阪野 貢 のすべての投稿

コロナ禍とSDGs

ベンチャー(新興企業)が 雨後の竹の子のように増えていた
大学では 産業界との
共同プロジェクト(新しいものを考え出し実用化するための研究や事業)や
インキュベーション(起業支援)を手がける 
学外連携推進を図る 産学協同も進む

その研究や事業は 経済的発展ばかりではなく
サステナブル(人間・社会・地球環境の持続可能な発展)な
社会の実現に向けられてほしい
17のSDGs(エス・ディー・ジーズ:持続可能な開発目標)が 
2015年9月 193国が参加した国連サミット(主要国首脳会議)全会一致で採択
「持続可能な開発のための2030アジェンダ(国際的な取り組みについての行動計画)」
貧困 飢餓 環境問題 経済成長やジェンダー(歴史的・文化的・社会的に形成される男女の差異、社会的性差)までの 幅広い課題が網羅された
豊かさを追求しながらも 地球環境を守り 
「誰一人取り残さない」ことを強調し 30年までの目標達成に挑む

世界を席巻するコロナ禍の勢いは その目標も実績をも 無残にも挫(くじ)く
・あらゆる場所で あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
〈貧しき者弱き者たちには その牙をむくウイルスは非情となる〉
・飢餓に終止符を打ち 食糧の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに持続可能な農業を推進する
〈生産しても消費が滞る悪循環は 食料生産や食品加工そのものにダメージ(痛手)を与え続ける〉
・あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し福祉を推進する
〈その可能性は どんどん後退・低下する一方である〉
・すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し生涯学習の機会を促進する
〈学校すら休校となり 貧しい国では学習機会もどんどん奪われていく現実に、なすすべを持たぬ国が将来へのダメージを被る〉
・ジェンダーの平等を達成し すべての女性と女児のエンパワーメント(力をつけること。女性が力をつけ、連帯して行動することによって自分たちの置かれた不利な状況を変えていこうとする考え方)を図る
〈ジェンダーは改善されるよりも さらなる経済的格差が進み 教育の後退が加速される気配を感じる〉
・すべての人々に水と衛生へのアクセス(接触、接続)と持続可能な管理を確保する
〈コロナによる環境衛生や安全な水へのアクセスは より困難と予想される〉
・すべての人々のための持続的包摂的かつ持続可能な経済成長 生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事。労働条件・やりがい・安全性・公平性など、働きながら生活するときに望まれる状態を全体的にとらえたもの)を推進する
〈米国の失業者2050万人 失業率14.7% 戦後最悪 長期化する雇用の激変は世界に波及し ディーセント・ワークの保障はほぼ不可能に陥る〉
・レジリエント(弾力、復元力、また病気や災害などからの回復力。強靱さ)なインフラ
(インフラストラクチャー:経済活動や社会生活の基盤を形成する構造物。ダム・道路・港湾・発電所・通信施設などの産業基盤、および学校・病院・公園などの公共の福祉にかかわる施設が該当)を整備し 包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに イノベーション(技術革新。新機軸。経済学者シュンペーターの用語では、経済成長の原動力となる革新。生産技術の革新、資源の開発、新消費財の導入、定産業の構造の再組織などをさすきわめて広義な概念)の拡大を図る
〈コロナ禍後の 人間のレジリエンスな生命力と レジリエンスなまちづくり・国づくりに期待するしかない そこにいたる道のりは未知・未定である〉
・国内および国家間の不平等を是正する
〈この不平等・不公平さはより歴然となり 利害闘争の火種となりうる〉
・都市と人間の居住地を包摂的安全 レジリエントかつ持続可能にする
〈国内・国外の経済的貧富の格差は広がり 暮らしをさらに深く分断する〉
・持続可能な消費と生産のパターン(類型、様式)を確保する
〈消費も生産も アウトソーシング(海外で部品を安く調達すること。国際調達。海外部品調達)の再構築を余儀なくされ 新しいパターンも生まれるだろう〉
・気候変動とその影響に立ち向かうため緊急対策を取る
・海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し 持続可能な形で利用する
・陸上生態系の保護 回復および持続可能な利用の推進 森林の持続可能な管理 砂漠化への対処 土地劣化の阻止および逆転 ならびに生物多様性損失の阻止を図る
〈環境悪化は避けられない コロナ禍後その余力が残っているかが 全てである〉
・持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに あらゆるレベル(水準、標準、段階)において効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
〈いまこそメディアリテラシー(新聞・テレビ・ネットのニュースに対する知見、知識だけではなく必要な情報を判断する能力)を発揮して あぶり出された事実を根拠に 人間や世界・国・社会の問題に、向き合うことから始めなければならない〉
・持続可能な開発に向けて実施手段を強化し グローバル・パートナーシップ(世界的問題解決のための提携や協力関係)を活性化する
〈アメリカが中国のウイルス研究所が発症源だと難癖つけて抗議しているようじゃ埒あかず 日本の政府も韓国の検査態勢にケチつけるのもバカげてる これが日米の指導者のレベルだとすれば 悲劇だ〉

SDGsが手元にあるだけでも 世界にとって幸いである
オーバーシュート(感染者の爆発的増加)したコロナ禍を
乗り切るための 共通のエビデンス(根拠・証拠)がここにある
グローバル・パートナーシップの確立こそ 喫緊のなすべき行動である

敵対行為のための 武器の開発に余念のない指導者は 
リスペクト(尊敬、敬意)されることはない
協働よりも 非難を浴びせて保身を図る指導者は 
リスペクトされることはない
本気で伝染病への対応を見せぬ指導者は 
リスペクトされることはない
情報をコントロール(制御、統制、管理すること)し 反論を弾圧する指導者は
決して リスペクトされることはない

コロナ禍が 世界に与えたインパクト(物理的、心理的な衝撃。その影響や印象)は
計り知れないほど 深く強く大きい
心のロックダウン(公共施設などで、外部からの闖入者に対して内部の人間の安全確保のため建物を封鎖すること)を解除するためにも
一人ひとりが 新たなレガシー(本来精神的・物理的遺産の意であるが、近年後世に業績として評価されることを期待する意にも用いられる)を創るために
いま 何をなさねばならないのか

カオス(混沌・混乱)化した世界に 生き残るために
現実を直視し 正しく理解する力を 身につけなければならない
世界を見る・感じる・考える力を 身につけなければならない 
行動する力を 身につけなければならない
その歴史的変革期に 一人ひとりが生きているのだ
そのことだけは否定できない 確かな事実である
グローバル・パートナーシップは 政治家たちの特権ではない
世界の民が手にするための チェレンジ(課題)である
それこそ 国をあげ世界をあげて 挑むしかない
人類の希望への 道程である

〔2020年5月9日書き下ろし。5月2日付の朝日新聞「近頃のカタカナ語は許容できるか」という記事に触発されカタカナ語を多用し、SDGsをテーマにいまの難局を語ってみた。日本語では訳しきれない言葉の限界を知らされる〕

人はいつでも変わる

朝8時 生ゴミの袋を持って ステーションに行く
ゴミの運ぶ役は 男の甲斐性
バス停に向かう男の後ろ姿に 暮らしの匂いが漂う
年金暮らしには 家事分担で老男ができる唯一の役目か

ゴミステーション
二重にした丈夫なナイロン製のネットが
鋭利な刃物で 見事に 斜め横一文字に 
50センチほど切られていた
いつもネットは 使用後すぐに丸められ その場に立てかけられる
だから ネットが開いた時でなければ 
きれいに一文字には切れない
頃合いを見計らって 切る
ただ あのこすいカラスに 荒らされていない
となると 通勤の人も出てくる時間帯かも知れない
 
すれ違った管理人は 
出勤早々 結束バンドを持って向かっていた
「ストレスが溜まってるんですかね」
渋い顔で そう話した
ポケットにカッターを忍ばせ 周囲を確かめ素早く切る
ただネットを切るだけでは 何の快感もないだろう
周囲を見計らい いたずらに及ぶその一瞬のドキドキ感なのか
鬱憤(うっぷん)晴らしにしても 
なんと なんと
姑息(こそく)でみみっちいことを しでかすのか
誤算は カラスに侵略されなかったこと
迷惑は 限定的だった
管理人に ご足労をかけただけに終わった

勝手に書いた 注意喚起のチラシ
管理人に手渡し 管理組合におもいを託した
「…問題は、昨年12月から今月にかけて、10数回にわたってネットが破損しているという事態が起こっていたということです。ネットの補修の跡が、それを物語っています。
古くなって破損したというのなら劣化ですから、何の問題もありません。
しかし、誠に残念なことですが、故意になされた心ないいたずらとして、このまま放置することはいかがなものかと思い、注意を喚起するしだいです。
お年寄りも、小さな子どもも、多くなりました。安全面も含めて、気持ちよく生活していくための心くばり、目くばり、気くばりを、お願いする次第です。
〈いまは距離だけが、思いやりの表現です〉とドイツのメルケル首相が述べていますが、心の距離だけは疎遠(そえん)にならぬよう、安全・安心な暮らしをつくっていきませんか。
ご協力をお願いいたします」
これで収まりがつけば ありがたい
大切なのは いまの暮らし方に関心を持つこと
安心安全は 集合住宅のソフト面の資産価値にも影響する

コロナ禍のもと いたるところで 小心者が小躍りし出す
人の不幸を 歪(いびつ)な心で弄(もてあそ)ぶ
NETやSNSで 新型コロナに感染した人を暴き出す
それに乗っかり 同調する輩が騒ぎ立て 私的制裁を繰り返す
匿名で 集団化して 弱き者をいたぶりいきがる 負の高揚感
投稿を突き止められ ばれればすいませんと平謝りの狡猾(こす)さ
被害者は 心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しみ続ける

他人(ひと)を 傷つけることに快感を覚える
小心者は やっかみ者
やっかみ者は 厄介者
厄介者は はみ出し者
はみ出し者は 屈折した者
屈折した者は 卑屈な者
その性格では 誰も仲良くしないだろう
その態度では 誰もが近寄りがたいだろう
その性癖がばれたなら 誰も相手にはしないだろう

誰にも構ってもらえぬ
ひがみ根性丸出しの 卑怯者
ほんとは不安で不安で 心配性の弱虫小虫
ストレス太りの 侘(わび)しいひねくれ者
それが人生なら なんて無駄な負のエネルギーを費やすのやら
それも人生なら 仕方がないとあきらめ嘆くのか
そんな人生なら 生きている価値も萎んでしまう

悪意のささやきに 耳を塞いでごらん
素直なささやきに 耳を傾けてごらん
ひとかけらの 良心があれば
人は いつでも 変われる
ひとかけらの 情けがあれば
人は いつでも 変わる

〔2020年5月7日書き下ろし。NETで私的制裁を加える輩の心情を想像しつつ、コロナ禍で人への悪さを屁とも思わない者への説教めいたメッセージの一編、無駄かも…でも〕   

伝説の人となる

こんな機会は 
生きてる限り 二度とない
せっかく ステキな椅子に座っているのだから
伝説に残ること しようよ

こんな機会は
二度とあっては ならない
何をしようとして どうなったのか
後世に語り伝えられる 業績残そうよ

こんな機会は
二度あっては たまらない
同じ苦しみや悲しみを 二度と味わうことのないように
頑張った真実を しっかり記そうよ

こんな機会は
二度とごめんだ
何をして なぜみんなが賞賛したのか 
自慢げに語り合う日が 待ち遠しい

こんな機会だからこそ
お友だちも 一緒にやり抜いたと
誇らしく 胸を張って 
これからも 生き抜くことができる

いまこそ 人生の正念場
こんなに辛い 試練の機会
こんなにやりがいのある 勝負の機会
こんなに期待されない 逆境の機会
生き恥をさらしてはならぬ 覚悟の機会
そこに立ち向かう政治力が
伝説の人とならしめる

〔2020年5月6日書き下ろし。スーパーマンはいない。だから過剰な期待はしない。ただ独り相撲はいけない。独りよがりは勘弁してほしい。たくさんの叡智を集めよう。みんなで力強く踏み出すために出口を示そう。大成する機会だよ〕

大阪人の本気度を示そう

4日 国は5月末までの 緊急事態宣言の継続を決めた
なぜ月末までなのか その根拠を示さずに
出口策もなく 時間延長かけるだけ
専門委員会に諮問して 承認得たと自信げに
新しい生活様式の奨励も いままでのことを繰り返すだけのこと
さして 目新しいものはない いつものフレーズの繰り返し
この男から発せられたその瞬間から 言葉も中身も朽ちていく

医療の財政的破綻も 
経済活動の厳しい制限も
今のままでは 生活自体が成り立たなくなるは目に見える
貧困に陥ることへの民の不安が 恐怖に変わる
うまく乗り切り切ろうと 小手先ばかりの鈍足対処法
見栄えばかりを気にかけた 結果がこの始末
票読みばかりに奔走したその対価は 政治力の劣化と退化
それが この国の政治の悲劇だ

国が本来なすべきことが 言えない理由はただ一つ
失政の責任を取らされること
直接暮らしに響かぬ者たちが さもさもらしく論議する
民は これ以上仕事が出来ねば 干しあがり暮らしていけぬ
たかだか10万の金を施されても これで暮らしは成り立たない
中小や個人の事業者への支援金 
提出書類が煩雑で 長時間並んでチェックを受けて 
不備を指摘され 申請にまた並ぶ
出し渋りのスタンスが さらに経営を圧迫 窮地に追いやる

コロナの感染者の数は 毎日データで報告される
見れば分かることだから 覚えていなくても構わない
だけど 中小や個人の事業者の申請数と受理した数は
担当が 毎日チェックしてるでしょう
議員よ その推移と実態把握こそ重要なのだ
借入金のご丁寧なご案内だけでいいのかい
見せかけの支援金を出しますポーズ やめようよ
国債発行も 国の借金は民の借金
後々支払うのは 後世の世代って分かりきって執行してる 
防衛予算の武器購入費を 全額削減しても困らない
せいぜい武器商人のトランプが激怒するくらい
自国の経済しか頭にない者に 返す言葉ぐらい用意しとこう
こんなときに ちょっかい出すのは 中国ぐらい
外交で しっかりやるしかないだろう
そもそもそれが仕事でしょ
福祉・教育・医療・経済・外交・防衛 
みんな連動することぐらい 誰でもわかる
それぞれが 乾いた雑巾を絞るくらいの知恵出して
死に物狂いで 国難を乗り切ることしか道はない
その真剣さや本気度が 感じられないのはどうしてか?

問題は 縦割り行政と内閣府の統制機能の不全さにあるのだろう
長期政権の弊害は 能力ある者の登用より 
世渡り上手の者が周りにはびこる 
政策能力を 切磋琢磨して磨き合うことがなかったことに ただ尽きる
だから 旗振っても踊らず
愚策ばかり提案して 恥をかかされっぱなしになるのは必然
いまさら頭をすげ替えても 後に続く者たちも五十歩百歩

お国の御旗を掲げても はいそうですかと 誰も素直にうなずけない
身から出たさび 隠蔽不可
せめて 追加の支援金の算段をしておかなければ
早々に 民の生活費がショートする
だから 大阪がしびれを切らして 〔出口モデル〕を提起した
西村経済再生相の反論「出口は国が考える」
ご立派な発言には もう誰もついていけません

内閣と賢いお役人に 大阪のど根性見したり!
あんたらのやる気と本気が 
ニッポンを変えるモデルとなる
だから 余計なことは お願いだから せんといて!
すぐにアホするやつ お調子こくやつも 
こんかいだけは ほんまに力貸してえな
コロナ禍退治 しっかりたのんまっせ! 
たよりにしてまっせ!

〔2020年5月5日書き下ろし。大阪で飯を食わしてもらっただけに、大阪人の本気の行動力に期待してます〕

付記
西村経済再生相「出口は国が考える」
政府の新型コロナウイルス対策を担当する西村康稔経済再生相は5日の記者会見で「大阪モデル」について質問され、「(休業要請の解除基準が)知事の権限の範囲内で示されるのはいいことだ」と語った。ただ吉村知事の「出口戦略」という言葉については、こうクギを刺した。「言い方は違う。緊急事態宣言からの『出口』ということなら、国が専門家の意見を聞いて考える話だ」
安倍晋三首相は4日の記者会見で、14日をめどに専門家の評価を踏まえつつ緊急事態宣言の前倒し解除を検討する考えを表明。一方で解除要件となる具体的な数値などは「総合的に判断していきたい」(西村氏)としており、固まっていない。それだけに、政府側は大阪府の動きを静観しつつ国の判断とは別だと位置づける。首相周辺も「(大阪は)あくまでも休業要請の話。緊急事態についてはこちらで決める」。大阪府の基準が独り歩きすることへの警戒感をにじませた。
だが、具体的な道筋を描き切れない政府に対しては、経済界からも注文が付く。5日、西村氏とテレビ会議に臨んだ日本商工会議所の三村明夫会頭は「国民にわかりやすい宣言解除の目安を出してほしい」と訴えた。(朝日新聞2020年5月6日「時時刻刻」から一部抜粋)

子どもを粗末にしない共育

ひとつ
子どものいのちを 粗末にしないこと
ふたつ
子どものこころを 粗末にしないこと
みっつ
子どものまなびを 粗末にしないこと

三つの粗末にしないことを 心にとめると きっと 
いま なにを 粗末にしてはならないのかが 見えてくる 
どうして 粗末にできないのかが 分かってくる
いかに 粗末にしないよう 考える
あとは 一人ひとりの子どもに添って 動くだけ

それが 共育

〔2020年5月5日書き下ろし。子どもの日、〈共育〉こそいま社会に必要だと強く感じた。私の学校経営の教育方針でもあった〕

妖怪に取り憑かれた男

携帯の着信音が軽やかに鳴る

「どうしたい。相変わらずバカやってるかい」

「初っ端からのご挨拶、恐れ入ります。どうもこうも、バカやろうにも外出自粛のこのご時世。何もできずに悶々としておりました。こう暇だと変に大家さんが恋しくて、つい電話しちゃいました」

「いやいや、退屈しきっていたところだから、なんともありがたいね」

「ドイツのメルケル首相が、〈いまは距離だけが思いやりの表現です〉って、いいことおしゃいましてね。それでつい思いやりの電話をかけた次第です」
「嬉しいね。メルケルさんのその言葉、さすが一国の宰相然として、いいね。安倍さんじゃ絶対言えないね。風格が違いすぎるな。彼には、説得力を生む信の一字が欠落してる。せいぜい憲法改正しますって、風吹かぬ旗を振ることにご執心で、コロナ禍のこのご時世に、風を読むことすらできねえ、とんちき野郎だ」

「おやおや、あっしが思ってたとこに、ドンピシャリ的を射ましたね。さすが大家さん。そのとんちき野郎のことで、トゲが刺さってなかなか抜けずにイラつく感じで、モヤモヤしてたんです。なんで安倍さん、憲法改正に肩入れしてるんですかね」

「言ってみれば、岸の爺さんの霊に取り憑かれているってとこかな」

「今日はまた、不気味な事の始まりですね」

「母方の爺さんは岸信介。戦犯を逃れて、戦後すぐに政界でのし上がって首相になり、権力を振るい〈妖怪〉とあだ名された爺さんだった。1960年に日米安全保障条約改正に反対して、全国で580万人が参加する大きなデモになっていったんだ。6月15日には、11万人が国会を取り巻いて、その中にいた東大の学生だった樺美智子さんが警察隊と衝突して亡くなるという事件が起こったんだよ」

「60年安保闘争ってやつですか」

「学生のわしは日和(ひよ)っていたので、いまさら何も言われんが、それが闘争に大きな力を与えてちまって、アイゼンハワーの訪日はキャンセル。挙げ句の果てに7月には、岸内閣は総辞職に追い込まれちまった。そんな騒動の中で、安保条約は結ばれていくんだがね」

「岸さんとの因縁って、なんですか?」

「タカ派のような首相ではあったが、最低賃金制や国民皆年金など当時としては、社会保障制度をつくって、高度経済成長の礎を築いた人でもあったんだ。その岸さんはGHQが押しつけた新憲法なんぞ認められないねえと、改憲に意気込んでいたわけさ」

「安倍さんが、盛んに憲法改正を訴えるのは、もしかして弔い合戦?」

「そう考えるとわかりやすい。紆余曲折があってなかなかできずにいまに至るが、彼は結構粘着質だから、しつこいタイプだね」

「それに根に持つタイプ」

「広島の河井夫婦に1億5千万もの金を渡して、宿敵打倒を果たした参議院選は、見事だったね。その金の使い方の汚さがいま暴露されて、検察がどこまで立件できるかが鍵になっているね。ここでまた、東京高検検事長の定年延長を得意の閣議決定にかけて、自分に累が及ばぬよう、検察まで牛耳ようと躍起になっている。そこで踊っている森法相もとんだピエロ、滑稽極まりない。コロナも最初はひとごとだった」

「安倍さんも、いまじゃやってる感を見せているのに、世界のリーダーに較べたら、とんと評判が良くない。都合の悪いことには、人が死んでも知らぬ存ぜぬと隠してきたツケが回ってきてるんですかね」

「うん、周りが見限るタイミングを知って、内心焦っていると思うな」

「憲法改正って、口を開けば自民党の悲願だの、自衛隊は合法化すべきだのって、憲法をいいだけいじくって、平気で違憲してきた人に意見してやってくださいよ」

「コロナで予定が狂ってしまったことが、大誤算だったね。彼の頭の中じゃ、爺さん悲願の憲法改正、自分のためのオリンピックの開催。それしか、頭になかったから、前代未聞のコロナで遅れを取った。軽く考えていたんだね。ところが、甚大な事態になってきて、伝染病対策の備えのない体制では、だれもアイディアが浮かばない。それどころか災害対策のような前例踏襲の対策しか思いつかない閣僚たちや官僚に預けてしまった。それがそもそもの致命傷。やることなすこと後手後手で、効果が上がらないから強権で縛ろうと、自民党からどさくさ紛れに改憲を持ち出す始末。それにすぐ乗って改憲を口にする軽薄なところが、さらに顰蹙(ひんしゅく)を買うなんて思ってもいない。優先順位が全く理解できない男。どこまでいっても能力のない宰相気取りに、国の舵取りを任せているだけでも、コロナ以上の危険極まりない甚大なリスクを民は負ってるんだよ」

「あっしらから見ても、本気でやってるって気にならない。その場しのぎの、それも専門家って言葉を多用して、さもさもらしく持ち上げては、失敗したら責任をおっかぶせるくらいの人身御供かとも思えてならない。それだけ信用できないってことですかね」

「妖怪爺さんの孫だけに、あなどれない策士だね。そこんとこでずいぶんやられてきた」

「なんですか、そこんとこって」

「一番は、集団的自衛権行使を禁じるっていうのを、憲法の解釈を変えるのに内閣法制局長官を代えて閣議決定するんだ。これで味を占めて、何でもかんでも法を無視して閣議決定する。特定秘密保護法、共謀罪、公文書改ざん、桜を見る会の私物化、検事長の定年延期、コロナ対策の全国一斉休校の独断決定、マスクの馬鹿げた配布も、そしていままた延長をかけるという緊急事態宣言と、一体何をやってきたんかと思うほどわけのわからんデタラメさが、この政権の正体だね」

「なんのために憲法改正するんですか? だって解釈変えて、法が違憲でないかどうかをチェックする内閣法制局が、はいその通りっていえば、みんないいですよってことになるんでしょ。憲法変えずに強引にやってこられたことを、なんで?」

「違憲だったわかってやってる確信犯は、それを合憲にするともっと強権を発動しやすくなるよね。集団的自衛権も、第9条を袖にする違憲だって憲法学者がこぞって反対したんだ。それこそ日本の法のエキスパートたちだ。それを無視して、御用学者の論を正論にするところが、この政権のしたたかさ。特定秘密保護法てえのは、漏れると国の安全保障がやばくなる情報を〈特定秘密〉にして、その情報を扱う者は調査・管理され、それを外部にでも知らせたり、外部から知ろうとしたりしたら罰せられるというとんでもない法律なんだ。スパイ監視法だね。余計に政権が何をしてもしでかしても、この法律で守られるという、とっても都合のいいもんをつくったというわけさ」

「戦前によく、治安維持法で国民を監視したことで、悪法っていわれたけれど」

「それが、共謀罪なんだ。改正組織的犯罪処罰法に含まれた〈テロ対策〉の共謀罪ってことなんだね。これは実際に犯罪を起こさなくても、相談や計画して準備していると疑われただけで捜査や逮捕ができるという、治安維持法の復活ともいわれた法だよ」

「それじゃ、大家さんとこんなやり取りしていて、不穏な者たちがよからぬ相談ぶってるってチクられると、取り調べられるってことですかい」

「その通り。この電話だってもう盗聴されているかもしれない。だって〈年寄りの反乱〉などと気勢を吐いたからね。人権や自由を侵害する恐れが強い法を、平気でつくってこられたのは、国会で論じることなく数の論理で強引に押し通してきただけのことでしょ。だからいまも国会は、何の役にも立ってはいない。一律10万円の支援を我が党が言い出しっぺですって、手柄の奪い合いをする程度のレベルの政治家たちに、一体何を期待できるっていうんだい」

「またまた怖いお話になってまいりましたね。これが怖い物見たさの楽しみです。ラインもメールも監視されるんですか? それって誰が決めるんですか?」

「捜査当局の腹一つだね。盗聴、盗撮、密告も重要な情報収集。だから、監視社会になるってずいぶん反対もしたけど、結局決まってゆく」

「監視社会って、いまのご時世そのものですね」

「そうだと思うよ。村から感染者が出たっていうんで、誰だと村役場にねじ込んでいく。小さな村ならではの互助の心が、簡単に打ち壊されていくのを目の当たりにすると、自粛を一見お願いしているように見える緊急事態宣言は、日本人の〈汚れを排除〉しようとする世間のおきて(心情)をうまく操作して、疑心暗鬼になるように集団監視させる。感染者を犯罪者に仕立てた大衆誘導のやり口は実に巧妙で、座布団一枚あげたいよ」

「好き勝手できるのに、なんでこのタイミングで改憲にこだわるんですか」

「優先順位がそもそもわかっていない。先に改憲ありきで走ってきただけに、何が何でも自分の代で道筋を付けたいという私的な願望であって、決して大義ではない。特に改憲に〈緊急事態条項〉を入れるといってるけど、これができれば内閣は国会のチェックを受けずに法律と同じ効力を持つ政令を出して、無条件に人権を制限することだってできちゃうんだ。自由な人の往来を禁止する罰則をつくって取り締まるってことは、いつでもやれちゃう。法律ができれば大義名分が立つから、当然取締りにあたる警察だけではなくて、みんなで堂々と取締りに参加することができるというわけ。法の番人にみんながなるってことなんだよ。それが戦前の国民を統制してきた〈非国民システム〉の再来ということだね」

「これって、劇薬みたいなもの?」

「劇薬か。使い勝手では薬にも毒にもなるが、多くは国民には毒になるだろうね。なんせどんな状況が緊急事態なのか、その判断やどんな法律で国民を縛るかは、その時々の政府の判断になるから、簡単には判断できないところが問題だね。それ以上にそれを提案しようというのがいまの内閣だけに、無理かな。さんざんいままでの汚いやり口を見てきただけに、信用できない者の話を、まともに聞けますかってところだね」

「いまのやり方でともかく収束に向かうようだったら、そんなもんはいらないわ」

「優先順位ってのは、そこんとこなんだ。いまの事態をできる限り有効な手を打って収束させることしかないだろう。まだまだ予断を許さない事態に有効な手をドンドン打たねば国家じゃない。医療者への感謝と支援はよく口にするけど、受け入れの病院の経営は6月には資金ショートするところも出てくるという。もっと深刻な問題があっても、厚労省は何の手立ても講じていない。出来の悪いマスクの配布より、こっちが先だろう。改憲論議はその後にしたって遅くはない。朝日の世論調査でも72%は、国会での改憲論議は急がなくてもいいってのに、暢気に論議しますっていう神経が全く理解できない。困窮者や労働者支援と経済の立て直しに集中すれよと言いたいね」

「その通り。改憲論議もすぐに改憲しますってしろもんじゃないでしょ」

「国民投票だのなんだのと手続きがあるから、おいそれとはいかんだろう。任期中には無理だとあきらめないのが、あの男の執着心だ。もう死に体にも関わらず、最後のあがきの改憲願望。ここは断(た)っていただきましょう。そもそも第9条をいじるなんて、そこからして反対が国民の6割以上もいるんだよ。自衛隊だって、現憲法でも認められているにも関わらずに、だ。そうするには意図があるわけで、集団的自衛権との絡みで〈軍隊化〉を目指してるんだろうね。日米安保条約も60年の還暦を迎え、核の傘下によって守られてるっていうけどそうかい? 本当にアメリカ追従の路線でいいのか、今一度考える節目の年かな。〈核時代の創造力〉(大江健三郎)を取り戻すときだと思うな」

「彼はいったい何様になりたいんですかね」

「憧れは絶対権力者。ロシアのプーチン、もしかして中国の習近平かもしれない。トランプは、金に執着する商人だからモデルにはならんだろう。この秋の大統領選挙でどうなるかわからんしね。残念ながら、今回安倍さんの指導者としての資質の低さが世界に知れ渡ってしまった。ドイツのメルケルの政治力が評価されるのは、ナチスや旧東ドイツの独裁政権による私権制限がトラウマになっていたことから、〈緊急事態法制〉という規制力の強い法ではなく、〈感染予防法〉で対応できるとふんで適用したんだ。それでも行動制限はかかったけど、93%が支持してるんだね。ナチスのよる独裁の負の歴史を踏まえて、やみくもに国民の自由制限や思想統制をするといった愚策は選ばない。その政治哲学と政治力学、そして倫理観のもとに、民主主義社会を維持しようとするメルケルの気概に満ちた〈ことば力〉が、国民を説得する。そんな指導者に触れて、国民には誇り高く映ったに違いない。そこが大きな違いじゃないかな」

「いまの指導者を誇れるかどうかという一点ですね」

「その通り。それぞれの価値観があるから、一概にどうこうとは言えないにしても、いまの国の指導者を誇ることができるかどうかで、国の行く末や国民の政治への意識の高さが左右される。このタイミングで出た改憲問題は、政治家のレベルの低さがまたも出ちまっただけのこと。情けない政治家を擁する国であることだけは、確かめられたかな」

「一つひとつのことの善し悪しを判断する前に、もっと基本にあるのは自分たちが選んだ政治家が、果たして誇れるに足る人材であるかどうか、ですね」

「このコロナ禍は、議員としての器量を見極める試金石だ。選挙後は一切顔を見ることのない〈雲の上の人〉を下界に降ろすことが、肝心だね。だからこそ、いま政府や政治を批判する声をないがしろにしてはならないんだ。本当に命や暮らしに危機感を感じているいまこそ、民の声を丁寧に上げていかなければならない。それこそが民主主義を守る闘いともいえるね。60年や70年の安保闘争よりももっと熾烈を極めた〈命と暮らしを護る国民闘争〉の渦中にいるのだと、そう思うと政治家たちはきっと焦るだろうね」

「その命や暮らしを護るためには、憲法こそが政治の根幹であり、あっしらの拠り所であるということですね」

「さすが、だんだん読みが深くなったね。こうして大事な話ができるのも、きっと今できる〈年寄りの反乱〉かもしれない。ただ政治の世界には、たくさんの〈妖怪〉が出番をいまかいまかと待っているから、油断大敵。常に政治を、政治家を監視しなければならないよ。それが国民の義務ってもんだ」

「おっと、監視されるんじゃなくて、こっちからしっかり監視する。いいですね。それが監視社会をぶっ壊すことになるってことですね。合点承知しました。今日も長々と講義をいただきまして有難うございました。次を楽しみに、今日はこれで失礼します」

「ありがとよ。あんたもコロナに罹らぬように、ましてや罹ったと思って動くのも大事だね。早く収束することを願って、わしも要介(ようかい)護にならぬよう昼寝とします。はい、さいなら」

※治安維持法(1925年制定):敗戦までの20年間、思想や大衆運動を弾圧した。当初は共産・無政府主義者を対象にしたが、改定を重ねるなどし、戦争に異を唱える人や自由主義者、宗教家らに適用を拡大した。治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟によると、当局発表で約7万人が送検され、作家の小林多喜二ら拷問死した約90人を含め、少なくとも400人強が獄死した。

〔2020年5月4日書き下ろし。長文になり、読むのに疲れたことでしょう。二人の会話から改憲にまつわる問題を汲み取っていただければ…〕

正しく生きよう

確かなことは 
今世紀最大危機が 世界を襲ったことだ
誰かの不幸が 慰められるのではなく 
責められることに なぜ苦しめられるのか
仕方なく子どもを預け 
現場に立つ 医療者たち 福祉人たち 
危険を承知で いまも働く
あまたの人が 苦渋に満ちた決断を強いられる 
そこに 冷ややかな目線と差別の言葉が 
無慈悲にも 胸を突き刺す

いつも 
こうして排斥してきた
民の哀しくむごい歴史が 繰り返される
危機に遭遇して 
その人間の卑しき本性が 見事に現れるコロナ禍
歯を食いしばり 怒りを抑えて 寛容を示そう
そうしなければ あまりに切ない世の中だから
生まれてきたわけに いまはただ心を砕こう 
人として生きる座標軸を 失わぬようにするために
日本国憲法の下で 正しく生きよう

〔2020年5月3日書き下ろし。心ない中傷が後を絶たない。それでも現場で頑張る人たちが、人としての生き方あり方を示し続ける。憲法は人権を護れるのか〕

携帯が手放せない

新米ママは 育児で悩む
公園デビューも 果たさぬうちに
コロナ禍で 外出自粛が広がった
頼りにしている実家の母は スマホじゃない
テレビ電話で話せたならと ないものねだり
東京からは 呼び寄せできぬ 
育児の相談 顔見てできる相手もおらず 
携帯で検索かけて 情報収集
世の中の不安と 育児の不安のダブルパンチで 
今宵も眠れぬ夜を 迎える
連れは テレワークなど無縁の会社で働きずくめ
疲れ果て 育児パパなどどこかの世界の夢物語
薄明かりの中で 静かに吐息を吐く乳飲み子に
起こされるまで しばしの添い寝が 今日のお駄賃

スマホで ラインのやり取りするのが 一番の慰め
誰かとつながっていないと やりきれない
いつ明けるともわからない コロナ禍の重苦しい空気を
せめて 誰かとつながることで 不安を払いのけたい
家族の無事や 友の無事を確かめたくて 
世代を問わず つながることで 心の不安と負担を軽くする 

入力が 絵文字ばかりじゃつまらない
元気? 大丈夫? と尋ねて 絵文字で戻るOKマーク
だから 声聴くことが一番と
長電話無料契約を有効活用
携帯を 耳に長時間当てるのは 無謀なこと
だからスピーカにして あたかもそばにいるかのように
お茶しながら 四方山話に 花を咲かせる

携帯の 人をつなぐ大きな力
携帯で 人がつながる確かな喜び
携帯がなければ 
もしかして ひとり残され 不安に駆られているかも
携帯があれば 
もしかして 誰かと一緒に この惨禍を乗り越えられるかも

だから携帯で 思う存分おしゃべりを楽しもう!
きっとそれが いま求められる新しいきずなづくりかも
 
〔2020年5月1日書き下ろし。私はガラ系。妻はスマホを充分活用している。80歳の師が一昨日スマホに代えたとメールがきた。このブログも今日操作を覚え見られるようになったとメールがきた。現代を生きる師にすでに置いていかれる〕

道産の食と人を誇る

2月 ビニールハウスで育てられた 知内産のニラが出荷された
しゃぶしゃぶが 一番シンプル 甘みも抜群 ポン酢でいただく
道産豚の餃子の具にすると 香り立ち 食欲をそそる
十勝の大豆を使った 中札内村産の木綿豆腐を湯豆腐にして 
そこにニラを入れるのは 我が家の定番
当然出汁昆布は 北の離島の礼文昆布

米は メジャーになった〈ゆめぴりか〉
あきたこまちや新潟のコシヒカリにも 匹敵する
10年来長沼町の米農家から直接購入 
自宅の小さな精米機で 食べる分だけ精米する
炊きたては おかずいらず
塩むすびなら 米のおいしさを見事に引き出す

コロナ禍は 道内の食料生産と供給を 窮地に陥れる
すすきのの歓楽街や 市内の多くの飲食店の灯が消えると
消費されることなく残され 市場は機能不全を起こす
だから 酪農業は生産調整するか 出荷をセーブする
漁師は それが難しい
旬の魚を獲らねば 暮らしが立たない
冷凍可能な魚もあるが やはり旬で味わいたい
4月 群来のニュースが流れた時には こころ踊った
さっそく市民生協コープで物色し 数の子が入ったニシンをゲット
いつもなら 白子で膨らんだオスが並ぶ
数十年ぶりに 軽く塩を振った焼きたてを しみじみと味わった   

札幌円山公園のサクラ開花宣言の前日 みどりの日
近くのスーパーマーケットで 旬の魚を求めた
苫小牧沖の大きな子持ち黒ガシラ 破格の値段!
煮付けにしよう
増毛の浜で上がった甘エビ 
炊きたてのゆめぴりかの上に並べて 生甘エビ丼にする
生寿司のパックに 目がいった
毛ガニ いくら ボタンエビ ホタテ ホッキ貝 シャケ など
ついでに 大好きなイカの塩辛が安かった 
お茶漬けの具材に 重宝する
森町に単身赴任で暮らしたときには
「イガー、イガー」と 
朝っぱらから イカ売りのスピーカーで起こされる
鍋を抱えて走り イカ売りの車を探す
朝から イカそうめんにして食す
イカゴロや足や耳は 塩からの具材にするか 
塩を振って冷蔵庫に放っておき 夜バターで炒めて酒の肴に変わる
近年イカの不良で 塩辛も高くなった
いまは 新鮮なイカを買うのも躊躇する

コロナ禍で 意気消沈してられない
気力と体力を維持しアップさせるには 北の海の幸が一番
買い込んだ食材で 久しぶりの贅沢を決め込む
食卓に並んだ 海の幸を肴に
酒は釧路の地酒福司 
2月に会った釧路の友からの贈り物
妻の優しい味付けに 煮付けた黒ガシラは絶品 唸る
デザートは 隣町の江別の洋菓子店
〈ガトー・ド・ノポロ〉のゆりねのモンブラン 
上品な甘さと口当たりのいいやわらかさ
お店で二人で食べれば 1万円では足りないリッチな食事
外出自粛で 自宅での楽しみ方が一つ増えた
いい気分転換になった 

道産子でよかった
新鮮な食材が 身近に豊富にあることに尽きる
その食材を用いた 料理のバラエティーは半端ない
生産者の地道な研究と労働に支えられ 
多くの調理職人の味覚と創造力 そして確かな技によって
食する喜びを 与えていただく
彼らが決して 窮地に陥らぬよう 
北の食文化が 未来永劫豊かに紡がれるよう
祈らずにはいられない
 
いただいた食材の命に感謝
食材を精魂込めて 市場に送り出した方々に感謝
それを食品加工したり 搬送し販売する方々に感謝
さらに食に関わる 全ての人に感謝
そして コロナ禍で一日を無事終えたことを
妻と共に感謝したい

食する事への感謝とは 
いま生かされている喜びを 強く心に刻むことでしかない

〔2020年5月1日書き下ろし。道産の食と人を自慢したい。それが活力の源であることは間違えない。命と暮らしを支える皆さん、コロナ禍に負けず頑張ってください!〕

現代政治用語集

〈長期政権とコロナ禍〉
いつか 民からつけがまわるのではなく
先に 民につけをまわすこと

〈井戸塀の政治家〉
金と権力にたかる しがない者たちとは
縁もゆかりもない 夢の政治家

〈記者会見〉
借り物の言葉で 民への不誠実さを
つまびらかにするところ

〈予算委員会〉
よさんかいと言われるくらい
いい年こいた議員たちが 
スキャダルを 真剣に暴こうとするところ
相手も暴かれぬよう 必死にこらえ強弁する
楽しいバトルは 民心をゴシップ漬けにして
民意のレベルを下げることに 力を注ぐところ 

〈国会議員〉
上級国民の最たるおひと
世渡りと集金力に長けた 選ばれたおひと
いまは血筋がものをいい 親の地盤を継ぎしおひと
仕事はしなくても 仕事が出来なくても
席を温めているだけで 仕事のふりができるおひと
身を切る歳費カットは 好まぬおひと

〈国会〉
立法は 質より量の数の論理が横行し
常に 数に勝る党が制するところ
議論は飾りで 民意は及ばぬ 立ち入り禁止ゾーン
国会中継は うまく演出された出来合いレース
だから 余計に民心は遠のき 
してやったりのしたり顔は 誰がするのか 
おわかりでしょう

〈政治資金〉
国会議員選挙の時に必須な金
公示前に 地元の有力者に現金をばらまいても
罪には問われない クリーンな資金も含まれる
1億5千万円の政治資金を元手に戦った 
注目度も高い 広島の元法相の一件 
検察の度胸試しに 乞うご期待!

〈選挙区〉
選挙の時だけクローズアップされる 地盤というところ
お金と地位を生み出す 美味しいところ
品格を問われるほどの悪さをしても 
支援者は見限らない 居心地のいいところ

〈長期政権〉    
次代を担うに相応しい人材が 誰もいないこと
代わり映えのしない面々が居並び 
ダラダラと歳を喰いながら 互いに称え合い 
不気味に常態化した 異様な集団

〈族議員〉
政策課題に特化した委員の集まり
大企業や特別な政治団体からの
潤沢な政治献金を当てにして
おこぼれにあずかる者たちも 属(族)する

〈与党と野党〉
議員の数の違いで 色分けされる
金回りがいいと 人も集まり与党となり
金回りが悪いと 野党のままでいるしかない
だから趣旨替えしてまでも 与党に鞍替えする
これを裏切りとは言わず 時流に乗るという

〈女性議員〉
女性の議員の割合は 世界でも最低レベル
ただ 市川房枝さん 土井たか子さんとは
究極にいて 勘違いする者も少なくない
女性タレントで票集め 
愚策を続けることしか能がない
これは 男社会の限界か

〈適材適所〉
めぼしい人材のいないことを 
かばうかに見せて 暗に認めること

〈未来志向〉
コロナ禍の いまはさておいて
当てにならぬものを 信じ込ませようと
未来に希望をと ただ見させるだけのこと
見せ金もどきの 不毛な願望志向

〈前例踏襲〉
コロナ禍の 緊急事態に対応できずに
持ち出しては 笑われる死語

〈10万円の一律給付〉
1万円は 天引き消費税
実質9万円
あくどい商人もどきの やり口 だまし討ち

〈責任は私にある〉
決して責任をとらない 反意語
ごまかし はぐらかし 言いつくろうスキル
身につけていなければ 
トップの座には 居座れない
神輿は タダでは担がせない 
忖度させる政治力
責任は私にあると発して従えさせる
不思議な呪縛の言葉

〈政治判断〉
知見なく 科学的根拠にも乏しく
熟考していたと さも見せかけた独断専行
判断を誤れば 取り巻きが尻拭いをさせられる

〈政治力〉
金力と支配力
情報力と隠蔽力
多数決の乱用力と異見無視力

〔2020年4月29日書き下ろし。現代政治事典風にご時世を論じて見ました。ただ虚しさが募ります。いつか呪縛が解かれますように〕