「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

現金支給

アベノマスクに 世界からの失笑止まらず
失態をチャラにするには
恥ずかしさをひた隠し 現金支給に突っ走る
それしか道は すでにない
ここでも狡(こす)くチャラい値切りをして 
大胆なと 思わせぶりをかまし続ける

算数のお勉強の時間です
大きな数は 小学4年で習うんだったかな?
第一問 準備はいいですか?
53000000×100000=5300000000000
ゼロばかり並んで読みにくいから、漢字表記にしましょう
5兆3千億になります
日本の世帯数約5300万世帯、当初1世帯当たり10万円の支給案が頓挫
そのときの現金支給予算が5兆3千億円というわけです

第二問
1000万世帯×30万円=3兆円
狡(こす)いの わかった?
当初は 全世帯に均等にと言いながら 5兆円の腹づもりをしていた
でも 支給対象を「一定の水準まで所得が減少した世帯」と条件つけて
約一千万世帯が対象になると想定した現金給付予算 総額3兆円なり 
差額2兆3千億円を 見事に値切り恩を売る
マスクの200億円の無駄金も こうしてチャラにするのが政治のやりくち
努々(ゆめゆめ)こんなトリックに騙されていては オレオレ詐欺は防げない

問題は いつもらえるのか?
7日に閣議決定後 いろいろ手続きいたしますといいながら
各省庁もコロナの影響もろに受け 手薄の関係部署はきっとない
突貫工事の制度設計は 上級公務員の腕の見せ所
それでも「一定の水準」とは どこにどう置くのか
年1千万円の所得があったものが 300万円になったので…
それだけもらっていて 預貯金がないとは考えられない
母子家庭で年収200万円でギリギリの生活でも生活保護は受けない母親…
それはもらえるの? もらえないの?
「一定の水準」というのは何なのか?
さじ加減一つで 生まれる不公平感は排除できない
基本月給五十万円が二十五万円の大幅減になり その証明書があればもらえるの?
月額二十万円もらっていた人が 十七万円になりました
たった三万円減っただけでも もらえるの?
給料明細もらえぬ人は 当たりません
だからって 風俗業は支援対象者外になるのか 納税者だよ!
納得できない線引きして より厳しい人たちを平気で捨てていくのです
ぐだぐだの不透明な支援策が 見切り発車でいま世に出ていく 

自治体の窓口の判断の違いで 支給の可否の違いがきっと出てくる
だから 不安や不満を訴える窓口も必要となる
自分の金でもないものを くれてやるという高飛車な態度で応じる輩もいる
そこに 従来のお役所仕事と役人の傲慢さが見え隠れすることは否めない

恥ずかしさを忍んで 相談に行く者たちの心に添う対応であってほしい
それでなくても 役所の敷居は高くて おいそれとは行けない場所
そこにお金をもらいに行くという 負い目と心苦しさを感じることのないよう
その身に添った対応を くれぐれも願いたい

自治体には この事務仕事 業務追加で人件費が補填され
そこではじめて 公務員は仕事する
自治体に1兆円のばら撒きも 人件費に喰われるのが落ちかもしれない 
地域の経済振興費は 雀の涙に変わることも否定できない

政府よ 余計なことは即断しても
肝心要の事には ずいぶんと無駄な時間をかけてきた
これからは 物流・販売と食料の生産や補給の課題も当然出てくる
その対策は マスク配布以上の緊急性をもって ことに当たってもらおう
その上で 正しい情報を伝えることが 重要な罹患防止対策ではないのか
社会不安で 銃の販売がアップしている米国との違いを明らかに示そう

今日も新たな感染者数が 1日最高の記録を更新中
政府よ 迅速に動け!
威勢のいいスローガンを叫んだ空言内閣に ようやく端緒が開けた
当初の予算を考えれば ケチらずにいまは惜しまず出すがよい
世帯構成によって 子どもの養育費支援は当然加算せよ! 
さらに 医療崩壊は 国家の重大危機であり
医療機関へは手厚い手立てを施し 絶対避けなければならない
国民のいのちと暮らしを護れぬような 大胆な方策なくば 
政府も政治家も その存在価値は無に等しい

〔2020年4月3日書き下ろし。子どもでもできる四則演算(加減乗除)で為政者の腹のづもりが見えてくる。やることすべてに狡猾さが鼻につく。もっと頭のいい人知恵貸してあげてよ。いまの官僚じゃ望み薄いか…〕

お恵みのマスク

為政者は 民の痛みへの最大の想像力を発揮した
為政者は いまそうすることが最善だと判断した
為政者は とても心優しい人間だった

五千万世帯に 2枚の洗える布マスクが恵まれる
1枚二百円 官房長官は記者会見で強調する
大判振る舞い 太っ腹の200億円 
コストはさらに増えてゆく
手間と時間と人件費 
1億枚のマスクが 五千万世帯に 配達される
梱包されて 住所が印字され 配達される
ただホームレスには あたらない 
日本の民ではないと 一線画す
為政者の思いつきの発想に いつも取り残される人がいる

為政者は 勘違いが売りの人間だった
為政者は 詭弁を弄することは 得意だった
為政者は なぜ笑われるのかは 全く理解できなかった

新型コロナウイルスによる 都市感染の緊急事態の最中に
それをおかしいと 声をあげてなだめすかす者すらいなかった
為政者もその取り巻きも 支配欲に冒されて すでに生活感覚はズレていた
彼らに 国の命運と民のいのちを委ねることは 危険極まりなかった
為政者は 独善者であり マスクこそ施しの証だった
民は 感謝して押し頂き傅(かしず)くよう求められたが
民はみな ひっくり返った
こんなピエロに 国を委ねたことを 笑わずにはいられなかった
国会議事堂は 綱渡りの合間にピエロの余興を楽しむサーカスとなっていた

計画性が欠如した無為無策を 唐突に押しつけられてはかなわない
二百億円以上の税金を 無駄にしないためには
地域の福祉施設に 病院に みんなで寄贈しませんか 
いのちを護る最前線で闘う人に思いを馳(は)せる 
共生共存のシンボル・マスクに変えてみませんか

今日の乾いた笑いが 明日の悲劇を生む前兆とならぬよう
為政者たちの審判のその日まで その言動に厳しい耳目を注ぎ続けたい 

〔2020年4月2日書き下ろし。無能な為政者がさもさもらしく良いことしてると強調する。国会議員よ、恥を知るべし〕

無情な数字

数字は語る
新コロナ感染者が 全国に拡散し
収束の見通しのつかぬまま その数だけが増え続ける

数字が踊る
世界の感染者数は 82万人突破
死亡者は4万人超
ネットを検索するたびに 数字が飛び込む

数字で煽る
米ホワイトハウスは 24万人が死亡する恐れがあると 警鐘を鳴らす
政治に疎く実業家あがりの 自己愛強いリーダーは
あたふたしながら 戦争だと騒ぎ立て
国民の不安を煽り あちこちで言葉の戦争おっぱじめる
東京も ここ1週間で事態は急激に悪化
いままで 死んだふりしていた知事さんも
オリンピック延期が決まった途端に
頻繁にメディアに露出しては 都市封鎖と煽り立て
感染地域を示すことなく 都民は強く不安を募らせる
夏の知事選意識した 強気のリーダーシップを演出する
その姿 パフォーマンスと非難されるも
海千山千の政治家の したたかさを知るだけに
言葉に説得力は すでに乏しい
知事選の対抗候補の擁立阻む
政治の駆け引きだけは お上手ですと言っておこう

数字を読む
この事態 ああだこうだとメディアは毎日垂れ流す
政府も 専門家会議を開いて意見を聴くと 神妙な姿勢見せつつも
誰がどんな専門家で どんな見識をもって語るのか
なにせこの事態 だれも体験したことのない未知なる世界
友だちごっこの安倍政権では 心許(こころもと)ない 
保健問題と経済(株価・雇用・消費)対策 そして教育問題
これを読み解き導くことが どんな専門家会議に委ねられるのか
いままでは 官僚の原稿をカタチばかりの協議で済ました 審議会や各種委員会
いつも集積されたデータは 政権に都合良く解釈されてきたことも心しておこう
いまは アベノミクスの成功など 誰も鵜呑みにして信じる者はいないだろう
きょうも巷では 専門家然とした人たちが 賑々しく論を垂れ流す

数字は数にあらず 
感染者や犠牲者の数に注目が集まるが
その一人ひとりの存在や暮らしのありようを
もっと意識されなければならない
千葉県の障がい者施設の集団感染は
危機的な状況であることは 想像に難くない
施設の感染ゾーンに入って 看護する人たちのその勇気ある行動こそ
いまを乗り越えるあるべき姿であることを 心に焼き付けよう
前線で頑張る人は 数字で表れた数以上の
いのちの闘いを 必死に続けていることを 心に刻もう
発症して死との恐怖と闘う人には カウントされた数以上に
その人に寄り添う家族がいることを 心にかけよう

数字に示せ
いまは威勢のいい言葉より 実現性の高い政策(数字)を求めている
経済支援5月にしますと 鷹揚(おうよう)に構えて顰蹙(ひんしゅく)を買う 
緊急事態へ立ち向かう気迫は感じず のっぺらぼうが君臨する
国民のいのちと暮らしを護ってこそ 政治である
政治家や公務員は その覚悟を示して 
心と身体に がっつり汗をかいてみようよ
  
犠牲になった方々の ご冥福をお祈ります
闘病を続ける方々の 一日も早い快復をお祈ります

頑張れ ニッポン! 

〔2020年4月1日書き下ろし。毎日数字だけがセンセーショナルに目に飛び込んでくる。己の麻痺しそうな感覚を諫める。東京都はようやく自治体毎の数字を公表した〕

約束の日~小学1年生を祝う

きみの足もとに広がる
かわいい 薄紫と黄色のクロッカスの花
空はどこまでも澄みわたり 遠方の雪深き山を望む

入学おめでとう
ピカピカの1年生
きみの小さな背中には
夢がつまった大きなランドセル

入学おめでとう
わくわくいっぱいの1年生
きみの凜々しいまなざしは
たくさんの好奇心に満ちみちている

入学おめでとう
げんげん元気な1年生
きみの明るい笑顔は
希望への光となり輝きを世に放つ

入学おめでとう
喜びあふれる 保護者の皆さん
この日を どれだけ切望していたことでしょう
ちょっぴり大人になった我が子とともに 
これから学び成長する子どもらにも
やわらかなまなざしとあたたかい手を
ちょこっと添えていただけませんか

紫色のクロッカスの花言葉は「愛の公開」
純真無垢な子どもらを
保護者も地域の人たちも
こころひとつにして 
いまこそ 護ってあげましょう

黄色のクロッカスの花言葉は「私を信じて」
感染の広がる新コロナウイルスが
子どものこころに 闇を広げることのないように
この日を 子どもを護る約束の日にしませんか

〔2020年4月1日書き下ろし。我が子も他人(ひと)の子も護る親心に気づかせるのが入学式です。子どもとの約束の日にしたいですね〕

首都封鎖

速報が流れた 昨夜タレントの志村けん氏(70歳)が亡くなった
同年の彼の死を悼むと共に その死が語る重大さをしっかりと受けとめたい
都民のそして国民の危機意識と 国の防疫体制が一層強化されることを願いたい

世界の177カ国・地域で 70万人を超えた
死者は約3万3千人を突破
各国がウイルス検査態勢を充実させる中 感染者が増えている
東京は 感染爆発の重大局面 その影響は甚大と
都知事にそう煽られながら 新型コロナの罹患者が増え続けている
今朝の日経ビジネスで 首都封鎖されたらどうなるか
「知っておくべき10」(記者島津 翔 他1名)として報告された
その概要をまとめながら この事態をふりかえる

(1) 都市封鎖(ロックダウン)って何?
都市封鎖(ロックダウン)とは、対象とするエリアの人の移動を制限したり企業活動を禁じることを指す。定義はあいまいで、都は諸外国で既に採用されている外出禁止などを想定して使用。中国・湖北省の武漢では1月23日から、空港や鉄道駅、高速道路などを閉鎖、都市を事実上封鎖した。
イタリア、スペイン、フランス、英国などは3月中旬から相次いで不要不急の外出を禁止。イタリアでは、生活必需品の購入さえ、1週間に1度程度に制限している。
米国も3月28日時点で、20以上の州が外出制限を実施。ニューヨーク州は22日から原則として州内の事業者の全従業員に対して出社を禁止し、完全在宅勤務を義務付けた。

世界中で、入国禁止を打ち出した。
日本は米国、中国、韓国の全土と、英国など欧州のほぼ全域からの外国人の入国を拒否する水際対策を大幅に強化する方針を固めた。外務省は今日にも、これらの地域の感染症危険情報を2番目に強い「レベル3」として、日本からの渡航中止を勧告する。昨日の道内の新規感染者は、欧州からの帰国者だった。
米大統領は29日、全国民に求めている行動制限を1ヶ月延ばし4月30日まで続けると発表した。事態を中国になすりつける愚弄を繰り返す金の亡者が、戦争だとリードして、選挙に勝つならどんな卑劣な手立ても厭わない。そんな男も経済の一部再開に向けて4月12日までに自粛要請の緩和を目指してきたが、「致死率が2週間以内にピークを迎える可能性がある」と、自身の目論見の甘さを露見した。アメリカの感染者は急増し、すでに12万人を超えている。イタリアは死亡者が1万人を超えてしまった。
アフリカなど医療機関の体制が不備な国に拡大する危険性が迫っている。東京が感染爆発の兆候を見せ始めているときに、来年のオリンピックの日程を決定し発表するも、世界から顰蹙(ひんしゅく)を買うことぐらいわからないのか、情けないとただ呆れてしまう。延期決定後の東京の感染者数の急激な増加も、政治的な思惑を疑われる始末である。

(2) 日本ではどんな根拠法に基づく? 従わなかったらどうなる?
新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言によって、都道府県知事が外出自粛の「要請」、学校や福祉施設などの使用制限に関する「要請」や「指示」が可能になる。
内閣官房新型インフルエンザ等対策室によれば、特措法における「要請」とは、一定の行為について要請を受けた相手に対し好意的な処理を期待するものであり、その相手は要請を法的に履行すべき立場に立たされない。「指示」とは一定の行為を実施させることを指し、指示事項について相手に法的な履行義務が生じる。
指示に違反し、法で刑事罰が規定されているのは、必要な物資を確保するための都道府県知事からの命令に従わず、必要物資を隠匿、損壊、廃棄したケースなどに限られる。外出自粛や使用制限について特措法は罰則規定を置いていない。ただし、民事上の損害賠償の対象になる恐れがある。

独裁政治の国民統治の武器となる「緊急事態宣言」の使い勝手による危険性も、常に考え注視しなければならない。怖いのは法ではなく、それを執行する権力者である。

(3) どの施設がどう封鎖される?
特措法によれば、都道府県知事が使用制限を要請・指示できるのは、学校や社会福祉施設、興行場(映画や演劇、音楽、スポーツ、演芸などを公衆に提供する施設)。また、これらの施設におけるイベントやセミナーの制限についても要請・指示できる。さらに、都道府県知事は感染症の病原体に汚染された場所の交通を72時間以内に限って遮断できる。

要請による中止による文化活動に従事するフリーランサーや経営者の保証の道は、いまも断たれたままで放置されている。政府には補填する気はさらさらない。労働を守ると言葉だけがいつも空回りの内閣は、信用失墜を繰り返す。彼らの頭の中には、国民にどんなカタチの恩を売るのが最も効果的か、ソロバン勘定しかない。
不思議なこと。密閉・密集・密接の3条件が揃っているパチンコ業界から、感染者が店から出た話は聞こえてこない。放課後学童保育の現場からも聞こえてこない。全学休校措置は何だったのか? 

(4) 封鎖の期間はどれくらい?
政府は緊急事態宣言の発令による封鎖の期間について、21日程度とする方針を掲げ、これを目安に感染状況を踏まえながら、短縮や延長について検討する。
ただ各国は、軒並み封鎖期間の延長を迫られている。3月10日から全土を封鎖したイタリアは、当初商店の営業禁止については25日、外出禁止については4月3日までとしていたが、商店の営業も外出禁止も5月まで続けられる見通し。英国は3月23日から3週間としていた封鎖を、今後6カ月に渡り継続する可能性があると指摘。スペインやマレーシアも3月末までとしていた計画を、4月半ばまで延長すると発表した。
封鎖期間中も域内で感染拡大に歯止めがかからず、想定された抑制効果を発揮しない限りは延長を続けるほかはない。どれくらいの期間、封鎖を続ければ新型コロナを封じ込められるのか、その答えはまだ見えていない。封鎖を続ければ続けるほど、経済への影響や人々の不安は強まるが、感染収束の気配が見えない以上、各国とも現状では封鎖を続けざるを得なくなっている。

もしも東京のロックダウンが宣言されると、影響の甚大さは容易に想像できよう。
そんな世界情勢の中で、オリンピックを論ずる指導者の資質の劣化がさらに進んでいく。

(5) 食料の在庫はどうなる?
3月25日夜の会見で、小池知事が都民に対して週末の不要不急の外出自粛を求めると、その直後から都内のスーパーマーケットなどで買い占めが発生し、食料品棚の多くが空になる事態となった。
消費者庁など3省庁は翌26日、「食料品は十分な供給量を確保している。安心して、落ち着いた購買行動をお願いする」とするコメントを出した。(1)食料品は必要な分だけ買うようにする、(2)過度な買いだめや買い急ぎはしない、(3)転売目的の購入はしない、という3つの行動を呼びかける。農林水産省食料産業局は、即席めんについては「在庫は十分にある。現在、平時の2〜3割増の増産体制を敷いており、必要に応じてさらなる増産も可能だ」、冷凍食品については「流通からの発注は伸びているものの、在庫で十分に対応可能だ」など、各団体から在庫が十分であるとの回答を得たという。

群集心理が働くと、政府のコメントなんぞ簡単に無視される。セーブは効かなくなることは実証済みだ。それ以上に、政権との信頼関係が揺らいでいるいま、その言葉を鵜呑みにするほど、バカじゃない。そうさせた政府への抵抗は否定できない。
特に各国で外出規制の様子がニュースで流されている事態を見るにつけ、生活防衛のための行動をいま起こさなければ危ないという危機感は当然起こる。一方で感染爆発の重大局面だと煽られ、食品供給は大丈夫と言われても、買い物に行くことすら出来ず、スーパーが閉鎖されれば、一体どうなるのか。そこに大きな矛盾があることは誰もが知っている。買いだめを阻止できない事態が、ロックダウンではないのか。そこでも貧しき者は置いてきぼりになる。

(6) 東京が封鎖された場合、経済への打撃はどの程度?
野村総合研究所は3月26日、東京都がロックダウンされた場合の経済への影響についての概算を発表。仮に1カ月に渡って封鎖された場合、日本全体の個人消費を2.49兆円減少させ、日本の1年間のGDP(国内総生産)を0.44%押し下げると試算し、「1カ月のロックダウンであったとしても、それによって失われる需要は、東京五輪延期が2020年のGDPに与える影響を上回る計算だ」とした。
野村総研は、人の移動が厳しく制限される場合に最も顕著な影響が現れるのは個人消費だとし、ロックダウン下でも変わらずに消費される可能性が高い項目を抽出。食料・飲料(25.4%)、家賃(4.3%)、高熱・水道(7.4%)、医療サービス(2.6%)、通信(4.5%)の計44.2%は維持されるとして、残りの55.8%の大部分が一時的に支出されないと仮定して試算している。

あくまでも一般論であり、平均家庭の支出である。都民がどのようにその生計を維持するのか、55.8%が一時的に支出されないとすれば、その経済的なダメージは計り知れない。国が個人消費に向けて金をばらまいても、庶民は貯金するしかない。ばらまきと同時に、消費税をゼロにして、低所得層の暮らしを維持するとともに、国民の消費を促すことこそ「次元の異なる」経済対策となる。

(7) 全国の都市が封鎖される可能性はある?
爆発的な感染拡大が各地で始まったり、それが予見されたりする場合、封鎖される地域が広がる可能性はある。イタリアは3月8日に感染が集中している北部を封鎖したが、10日には全土封鎖に踏み切った。フィリピンも3月15日にマニラ首都圏を封鎖すると、その2日後にはマニラを含むルソン島全体を封鎖した。
米国では20以上の州が独自の判断で外出を規制する措置を取った。仮に東京都が封鎖に踏み切った場合、周辺の自治体が歩調を合わせて同様の封鎖に乗り出す可能性はあるだろう。26日には東京と神奈川、千葉、埼玉、山梨の1都4県が不要不急の外出を自粛するようにとの共同メッセージを発表。感染が拡大している地域に緊急事態宣言が出され、外出規制や娯楽施設の営業停止などが実施される可能性はありそうだ。
欧州ではイタリアを始め英国、フランス、スペインなどが、アジアではインドやマレーシアなどが全土封鎖に踏み切った。インドもイタリア同様に、当初は感染が発生した地区に限って封鎖を実施したが、数日後には封鎖範囲を全土に広げた。現状で日本がいきなり全土封鎖に踏み切るとは考えにくいが、感染の拡大に歯止めがかからず、一部地域を封鎖しても効果が限られるようであれば、封鎖範囲を広げざるを得なくなるだろう。
部分的な封鎖には弱点もある。タイでは首都バンコクの商業施設や娯楽施設を封鎖した結果、職を失った出稼ぎの地方出身者や外国人労働者が故郷を目指し大挙してバンコクを離れる動きが起きた。感染者が各地に散らばることを恐れた当局は住民に都内にとどまるよう要請したものの流れは止まらず、政府は非常事態宣言を出すことを迫られた。
封鎖が実施される前に多くの人々が脱出を図ろうと動き出したり、封鎖後も域内から出る人が続出すれば、感染拡大のリスクはかえって高まり、より強力な封鎖や全土封鎖が現実味を帯びる。

首都圏と通勤圏域も併せた封鎖は、現実のものになるかもしれない。タレント志村氏の死は、都民に衝撃を与えたであろう。なぜなら、彼は手厚い治療を受けても回復しなかったという事実を露わにしたからである。

(8) 親族が死去しても葬儀はできない?
イタリアのように、新型コロナウイルスのまん延を防止するために一切の葬儀を禁止している国もある。日本の現行法下では、都内全ての葬儀を禁止するのは難しい。「自粛ムード」は葬儀にも影響を及ぼし始めている。政府がイベントや集会の中止、規模縮小などを要請した後の3月1週目から、通夜と告別式を開かない「火葬式」の比率がそれ以前と比べて1割ほど上昇しているという。こうした状況を受けて、近親者のみで故人を見送った後、感染症の収束を待って2度目の葬儀を実施する「後葬」を始めた葬儀関連サービスも出てきている。

イタリアでスケートリンクに置かれた棺の映像が流れる。教会には収容しきれない棺が並ぶ。東日本大震災の時も、犠牲者の棺と火葬の場が不足した。死者はまだ少なくても、風聞で感染した家族が差別されることも、日本の悲しき現実だ。感染死した不遇の魂の安らぐところはあるのだろうか。

(9) 対面での受診なしで薬の処方箋はもらえる?
厚生労働省は2月29日までに、慢性疾患などの持病を持つ患者に対して、直接の受診ではなく電話での問診などでも処方箋を発行できる方針を各自治体に通知した。電話やタブレットなどの通信機器で医師が診察し、患者にそれまで処方していた治療薬を処方し、処方箋を患者が希望する薬局に送付する仕組みだ。ただし、新型コロナウイルスの感染が疑われる患者については、重症度の評価が困難であることなどから、医師との対面の診療を要請した。

養護老人ホームで、家族の面会や利用者の通院を制限したところ、今冬インフルエンザや風邪が全く流行しなかったという。東京でも病院や千葉県内の障がい者施設での院内感染が発生し、その対応に苦慮するところである。災害であれば医師も看護師も現地への派遣は可能であるが、感染者の入院治療するための態勢は、外部からの支援を受けにくい。勤務シフトも突然の学校休校措置で、医療現場で看護師が不足し、そのシフトに支障をきたしたことからも、重篤患者の人工肺設備の問題や軽症患者の対応など、現場任せにできない事態を考慮した指針を政府はしっかりと出さなけれならない。医療の崩壊は、従事者と表裏一体の関係にあることを、広く知るべきであろう。なんとしても医療者を支えなければならない。
障がい者施設も同様だ。外部からの支援をどのように行うのか。未知なる課題が次々に降りかかってくるが、今できる支援を迅速に判断し動くことが、行政の仕事でもある。行政にも頑張ってもらうほかない。

(10) 封鎖中の休業補償はどうなる?
現状で都市の封鎖に焦点を合わせた補償はなさそうだ。ただ新型コロナにより休業を強いられた企業や個人事業主に対する支援策は既にある。例えば国は経営が悪化した企業が雇用を維持できるようにする「雇用調整助成金」を拡充した。行政の要請を受けて事業所を閉鎖し、事業活動が縮小した事業主に助成金を支給、従業員の休業手当などに充てられる。また政府が3月10日に策定した緊急対応策第2弾では、新型コロナの影響で収入が減少した世帯や事業者に対する貸付制度や資金繰りを支える融資の保証制度などが用意された。さらに足元で検討が進む第3弾の対応策でも、休業せざるを得なくなった企業や個人事業主に対する支援策が盛り込まれそうだ。
日本でも封鎖を実施するとなれば、合わせてより強力な支援策を打ち出だすことを国や自治体は求められるだろう。ただ仮に支援が手厚くなったとしても、補償される範囲は一部にとどまる。売り上げの減少や損失の拡大は免れないだろう。

貸付は借金そのもの。その場しのぎの資金で、見通しの悪いいまを乗り切ることは、全く計算できない。だれもその答えを持たないだけに、借金は、真綿のように首を絞めることにならないのか、小規模事業者の苦悩の深さを感じる。
経済復興も、国内の生産ラインを維持する様々な物品の供給拠点が、世界中に散在している。そこで一時解雇や雇い止めが出ている現状を考えると、一国の問題ではないことが、今回の新型コロナウイルスの蔓延で、痛烈な経済ダメージとして表出した。

いまは耐えるしか道はないのか。

〔2020年3月30日書き下ろし。ここ数ヶ月の新型コロナウイルスによるダメージをまとめてみた。4月子どもたちが無事入学式や始業式を迎えてほしいと祈るばかりである〕

母の命日

母は 戦後大阪から 祖父に請われて海を渡り
予科練崩れの 父の元に嫁いだ
所帯を持たせば 落ち着くだろうという魂胆だった
誰一人知る人もない 室蘭の富士製鉄のベッドタウン幌別(現登別市)
八畳と四畳半の2間と台所の 狭い4軒長屋の労働者社宅
そこで 子どもを4人育てた

初めて授かった子は 流れた
慣れない環境と貧しい食事
ストレスと栄養不良だったのかもしれない
その後に 私が授かり 無事生まれた
もしも 最初の子が生まれていたなら
私は この世に存在しなかった
大人になって 存在は必然だったと考えるようになった

一枚の白黒写真が 手元にある
唯一残された 幼少の頃の写真
自宅前の 壊れかけた庭の竹の柵をバックに
真新しい三輪車 そのハンドルを小脇に抱え
坊ちゃんカットの頭に ベレー帽をかぶる 
KANGOLへの愛着は ここに原点があった
右に視線を向けて ポーズを取る
その先には あやす母の姿があったに違いない
真っ白い洒落た上下の服は 
上着に 縦2本のラインが入り 襟の縁取りにつながる
パンツは 半ズボン
白い靴下に 紐付きのシューズ
背丈から4歳前後の頃と 推察した 

大阪で生まれ育った母は お洒落だった
行くあてがない  余所行(よそゆ)きの服
社宅の子で こんな子ども服を着た子はいなかった
戦後の貧しい暮らしの中で 
父も母も 子どもらに注いだ深い慈しみに 
ただただ感謝のおもいしかない

若い母が 幼子(おさなご)の目線の先で 
満面の笑顔をふりまいている  
そう想像するだけで 目頭が熱くなった
30日 母の7回忌を迎える

※KANGOL:カンゴールは、イギリス発祥の帽子ブランド。そのロゴマークはカンガルーの付いたデザインが有名。特にハンチング帽が根強い人気を持っていて、40年前から愛用している。

〔2020年3月30日書き下ろし。一枚の写真に込められた父母の愛と、母を偲ぶ〕

シナリオ「稼いで半人前」

恩ある人に頼まれて引き受けた民生委員。何をどうしていいのかわからぬままに、不安ばかりが募ります。そんな様子を端から見ていた母親が、「どうしたのさ」と話しかけてきた。
食卓を囲んで、母と息子夫婦の3人で茶飲み話が始まったようです。

「どうしたのさ? 何だか言いたそうな顔さして」
息子 「どうもこうも、民生委員引き受けちゃって、勤(つと)まるかどうか」
「でも、引き受けてしまった以上、やるしかないっしょ」
息子 「母さんの手前、恩ある人だから、むげに断るわけにもいかず、引き受けちゃったけど」
「けど、何なのさ」
息子 「何をしていいんだか、さっぱりわからない。俺まだ40だよ。地域のことなんかより、仕事しなきゃ喰っていけないしょ」
「子どももまだ学校だしね。夫婦共稼ぎしないと、教育費もこれからかかることだしね」
「そうだね。でも引き受けた以上、やるしかないっしょ。決めたのはあんたなんだから」
息子 「それはそうなんだけど。でも時間がねえのもほんとのところで、仕事にどんだけ食い込むのか、そこが一番心配なんだ」
「だから、断れるもんならって、二人で話はしていたんだけどね」
息子 「でも、いままで頼み事なんぞしたことのないおじさんが、ああやって何度もうちさ来て、頭下げられたら、たまんないね」
「泣き言一つ言うこともなく、他人(ひと)様のために、長い間働いてきた人が、ああやってお前に頼みに来たって言うのは、ただ事じゃない気がするよ」
「私も、何か言えない事情があってのことかなって」
「元気そうに見えても、寄る年波には勝てないね。何か心配事が起こったのかも知れない。詮索(せんさく)してもしかたないけど」
息子 「そこなんだ。もしもだよ、例えば病気で動けなくなったから、助けてくれって頼みに来たら、頼まれた方は同情して“受けてやった”という気になるよね。ましてや恩義せがましく人にものを頼むのは、逆に負い目を感じて、おじさんには納得できないことだったかも知れない」
「父さんなら、そんな気持ちを察して、何も言わずに引き受けたかも知れないね。ほんとにおじさんにはお世話になって、口には出さんかったけど、お前が引き受けてくれて、実はホッとしたというのがほんとの気持ちさ」
「職場でこの話をしたら、恩を受けたらその人に返さず、世間に返して行くものだと教えてくれたわ。恩の貸し借りをその人としていたら、世間に恩は回らない。暮らしやすくする世間にするのは、そうして恩を世間に回すことが大事かも知れないって。その人は、50は過ぎているけれど、地域の消防団員で、じっちゃんたちと訓練してるって」
「さっき、仕事の話が出たけれど、父さんも仕事そっちのけでよく走り回っていたね。母さんが小言を言うと、よく言ってたわ。“仕事して半人前、他人(ひと)様のために動いて半人前。これでようやく一人前だ”って。うまい言い訳していたわ」
息子 「確かに、二人のいうとおりかもしれない。おじさんは、俺に一人前になれって、そう言いたかったのかも知れない。いままでどれだけいろんな人にお世話になってきたことか。子どもだって、学校だの少年団だの、親にはできないたくさんの恩を受けてきた。そう考えると、恩を世間に返してきたおじさんの気持ちを継ぐことが、俺たちのしなけりゃいけないことかもしれないね。子どもらがここで元気に成長していくためにも、大人の責任を果たすバトンを受け取ったのかもしれない」
「そうだね。確かに仕事もお金も大事だけれど、おじさんが、決して無理せず背伸びせず、できることからでいいんだよ、って言ってたでしょ。最初から大きな責任背負ったように思い込んでたから、気が重たくなったんじゃないの」
息子「できることから、か。そうだな。何もやってもいないのに、やれない、やらない言い訳を、考えていたのかも知れない」
「私もなんか負担だなと思っていたけど、何か手伝えることがあるかもしれないわね」
「そうだね。家族でこうして話ができるっていうのも、いいもんだね」
息子 「新しい民生委員の研修があるっていうから、まずは一から勉強します」
「そこが一番心配。なにせ物覚え悪いんだから」
「すみません。産んだ私の責任です」

親子の楽しそうな会話が続きます。
色々な事情を抱えてリタイヤする方の代わりに、新しく委員になられた方々にもそれぞれの事情があるものと思います。
それを抱えて今日この研修に参加したのは、何らかの自分なりに納得できる「引き受けた理由」を探しに来られた方も少なくありません。
これからの時間、その理由が見つかるかどうかわかりませんが、皆さんのお気持ちに添うような、あるいは生き方に添うような中身のある時間になるよう努めたいと思います。
皆さんのお力もお借りしながら、実りある時間になりますようよろしくお願いします。

〔2020年2月9日書き下ろし。昨日の「舞台を創る」で紹介したシナリオです〕

舞台を創る

北見芸術文化ホールの舞台には
講演スタイルの設定で ステージ中央には大きな演台が置かれた
観客は 新任の民生委員児童委員162名
420名収容のホールは 半数も埋まっていなかった 

開始早々 突然3人が指名され 舞台に上げられた
導入は 寸劇から始まった
「稼いで半人前」 
初めて見るシナリオ
母と息子とその妻
民生委員を頼まれて 引き受けざるを得ない葛藤を
家族との会話の中で 浮き上がらせた
今日の研修は 不安を持って臨む委員の多くが
自分なりに 納得のいく理由を探しに来ていた
だから 息子と妻の不安は 共感をもって受けとめられた
見事に演じきった3人に 大きな拍手が起こった
会場の隙間は 観客の熱意で徐々に埋まっていく

詩の朗読も 参加者が次々と登壇する
ライトを浴びながら 臆することなく
初めて出会った詩を 優しく読み聞かせる
その初々しさに 拍手が一段と大きくなっていく

中央にあった大きな演台は いつの間にか舞台の隅に置かれた
舞台の中央には 参加者が堂々と座していた
時間の推移と共に 詩や寸劇に感情移入していく
舞台は 彼ら自身が創り上げていくステージへと 変化を遂げた

会場との一体化を目指した ワークショップの展開は
予想以上に 共感と好感をもって受け入れられた
そこは 彼らが創る学びの世界に変わっていった
自らの課題を 詩を通して明らかにしながら
今日までの迷いを払拭して 
明日からの活動に 頑張れそうという決意を こころに刻む

ワークショップは 成長する
当初の目論見を捨て 参加者の動きに身を任せる
周到な準備の上での予想だにしない展開が 自らの殻を打ち破る
劇場型の可能性の高さは 委員の主体的な参加によって実証されていく
「捨てることと創ること」の真意を 心ゆくまで味わい学んだ

〔2020年3月27日書き下ろし。臨機応変に場を学びの空気に満たすことへの醍醐味を味わう。参加者からの評価は、仕事への責任と意欲をさらに喚起する〕 

付記 
「捨てることと創ること」
昨年12月民生委員児童委員の改選期、道民児連が主催した新任委員研修会。
プログラムのワークショップを担って、3月新コロナ感染予防で3カ所が中止になるまで1月から2月まで道内11カ所を巡った。
アンケート調査を実施、1201人から回答が寄せられた。
第1次分析を、今日終えた。第2次分析は、クロス集計をかけて傾向を詳しく調べる。
新任の活動へのモチベーションを、高めるために、委員活動や支援を受ける住民のこころの有り様を詩に描いた。その詩を核にしたワークショップを展開した。
詩を朗読したり、その詩を材料にグループで話し合ったり、寸劇を演じたりと、2時間の時間はあっという間に過ぎた。
しかし、グループワークを中心とした展開は、会場の条件で頓挫する。参加者数によってグループワークのできるフラットな会場が確保できず、劇場型ホールでやるしかない。会場で、2タイプが生じた。
アンケート調査から面白いデータが、集計されていた。
全体の評価は、良かったが54%、良かったに近い41.8%、低評価は4.3%。
形態別で見ると、764人参加したフラットな会場では、良かった52.5%、良かったに近い43.2%、低評価は4.3%と、遜色なかった。
311人が参加した劇場型を見ると、低評価は4.2%と基本的に変化はしない。でも 良かった57.6% 、良かったに近い38.3%と、良かったが5%上昇する。グループワークを前提にしたワークショップは、ここで見事に覆された。
さらに2カ所で実施した劇場型を、比較してみた。300名収容の北斗市総合文化センター(渡島会場)は、149人のうち良かった51%、良かったに近い43% 、低評価6%。であった。420名収容の北見芸術文化ホール(オホーツク会場)は、162人にうち良かった63.6%、良かったに近い34%、低評価2.5%。良かっただけを較べると12.5%の差があったことに驚いた。
渡島では、初めて劇場型を展開した。できるだけ参加型の内容を工夫したが、そこにはレジュメの内容を充分に消化しきれず、展開にも会場との一体感にも今ひとつ不満を持った。
ただ他のフラットの会場でも、レジュメ通りの展開はしなかった。それは地域性を考慮しながら、インパクトのある身近な問題を提起する導入段階を、特にワークショップへの期待感を抱かせるような工夫を凝らして、レジュメ以外の資料を用意し、いつも臨んだ。
2月中旬、オホーツクは10カ所目になっていた。最初から会場との一体感を作らなければならないと覚悟した。それは、参加者主体の舞台をつくるプロデュースでもあった。数値に表れた64%の高い満足度は、この場にいた新任委員のモチベーションを確実に高める舞台となったことは、否定できない。
いままでの方法を捨て、共に新たに創ること、改めて仕事の面白さと怖さを味わった。
※道民児連:公益財団法人北海道民生委員児童委員連盟。公益財団法人は全国に2つしかない。
※2タイプの合計が1075人と、回答数1201人より少ないのは、無回答を排除した実数で分析したこと結果である。

意気地なし

男はみんな 弱虫で意気地なしだった

歯医者は 怖かった
座らされて 治療する歯科医に 
何をどうするのか いちいち尋ねた
納得して ようやく治療の手が入る
面倒くさい子だった 

いよいよ虫歯を抜くという日になった
母は 親父に付き添うよう命じた
参観日にも来ない親父が 付き添うなど想定外だった
治療台に座り 一言も言えず 泣くこともできず
うっと堪えて 静かに抜かれた
父は 黙って見ているだけだった
それが 心強かった
母は 子の弱虫を退治したくて
親父に委ねた
帰り道 痛くなかったべ
痛さを我慢しながら うんと返事をした
頑張ったなと その一言が一番嬉しかった
少年は 成長とともに 意気地なしを隠す術(すべ)を学んでいった 
男になった
痛くとも 痛くないと 自己暗示をかけ
見栄っ張りを通した
素直になれないところに 我慢強さを身につけた
親父のような男のイメージが いつも後押しした
「男は黙ってサッポロビール」のコマーシャルが好きだった

弱さを知るだけに 強く振る舞うことが 男の美学となる
意気地なしの根は いまも残り続ける
だから ときどき臆病さが顔を出し 身を縮ませる
理由もなく面白くて そのバランス感覚を楽しむ

ふと いまの野党の烏合の衆を見ていると
臆病者の悲哀を感じてならない
意気地なしが 強がって虚勢を張る
男の成長と重なった 原風景
違いは 隠すことなく見え見えで 痛々しい
父のような存在感を持つ者すらいない
 
野党が大同団結できぬなら 
バラバラに つまらぬ見栄を張って 勝手にするといい
チャンスに 戦略を描けぬ無能さに輪を掛けて
大事な時局に立ち向かう 気概を見せずして 
互いのちっぽけな意地を通して何になる
それが 意気地なしの正体だ
民に見放されたと 嘆き続けるのが お似合いだ

「男は黙ってサッポロビール」
与党は 野党をうまそうに飲み干す

〔2020年3月27日書き下ろし。この時期に統一会派の解消とは、何とも意気地なしの野党だと、あきれてものすら言いたくないから書いた。ビールはサッポロクラッシックがいい〕

正義を貫く

「相撲を愛し、力士として正義を全うし、一生懸命努力します」
立ち会い変化することなく 真っ向勝負のその愚直さは
相撲の醍醐味と 勝負に挑むひたむきさを 律儀に与えてくれる
朝乃山が 大関に昇進した
 
正義をもろに打ち出した この強さに圧倒された
不正を暴かれて隠蔽工作してきた政治の世界と 対極を成す
不正し者は 恥も外聞もなく その地位にへばりつく
時に任命権者は 責任は私にあるとそれだけで 事済ます
後はお好きなように叩かれなさいと 突き放す

民への不誠実は 誠実な者たちによって 守られる
民への不正義は 正義ずらして まかり通る  
子どもへの不道徳は 反面教師として学校で教えられていく

最大の国難は 
大した功績残せずに ズルズルといつまでも
罪過重ねるその者に 
突破と言われて 
玉砕するは ご勘弁願いたい

正義を貫く その一点突破こそが 
混迷した いまの世を救う

〔2020年3月25日書き下ろし。権力者が正義と発した途端言葉が腐る。朝乃山の口上はいまこのとき、誠実さと勇気を与えてくれた〕