「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

屋外での卒業式

3月20日の天気予報を見ていた
内地は晴れ 気温は20度前後のところが多い
子どもらの旅立ちには 良い日になりそうだ
北海道は まだ肌寒い

屋外の運動場での卒業式
放送設備は 運動会で実証済み
味気ない会場を どうするか

まずは 建設用の足場を使おう
心意気に感じる 資材屋さんや職人さんもきっといる
ステージも組んでもらって 外枠をつくる
体育館ステージのバックの幕は 取り外し自由
袖幕も 取り外せるだろう
それで足場を 囲ってしまう
卒業式の看板も 難なく飾ることができるだろう
1日足らずで 会場設営完了
撤廃も 半日あれば余裕だろう

春の日差しを 浴びながら
春の風を 受けながら
想い出の学び舎とのお別れを
こんなカタチで できるのならば
子どもたちが ほんとに大切ならば
最善のプレゼントを 贈ることができるだろう
教育者の心意気を 本気で見せることができるだろう
コロナウイルスに負けぬ強い意志を 伝えることができるだろう
社会の閉塞感を 子どもらの笑顔で打ち破ることができるだろう

既成概念を破らなければ 事は始まらない

〔2020年3月14日書き下ろし。全国一律の休校措置に違和感を強く感じるだけに、自分がもし校長ならば、きっとこうしただろう。いま首相の記者会見を聞いた。唐突に卒業式を挙行せよとのご指示承って参りますか〕

法の専門家

法の専門家と 豪語した
弁護士出身と 胸を張る
法に仕える者と 威厳を保つ

法の専門家と自認する 
森雅子法務大臣たるものが 
「東日本大震災時に 検察官が逃げた」
場当たり的な答弁で 根拠も示さず 暴言吐いた
大きな間違えが すぐに発覚した
口頭決済ではない 公文書
そこに記録された内容は まさに己にブーメラン

「質問に誠実に答弁していくように」
首相の実質おとがめなしの厳重注意
12日 恥知らずの謝罪のポース 
内に隠した 更迭回避のしたり顔
手にした権力は 離さぬものか
これが 政治家の政治家たる 己への誠実さ
神妙な演技に 如実に表われていた

13日の衆院法務委員会
首相に誠実にと その信託に応える
躊躇なく誠実に 彼を守る答弁拒否を繰り返し やり過ごす
使命感に燃えて すぐさますり寄るしたたかさ あっぱれなれ!

法の専門家の権威を 貶(おとし)めた
法律家としての 清廉潔白な態度を変節させて
政治家としての 誠実さを立派に身にまとい
人間としての 品性を自らの手で汚す

仕えるは 法にはあらず
それだけは 誰もが知るところとなった
信なくば 立たず
それだけは 誰もが首を縦にふった

〔2020年3月13日書き下ろし。役立たずの者たちが時に専門家と称し国会を闊歩するその滑稽さに失笑。この緊急事態を誰に任せられますか?〕

沈黙の螺旋

無知なるウイルスへの不安が 恐怖心を煽る
マスクで顔を隠し 黙したまま他人を避ける
猜疑心だけが鋭く働き 時に攻撃的な同調圧力となる 
罹患者や医療者からの感染リスクを妄想し 排斥排除する
貧富の格差は広がり さらなる社会の分断を促す

いつまで続くのか 終わりの見えない感染世界
誰が罹患しても 不思議ではない感染世界
どこにも逃げようない 閉ざされた感染世界

いまはただ押し黙って 流行の去るのを耐えて待つ
いまはひたすら罹らぬよう うがい手洗いを励行する
いまはイベントもスポーツも 抗うことなく中止する
いまは空気を読んで 大勢(たいせい)に身を委ねる

世界を襲ったウイルスが 静かに世界を征服する
人の移動も 多くの国で制限された
株価が落暴し 経済活動は 破綻するかもしれない
物流も 制限されていくだろう
医療が パンデミックにより 崩壊しかねない
情報が錯綜し 暴走し始めるだろう
人間の本性が曝け出され 社会規範が自壊する
国は 独断的な統制力を強化し 不信感をさらに深めるだろう

それでも人類は 幾多の病原菌と 時に闘い時に共存してきた
そして人類は 滅亡することはなかった
だからいま人類は 自然から挑まれた危機に その叡智をかけ臨む
それは人類が 病原菌克服への歴史を刻む 共存への歩みとなる

世界中で 人間と自然の共存が またも試されていく
生存をかけた 歴史的な瞬間に 立ち会い立ち向かう

※沈黙の螺旋(らせん):多数派に圧倒された少数派が,孤立を恐れて意見を表明しなくなり,多数派が実体以上に増幅され,少数派が軽視される現象。
※パンデミック(pandemic):病気が世界の複数の地域で同時に大流行すること。感染爆発。一定の地域から周辺地域へ大きな広がりをみせるエピデミック(epidemic)に対していう。

〔2020年3月12日書き下ろし。「緊急事態宣言」を可能にする特別措置法の改定案が13日成立する。今日もまた日本でも死者が出た。哀悼の意を表したい〕

18歳 躍動せよ!

18歳 一人前になった?
18歳 ここが節目のスタートライン

盛んな世と人への好奇心を 廃(すた)らすことなかれ
可能性は 自らの夢の実現に向う思いの中にあることを 知るべし
愚直(ぐちょく)な男であることに 頭(こうべ)を垂(た)れることなかれ
ちぐはぐなことが起こっても 決して怯(ひる)むことなかれ
苦労は 自ら望んだがゆえに 乗り越えなければならぬ道と承知せよ
労多くして功少なしことも 覚悟せよ
向き合うは 己を信じる心と わきまえよ
善き行いを常に心がけ 人の痛みに共感する人間力を磨き続けよ
夢に向かうセンスこそ いまを生きる原動力であることを 強く知るべし
目力(めじから)を鍛えよ 見えるものだけを信じる事なかれ
大きな志(こころざし)は 小さな努力を積み重ねの先に叶うと信じよ
いまという刻(とき)を 決してつまらぬことで浪費してはならない
今日為すべき事が はっきり見えていることこそ いまを生きる証なり
世の中の 荒波に身をさらしても 決して卑屈にならず くじけずあきらめることなかれ
生まれたことの喜びと苦しみを 全身に受けとめながら 青春を躍動せよ

18歳 これからの失敗と挫折を 己の器量(うつわ)に入れて 肥(こえ)にしよう
18歳 子どもと大人の中途半端なときから 独り立ちの準備を始めよう
18歳 どうもがいても 避けられない人生の節目に おめでとう

〔2020年3月12日書き下ろし。15日18歳の誕生日を迎える少年がいる。兄弟が夢を叶えるために奮闘する。心強く心優しく生きてほしいと、欲張りなエールを贈る〕

自治会は地域の自治組織(自治会役員と民生委員 その2)

自治会は 法律で拘束された組織ではありません
自分たちで自主的に組織し 自治的に運営する地域団体です
地域の活動は 自治会で自由に決めることができるのです 
役員の報酬も 必要とするなら自分たちで決めることができます

民生委員は 法律で決められた全国的な公的な組織です
助けを求める人のそばに寄り添い 百年の歴史を刻んできたのです
その活動も 法律の定めるところで 動きます
福祉六法や売春防止法などによる 援助を必要とする人たちを対象とします

民生委員は 厚生労働大臣から委嘱され
非常勤特別職の地方公務員として 身分を保障されています 
だから 行政が民生委員に対して監理指導することができるのです
職務も明確にされ 行政では手の行き届かない暮らしの場でカバーするのが役目です
公的な活動だからこそ 実費弁償としての少額の手当を受けているのです
給与は支給されないと 法律で明記されています
ただ怪我や事故があれば 公的に保障されます

自治会役員の場合はどうでしょう
あくまでも 自治的に運営することを旨として
その役員も 地域に在する人が互選されます
行政に協力することがあっても
行政の監督指示は 受けることはありません
あってはなりません
戦時中組織化され 大政翼賛会に集約されて 戦争協力したことが
戦後GHQから 自治会が解散させられた 悪しき歴史があるのです
地域に必要な自治組織として再生する条件が
行政の配下にはあってはならないと GHQから釘を刺されました
だから 役員の報酬の是非も 自分たちで決めることができるのです

民生委員は 報酬をもらえて
自治会役員は 報酬をもらえない
納得できないと啖呵を切る方も いないことはありません
地域や活動の共通性から 報酬の問題を取り上げるのは
そもそも その組織の目的や活動の内容からして違うのです
本質的に全く違うことを その人にわかってもらうのは 難しいかもしれません
ただ お金がもらえないことを憤っているだけですから
それを民生委員に当てつけて 文句をいっているだけのことです

民生委員の活動は 自治会の役員や住民と協力して
困っている人が 地域で一日でも長く暮らすことをサポートすることです
目的を同じくして 共働することこそ
地域を元気にしていくことにほかなりません
悩みや不安になることもあるでしょう
自治会の役員の力を借りると 楽になることもきっとあります
一人でも多くの方に 民生委員の活動を知っていただくことも
活動の負担を軽減していくことになるでしょう
それは 地域で支えていただく人を増やしていくことでもあります
それは 災害時にも強い 地域の支え合いを育むことでもあります

※「福祉六法」とは、生活保護法、児童福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、老人福祉法、母子及び寡婦福祉法の六法です。

〔2020年3月11日書き下ろし。東日本大震災10年目のこの日、被災地では職責を果たそうと多くの民生委員も犠牲となった。復興の地でも民生委員は志を継いで活動を続ける。震災で犠牲となった多くの御霊に合掌〕
 

無報酬です(自治会役員と民生委員 その1)

自治会役員です
無償奉仕しています
町内の困りごとの相談にも のっています
町内のにぎわいをつくる行事にも 参加しています
自分の仕事をほっといて いろいろ活動しています
無償奉仕しています

自治会役員です
民生委員よりも 地域のために活動しています
民生委員と 同じような活動していても
民生委員は なぜか報酬もらっています
なぜ報酬を もらうのですか?
なにか 不公平を感じています

民生委員です
そう問われて 困惑しました
報酬をもらうことに 抵抗を感じています
どうしましょう?

民生委員です
そう問われて 萎縮しました
なんだか嫌な気分です
言い返すのも 苦痛です

民生委員です
報酬のことを言われると
何だか偽善者ぶっているような
不快な気分が わいてきます
活動意欲も しぼんでいきます

民生委員です
でも 自治会役員している人に
長い歴史のある 大事な民生委員の活動を
わかってほしい 支えてほしい 
ともに 地域で
困ったこと 困った人の支えになりたい
ただそう思っているだけです

お金のこと?
報償は 給料ではありません
無償のボランティア活動では 
実費弁償は 有償とは見なされません
私たちも ボランティアです

〔2020年3月10日書き下ろし。地域にはこんな見方をする人もいます。民生委員と自治会が共に地域づくりに励むためにも整理しておきたい問題です〕

信じる誰かがいる

少年は 中学3年生だった
勉強は 大嫌いだった
先生も 好きじゃなかった
でも 学校は休まずに来た
茶目っ気があって 憎めない子だった
小さな子だったが 気は人一倍強かった
大きながたい(図体)の同級生でも 
気に入らなかったら つっかかっていった
同級生も 面白がって見ていた

ある子が 風邪で一日休んだ
少年は 寒い玄関口に立って待っていた
そして 顔を見るなり 怒った
「なんで昨日休んだんだ!」
少年の左目は 黒ずんでいた
「どうした?」
「お前がいなかったから 殴られた」

少年は いつものように喧嘩を仕掛けた
しかし 殴られ 負けた
それが 悔しかったのではなかった
いつもなら 仲裁に入る奴がいる
そう信じて 喧嘩を売った
でも 今日はいなかった
裏切られたような気分になった
あいつがいれば なんとかなかったのに
無性に 腹が立ってきた
その鬱憤を晴らそうと 玄関口で待っていた

経緯(いきさつ)を聞いた子は 笑った
少年も 苦笑いした

〔2020年3月9日書き下ろし。15歳の冬、信じて頼ることを少年から学んだ中学時代のエピソード。少年のような子の居場所は、いま学校にあるのだろうか〕

未来志向(これからは)

おきてしまったことは
いまさら どうすることもできません
だから これからは そうならないようにいたします

なにかよくないことをしたというなら
そのしょうこを だしてください
ほらね 
だから これからも ことばにきをつけてください

すわりごこちのいいところ
とても まんぞくしています
だから これからも もっとなが~くいたいのです

かってに きめることなんかしません
かならず うしろにいる ともだちのはなしをききます
だから これからのことは しんぱいしないでください

ただね ときどきひとりになりたい
そんなときって あるでしょう
いってまえって ひとりできめちゃったりしてね
だから これからのことは わかりません

ペット かってる?
いうこときかないと えさはあげないよね
だから これからも みんながうえないようにするのがしごとです

にほんのたたかうちからは せかいで5ばんめ
あめりか ろしあ ちゅうごく いんど そのつぎなんだ
かくへいきをもたなくても すごいだろう
だから これからも せんそうできるつよいくにづくりにはげみます

せかいのくにとなかよくするには おかねがかかる
いろんなところでばらまいて ほてるでたかいせったいもしたんだぞ
コロナウイルスで ちゅうごくとのかんけいがうまくはかどらなくてね 
だから これからさきは ほんとにめんどうくさくなっちゃった

ただね とりまきのやらかしたことで
せきにんとるのは かんたんなんだよ
バカやったのを つきはなすだけのことなんだから
だから これからはじぶんでバンバンなさい

でもね ちょっとつかれてしまったよ
だから これからさきは かんがえることやめよかな
むせきにんだって いうのかい
いやいや いまバカやってるじぶんを つきはなしただけさ

〔2020年3月6日書き下ろし。新型コロナウイルスの対策や対応から見えてくるその場しのぎの後手後手の独断の危うさ。もう政権の力量を超えた事態です〕

春を告げる雪

北の大地に降る雪が
重たい雪に 変わってきました
風もなく 穏やかな朝
昨夜から 10センチは積もった雪
いまも しんしんと 降り続きます

降る雪の粒が大きくなり もっと積もりそうな予感がします
コロナウイルスの騒動が
閉じ込められていくような 静寂な銀世界
汚れたものを 白く塗りつぶしてゆく 銀世界
人の心を 一時落ち着かせる 沈黙の銀世界

北の大地に降る 湿った重たい雪は
春の訪れを告げる兆しです
もうしばらくの辛抱で 冬が明けます
だからいまは じっと降る雪 眺めています

新型コロナウイルスの伝播も
抗(あらが)うことのできない 自然の摂理(せつり)
民が デマに走り 政治に踊らされるのも
この雪が融ける頃には 
杞憂(きゆう)に終わったと
ホッとできれば…
いまは虚しく 降る雪眺めています

北の大地に降ってわいた 災禍(さいか)は
容赦なくいのちと暮らしを 叩いています
いまはただ じっと耐える日が続きます 
小さな小さなウイルスに 席巻された人間世界
なんと無力で無知で そして傲慢であったかを 思い知らされます
自然の摂理に従って 人は生かされているのです
いまは無欲で 降る雪眺めています

〔2020年3月5日書き下ろし。太平洋沿岸とオホーツクは、今日一日冬の嵐です。新型コロナウイルス感染者の一日も早い快復と、これ以上感染が拡大しないよう祈ります〕

死んだ男の残したものは

久しぶりに ひとり野幌森林公園を散歩した
ふと歌詞が浮かんで 歩きながら口ずさんだ

♪死んだ男の残したものは
ひとりの妻と ひとりの子ども

新型コロナウイルスの感染が 拡散している
死者の数が積み上げられ カウントされる
餅で喉を詰まらせて 亡くなる人よりも少ないと
死者の数を比較して 不安がることはないと言う人もいる
3日 WHO〔世界保健機関)は発表した 
新型コロナウイルスの致死率は 約3.4%
季節性インフルエンザの1%未満を 大きく上回ると

♪死んだ女の残したものは
しおれた花と ひとり子ども

ウイルスに冒され 死に逝く者たち
世間は 不運だったと諦め顔で 死者を葬る  
名のなき者たちが 抗うこともなく静かに逝く
その人生を その人なりを 想うことなく
犠牲者として カウントされる

高齢者施設では 感染防止に万全を期して 必死に護る  
零細な自営業は 開店休業を補償されることなく 必死に堪える
学童保育所は 指導員に丸投げされて 必死に世話する 
休校中の学校は 家庭と地域に子どもを預け 静観中です
国会は ウイルスに侵食されて 疑惑はぶっ飛びました

♪死んだ子どもの 残したものは
…思い出ひとつ 残さなかった

※「死んだ男の残したものは」は、谷川俊太郎の作詞、武満徹の作曲による歌。ベトナム戦争のさなかの1965年、「ベトナムの平和を願う市民の集会」のためにつくられ、友竹正則によって披露された反戦歌である。

〔2020年3月4日書き下ろし。新型ウイルスとの戦いです。韓国の感染も止まらない。国境を越えて、共にひとつのいのちの尊さを想像したい〕