「鳥居一頼の世語り」カテゴリーアーカイブ

鹿角レポート

12月5日15時25分
「さんばーず」の公演は 役者の巧みな演技で
見事に 問題の核心に迫った

地域のキーマンの母ちゃんが倒れた
安心させるためにどうするの?
母ちゃんが どんな人をお世話をしたのか
対象は 特定しなかった
ひとり暮らし 老夫婦世帯 障がい者 などなど
暮らしに 困難性を抱えている人たちを想像しながら
参加者それぞれが 対策を考える
100人が12のグループに分かれ
15分しかない制限時間の中で
グループワークが始まった
たくさんの意見が交差する

母ちゃんが 誰にどんなことをしてきたのか
まず書き出してみようよ
その上で 一人ひとり できることしかやれないね 
一人で負担したら また無理することになるから
できることと できないことを 区別して
みんなで それぞれ出来ることを分け合おう
出来ないことは
行政や社協さん 地域包括支援センターに
相談するのも大事だね

ピンチはチャンス
母ちゃんが どれだけ地域に尽くしてきたのか
いままで 母ちゃんに任せることで 逃げてきた
困ったことや 困った人のお節介
そのありがたさを 改めて確かめた
いずれ自分も行く道ならば 
地域のために 人肌を脱ごうと 
引き継ぐことを決めた私たち
どんなふうに 困っている人と関わるのか 
学んでいかねばなりません

母ちゃんが 元気になったら
あなたの出番です
あなたが知ってる 福祉のこと 教えてください
あなたがしてきた たくさんの支えの仕方 教えてください
あなたが大事にしてきた 人との関わり方や添い方 教えてください
あなたが心配しないで済むように 私たちをサポートしてください
あなたは 地域の相談窓口
あなたは 私たちの福祉の先生
あなたは お節介の指南役
自信を持って 関わっていけるまで 
あなたの知恵が 必要です

地域の暮らしの困りごと
そのまま ほっておくことできません
困っている人や困りごとのひとつでも
解決すれば 地域の励みになります
自分たちでもできると 元気が出ます
ここでこれからも暮らしていけると 安心できます
だから困っている人と一緒に ここで暮らしていけるよう
みんなで知恵を出し合って 出来ることから 始めます

お母ちゃんのおもいを 覚悟に変えて
一人の一歩は 小さくとも 
みんなの一歩は 大きな一歩です

〔2019年12月5日書き下ろし。秋田県鹿角市(かづのし)で開催された「地域福祉実践研究セミナー」での、昨日アップした寸劇からグループワークとまとめをレポート。このセミナーでの3地区の実践発表、やるしかないと覚悟を決めたところは元気がありました〕

世話焼き母ちゃん倒れた!

ナレーション
地域のお世話焼きの名物母ちゃんが倒れたってニュースが、NHKニュースよりも早く速報で流れた。てんやわんやの大騒ぎ。なんせ地域の福祉は、母ちゃんの双肩にかかっていて、一手に担っていた人であり、地域のリーダーだった。

(心配して、情報通の令子の家に和子、一乃の二人がやってきた)

和子 「聞いだが」
一乃 「いやー、心配ぺいだー」
令子 「井原のばっちゃんの病院に付き添いさ、いったども。
待ってる間に何だか頭が急に痛ぐなって、倒れたど。
そばさいた人が、すぐに看護婦さんどご呼んで、緊急処置して、助かったど」
和子 「ほいだばいがった、いがった。それでなして倒れだ?」
一乃 「あだったど?」
令子 「いや、くも膜下出血だど」
一乃 「えで倒れたら、そんどだったな」
和子 「本当に助かったって聞いて、えがったと思った」
一乃 「えがった、えがった」
和子 「私なんか、なんぼか世話になったか」
令子 「あの母ちゃんに、世話になっていね人、誰もいね」
一乃 「どんだけ世話になったか、倒れられると身にしみるな」
和子 「この際、ゆっくり養生してもらわねばねーな」
令子 「そうしゃべっても、心配性の母ちゃんだから、寝て気が気でねべな」
一乃 「じゃ、安心してもらうには、どうしたらいいべな」
令子 「母ちゃん一人に責任かぶせて、甘え放しになってだ、今となっては反省しねばねーな」
和子 「ほんとにほんだな。隣のばっちゃんだって、いままで母ちゃんが行って世話焼いていだから、安心してたけど」
令子 「けつは軽いし、口はかだいし。だから任せられるって、よくしゃべってだ」
一乃 「いろいろ聞けば聞くほど、パワフル母ちゃんだ。だれもその役目、代われねな」
和子 「そこなんだよ。誰も代わりがいないと思うと、母ちゃん気がかりで寝てもいられね」
令子 「ゆっくり養生してもらうには、どうしたらいいべ?」

(三人は、悩み始めました。話はなかなか前には進まないようです)

ナレーション
さてお世話焼きの母ちゃん、病院のベッドでゆっくり養生をしてもらいたいと、三人は知恵を絞ります。皆さんなら、母ちゃんが地域に戻ってきても、今までのように母ちゃんを頼らずに暮らしていくにはどうしたらいいのか、教えてください。

〔2019年12月5日上演。秋田県鹿角市地域福祉実践研究セミナーで、劇団「さんばーず」が演じます。5~6年前から、地域福祉懇談会やセミナーなどで課題提起の寸劇を鹿角弁でコミカルに演じる「さんばーず」は最高です。年に一度の公演、開演間近です〕

小坂レポート

小坂町交流センター・セパーム
社協主催の研修会 
小坂の子らの子育て・子育ちをどう地域で支えるのか
町から委託された「こどもの未来応援事業」
町として初めての試みだ

教育委員会教育長 指導主事
統合小中一貫校の校長 町議会議員
役場の保健センターの若い保健師
民生児童委員
放課後学童保育担当者
自治会や社協の役員
一般町民
いろいろな立場の人が 40人集まった

人口五千人の町で 子どもの数は560人ほど 比率11%
地域に 子どもを見かけることも ままならなくなった 
子ども会も 片手に余る数の地区もある
シングルマザーは 人口比からして 高いのだ
経済的な問題を抱えているのは どこのまちも同じで
子どもの様子も なかなか見えにくい
親も子どもも 問題を抱えて生きている

今日は わがまちの子育て・子育ちを みんなで語る広場になった
社協から 子ども以上に保護者支援の必要性に論点を置いた端的な事業説明
「心の距離感」の寸劇で 相談できずに困っている親の実態 披露する
詩「めんこいしょ」を朗読後 グループワーク
劇中で問題になったことを 6つのグループで意見交換開始
30分後 カフェテラス方式で グループ解体
新グループで 各グループでの協議の中身の交流
そこでまた 私は私たちは何が出来るのかを意見交換
解決策は すぐには見つからない
それでも ここがみんなで子どものことを考える出発点
一人ひとりが参加した熱心な討議 率直に意見が交換される 
談笑しながら 生まれたあったかい雰囲気の中
時の経つのを忘れた

子どもに会えば ともかく挨拶
返されなくても 何度もすれば顔見知り
根気負けして子どもが返す挨拶に ほっこりします
スーパーで見かけた子どもと交わす挨拶
不審がる親に 知らせることで
親も挨拶する仲に なることだってあるでしょう

学校の学習発表会
体育館は 子どもの親族縁者で埋まります 
子どもの成長や頑張りを 親に会ったら伝えます
子を褒められて 気分がいいのが親心
若い母親に だっこされた赤ちゃんを
かわいいといって そばに寄っていくだけで
心の距離感 縮まりませんか

見知らぬ者同士がつながるキーマン 子どもです
子どもが かわいいだけなので 
構えることなく 声かけて 親とつながる子育て支援
相談口で待ってるだけでは 埒(らち)明かず
もっと地域の手を借りて 行政も学校も社協も動きましょう
子どもに 親に 声がけすることから始めます
見返りなんか 求めません
ただ 関心もってるよ
もし 心配なら話してね いつでも聞いてあげるよ
いつか そうなることを願っています 

校長先生 地域に子どもを出したいと
学童保育の担当者 地域に子どもを出したいと
保健センター 子どものSOSの研修会のご案内
詩「まっすぐなまなざし」でしめて散会
みんなあったかいいい顔して 雪の中帰路につく

小坂のまちの お節介
挨拶は お互いに認め合うことの 確かめ合い
激励は 子育て中の母親に 一人で悩まず声かけて
褒めるのは いいとこ探し 子どもと親のこころに響きます

これからの まちの子育て・子育ちは 
4500人の大人の目と心で
子どもといっしょに 
子どもの笑顔がはじけるまちを 
オール小坂でつくります

今日は スタートラインになりました 

〔2019年12月4日書き下ろし。昨日開催された小坂町の研修会のレポート。ここがオール小坂で取り組むスタートです。20数年関わる町です。これからも応援を続けます〕

心の距離感

ナレーション
子育てには悩みがつきもの。ノウハウ本やスマホで誰も情報は簡単に手に入れられる時代だが、お手本通りに子育てが上手くいった話なんて、聞いたこともない、見たこともない。だから、みんな悩んで親になる。でもそれだけじゃない。地域で子どもを育てていくって、とっても気を遣い、気疲れする。子どもが失敗でもしようなら、あそこの家庭は、あの親はと,心ない人の陰口も聞こえてくる、世間体も気にかかる。でも頑張って子育てしているんだよって、言いたいんだ。そんな悩みを持つ者同士、ラインでつながっていたのです。

(舞台の上に離れて、下手に和子、中央に信子、上手に幸子位置する。三人スマホを片手に文字を打ちながらおしゃべりする)

和子 「いまブルー。学校がら呼び出されたわぁ」
信子 「どしたの?」
幸子 「何があったぁ?」
和子 「子どもが意地悪したって。家でも注意して見てくださいって」
信子 「いじめだって言ってるんだがぁ、先生」
和子 「そうだとはっきりは、言ってねけど…」
幸子 「私もあったや。学校がらの呼び出し」
和子 「どしたらいいのか、わかんないなぁ」
信子 「何が原因だったんだぁ?」
和子 「先生も、子どもが話さねがら、困ってらって」
幸子 「話さね理由って、なんか分かる気する」
和子 「うすうすは、気がついているんだけどな」
信子 「やっぱりそこか。男の子は手出でしまうからなぁ」
和子 「まずは、おごらねで話してみるがな」
信子 「それがいいなぁ」
幸子 「いいね(スタンプ)」

ナレーション
数日後信子からラインがあった。
舞台の三人の立ち位置は、徐々にセンターに近づいてきた。

信子 「ちょっと悩みあってなぁ…」
幸子 「どうしたぁ?」
和子 「何があったがぁ?」
信子 「ちょっと相談事あってなぁ・・・どこさ行けばいいのがなって…」
和子 「役場は?」
信子 「役場がぁ・・・」
幸子 「役場だばまずいんだがぁ?」
信子 「ながなが気が進まねなぁ・・・」
和子 「何となくわがる」  

ナレーション
三人の距離が狭まってくる。もうスマホは手に持ったままで役立たず。

幸子 「ほんと、どしたの?」
信子 「子育ての事どが生活の事でちょっとつらいどごろもあって相談したいんだけどやぁ」
和子 「精神的にしんどい時(どぎ)もあるよなぁ」
信子 「仕事の事(ごど)でもいろいろあってなぁ」
幸子 「ほんとに、役場さ行ってみだらぁ…」
和子 「でもや、行ぐのさ結構勇気いるんだよなぁ」
信子 「出来れば、役場の世話になりたくねって思って、頑張ってきたんだけどなぁ。この  ままだばこれからが大変がなって…、とにがぐ行ぐがなって思うんだけどやぁ」
和子 「なんか役場さ行ぐのに気になる事(ごと)があるんだがぁ?」
幸子 「もしかして、役場の人が知り合いだったり、子どものクラスの親だったりする人も  いるがらがぁ…」                             
和子 「あ~そっか。それだば私もちょっと相談しにぐいし、まして家庭(いえ)のごど色々聞がれて知られるのって、ちょっと無理だもんなぁ」
信子 「世間体もあるしなぁ… まだ頑張れると思い直して、やるしかねがな」
和子 「他さ相談できるどごってないのがなぁ?」
幸子 「社協でもやってるや。もしかしたら役場より敷居は低いと思うけどなぁ」
信子 「社協って、なして知ってるの?」
幸子 「以前近所に社協の役員さんがいて、何でも相談してみれって言われて、一回困った  どぎに助けてもらったごどあるがら」
和子 「社協ってあんましよぐわがらないけど、相談もできるどごなんだなぁ」
信子 「そうなんだぁ… でもや日中仕事してるし、仕事終わってからでも行けるんだべが
ぁ… まず気軽に相談できるところがあれば一番いいんだけどなぁ。明日たまたま   仕事休みだがら行ってみるがな」

ナレーション
スマホは手に持ったまま、三人のおしゃべりは続きます。
役場や学校には、なかなか相談できないこともある様子。心配事をラインでつなげるのではなく、こうして顔と顔を合わせて、直接お話しするのが一番ですね。同じ悩みを持つ者同士、話は尽きません。
社協を含め民生児童委員さん、役場、学校、警察等にも相談しやすい環境が生まれるといいですね。そのためにも地域の人と人がつながらなければ、子育てを応援することは難しいですね。地域で、子育てで悩んでいる方との心の距離をどのように縮めていくのかも、この後ぜひ話題にしてみてください。

〔2019年12月3日上演。秋田県小坂町で「小坂の子の未来を考える研修会」で子育て・子育ちを地域でどのように支援するかをテーマにグループワークした際に、問題提起した寸劇。小坂弁でお楽しみください。演技は完璧。なにせ明治の芝居小屋「康楽館」がある所。役者は揃っています。翻訳は社協柏山茂紀氏。5円玉の銅の産地でもありました〕

日々是好日

一人暮らしです
まだ高齢者には なってません
新聞3日もためていたものなら
ご近所さん ピンポン押して安否確認
戻ってくると どこに行ってたのと 根掘り葉掘り
ただただ 心配しているだけです
決して悪気はありません

一人暮らしです
高齢者に なりつつあります
まだまだ達者です
朝っぱらから 外で砂利を踏む音が聞こえます
のぞいてみると 誰かが草むしり
あわてて出ていくと 
見かねて ついついしてしまったと
決して悪気はありません
ただただ お人好しなのです

一人暮らしです
高齢者に なりました
「いたかい」という間に
上がり込んで 室内チェック
流しに洗い物を見つけるもんなら
だから お節介焼かなきゃいけないの
決して悪気はありません

一人暮らしです
後期高齢者に なりました
毎日大丈夫と 声をかけられています
正直 少しほっといてほしいときも あるのです
いい顔するのに 疲れることも あるのです
来る人 決して悪気はありません
決して悪気のないことは よく知っているのです

支え合いましょう
助け合いましょう
地域に丸投げされても ひるむことなく 頑張る人たち
世間のしがらみ ものともせずに 頑張る人こそ 
地域を支える力です
地域をつくる力です

日々是好日
頑張る人たち 優劣・損得・是非にとらわれず
今日一日を 精一杯生きています
日々是好日
頑張る人たち 喜怒哀楽を受けとめて
今日一日 精一杯生きていきます
日々是好日
頑張る人たち お節介といわれても
今日一日 精一杯尽くします

〔2019年12月2日書き下ろし。地域でいろんな人がいて、世間のしがらみの中で生きている。世間で頑張る人たちに倖せあれと〕

メビウスの帯

男は醒めた頭で メビウスの帯を想像した

5時間は 飲んだろうか
5時間の語らいは 十数年の時空を超えた
ただ 彼の体力の限界を超えていたのかもしれない
互いに気遣いながらも 過ぎゆく時間に身を任せた

周到な段取りをして 札幌に飛んできた
会いたいという強固な意志と 一筋気の行動に
ただただ 驚嘆と感謝 そして平伏するしかない
でも疲弊していた身体は 正直に弱さを見せていた

男は 紙片でつくったテープをひねった
同世代の二人の歩んだ道は 別々だった
交わることは 数度しかなかった
だからいま 互いの道が一本の軌跡になったことは 
奇跡なのだ 

大学をリタイヤしてから ずいぶん経ったある日
突然メールが来た
つてを頼って探し当て コンタクトを求めてきた
去る者追わず 来る者拒まず
男は そうして生きてきた
躊躇なく 受け止めた

男は 輪に人差し指を走らせた
一本になった軌跡を なぞった
この1年 矢継ぎ早に仕掛けてきた
男は 求められるまま ためらうこともなく 書いた
子ども 教育 学校 福祉 政治 などなど
手当たり次第に 思い浮かぶまま 書き綴った
地方紙で連載していたコラムの規制は 全くない
自由な思考と志向 そして嗜好
文字数の制限もなく こころのおもむくままに 書き綴った

彼は いま二人で発信しているこのブログを
共働だと 同席した若い大学人に語った
しかし 男には 一本筋の通ったポリシーはない
それを許容する 彼の熱い懐で 
悠々こころを遊ばせ 甘露を味わう

男は メビウスの帯を机上に置いた
人生の晩期に 至福の時を共有する同伴者の
一日も早いご回復を ただひたすら祈った

〔2019年11月28日書き下ろし。初冬の来札に深い感謝と尊敬を込めて綴る〕

授業する

中学校3校 授業は4回
小学校5校 授業は7回
今年最後の 福祉の出前授業
12月 4日間で 秋田県北2市をまわる
もう二十年近くも お邪魔している

授業を参観した教員が 校長・教頭になり 
子どもたちとの 出会いを愉しむ
里帰りのように 特に嬉しい 

授業のテーマは 事前に周知
クラスや子どもの様子を 事前にリサーチ
突然変更 よくあることで 授業に向かう

福祉の授業 見たことない したことない
体験学習お任せメニューで 人任せ
子どもが乗り出す 授業の展開 
想像以上に インパクト

文字面で 福祉を教えることができるなら
道徳教育 お手の物
それしか 習ってきていない
それが 授業だと思っている
だから 見せなきゃ 変わらない

子ども以上に先生の 
福祉の授業観と
子どもを見る目を 変えること
そこが 求められる出前授業の醍醐味です 
でも とても短い授業の時間 
子どもとの一期一会の出会いが はじける 

こころが織り成す ひと模様
人として生きることを ストレートにぶつけます
飾らぬ言葉は 不用です
真剣勝負の 教室は
子どものこころの目が 研ぎ澄まされていくのです

だから いつも怖いのです
慣れることも 怖いのです
まっさらには なれないから
いまの老いた自分を 晒すのです

生きている実感を味わう準備は 終わりました
そんな機会が まだあることに
そんな機会を つくった方に
こころから感謝して
12月1日 日曜日 
機上の人と なります

〔2019年11月28日書き下ろし。秋田県との因縁はもう26年になる。地域福祉や福祉教育で大事な実践をさせていただく。今年もまたいい出会いと仕事をしたい〕

支配する

心躍り ドキドキ感がなければ 
やりがいも使命感も 情熱もわいてはこない
ほどほどの緊張感と目的意識
危機感知能力と改善能力を 意識しながら仕事する

こびる へつらう おもねる
それだけが取り柄の者たちが 
群がり 忖度を繰り返す
本来為さねばならぬ仕事は 店ざらし
無用な者たちが バッチをつけて
さも誇らしげに 闊歩(かっぽ)する

怠惰と無気力 そして消耗と消沈 さらに堕落と放棄
無能と羨望 そして保身と中傷 さらに欺瞞と悪意
繰り返される 真実の隠蔽と不遜な弁明
虚勢にまみれた者たちが この国の空気を支配する
仁徳うすき者たちが この国の空気を支配する

あなたは 果たしていつまで 呼吸できますか?

〔2019年11月28日書き下ろし。支配とは何でしょう。制御できない虚実の世界に、若者たちが行く当てもなく彷徨する。呼吸困難になる日は近い〕

長電話

最近珍しく 長電話が続く
それも 同じ相手とだ

40代の男は 全道を 駆け回っている
仕事に没頭し スケジュールに追われている
やるべき業務も多い
こなすことに 精一杯のときもある
だから 長電話は貴重な時間となった

「今日はどこ?」
「会社です」
「大丈夫かい?」
三つの意味がある
いま電話大丈夫 普通の礼儀
男の身体しんどくないか 健康チェック
次の仕事の 打ち合わせの打診

半年以上 新しい研修企画の開発に 取り組んだ
課題は 山積している
地域や関わる人たちの 活動意欲や実態の把握
アンケート調査による 具体的な問題の抽出 
それを踏まえて
活動のモチベーションの維持と継続をめざした 
新たな研修プログラムの開発

男は この世界の 全道的なエキスパート
現場主義で ネットワークの構築は ピカイチだ
人当たりの良さで 相手の懐にスッと入る 不思議な存在感を持つ男
傾聴力と共感力が 持ち味だ
だから 周りの信用度も評価も高い
社会情勢を判断するための 勉強にも余念がない
相手と問題を共有する コミュニケーション力は
その成果を 補完する
いつも現場で問われるのは コーディネーション力
的確な情報と 結びつく人との関係性を 瞬時に判断しアップさせる
まだまだ足りないと 自覚するところに 
成長する男の 謙虚さを知る
知力を刺激し続けることが 男を次のステージへと引き上げる

重要なのは 仕事への執念だ
男は 従来の方法でこなしていくことを 拒否した
既成の枠を どうは超えるのかが 課題だった
どうすればいいのか その解決策を念頭において
仕事に向きあっていた

仕事の創造性とは 
自己成長に向かう線上にある 
自己の深い問題意識から導き出された 変革のアイディア
それを いかに実現可能なカタチへと 昇華させるのか
そのタイミングで 出会った触媒によって誘発され 求めていたものが顕示される
それが 半年前に変革の化学反応を起こした 

新しい研修スタイルと内容を 6月と11月に試行した
評価は予想以上だった
参加者の声を 改革の仕事力に変えて
来春 道内各地で頑張る人たちの 暮らしの現場に
開発プログラムを携え 遠路を向かう
そこが男の存在価値と 総合的な組織力が問われる
次のステージへの 実践検証の場となるのだ

男を支える組織こそ 健全である
その改革の意を共有し 協働して企画し
組織の立ちゆく理念の実現のために
新たな展望を持って 挑戦的に世に問う
多くの民の意思と活動が 協働化され地域を潤す
暮らしを支え維持する「民の力」を 貪欲に見出すために 
組織も 男も 動く

男は 一言でも聞き漏らさぬよう
夢の実現のために 心を器にして
聴いていたのだった

〔2019年11月28日書き下ろし。忙中閑あり。男は超多忙の中での長電話。流されることなく現状の変革を求め続ける現場人の意気地を感じてほしい。公務員頑張っていますか?〕

いじめる教員

私 学校で中堅って 頼りにされてる
教員の世代バランス とっても悪くて
だから私 中堅どころで います

中堅 ただ歳喰っただけ
中堅 たいした社会経験していない
中堅 学習指導はお手のもの ではない
中堅 生徒指導の経験豊か なわけないじゃん

教育熱心か 宿題出せば そう見える
教育熱心か 学級通信出せば そう見える 
教育熱心か 裏覚えの教育用語 保護者に使えば そう見える
教育熱心か 子どもに好かれるように遊んでいれば そう見える
教育熱心か 職員室で不慣れな事務をしているだけで そう見える

入った新人 切れる子だった
授業も ベテランにも匹敵する指導力
子どももなついて 離さない
ケジメをつけた メリハリある 学級経営

ヤバイ 見透かされた
鋭い観察力 適切な的を射た意見
まてよ あの子は臨時教員
私は 正規の立派な中堅教員
逆らうなんて許せない
大丈夫 
非難中傷 お手のもの
やつけるしか 道はなし

いじめる教員
指導能力 ひたすら低い
でも悪知恵は ひたすら高い
いじめる教員
陰口得意で 騙すの上手い
立ち振る舞いに 自信あり
いじめる教員
善悪度外視 確信犯
正当化して 薄笑い
いじめる教員
自分の失態 棚に上げ
相手の失敗 ここぞとばかりに猛烈批判

いじめる教員
自意識過剰の屈折した劣等感の塊 ひた隠す
だから 卑劣な人になれるのです
クラスの子どもの信頼さえも 踏みにじり
教壇に立つあなたの図太さ 称賛します

いじめる教員
すでに 人間終わっています
その自覚がないだけに 
いじめは快感 続けます

〔2019年11月26日書き下ろし。教員の素行が暴かれています。希望をもって教員になった若い人の志を踏みにじる。どうしましょう?〕

付記
「非正規は“裏”」「辞めろ」<中学校臨時教員30代女性>
「報道を見て、当時の記憶がよみがえってしまった。吐き気がしました」
兵庫県内の中学校で臨時教員として働く30代女性。3年ほど前、20~40代の正規教員2、3人から嫌がらせを受けたという。赴任直後の学年会議で、先輩だった40代教員のアイデアに反対した時期から始まった。
臨時教員は「裏」と呼ばれ、「裏のくせにえらそう」「裏はさっさと辞めろ」とあからさまに言われた。生徒や保護者に「あの先生はまだ正規採用じゃない」とも言いふらされた。校内会議で「誰かさんは保護者からの評判が悪い」「仕事をさぼっている」などと、身に覚えのないことで非難されたこともある。
当時の男性校長に相談すると「正規として採用されたかったら、うまくやってよ」と取り合おうともしなかった。嫌がらせは数カ月続き、不眠や食欲不振、耳鳴りに悩まされるように。「生徒と触れ合う時間が唯一の癒やしで、職員室にいる時間が地獄だった」
土日も部活動の仕事に追われて病院へ行く時間もなく、見かねた夫が教頭や教育委員会に相談。女性は1年で学校を変わった。担当クラスには心残りもあったが「あのまま無理をすれば、心も体も壊れていたと思う」と涙を拭った。(2019/11/7 ©株式会社神戸新聞社)