「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

長州と西郷隆盛

戊辰戦争 
東北の武士は 
最後まで 官軍に抵抗して戦った

山形鶴岡庄内藩に 
官軍薩摩藩兵が攻め込んだ
大将西郷隆盛の前に 降伏した
敗軍を丁寧に扱い 
死者を弔い 経済的な支援もしたという

長州藩は 会津若松城を攻め落とした
死者の埋葬すら許さず 晒(さら)したという
蛤御門の変の 遺恨を晴らすべく 
死者に鞭打つ むごい仕打ちだった

長州の地に生まれし者
長州人であることを自負した
ローカルな郷土心の塊だった

政敵は決して許さず 金で叩く
政敵は立ち向かわぬよう 金で潰す  
政敵は刺客を差し向け 金で落とす

西郷隆盛の慈政を 顧(かえり)みることもなく
コロナ禍で苦しむ者を救う手立ては 迷走しきり
世に混乱と貧困を さらにもたらす
新しい国づくりに 歴史の批判を恐れず戦い抜いた
長州人の志は すでに廃れた
国家の大事に 奔走(ほんそう)する姿なく
姑息と意固地を 身に纏(まと)う

長州人の血を受けし者
天下国家を語るに 敗者の弁は知らず
ただ 黙するだけ
ただ 身を隠すだけ
ただ ガードを堅くするだけ
そして 時の過ぎるを ただ待つだけ

〔2020年7月20日書き下ろし。7月の毎日新聞世論調査での内閣不支持率60%、朝日新聞世論調査での首相の指導力「発揮していない」が66%、なにをか語らん〕  

付記
安倍首相、1カ月間会見なし 委員会も出席せず 感染再燃、GoTo方針転換
安倍晋三首相が通常国会閉会翌日の6月18日を最後に1カ月間、記者会見せず、国会の閉会中審査にも出席していない。この間、首都圏を中心とした新型コロナウイルスの感染再拡大や、政府の観光支援事業「Go To トラベル」の方針転換など大きな課題が浮上したが、説明責任を果たさない逃げの姿勢が浮き彫りになっている。
首相は「Go To トラベル」で東京発着の旅行を対象外としたことについて、16日に「現下の感染状況を踏まえて判断があった」と述べただけ。追加の質問には答えず、17日も質問を受ける場面はなかった。
首相は国内で新型コロナ感染が拡大した2月以降、9回記者会見したが、国会閉幕を受けて行った6月18日を最後に途絶えている。現在、首相の説明は官邸の出入りなどの際に記者団が質問を投げかけ、応じる場面にほぼ限られる。答えることもあるが、一方的に話して立ち去ることも多い。
通常国会閉会後、東京など首都圏を中心に新型コロナ感染者が増加に転じ、今月17日には東京で過去最多の293人に上った。道内でも札幌・ススキノのキャバクラでクラスター(感染者集団)が発生するなど、政府が進める感染防止策と社会経済活動の両立に不安と関心が高まっている。
だが、首相は記者会見に加え、週1回のペースで開かれている国会の委員会の閉会中審査にも出席していない。政府・与党が拒んでいるためで、さらに首相は周辺に「秋の臨時国会は開きたくない」と漏らす。コロナ対策などを巡って求心力のさらなる低下がささやかれる中、できる限り説明の機会を少なくすることで野党などの追及を避けたい思惑が透ける。(北海道新聞2020年7月19日)

はたらく人の幸せ・不幸せ

30代だった
ある小学校で 教員をしていた

働くことが幸せであったか
自己成長は 半端なかった
リフレッシュは 子どもらとの何気ない戯れだった
チームワークは 同僚とはほとんど不要だった
役割認識は 常に果たそうと努力していた
他者承認は 同僚には求めることはなかった  
他者貢献は 常に子どもたちがいた
自己裁量は 多くは自己判断し その責任を自らに強いた

では 不幸せだったのか
自己抑圧は ほとんどしなかった
理不尽なことは 中学生の我が子にも及んだ
不快空間は 組合員の集う職員室だった
オーバーワークは 日常茶飯で悔いはなに一つなかった
協働不全は きっと非組の自分だけだった
疎外感は 負けないぞという闘志を生み出す源となった
評価不満は まったくないと断言しよう

孤立無援の職場の中で
弱虫だったから 意地を通した
臆病だったから 虚勢を張った
仕事では 失敗せぬよう心した
授業研究には 自他共に厳しく挑んだ
子どもには いつも助けられ救われた
宴会で 酒は飲まず 無礼講を静観した

同調圧力に屈しない 嫌みなやつだったにちがいない
組織の枠にはまらぬ 異分子だったにちがいない
やることなすこと身勝手で 扱いにくかったにちがいない
異端児然とした試みに 反発と羨望を抱いたにちがいない
 
幸せだったか?
少しでも〈共育〉という実践ができたなら
幸せだったと
子どもと学んだ 福祉とボランティアの世界に生きたから
幸せだったと
それを 共感をもって支える外の仲間がいたから
幸せだったと

〔2020年7月19日書き下ろし。幸せの因子がマイナスでも不幸せの因子を跳ね返すことで、幸せを強く感じていた自分を見つけた。学校という閉鎖社会はいまも続く。その中でこうして生きてこられた幸せを確かめた〕

付記
「幸せな職場」とは?最新研究が示す“七つの要因”
働くことで感じる「幸せ・不幸せ」はどんな要因がもたらしているのか――。慶応大学の前野隆司教授(経営幸福学)の研究室とシンクタンクのパーソル総合研究所の共同プロジェクトが大規模調査からその要因を導き出した。それをもとに働く幸福度を測定できるツールも開発しており、日本の「幸せな職場」作りに役立てられるという。
共同プロジェクトは昨年7月から、予備を含め3回の調査(本調査は有効回答数約5000人)を行い、働く幸せや不幸せをもたらすそれぞれ七つの要因を特定した。
幸せと感じる因子は、自己成長(新たな学びがある)▽リフレッシュ(ほっと一息つく)▽チームワーク(仲間とともに歩む)▽役割認識(自分のこととして仕事ができる)▽他者承認(人に見てもらえる)▽他者貢献(誰かのためになる)▽自己裁量(マイペースでできる)――の七つ。
一方、不幸せの因子は、自己抑圧(自分なんてという感情)▽理不尽(ハラスメントを受ける)▽不快空間(不快な職場環境)▽オーバーワーク(過重労働でヘトヘト)▽協働不全(職場がバラバラ)▽疎外感(ひとりぼっち)▽評価不満(仕事が報われない)――の七つとわかった。(毎日新聞経済プレミア編集部2020年7月19日)

書くことで世を歩く

こんな小さな頭にも
世間の気になる動きが 見えてくる
こんな小さな頭でも
世界の気にかかる動きが 見えてくる

こんな小さな心にも
世間で気になることを 感じてる
こんな小さな心でも
世界で気にかかることを 感じてる

頭にも心にも 
世間や世界を 隔てる壁はない
頭も心も
世間や世界を 自由にかけ巡る

頭や心で感じたこと
頭や心で考えたこと
頭や心が憤ったこと
そんなこんなを 言葉で紡ぐ

書くことは 世を自由に歩くこと
書くことは 世を自在に歩くこと
書くことは 新しい世を創ること
書くことは 新しい世に生きること

ここで 書くという自由意思の世界に 遊び続けよう
ここから 人の世のありようを 描き続けよう
ここにいながらにして いのち溢れる世を 思案続けよう

〔2020年7月18日書き下ろし。書くということの責任を噛みしめて世の中を歩く〕 

骨太方針決定

肝いりの観光支援策「Go To トラベル」
都市圏のコロナ感染拡大で
「Go To トラブル」に巻き込まれました
その場限りの取り繕いを 繰り返し
期待していた方々に さらなる失望与えています
「新Go To トラベル」
新しい国難の旅へのご案内 予約受付中です
旅のご案内は もうおわかりですよね

財政は あれもこれもで 
コロナ禍の下 さらに逼迫(ひっぱく)しています
雪ダルマ式に赤字が膨らんで 
どうにもこうにも
ダルマだけに 手も足も出せません

行政のデジタル化
司令塔の司令官の司令官が 
そもそも問題だと知っていますか?
デジタル化で 行政事務の効率化が 無駄骨にならぬよう
何せ骨粗鬆症で すぐ折れます
財政も人も それを支える骨格(国格)がスカスカ
加えて行政文書の中身は できるだけスカスカに
デジタル化で 心も折れそうです

テレワーク 新しい働き方で副業支援
エッセンシャルワーカーは どうします
ここは 手抜き骨抜きですか
クーラ効かぬ外で 一日中働きます
三密・濃厚接触避けられぬ内で 夜間も働きます
ここは是非 骨太にしてほしい
エッセンシャルワーカーこそは
日本の経済・医療・福祉を 
揺るぎなく支える人たちですから
 
デジタル通貨より
最近疎遠な 福沢諭吉さんにお会いしたい
樋口一葉さんは 借金を返すのにご多忙で
しばらくお顔は見ておりません
感染症の流行のせいか 野口英世さんが心配され
お一人で 長期滞在中です
これで骨太なんて 夢の夢
骨身を削って 生きています

えっ 国土強靱化 防災減災
阪神淡路大震災以降 日本列島大災害の嵐です
でも懲りずに掲げる キャッチフレーズ
今夏の梅雨で 各地の甚大な被害を見るにつけ
中長期の視点 あってこのありさまです
骨折り損のくたびれもうけになりそうな 
国土強靱計画
必要十分な予算って? 
血税が一滴も残さず 搾り取られています
まずは 無駄な防衛費を削ってからにしましょうよ
米国に 骨の髄までしゃぶられぬよう 
経済・防衛外交に 骨身を削ってください
えっ 残っているのは 
折られた骨と乾いた皮だけだって!

ひとつ忘れちゃいませんか
感染症対策
長年ほったらかした ツケと焼きがまわった
大失態の内閣が やらねばならぬ第一の基本方針
デジタル化で 給付金の遅れを改善する前に
国民のいのちと健康を 守ってこその 
経済財政の健全化
順序もピントも 外れたままで
この先も 悪夢は続くのですか

骨太は言葉だけで 浅き夢の如し
骨太は見せかけの 着ぶくれの如し
骨太は言った先から 終わるが如し

なんの期待感も希望も 生まれない
これからの暮らしも 骨身にこたえるだけのことです

〔2020年7月17日書き下ろし。東京が第2次感染拡大の兆候を示しているときのタイミングで期待感もない方針を出す間抜けさ。暮らしと乖離した者たち…どうしましょう)

遺言を綴る

「こんちは。大家さんいらっしゃいましたか?」

「いたよ、上がっておいで」

「遠慮なくもう上がってきました」

「出迎えもしないでごめんなさいよ」

「いえいえこちらこそ、勝手にお邪魔しまして、すみません」

「今日はどうしたの?」

「特に用事ということではなしに、ご機嫌伺いといったところですかね」

「それはありがたいね」

「そう言われると、来た甲斐があるってもんで」

「いやね、何を書こうか思い浮かばなくて、困っていたところなんだ」

「えっ、なにか書き物なんぞされていたんですか?」

「なあにね、認知症の予防ってとこですか。その日その日の記(しるし)は日記でしょう。あいにく隠居生活じゃ、これと言って日々変わったことなんぞ滅多のない。三日坊主どころじゃない。1週間に何かひとつあればいいほうで、そうなるともう書く気は失せますね」

「それで、どうされたんですか?」

「いやね、子どもらが父親のことをあまりにもよくわからないって。どんな仕事をしてきたのか、何を考えて生きてきたのか、そもそも父親という存在自体が危ういって言い出しましてね」

「そりゃ深刻なことで」

「そこで、何か残してみるのも一興かと、冷やかし半分に書き始めた次第です」

「なんですか、その書き物は?」

「新しいスタイルの〈遺言〉」

「えっ、遺言!」

「そう、子どもらにはいまさら残すものもないけど、この歳になって父親が何を考え、どんなことに心動かして、世間の風にあたっていたのかぐらいは、伝えることができそうだと思いましてね。書き始めてかれこれ早いもんで1年にもなります」

「1年! 毎日ですか?」

「そう。書き始めはまずは1ヶ月続けよう。そこで続いたら欲が出て、百日めざそうってくじけそうな心をだましだまし、書くだけは書いてきました」

「日記なら書けないのに、なんで遺言なら書けるんですか、よくわかんないですね」

「自分でもよくわかっていない(笑う)。ただ、〈世の中を見る目は年とらず〉ということだけは確かなようです。死に際に、まだ世間のことが気にかかり、子どものことや世の中の動きに一家言じゃありませんが残しておこうと。子どもらには、それが父親を知る手がかりになるんじゃないかと思いましてね」

「過去の自分をさらけ出して自分史を書くことが流行っていますが、それとは少し趣旨が違う様子で、いまの自分の立ち位置から世の中を見て感じたことを書き留める。それが父親の生き様として子どもさんに感じてもらう。新しい遺言のスタイルというのは、父親として人として職業人として、生きてきた人生訓の集大成みたいなもんですか?」

「そんな重たいもんじゃないですよ(笑う)。もっと気楽に書いているだけ。でも当たらずといえども遠からず。人生訓といった大それたもんじゃありませんが、その時々の世の中の動きに敏感に反応して、言葉に託して考えをまとめてるだけのこと。そこには〈わたし〉というものの考え方や生き方が、書き表されていれば御の字です。生きた時代の証も見えてきます。どうしてそう考えているのかという背景も想像できます。
遺言でそんな楽しい想像を手渡すことができるって、愉快じゃありませんか(笑う)」

「先だって、親の財産の奪い合いする子らの様子を垣間見てきましたが、この遺言には深刻なイメージはありませんね。なんだか、謎解きのような、この人は一体どんな人生を生きてきたのかをもっと知りたくなるような、興味津々になります。あっしも読んでみたいもんです」

「いやいや、これは遺言だから、公開は後悔することになりますんで、ここはひとつ堪えてやってください」

「ついプライベートに立ち入りまして、あいすみません。でも大家さんがあっしの話を聞きながら、世間の道理や道筋を示されるんで大したもんだと、いつも感心しておりました。センスというかその物言いのポイントが鋭くて、なるほどとつい納得してしまいますが、それってこうして書くことで、世の中を歩いていらっしゃるんですね」

「いや、いいですね! 〈書くことで世の中を歩いている〉って。さすがまとめるのがお上手だ。とてもいいヒントをいただきました。こうしてあなたと話していると、いつも世の中の粗末に出来ないことを教えていただき、つい書き出してしまいます。ほんとにありがたい」

「いえいえ、お褒めにあずかり恐縮至極、勘弁してください。こんなあっしの話をいつも真剣に聞いてくださり、アドバイスをいただくばかりで、お役に立っているとはつい知らず、これからもたんと世の中の難題を持ち込むことにいたしましょう」

「いやいや、それこそご勘弁、楽隠居させてください」

「いえいえ、そうすれば筆を折ることにもなりかねません。書くことは尽きることはありませんから、その気力が落ちないように、あっしがお手伝いいたします。
新しい難儀持ち込みボランティア、気力増進ボランティア、筆折らせませんボランティアってのはどうですか?」

「押し売り同然ボランティアは、こちらから御免被ります」(二人笑う)

「あっしにはまだまだ縁のない遺言ですが、新しいスタイルを学びました。有難うございました。これでおいとまします」

「いやいや、こちらこそ助かりました。さっそく書き出してみましょう」

「それでは、ごめんください」

「あなたと話すと何かホッとしますね。お気を付けて」

〔2020年7月16日書き下ろし。ブログ「鳥居一頼の世語り」が1年を迎える。新しい遺言スタイルをこれからもお楽しみに!〕

心のありようを描く

2018年7月18日
ブログ主宰者から突如 ある団体に捜索願が出された
ルートは奇跡的につながり
無事発見された

1年後の7月17日
登別市で開催された「きずな市民シンポジウム」の朝
「鳥居一頼研究室」が突然開設された
ブログには 不定期で
「鳥居一頼のサロン」に幾つか投稿していた
主宰者は それをとても面白がった
好き勝手に投稿してとばかりに 
「バーチャルな研究室」を作ってくれた
引くに引けなくなって はまってしまった

その後「鳥居一頼の世語り」と改称し
1年366日を迎える
今年は閏年だったから 1日おまけだ
おまけなら 何でも嬉しい

書き出しの1ヶ月は
ストックでしのいだ
8月早々腰痛で寝込み
iPadに ボッコで書き込んだ

字数制限もなく
散文なら書きやすく読みやすい
だから 詩もどきを綴った
100回連続は 素直に嬉しかった

11月札幌で「日本福祉教育・ボランティア学習学会」が開催された
主宰者が来札する そのときまで続けよう
再会の感動は 「メビウスの帯」(2019年12月1日Up)にしたためた
12月 例年の秋田県北巡りの 地域福祉推進と福祉の授業
「休業宣言」をそばに置き いつでもリタイヤできる備えをした
なぜかホテルで 毎朝毎晩パソコンに向かっていた

師との共同で多忙を極めた『邂逅』の執筆も
年明けに脱稿 ようやく印刷に回した
中旬から 地域福祉に関わり全道14管内を回る仕事が始まった
都市間バスでの長距離移動は 腰痛には応えた
前日ホテルに入ると すぐに横になった
一日の仕事が終わると そのまま移動という日々だった
帰宅しても 翌日下着の取り替えをもってバスに乗る
北の端から南にそして西へと 過酷な日程もしのいだ
でも 不思議と書き続けられた
200回目 新ひだか町での社協マンとの語り場が
書き続けるおもいの枯渇を 未然に防いでくれた

2月新型コロナウイルスが北海道を襲う
道知事は なんの方策もなく独自で非常事態宣言を出した
バタリと仕事はなくなり 自宅軟禁状態になった
家にいながら 気にかかる世の動きにアンテナを高くして
「世語り」を続けることにした

4月 師と次の本『検証』の準備が始まった途端
構想もアバウトなまま また腰痛でダウンした
5月 世界がコロナ禍であえぐ中で「母の日」を迎えた
娘から花が送られてきた
300回は「宅配人が親子のおもいをつなぐ」と
エッセンシャルワーカーへの感謝を綴った
6月 『検証』の当初の構想は 大幅に修正された
7月 執筆に着手し 展望が少し開けてきた
そして「世語り」は 明日丸1年を迎える 

共感同行していただいた主宰者
その出会いの不思議と必然を 噛みしめている
出会いは 思索のスイッチを入れ 自己再生を促した
出会いがしらの衝撃そのままに 創造力を触発される
出会いから 心のありようを描く至福の刻を味わい続ける

生かされた喜びに満ちた1年 感慨無量でした
ブログの主宰者と読者に深く感謝します
ひとりでも多く 共感をもっていただければ幸いです
これからの1年? 無事な投稿をお楽しみに!

〔2020年7月15日書き下ろし。主宰者に書き続けることの喜びをいただいたことに厚く感謝し、主宰者と共に次の1年に向かいます。フィンランドの若者が日本語の勉強と日本の世情を知る手がかりにこのブログを読んでいますと、嬉しい知らせをいただきました〕

黒と白

この世には
黒い心の人と
白い心の人が
おりました

生まれるときには
人はみな白い心で生まれてきます
大きくなるにつれて
人はみなさまざまな心に彩られます
気づかれぬように
黒い心が忍び寄っていきます
気がつくと
人はみな灰色の心になっていたのです

黒い心の人は
気分次第で黒を混ぜ
灰色にしていくのです
黒い心の人は
どんな色にでも黒を混ぜて
灰色にして面白がるのです

多彩な心は
黒い心の人に逆らえず
灰色にされてしまいます
多彩な心は
黒い心の人の言いなりで
灰色にされてしまうのです

この世はいつか
灰色も黒みがかって
黒に近くなっていきます
この世はもう
灰色が真っ黒になり
黒一色になりました
この世はすでに
黒い闇の世界となりました
闇の奥から かすかな声が聞こえます
「わたしはよき人でありたい」

〔2020年7月14日書き下ろし。国家権力に支配される恐怖を、香港の自由人は強く感じていることだろう。コロナ禍に便乗して専制主義が世界に広がる危惧を抱く〕

罪を犯し顔

子を放置し 死なせた母は 
どんな顔して 男と情を交わしていたのであろう
子を橋上から 川に投げ下ろした母は 
どんな顔して 最期の子の顔を見送ったのであろう
父親からの虐待に 子を守れぬ母は
どんな顔して いのち尽きるまで見ていたのであろう
母と子が そこに至るまでの背景と葛藤は知るよしもない
真実の一端は 裁判で明かさていく

シャボン玉のように 風に吹かれて消える幼きいのち
天災と飢餓で間引きされたいのちは 暗黒の歴史に刻まれた
間引きした母には まだ情があったやもしれぬ
餓死させる 水死させる なぶり殺す
ここには 残忍で明確な殺人者の顔がある
人を殺すことが 大罪ならば
子殺しの罪を償う母は 一生嘖(さいな)まれるだろう

権力者への忠信を誓えし者たちの罪は
自死に追いやろうと 大罪よりも軽いのか
栄転と退職後のポストと引き換えに 抗弁し負い目をかぶる
社会病質人格障害者と 姪に診断されたトランプに
憧れ抱く日本の為政者は
検察庁を牛耳れば 河井夫妻の一件はもみ消せた

罪を他人に被せ 己の罪はなきものと 
おもう者こそ 卑劣で罪深き者なり
被(かぶ)りし罪を お咎(とが)めなしに逃れる者こそ
大いなる貢献を果たした者と 悪魔は笑う
専制支配に挑む者たちの よからぬ企みは 
絶えることなく 謀(はか)られる

罪を犯し者の顔は 
なぜああも醜いのだろうか
罪をかばいし者の顔は 
なぜああも醜くなるのだろうか

〔2020年7月11日書き下ろし。専制君子になりたい者たちが、民主主義という制度と法を巧みに操り、国民を隷従させる〕

付記
トランプ氏元顧問の刑免除は「歴史的腐敗」、共和党議員が批判
ドナルド・トランプ米大統領が、自身の顧問を長年務めたロジャー・ストーン元被告(67)の刑を免除したことを受け、共和党のミット・ロムニー上院議員は11日、ツイッターへの投稿で「前代未聞の歴史的腐敗」と批判した。同党の所属議員がトランプ氏に批判の声を上げるのは異例。
2016年大統領選におけるロシア介入疑惑をめぐってストーン元被告は、証人に対する不当圧力や下院による調査の妨害など7件の罪で有罪判決を受け、14日から禁錮3年4月の刑に服す予定だった。
トランプ氏の弾劾裁判の投票では共和党議員として唯一賛成票を投じ、同氏を激怒させたロムニー氏は、11日にも一切手加減せず、「前代未聞の歴史的腐敗:米国の大統領は、まさにその大統領を守るためにうそをついたことで有罪判決を受けた人物の刑を免除した」とツイートした。
トランプ氏に対し単刀直入な非難をしたことで、ロムニー氏はこの問題に対して口を閉ざし続ける多くの共和党議員らと一線を画した一方、トランプ氏に対して一斉に非難を浴びせる民主党議員らと足並みをそろえる形となった。
2012年の大統領選で共和党の指名候補だったロムニー氏は、弾劾裁判での投票をめぐって共和党の一部議員から忌避されている。
トランプ氏の長男であるドナルド・トランプ・ジュニア氏は、ロムニー氏を共和党から「追放」するよう訴えていた。(2020年7月10日AFP=時事)

イエスマンの叛逆(はんぎゃく)

そうとおくないむかし あるところに
イエスマンがおりました
とても自分のことが大好きな
王さま気取りの男に 仕えていました

男は とても人の目を気にかけました
男は いつも人の悪口を気にかけました
男は しきりに人の評判を気にかけました

男は イエスマンを呼びつけました
「おい俺の評判はどうだ?」
「とても悪いです」
男は その言葉を聞くと
すぐに首にしました
男は 別のイエスマンを呼び出しました
「おい俺の評判はどうだ?」
「すこぶる完璧で非の打ちどころがないくらい…」
男は その言葉をさえぎり
すぐに首にしました
男は 別のイエスマンを呼び寄せました
「おい俺の評判はどうだ?」
「よろしいです」
男は 満足げにうなずきました

男は 単純に
「イエス」だけが聞きたかっただけなのです
男は 単純に
「イエス」と応じる者がいればよかっただけなのです
男は 単純に
「イエス」としか言わないイエスマンをそばに置いただけなのです

世の中に イエスマンがはびこりました
男は とても不安になりました
男は とても疑り深くなりました
男は 疑わしいみんなの首を…切りました
イエスとしか言えなかったイエスマンたちが
恐怖心を棄てて立ち上がり 男を葬りました
男は 最期に聞きました 
「俺の評判は ほんとは悪かったのか?」
イエスマンだった者たちは一斉に
「イエス!」と 歓喜の声で叫びました

〔2020年7月10日書き下ろし。そこは中国、ロシア、米国、日本?でしょうか。イエスマンしか求めない者たちの凋落をかたく信じます。〕

恨み雨

強く強く
何度も何度も
暮らしをたたく
大地をたたく

山は崩れ 谷川は激流となり走る
雨水を集めた河は 唸るように濁流となる
大量の泥水は 堤防を難なく壊し 
里に流れ込み 情け容赦なく襲う

濁流は 家や田畑を水浸しにし 
家に残りし者と車で逃げし者の命を 非情に奪う
濁流は 河岸を崩し 橋を落とし家々を落とす
崩れた山は 道を塞ぎ家々を潰し 命を無情に奪う

雨音が去り 水が引いた街は 
流木と土砂と泥が 一帯に広がる
暮らしの残骸が いたるところに散在し 
車は動かすこともできず放置された

残りし者は 家の片付けに手を付けた
水に浸かった愛着のある物を外に出す
重い畳みを剥がし 床下の泥を掻き出す
空っぽになってゆく家
空っぽになりそうな気持ちを 奮い立たせて
いまは無心に作業する
気を紛らわすことしか 喪失感から逃れるすべはない

恨み雨が 誰もいなくなった家をたたく
恨み雨は ただただ降り続け 悲嘆の声をかき消す
恨み雨は またどこかの街と人を 恐怖におののかせる

〔2020年7月11日書き下ろし。自然にあらがえない事実を受け入れ、立ち直る人々の生活力の強さをいつも感じる。ただただ無事を祈る〕