもよさそうだから
子どもを守ってくれそうだから
教える人はえらそうだから
良い悪いよりもルールだから

なぜ先生というだけで従うの
信じることができなかったらどうしよう
守ってくれないどころか意地悪されたらどうしよう
勉強もせず適当に教えていたらどうしよう
困った時に相談に乗ってくれなかったらどうしよう
陰で親の悪口言っていたらどうしよう
気に食わない子だって無視されたらもう学校には行けない

子どもを丸ごと抱きしめる
子どもが好きでしょうがない
子どものこころを守ってあげたい
子どもと一緒に成長したい

子どもに信じてもらうのではない
子どもを信じるしかない
信頼の糸はそこから紡がれていく
発する言葉は命令ではなくいたわりとなる

〔2022年2月3日書き下ろし。広瀬爽彩さんが亡くなって1年。ご冥福を祈りたい。彼女のそばにたったひとりでも信じてくれる教師がいれば救われただろう。無念!〕

付記
旭川中2死亡 学校側、本人聴取せず 加害側証言でいじめ否定
旭川市内で昨年3月に凍死して見つかった中学2年広瀬爽彩(さあや)さん=当時(14)=が2019年に複数の生徒らからわいせつ行為の被害を受けてトラブルになった際、学校側は広瀬さんに一度も聞き取りをせずに、いじめの疑いを否定していたことが2日分かった。加害者側への調査だけで判断した学校の対応を道教委も問題視している。
広瀬さんは中1だった19年6月、自身のわいせつな画像をスマートフォンで送らされ、その後、市内の公園で複数の生徒らとトラブルになり、川に入って自殺未遂をした。
広瀬さんの母親や旭川市教委などによると、学校は現場にいた複数の生徒らを調査し、非行(わいせつ)の被害を受けたと市教委に報告した。広瀬さんはトラブル後、短期間入院。学校は本人への聞き取りを申し入れたが「治療の妨げになる」と病院に拒否され、その後も行われなかった。調査結果について学校側は母親に対し、「広瀬さんから話は聞けてないので加害者の証言のみの報告になる」と説明。20年3月の市教委への報告書でもいじめに該当するとの記載はされなかった。この件について学校と市教委は「第三者委員会の調査中でコメントできない」としている。(北海道新聞2022年2月3日)

歯車を動かす

赤ちゃんも子どもも
男も女も
若者も年寄りも
父さんも母さんもそうでない人も
一人ひとりが世の中を動かす歯車です

世の中をよくしたい
それぞれの歯車は目的を持って動きます
それぞれの歯車は役割を担って動きます
たくさんの歯車が複雑に噛み合って動きます

歯車の歯は欠けていきます
一生懸命動いてみんなのために働いたからです
少し休んでもらいましょう
他の歯車たちが挟んで一緒に動きます
動かなくなったらさよならします

世の中や人の為になりたい
それぞれの歯車は持ち味を生かして動きます
それぞれの歯車は生きがいを探して動きます
たくさんの歯車が夢を絡まして動きます

歯車の歯が生まれた時から欠けていました
でも大丈夫です
他の歯車たちが挟んで一緒に動きます
その歯車が欠けてきたら休んでもらいます
代わりに他の歯車が一緒に動きます
だから大丈夫なんです

歯車の大きさはみんな違います
ちっちゃな歯車もでっかい歯車も
集まって上手に噛み合って世の中を動かします
そのとき楽しいとか嬉しいとかって感じます
でも時々辛いとか苦しいとかって感じます
それでも一緒に動いて世の中を明るくします

歯車は少しずつ成長していきます
やりたいと思ったことが出来るようになります
世の中のことが考えられるようになります
人としての心の持ち方が身についていきます

君もひとりの大事な歯車です
君は世の中の大事な歯車になります
君が人として大事な歯車にならなければなりません
君の夢を叶えるためにも大事な歯車になってください

〔2022年2月2日書き下ろし。世の中で歯車としてどんな生き方をしてきたのだろうか。子どもらにその存在の大切さを知らしめたい〕