「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

解き放す

運悪く無能を 世間に晒してしまった
お体裁を羽織った
みっともない衣が 脱がされた
見栄も外聞も
一緒くたに 捨てられた
お飾りだけのプライドも
いとも簡単に 空っぽになった

出来ないことの言い訳も
分からないことの言い訳も
みんな嘘だと バレてしまった

さも一人で手柄を立てた風な自慢も
さもさも能力が高いフリした自慢も
跡形もなく 霧散した

裸にされた
裸になった
でも恥ずかしくはなかった

重石が外れて
空っぽになった
偽りが暴かれて
せいせいした
無能を悟って
スッキリした

転機が訪れた
過去と決別し 踏み出す勇気
自己否定を決意し 自分を変える勇気
厳しい道程を覚悟し 振り絞る勇気

一つの未練も残さず いまに挑む
偽りの人生を演じることは もうない
ありのままの自分を 素直に受け入れる
きっと そこからしか出発できない

自分を解き放す
虚心で満たされる気分
自分が解き放す
自由を手にする気分
自分で解き放す
生きるを味わう気分

解き放されて 
人は 真の自分と向き合う

〔2021年2月19日書き下ろし。自己解放のときはいつか? まだ世間のしがらみの中でうそぶいて生きる自分を見ている〕

いかんよ!

行ってません
言ってません
否定から入るのが基本形です

確認の連絡が来ます
拒否が次の対処です
なしのつぶてで様子見します

写真を見せられました
録音を聞かされました
仕方がないと腹をくくるのが作法です

呼び出し食らって説明します
遺憾と言われて三行半を押されます
十秒間頭を下げるのが謝罪のポーズです

離党届で地位安泰となります
辞職などそんな無謀なことはいたしません
税金で暮らしを立てるのが処世術です

失敗した諸先輩から日々学んでいます
夜の遊びは男の甲斐性で許されます
特権を有効活用して今後も愉しみます

放った先から虚空に舞い上がる言葉の軽さ
使い古され色褪せた言葉の無力さ 
「わが党は、国民の皆さんのご批判を真摯(しんし)に受け止め、より一層、各議員に規律の徹底を図ってまいりたい」(17日自民党の二階俊博幹事長コメントより)
「では議員の皆さん、ご唱和を!」

〔2021年2月17日書き下ろし。スキャンダルにマニュアル通りの素早い動きで、遺憾とカタチばかりの叱責受けて離党届で事済みました。懲りない面々、いい気なもんです〕

ため息をつく

任された仕事に追われる
こなしきれずに 期待を裏切る

段取りまずく時間に追われる
間に合わずに 言い訳に走る

根拠のない自信に負われる
中身を見透かされて 不評が生まれる

しょぼくれた虚言に負われる
恥の上乗りをして 身の置き場をなくす

意味のない見栄に追われる
外面(そとづら)気にして 気構えを怠る

護身の虚勢に負われる
見かけ倒しを悟られ 人は去り始める

人は弱い
だから
意地をはり
虚勢を張っては 大きく見せる
虚言を吐いては 身を縮ませる

そこに
自分可愛さの切なさを見つけた
悪気はなくても習性となった
追われて 追われて
怯える悲しさを耐える
負われて 負われて
信を失う辛さを忍ぶ

素直になれない自分を悔いて
ため息をついた 

〔2021年2月17日書き下ろし。承認欲求は誰しもあり、能力とのギャップに苦しむ。いまだ弱い自分をさらけ出す勇気が持てずにいる、己を振り返る〕

人望を集める

人望を集める
指導者の必須条件
人間としても尊い評価
寛容力と包容力とを兼ね備えた代名詞
仁徳を体現している 最大の賛辞

人望を集める
才覚だけでは 決して身につかない
欲深な心では 決して身につかない
権威と地位と金では 決して身につかない
奇特なフリは いずれボロを出す

人望は崩れる
浅ましき言葉に 差別があれば
居丈高な態度に 蔑視があれば
誠意なき行動に 不正の根があれば
化けの皮は 一瞬に剥がれ落ちて朽ちる

人望を集めるとは何か
何をもって人望と称するのか

ただ一つわかったこと
人望は 欲得なしで生まれてくる
倖せにしたいという 真心の結実

〔2021年2月15日書き下ろし。渋沢栄一の生涯を貫いたNHK大河ドラマ「青天を衝け」が始まったが、面白そうだ。それにしても政治家の人望のなさが切ない〕

人を育てる

育つを育てる
こんな人になりたいという 憧れを育てる
こんなことをしたいという 夢を育てる

育つように育てる
こうありたいという おもいを育てる
こう生きたいという 志を育てる

育てるのは周り
育つのは自分
育てるのは自分
育つのは周り

育てるとか育つとか
お互い様のこと
よりよき人となりたい
よりよきことをなしたい

そのおもいを素直に受けとめて
周りも自らも 育つ力を育ててゆく
それが育つということ
それが育てるということ

育てる力は
育ちたいというおもいを 引き出すこと
育てられている喜びを 感じ動くこと
内なる育つ力を 自ら解き放すこと

育つ先にあるのは
自分と周りの 仕合わせづくり
育てる先にあるのは
共に生きやすい 世間づくり

〔2021年2月14日書き下ろし。育てるというのは一方的な営みではない。自ら育つ力を誘発し高めることが教育ではないだろうか〕

2・13地震通告

東日本大震災から丸十年
復興の証を掲げて 東京オリンピックをぶち上げた
世界に赤っ恥をさらして すったもんだしている最中
2月13日23時8分頃
福島県沖の深さ55キロを震源とする
推定マグニチュード7・3の地震が起きた

震度6強の地震が発生
福島・宮城を中心に 東北6県は大きな揺れを感じた
関東一帯にも 強い揺れを引き起こした
それどころか 四国と九州を除く日本列島が
震度の大小があるにしろ この揺れを感知したのだ
津波の心配はないとの報道に 少し安堵した

停電も 一部地域で起こっている
厳寒期に 暖房がストップすることが懸念される
被害の全貌は まだ見えてこない
ただ 福島の東海第2原発施設には
23時55分現在 放射能の異常反応はないという
夜が明ける頃には 被害の状況が明らかにされるだろう
余震も続いている
いまは ただ無事を祈るしかない 

去年7月 九州付近に停滞した梅雨前線に線状降水帯が形成されて
九州各地を襲った豪雨以来の災害となった 
災害は いつでもどこでも起こりうる
日本列島の現実を 見せつけられた
コロナ禍で 自然災害が起こることが最も憂慮された
待望のワクチン接種も 来週から始まるタイミングで
出鼻を挫(くじ)くように 地震が起こった

強靱な国土づくりを いくら掲げても 
自然のなせる災いには 逆らいようも逃げようもない
オリンピック騒ぎを嘲笑うかのような 地震の警告
コロナとのダブルパンチを かわせるだけの減災対策
果たして いまの政権では心許ない
オリンピックの最中に 台風も地震もありませんとは
誰も保障など できるはずはない

今回の被害が 甚大にならぬよう祈りながら
復興オリンピックとは名ばかりの 人災を招く世の中に 
決して災害を忘れてはならぬとの 自然の警告
東日本大震災の教訓こそ いま思い出さねばならない
社会の弱者こそ 救われなければならない国づくり
その原点回帰のおもいを 心に刻まねばならない

〔2021年2月14日0時45分書き下ろし。自然の脅威にただただ驚愕するしかない。いまは被害が甚大でないことをひたすら祈る〕

付記
福島・宮城で震度6強、50人以上負傷
13日午後11時7分、宮城県南部、福島県中通りと浜通りで震度6強の地震があった。気象庁によると、震源地は福島県沖で震源の深さは約55キロメートル、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.3。津波の心配はない。各地の消防などによると、宮城県や福島県で50人以上の負傷者が確認された。
集合住宅での火災や落石、電線の断線といった情報も相次ぎ、東北地方から関東地方を中心に大規模な停電が一時発生した。東日本高速道路などによると、東北自動車道、常磐自動車道などが通行止めになった。常磐自動車道では路面の隆起や土砂崩れが起きた。
気象庁によると、今回の地震は2011年3月の東日本大震災の余震とみられる。今後1週間は震度6強程度の地震に注意が必要としている。同庁ホームページによると、東北沖を震源とする最大震度6強の地震は11年4月7日以来、約10年ぶり
13日午後11時半ごろ、福島県相馬市大野の常磐自動車道で土砂崩れがあったとの通報があった。車が巻き込まれたとの情報もあり、地元消防が詳細を確認している。東日本高速道路によると、同自動車道は現在通行止めとなっており、状況を確認中という。
東京電力パワーグリッドによると、地震による影響で14日午前0時34分現在、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、静岡の1都8県で約80万9千軒が停電。東北電力によると、14日午前0時現在、福島、岩手、宮城、新潟の4県で計約9万1千軒が停電している。
加藤勝信官房長官は14日未明、首相官邸で記者会見し、地震による津波の可能性について「若干の海面変動がある可能性があるが、被害の心配はない」と述べた。人的・建物被害は「現在確認中だ」と語った。
政府は13日午後11時9分に首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置し、被害状況の把握を急いだ。菅義偉首相からは①早急な被害状況の把握②被災者の救命・救助③国民への的確な情報提供――の3点の指示があったと表明した。
加藤氏は東京電力福島第2原子力発電所や東北電力女川原発について「異常なしと報告を受けている」と説明した。東電福島第1原発については、記者会見後に政府が「異常がないことを確認した」と発表した。
宮城県や地元消防によると、火災が仙台市内で1件、塩釜市内で1件発生した。福島市の地元消防署によると、JR福島駅近くの集合住宅でも火災が発生したとの情報があり、状況を確認している。
JR東日本によると、東北、上越、北陸の各新幹線が一部区間で停電し運休。上越、北陸の各新幹線は約1時間後に運転を再開した。
各地の震度は次のとおり。震度6強=宮城県蔵王町、福島県相馬市、国見町、新地町▽震度6弱=宮城県石巻市、福島市、福島県郡山市▽震度5強=仙台市青葉区、宮城県名取市、東松島市、福島県いわき市、田村市、栃木県那須町▽震度5弱=仙台市宮城野区、宮城県栗原市、岩手県一関市、茨城県日立市、埼玉県加須市▽震度4=宮城県気仙沼市、福島県会津若松市、秋田市、盛岡市、水戸市、前橋市、千葉市中央区、さいたま市大宮区、東京都千代田区、横浜市中区、川崎市川崎区など。(日経2021年2月14日 1:01更新 4:27更新)

高校生とカーリング日本選手権

20キロの石が 氷上を曲がりながら滑る
曲がる(curl)ことから カーリングと命名された
円上のハウスと呼ぶ盤上での 陣取り合戦
円の中心から より寄り近いところに
石を置いた方が ポイントを得る
敵の石と味方の石の位置関係で 勝負は決まる
ハウスに敵の石が5個入ろうが
味方の石が敵の石よりも中心により近ければ勝つ
シンプルなカウントの仕方だが 複雑な戦略や戦術がうごめく 
1エンド敵味方四人ずつ交互に2投して 計16投の攻防戦だ
点数を取ると次のエンドは先攻になり 最後に石を投げる後攻が有利になる
先攻後攻を戦略的に替えながら 10エンドまで戦い決着をつける 

今週 北の最果て稚内(わっかない)市で
「カーリング日本選手権2021」が開催されている
今夜 男子の決勝トーナメントをテレビ観戦した
ナイスプレーに一喜一憂しながら 心から拍手を贈った
なにせ対戦が 予選1位の高校生チーム「常呂ジュニア」と
全日本選手権2連覇中の「北海道コンサドーレ札幌」
10エンドで決着がつかず延長戦に入る
最後はベテランに押し切られてしまったが 
まだ次の戦いが残されている
ワンサイドゲームにはならない布石が 午前中にあった
予選で 高校生がベテランチームに勝っていたのだ
それだけに 最後まで予断を許さぬ戦いだった
善戦した実力は フロックでは決してなかった

石を滑らせるときに 軸足を蹴る力加減でスピードを調整する
投げ方は 石を時計回りにするか反時計回りにするかで
回転の仕方が変わり 目標の位置によってコースを変える
目標のところまで石を誘導するには
ブラシを使って氷上をこすり 氷を溶かすスイーピングで
ハイドロプレーニング現象を起こす
これで5メートル近くも距離を伸ばすことができるのだ

思い描いたように 石が曲がりながらターゲットに向かってくる
相手の石の進路を邪魔するために ガードの石を置いたり
ガードの裏に回り込んで ハウスに入れてきたり
敵の石のそばに 置いてみたり
相手の石を 豪快にハウスからたたき出したり
置かれた石をギリギリにかわして 有利なところに石を動かす
一投毎に めまぐるしく局面が変化する

その都度 素早く戦術を決めて対処する
ミスショットが出ると すかさず突いてくるしたたかさ
ラッキーショットで逆転して 想定外の展開に身を乗り出す
アイスコンディションも 時間の経過と共に変化する
ストップウォッチを片手に 石のスピードを測りながら瞬時に判断する
氷を読み切る力が勝敗を分けるだけに 科学的に分析もするのだ

久しぶりに「ガラス越しのスキップ」をエンジョイした
ゲームの進行に合わせて 攻防の局面が変わるたびに
どんな戦略を持って 次はどこに投げるかという戦術を
言い当てるのが 観ていて面白いのがカーリングだ
その戦略や戦術を短時間に読み取り
まるで作戦を指示する者(スキップ)のように振る舞うことから
「ガラス越しのスキップ」と言われる

経験やセオリーだけでは読み切れない
ゲームの醍醐味が カーリングの魅力だ
それにもまして 若い高校生が堂々と日本選手権をかけて戦う姿は
他のスポーツとは全く違う「対等に大胆に挑む」素晴らしさを見せつけた
2時間テレビ観戦しながら ただただ感動と感謝しかなかった

※カーリング(curling):ストーンと呼ばれる円盤状の重さ20㎏の石を氷の上に滑らせるように投げ、約40メートル先のハウスと呼ばれる円の中心に近づけて得点を争う競技。進路をブラシで掃き、スピードや方向を調節する。四人一組の二チームで対戦。スコットランドで始まる。

※ハイドロプレーニング現象: 雨に濡れた道路や水たまりなどをクルマで走行するときに、タイヤと路面の間に水が入り込んでクルマが水の上を滑り、ハンドルやブレーキが利かなくなる現象。

〔2021年2月12日書き下ろし。35年前札幌真駒内アイスアリーナでの日本選手権を思い出しながら、その後のルールの大きな改正と戦略戦術の変革についていけないにもかかわらず、こうして2時間も高校生の戦いに夢中になれただけでも有難かった〕

いっときの凪

心がざわついて 落ち着かなかった
波打つように 怒りが襲ってきた
身もだえするように 苦しみが覆ってきた

いのちの危険は 何もなかった
暮らしにも 何も問題なかった
ただ心がざらついて 行き場を失っていた

身に降りかかったことではなかった
家族に降りかかったことでもなかった
社会の苛立ちが ストレートに心に刺さった

他人の考え方には 干渉できない
公人の間違えは 世間の批判に晒される
世の中を牛耳るとなれば なおさら厳しい

嫌なものを見せつけられて 心が疲弊した
手出しできないものを見せつけられて 心が縺(もつ)れた
許しがたきものを見せつけられて 心が軋(きし)んだ

社会的な排除を求めたということ
目の前からその存在が消えるということ
余計な混乱を招かないとわかったということ
権力への社会的な浄化作用は グローバル化し
古習の感溺は 廃(すた)れていく

権力者には 心穏やかなことではない
信頼と求心力を失うことで その地位を奪わる
虚言と尊大な言動が 世の不幸を生じさせてきた

心の凪は 自由と尊厳の意思から生まれる
心の凪は 公平と平等の行動から生まれる
心の凪は 科学と叡智への信頼から生まれる
心の凪は 人と政治との正義から生まれる

心の凪は 次の嵐を予感してざわつき始めた
権力構造は崩壊せず 陰で操る見え見えの隠謀
またまた 見たくもない茶番劇を見せつけられる
心の凪は 一時にしか過ぎなかったのかと
ひとり 臍(ほぞ)をかむ

※古習の感溺(こしゅうのかんでき):福沢諭吉の言葉。古くからの習わしを古いというだけの理由で当然視し、それに溺れて正しい判断に戸惑うこと。(辞書を引いても正確な読みがない)

〔2021年2月11日書き下ろし。米の権力闘争は泥沼化状態。日本でも心の凪を求めるムーブメントが世界中で起こり、容認されない日本人の思想性が暴かれるが、その権力構造は盤石であることを後で知ることになる〕

この期に及んで

弱虫でもいい
泣き虫でもいい
みんなそうだから

でもさ
脅されてビクビクするのは
どうかな?
怖がってオドオドするのは
どうかな?

黙っているのがいい
逆らわないのがいい
みんなそうだから
いまのまんまがいい
何も考えなくてもいい
みんなそうだから

でもさ
立ち止まったままでいいの
何もしなくてもいいの
みんなそうだからって
誤魔化していない?

ほんとは嫌だって叫んでない
どうだろう?
ほんとは違うって叫びたいでしょ
どうだろう?
みんなもきっとそう思ってるよ

どうして分かるかって?
それはね
そんな考え方や生き方が
間違っているって
ほんとは みんな知ってるんだ
自分らしく正しく生きたいって
ほんとは みんな悩んでるんだ
だからね
自分の嘘に気づいてるから
苦しんだり悔やんだりするんだよ
情けなさに腹を立てているんだよ

大事なときに
この期に及んで
臆病風を吹かして 逃げ出します
この期に及んで
正義も勇気も 捨て去ります
この期に及んで
友愛も信念も 放り出します

でもね
本心じゃないと分かっているから
いつかきっと
これじゃいけないって気がついて
きっと
正しいと信じる道を歩む人に… 

ただね 
みんなという言葉に 決して惑わされないでね
君が君でいるためには 自分で決めてほしい
みんなという中毒には 決して罹らないでね
君が君でいるためには 違いを大事にしてほしい   
みんなという空気に 決して染まらないでね
君が君でいるためには 一人になる勇気をもってほしい

〔2021年2月10日書き下ろし。子どもへのメッセージではありません。心当たりのある方々へのアイロニーです〕

暇つぶし

退屈しのぎに 何かしようかと
思った矢先に 声がかかりました
あんたしかおらん 引き受けて欲しい
暇つぶしに 顔を出しました

退屈しのぎが 面白くなりました
腹にためずに すぐ態度にでます
会議でリップサービス 調子に乗りました
誰も反論することなく 笑っていました
失言は すぐに上手にみんなかばってくれます
暇つぶしで なくなりました

退屈してる場合じゃ ありません
世界中で反感買って やり合います
尊敬と平等に 文句がおありの様子
ちゃんと撤回して謝罪しました
IOCの太鼓判もいただきました
タイバーシティ(多様性)と調和をめざします
暇のない中 五輪憲章もちゃんと読みました

退屈まぎれの鬱憤晴らしに 騒いでいます
五輪委員会は トップのリザーブなし
適材適所の優れた人材 ここまで来て交代できぬ
五輪誘致と運営は 権威・権力のなせる結果です 
言いたい放題 やりたい放題 災いし 
暇どころでない 騒ぎになりました

退屈させず 政界やスポーツ界も忙しくなりました
スポーツ界の体罰 ハラスメント ジェンダー問題
棚上げされたガバナンスの問題が くっきりハッキリ見えました
親分子分の 人間相関図も見えてきました
与党の議員は 面従腹背(めんじゅうふくはい)しか道はありません
五輪ボランティアへの失言も 特別深い意味はないと平気で言い訳します
若いのは逆らいきれず ずっと同調圧力に屈しています
暇つぶしには 格好の話題となりました

退屈の虫は コロナごもりで静かでした
女性蔑視の失言騒ぎで 緊急事態が起こりました
国益を損するとまで言われても 慰留するのです
メダリストからも協賛企業からも レッドカードが出ています
国会には 東京五輪のあだ花の蕾が膨らんできました
暇つぶしには もってこいの観賞機会になっています

〔2021年2月8日書き下ろし。五輪の目的や価値を今一度学び直すいい機会となった。世界の社会規範や人権運動と乖離したことも露わになった。暇つぶしにしては重たい課題を、当の本人や取り巻きたちは自覚しているのか。IOCに牛耳られた金権五輪の片鱗を見た〕