「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

泣き寝入り

不義に
抗議できない
反対できない
歯ぎしりしながら きつく目をつぶる

卑劣に
立ち向かえない
声さえあげられない
怒りに震えて じっと立ちすくむ

非道に
反発できない
反抗できない
握りしめた手のひらに 爪跡が残る

心臓は バクバクと鼓動し続ける
形相には 怯(おび)えが走る
こわばった身体は 恐怖で固まる

意気地なしと 罵(ののし)られ
貧乏もんと 蔑(さげす)まれ
生きた心地なく 口を塞ぐ

世間の陰口に 涙堪(こら)えた子よ
世の不公平に 憤った子よ
人の無情に 傷ついた子よ

手のひらの爪跡に
境遇に屈することなく
逆境を跳ね返す 反骨心を見た
絶望から発した 希望の光を感じた
生きねばならぬ 強い意志を感じた
 
〔2020年11月7日書き下ろし。いじめの続編。子どもの貧困が、子ども社会でいじめのターゲットの要因になる。学校に行けぬ子の辛さを教師は本当に理解しているのだろうか。今朝の毎日新聞の社説「コロナと教員の働き方 負担軽減の方策が必要だ」をじっと読む〕

肥えたカメの末路

自由に 奔放に 泳いだ
誰の言葉にも 耳を貸さず
連れ添う者たちだけが 真実だった

快活に 大胆に 泳いだ
誰の目にも その姿は海の王だった
信奉する者たちを 圧倒した

勇ましく 誇らしく 泳いだ
誰彼と口汚く罵(ののし)っても 批判は許さず  
意に添わぬ者たちは 切り捨てた

陸に上がって 冷えた身体を温めた
周りには 誰一人としていなかった
海は遠くで 穏やかに波を返す

景色は いつの間にか様変わりしていた
肥えたカメは 身動きも出来ず行き場を失った
暑い太陽の下で じたばたするばかりだった
重い甲羅に 身を潜めるしかなかった

もう 荒れた海には戻れなかった
いや 二度と戻ることはなかった
陸で静かに 干上がっていくしかなかった

〔2020年11月6日書き下ろし。まだ決着はついてはいないが、バイデン有利が報じられている。マスコミも肥えたカメと言い切ったほど、惨めな姿を全世界人さらし続ける〕

付記
【アメリカ大統領選】トランプ氏の会見、テレビ局が中継を途中で打ち切る
アメリカ大統領選の開票が続く中、現職のトランプ大統領が現地時間11月5日、ホワイトハウスで記者会見を開いた。郵便投票で不正が行われていると根拠のない主張を繰り返し、NBCなどの多くの米主要メディアは中継を途中で打ち切った。
劣勢のトランプ氏は、4日からTwitterで「不正が行われている」と繰り返し、「開票するな!」などと投稿している。会見では、「合法な票をカウントすれば私が余裕で勝つ。違法な票をカウントすれば、彼ら(民主党)は選挙不正をしようとしているということになる。多くの票が遅れて届いている」などと述べた。しかし、トランプ氏は明確な根拠を示さずにこうした主張を繰り返している。会見を中継していた多くの主要テレビ局は、中継を途中で打ち切った。
NBCは、会見途中で画面を切り替え、キャスターのレスター・ホルト氏が「大統領が不正な投票があったという考えを含め、多くの虚偽の発言をしたため、ここで中断しなければなりません」と発言。「(不正が行われたとする)証拠はありません」と視聴者に注意を促した。また、AP通信によると、ABCとCBSも中継を途中で打ち切ったという。
CNN、FOXニュースは会見を最後まで中継したが、CNNは画面のテロップに「根拠なく不正が行われていると主張」などと表示していた。
CNNのキャスターを務めるアンダーソン・クーパー氏は、会見後に「これが米国の大統領です。世界で最も強力な人物である彼は、暑い太陽の下でじたばたしている肥えたカメのように見えました」と痛烈に批判。「彼はただこの状況を受け入れられず、この国を含めて、すべての人を道連れにして壊したいのでしょう」と述べた。(ハフポスト日本版 2020年11月6日)

ハラハラドキドキ

ハラハラドキドキ
米国大統領選
大方の予想を見事に外して
最後の最後までもつれ込む大接戦
エキサイティングな攻防戦は続く
まるでハリウッド映画のように

ハラハラドキドキ
上院と下院のねじれ現象は 解消するのか
下院は民主が優勢で 主導権を握る
上院は共和が健闘し 拮抗している
民主主義を守るには 議会の力を取り戻すしかない
議員にその気概が求められた もう一つの最前線

ハラハラドキドキ 
根拠なき勝利宣言をして 身内からも叩かれる
見え透いた陰謀説を吹聴し 自ら笑いものとなる
分断した社会を当てに 支持者の暴走にも期待する
郵便投票の不正を訴え 法廷闘争にシフトする
敗北を認めず 負ければ弾劾裁判が待っている

ハラハラドキドキ
保身第一の側近らは 回顧録の執筆にしのぎを削る
選挙後は 暴露本で市場は賑わう
権力の中枢にいた彼らの手で 暴政が白日の下にさらされる
世界をカオスからコスモスに変えるパワーになるか
ここにも民主主義を取り戻す チャンスの芽はある 

ハラハラドキドキ
14歳の子どもが手にする銃は 使われてはならない
自暴自棄の輩が 暴動を起こす可能性は否定できない 
無差別に殺戮する銃社会の悲劇は この国では起こりうる
それに乗じて国内テロも 懸念される
なんとおぞましい国になったのだろうか

ハラハラドキドキ
国の命運がかかった 大統領選挙
決着はいずれつく
差別で分断した米国社会を どう立て直すのか
コロナの感染も 1日10万人を超えていた
勝った者が 何を為すのか
最初の仕事は 米国統一しかない

〔2020年11月5日書き下ろし。18時現在、いまだ決着を見ず。ハラハラドキドキは続く。日本は与党が派閥闘争でトップを選ぶ民主主義もどきをいまだ続ける〕

眠れぬ夜は

眠れないと嘆くことなかれ
眠らなければならぬという呪縛を解こう

眠れないと不安になることなかれ
眠っても眠らなくても朝は必ず明ける

眠れないと追い込むことなかれ
眠りを誘う疲れがくるまで起きていよう

眠れないと苦しむことなかれ
眠って忘れようとしても無理なこともある

眠れないと落ち込むことなかれ
眠りの深さは3時間でも大丈夫だろう

眠れないと闘うことなかれ
眠たいときに気ままに寝るといい

眠れないと悩むことなかれ
気がかりから解放されるまで諦めよう

眠れないと慌てることなかれ
代わりに冴えた頭に自由が生まれる

眠れないと焦ることなかれ
いつか眠りぱなしになるのだから悠長に構えよう

眠れぬ秋の夜長は 
静寂な世界に 心遊ぶ
宇宙の時空に 心翔(かけ)る 
黙して 無想するだけ

〔2020年11月4日書き下ろし。私は不眠症ではない。ただ自由気ままなだけ。そう考えて暮らしているだけのこと〕

民意の怖さ

2度目も 賛否は拮抗した
そして 負けた
二重行政の 弊害の改革
20年に及ぶ試みは
ここで頓挫した

知事と市長の席を取り替えて
ダブル選挙で 維新の威信をかけた
「大阪都構想」の実現への
民意を得たと 確信した

コロナ禍で 賛否を問う
手腕を発揮した 知事の人気に便乗し
前回反対に回った 公明党が参戦し
党首が街頭で 賛成を呼びかける
外野席も 賛否両論で盛り上げた

公約実現のために
その裏で 公金100億円は 消えた
構想がスタートしてから 累積された公金
緊縮財政下 職員のリストラを強行しながらも
100人もの人材を集めた部局は 68億円もの人件費を費やした
3回の首長選挙で 18億円
2回の住民投票で 19億円

政党の公約を実現するために 公金が湯水のように使われた
政党が選挙で民意を得たと 公金は政治資金のように使われた
政党の勝てると思った判断ミスで 公金は淀川に流れていった

代表の引退宣言で 注目度を上げたが
僅差での負けは負け
疲労感漂う 記者会見での表情
もう辞めたがっていたかもしれない

第2ステージが始まった
二重行政のリスクを明らかにして
府も市も いまの体制を維持しながら
68億円もかけた仕事のエキスを無駄にすることなく
改革の道を いまこそ本気で取り組まねばならない
まっぷたつに分かれた民意を 正反合の合へと導く責任が
残りの任期にあることを 引退の花道とすべきであろう

〔2020年11月2日書き下ろし。大阪人の厳しい判断が下された。終わりの始まり。代表辞任では片付けられない宿題を済ますしかない〕

付記
大阪都構想関連に公金100億円超 府市13年以降に 人件費や選挙など
地域政党「大阪維新の会」は2010年に結党して以降、党最大の公約に掲げた「大阪都構想」の実現を目指してきた。制度設計を担う大阪府と大阪市の共同部署「大都市局」が設置された13年4月以降、都構想関連の事務には少なくとも100億円を超える府市の公金がつぎ込まれ、多くの職員も投入された。
都構想の法的根拠となる大都市地域特別区設置法(大都市法)が12年9月に施行され、府市は翌13年2月に制度案を協議する法定協議会を設置。4月には約100人の職員を集めて大都市局が発足した。
14年2月には、当時の橋下徹市長が都構想の議論が行き詰まったとして、「法定協の反対派メンバーの交代」などを公約に掲げて出直し市長選を仕掛けた。橋下氏は3月に再選され、15年5月の住民投票にこぎつけたが、反対70万5585票、賛成69万4844票の1万票差で否決され、政界引退に追い込まれた。大都市局も6月に廃止された。
しかし5カ月後、都構想への再挑戦を掲げた知事・市長のダブル選で勝利。知事に松井一郎氏、市長に吉村洋文氏が当選した。16年4月に再び府市にまたがる「副首都推進局」が設置され、最大約100人の職員が毎年投入された。大都市局と副首都推進局の総人件費は計約68億円に上る。
維新は19年3月に法定協での議論が再び決裂すると、知事と市長の立場を入れ替えたダブル選で圧勝し、2度目の住民投票にこぎつけた。大都市局が設置された13年以降、首長選は14年の出直し市長選を含めて3回実施され、計約18億円が費やされた。
また住民投票関連の経費を巡っては、5年前が約8億1000万円。今回は住民説明会が8回のみで39回実施された前回より大幅に減ったが、新型コロナウイルス対策などで経費がかさみ約10億7000万円が予算計上されている。(毎日新聞 2020年11月1日)

法と秩序

為政者にとって 
不都合な法は 変えねばならぬ
不利益な法は 言い方を変えればいい
不自由な法は 無視するだけでいい

為政者が優位に立つには 法で規制すれば事足りる
為政者が権力を行使するには 法を味方につければ事足りる
為政者が対立する勢力には 法を盾に攻撃すれば事足りる

刃向かう者たちは 徹底的に叩きつぶす
敵視した者たちは 無法者だと口汚く罵(ののし)りつぶす
妄信的な支持者には 銃を持てと唆(そそのか)す

為政者にとって 
秩序は 格差を維持するだけのものだった
秩序は 格差を確立するためのものだった
秩序は 分断を決定づけるためのものだった

為政者の醜き欲望が 渦巻くアメリカ大統領選挙
あるべき法と秩序を 取り戻すことができるのか
トランプか 反トランプか
それだけの戦いだけのこと
4日 審判が下る

〔2020年11月2日書き下ろし。いまの国政にも類似点がある。再選されると悪夢が続く〕

指導という悪意

今日もまた 子どもの心をいたぶる
明日もまた 子どもの心をもてあそぶ
時に子どもを 死の淵に立たせる

教育という尊い仕事を
教師の仮面をかぶった者たちが 汚してゆく
指導という 教育に名を借りた陰湿ないじめが
なんのお咎めもなしに 繰り返される

傷ついた子どもの心
刻まれた学校と教師への 強い不信
沈黙と登校拒否は 幼き抵抗
時間では解決できぬ 深い心的外傷

指導という名目で 徹底的に体罰を加える
指導という職務で 徹底的にいじめ抜く
指導という詭弁で 徹底的に憂さを晴らす
指導という武器で 徹底的に心にダメージを与える

悪意に快感を覚え 魔性に生きる者よ
廃れた権威を傘に着た 卑劣で哀れな者よ
身を厳しく律せず 愚劣な偽善者よ
辞する時を知らず 生き恥を晒す者よ

心ある教師たちよ
あなたは そんな教師を許せますか
あなたは そんな子どもをほっとけますか
子どもの痛みを とってあげてください
子どもの悲しみを いたわってください
子どもの苦しみを いやしてください
子どもの笑顔を とりもどしてください

〔2020年11月1日書き下ろし。指導死はない。犯罪である。同僚よ、傍観する事なかれ〕

陰湿ないじめ

昨年確認された いじめの件数61万件超
過去最高は 積極的に実態把握の成果だと文科省
2割は 命や長期欠席に関わる重大事態
対応遅れで 悪化のケースも少なくない

道内では 2万4千件を数えた
判明したきっかけは アンケート調査 
教員が見つけたのは 1割に満たない

重大事態が 2割発生していながら
教員が気づいたのは 一体その何割なのか
先の1割よりも きっと数値は小さくなる

道徳教育の効果も 薄いのは当たり前
国語の読解さながらの授業で
心を育てようとは 笑止千万
教科書でしか教えぬ徳は 心に響くはずはない

教育の専門家だから いじめに対処できるなんて 嘘っぽい
早い段階で把握して 解決のために指導するって ほんとかな
調査しなきゃわからなかったと 言い訳めいて受け入れがたい
ほとんど気づかずに 放置していただけのこと

教員だからと 過信してはならない
あれもこれもを処理する能力は 決して高くはない
能力以上のものを求めても 無理な要求であるのは確かだ
学力向上にシフトして 生徒指導がおぼつかない
いじめを見つけたら 一人で決して抱え込まないでほしい
出来なければ 学校そのものが機能不全に陥っているだけのこと

子どものために一生懸命汗かくかどうかの 区別はしておこう
えっ 自分の子どもに不利かどうかで 判断するって
先生って その時々に上手くつき合うだけのこと
学校と揉めても面倒くさいし お互い根に持ってしまうから
先生との距離は 適当に取っておくのがいい
割り切ってつきあうしかないのが いまの学校の現実か

問題は 調査は子ども対子どものいじめという前提にある
教員対子どもの問題は どれだけカウントされているのだろうか
果たして教員のいじめを書けるだろうか
書いても 子どもの戯言(たわごと)と握りつぶす
指摘されても 誤解だと釈明する
子どもは その後が怖くて学校に行けるはずはない

そもそも恐ろしくて 書けるはずはない
問題教員は自覚することなく 仲間も黙認して放置する 
問題教員の指導は いつか正当化され立場の弱い子らに君臨する
かつ熱心な先生という評判までついたら もう手に負えない

露見すれば 学校は指導の正当性を主張し弁明する
証拠が挙がれば 仕方なく指導の行き過ぎでしたと 謝罪する
そもそも子どもに寄り添えるかどうかに 生徒指導の本質が問われる
それで一件落着かと思えば アホな教員はまた繰り返す
そこに校長の管理能力の欠如と 教員個々の無干渉の体質が露わになる
学校の隠蔽体質は なかなか改まらないことを承知しておこう
教員のいじめは 決してあってはならぬこと
「ない」という前提への疑問を 提起したい

子どもには 良き大人に出会って欲しい
教育者としての力量と人間性を高めようと
日々頑張る人がいることを 信じたい
いじめられている子どもらの 拠り所になってほしい
「忙しい」という言い訳は もう通用しない

〔2020年11月1日書き下ろし。10月24日文科省から発表されたいじめの統計から、ここには表れない「指導という名のいじめ」に許しがたき強い憤りを感じていた〕

78億人の水と食料

世界の人口は
1年に6千万人が亡くなり
1億4千万人が産まれる
1分に156人
1日で22万人
1年で8千万人 増えていく
いま(10月30日23時32分現在)
推計で 77億7889万人を超えた

このまま増え続ければ 
30年後には100億人を突破する
果たして 予想通りに増え続けるだろうか?
人口増加は 決して青天井ではない
地球上に生き残れるのは 誰か?
苛酷な生存競争が 始まっている

新型コロナウイルスの世界の感染者は
30日昼 累計で4474万人を超えた
死者は117万人を上回る
まだまだ感染力は 衰えることを知らず
世界中に 再び恐怖のウイルスを拡散させている
これは 地球上の人口抑制のほんの始まりに過ぎない
自然との共生を拒んだ 手荒なしっぺ返し
自然の摂理を破壊した 辛辣な報復
自然による無慈悲な 人口淘汰

安全な水と食料が 確実に不足する
温暖化による天候異変が続き 農業被害は甚大だ
海洋資源の乱獲と 海流の異変で不漁は続く
炭酸ガス放出の規制以上に 温暖化は進む 
食糧不足や栄養失調で 重篤な疾病や餓死が起こる
森林の伐採や火災で 地上の砂漠化が一層進み
農地は枯れ果て 水と食料の確保はさらに困難となる
追い打ちをかけるように 
新たな流行性の重篤な疾病や 大きな自然災害による被害が
多くの人類を 死へと強制的に誘う

水と食料が公平に分配される世界を 想像できるだろうか?
多くの犠牲を強いられるのは 
確実に貧困層であり 子どもたちである

水と食料の略奪は 
いまも治安の不安な国や地域で起こっている
大統領選挙を目前にして
暴力で支配することを容認し けしかけているリーダーもいる
銃社会の米国では もっと深刻な事態が起こるやも知れない
国民が分断された状況の中で 銃は一体誰に向けられるのか

一国の問題にあらず 世界にその火種は燻(くすぶ)り続ける
領土を守ることに汲々とする時代が 始まろうとしている
水と食料を得るために 仕向けられた戦いは避けられるだろうか
核拡散防止条約は 核保有国が核兵器で世界を支配する
核兵器は 戦争抑止の延長線上にあり 世界を威嚇し存在をアピールする
核兵器なき世界は理想と化し 核兵器の新たな開発にしのぎを削る
核兵器禁止条約が発効されても 核保有国と日本も頑として参加を拒否する  
核の抑制は いつか独善的なリーダーによって解放されるかもしれない
核の傘は 鰯の頭も信心のような価値でしかなくなるだろう

水と食料をめぐる攻防は 絵空事では決してない
核戦争という悲惨な事態を引き起こせば 
後戻りの出来ない 地球の破滅が現実化する
そこには 勝敗はない
あるのは 人類の滅亡へのカウントダウンである

宇宙船地球号の命運は 一体誰が握っているか

〔2020年10月30日書き下ろし。戦争の火種は確実に大きくなろうとしている。核のボタンを押せば、核の傘に庇護される保障はなにもない〕

付記
新型コロナ超えるパンデミック、自然破壊により今後頻発の恐れ 専門家報告
人間が自然界との付き合い方を変えない限り、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)よりも多くの死者を出し、世界経済に深刻な悪影響を及ぼすパンデミック(世界的な大流行)が頻発するようになると、国連(UN)の専門家組織が29日、警告を発した。
「生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)」の特別報告によると、新型コロナウイルスのように動物を宿主とし、ヒト感染の恐れのあるウイルスは現在、最大85万種が存在する。
生物多様性とパンデミックに関する特別報告書の執筆者らは、動物たちの生息地が破壊され、消費活動が拡大を続けていけば、動物由来の感染症がヒトに感染する確率は今後、これまでよりずっと高まると指摘。パンデミックは人類の「存続に関わる脅威」を表していると述べている。
感染症予防に取り組む国際NPO「エコヘルス・アライアンス(Ecohealth Alliance)」の代表で、特別報告書を作成したIPBES専門家ワークショップを取りまとめたピーター・ダザック(Peter Daszak)氏は、「気候変動と生物多様性の損失を引き起こす人間活動が、農業への影響を介してパンデミック発生の危険性をもたらす」と語った。
IPBESはCOVID-19について、1918年のインフルエンザ(いわゆるスペイン風邪)大流行から数えて6つ目のパンデミックだとした上で、その全ては「完全に人間の活動が引き起こしたものだ」と指摘した。こうした人間活動には森林伐採や農地開拓、野生生物の取引と消費といった持続可能でない開発が含まれ、いずれも動物と人間との濃厚接触の機会を増やし、動物の保有する病気と人間との距離を縮めることにつながっている。
IPBESは、毎年5つ前後の新たな感染症がヒト間で発生し、そのどれもがパンデミックに発展する可能性があると警鐘を鳴らしている。
第一線の専門家22人が参加してリモート形式で開催されたIPBES専門家ワークショップでは、パンデミック再発リスクを低減するため各国政府が取れる対策も取りまとめられた。
専門家らは、COVID-19の経済的損失は今年7月時点で最大16兆ドル(約1670兆円)に上ると試算した上で、将来的なパンデミックを予防する対策を講じる方が、パンデミック発生後に対処するより100倍も経費を節減できるとし、これは「社会変革に向けた強力な経済的動機となる」との見解を示した。(AFPBB News 2020年10月30日)

核禁条約、来年1月発効 「核兵器は非人道的で違法」 
核兵器の開発や製造、保有、使用などを全面的に禁じる核兵器禁止条約の批准国・地域が24日、条約の発効に必要な50に達した。条約は90日後の来年1月22日に発効する。「核なき世界」を求める国際的な声に後押しされ、核兵器を非人道的で違法だとする初めての国際条約が動き出す。(朝日2020年10月26日)

模様眺め

道内のコロナの感染者の数字は 高止まりが続く
鈴木直道知事は マスクもかけずに記者会見
平静さをアピールしても 深刻度は増すばかり
もう模様眺めどころではなくなった
警戒レベル2の発令で 再度の自粛体制に入った
さて年寄りは インフルエンザの予防接種に出向こうか

千葉県の来春の知事選挙
自民党県連が推した 鈴木大地前スポーツ庁長官
森喜朗元総理が擁立に反対する
その鶴の一言で 鈴木は立候補を見送る
県連内の覇権争いに巻き込まれ 汚れてはならぬ 
模様眺めでは済まされないと 親心でチャラにする
それだけ醜い政治の世界に 今さら気づく
政治を裏で仕切る力に衰えなしと 老体をさらす

米大統領選も1週間を切った
連日マスコミが垂れ流すニュースや論説に振り回される
どっちが勝つのか 確固たる優勢さは見出せない
模様眺めも そうはしていられなくなるだろう
トランプ不利の状況も 土壇場での逆転勝ちは残されている
年寄り二人の争いも 4年の賞味期限こそ不確定と心得たい

26日から臨時国会が始まった
所信演説に続く代表質問
さっぱり心躍らぬ 論戦始まる
年寄りの ちまちました詭弁と 
代わり映えしない者たちの 哀れな自己陶酔
露呈した口先だけの「国民のために働く内閣」
しばらくは 模様眺めするしかない
大事な時に 関心が政治から乖離する
それがねらいか 議場の雛壇に座す老人たち

立候補予定者は 総選挙の準備に余念がない
こちらも 模様眺めするしかない
老いし身は 手ぐすねひいてお持ちしています

〔2020年10月29日書き下ろし。模様眺めが許されぬ事態が起こる予感がする。この内閣に早くも論議拒否が始まった〕