阪野 貢 のすべての投稿

同調圧力

少女は 友だちがもてることは 心配しなかった
少女は 友だちになったことで 心配になった

秘密を打ち明けたら バラされた
信じられなくなった
嘘をつかれるかもしれない
はじかれるかもしれない
はぶかれるかもしれない

少女は 自分を封印した
少女は 友だちのコトバとタイドに敏感になった
少女は 空気を読むことを 自分に課した

付き合うことに 疲れてきた
その場にいることで 過呼吸になりそうだった
そこは 自分の居場所ではないと よくわかった

少女は ひとりになった
少女は それから友だちを求めなかった
少女は 中学を卒業して ホッとした

高校で ボランティアサークルに入った
ただなんとなく 知らない人に会いたかった
周りを気にせず 初めて受け入れられた
身構えていた力が スッと抜けていった 
自分らしく振る舞えるような そんな予感がした

〔2020年1月20日書き下ろし。昨日の続き。中学生時代に友人関係で悩む子は多い。ボランティアは、そんな子には自分を取り戻すことのできるチャンスかも知れない〕

高校生とボランティア

サークルで ボランティアしている
顧問の先生は 優しい人だ
だから 先生と一緒に活動するのは楽しい
先輩たちがやってきた 老人施設の訪問活動 今も続けている
介護する大変さを 横で見ながら
足手まといにならぬよう お手伝いをしている
月に一度 施設の喫茶室で 
カフェを開いて お年寄りさんをお接待
お茶やジュースを出しながら 楽しく動く 
お話ししたり 聴いたり 自然と笑顔になる
ほっこりしてくる 一番好きな活動だ

放課後 バイトも忙しいけど
それでも サークルを続けている
いつでも都合のいいときに できる範囲で できることから
そう誘われて 入ったサークル
規制が少ない分 負担も少ない
月に一度のカフェだけは できるだけ続けたい 

忙しい高校生活 その大事な時間
バイトしていたほうが お小遣いになる
自由時間は 好きなことしたほうが 楽しいに決まってる
部活に青春をかけている子も たくさんいる
それなのに どうしてボランティアしてるの?
大事な時間を どうして人のために使っているの?
なぜただ働きしてるの?
ボランティアしてない子から 
いいことしてるねって 皮肉っぽく
不思議がられて 聞かれる質問
冷やかし半分の相手に
言っても わかってくれそうもないし
わかってもらおうとも 思わないから
笑ってごまかす

でも 少しわかってきたこと
ボランティアって 肩肘張って することじゃない
ボランティアって 自分でこうしたいと思う気持ちが なきゃできない
ボランティアって 楽しくなきゃ 長続きなんてするわけない

ボランティアは 
きみが 大人に成長していく通り道にある 人としての学びの世界 
いろいろな人の生き様や 理不尽な社会の問題との出会いを通して
きみのこころが揺り動かされ 体験を尊い学びに変えてゆく世界
きみが 生まれて来た理由
きみが 生きる理由 
自問自答しながら
いのちの芯を鍛える 
こころの芯を鍛える  
まなびの芯を鍛える
それは 同級生より少し早めに大人になるための
自ら選んだ 初々しいトライアル

ボランティアの世界にようこそ!

〔2020年1月19日書き下ろし。今日苫小牧で高校生のボランティアスクールがあった。過去に出会った高校生たちの戸惑いや喜びを伝えたかった〕

茶の間

たった2間の小さな家だった
お客さんが来ても 子どもらの逃げ場はなかった
だから 茶の間でおとなしく
大人の話を聞くように 躾(しつけ)られた

世間の大人は どんなことに関心があるのか
おばさんたちの話は 飽きない 尽きない
大人の世界に興味津々 背伸びする
ついつい 身を乗り出す子どもたち
口を挟むと 大人に話に口出すなと叱られる
まあまあと取りなされて 
子どもは ペロッと舌出しながら 耳をジャンボにして聞き入った

親は どんな人たちと行き交いしているのか
親は どんな話を愉しんでいるのか
未知なる大人の世界への憧れ

小さな家の茶の間は 子どもの居場所です
小さな家は茶の間に 人のぬくもりが満ちています
小さな家の茶の間が 噂話の詰まった世間です

いまはみんな
大きな家になりました
客が来れば 子ども部屋に待避します
大人の話の邪魔にはなりません
大きな家になりました
茶の間は 食事時(どき)の限定ルームとなりました
後は個室で くつろぎます
大きな家になりました
気軽に他人(ひと)も 来なくなりました
家の中を査定されるのを 拒否します
大きな家になりました
茶の間は 近所の人も 気軽に立ち寄ることなく
世間が だんだん遠くになっていきました

子どもが成長して 家を離れ 
家の空気が 冷え冷えしてきました
地域とのご縁もどんどん薄れ 
孤独に耐える日々となりました

ついに 大きな家は 住む人なくして 残ります
大きな家は 売りに出しても買い手はつかず 残ります
大きな家は ただの無用の長物となり 朽ちていきます 

そうならぬように
小さな茶の間が 必要な時代が
いまかも知れない

〔2020年1月18日書き下ろし。茶の間という小さなぬくもりがあった空間が大きな家になって消滅し、地域の人とのつながりも空洞化していく。だから地域に小さな茶の間づくりが求められるのでしょうか〕

拿捕(だほ)

1月15日 根室市にいた
人口2万4千人弱の国境の町
ピーク時の半分になっていた
この町で 200人のベトナム人が 水産業に従事する
外国人労働者として 期待されている
石垣雅敏市長は 福祉への参入も構想しながら
市内の企業関係者と共に
ベトナムの各都市を 訪問していた

最盛期の活気は失ったと 地元民はつぶやく
それでもなお国境の町は 漁業が基幹産業なのだ     
それを支える人材は 
はるばる南国ベトナムから やって来た
しばれたマチで 水産業に従事する
その待遇が 正当に評価されてこそ
外国人は 集ってくる
彼らの理解と 彼らとの共生が 
市民に問われる町でもあり 未来でもある

15日午後 拿捕(だほ)された
歯舞漁港所属の マダラ底はえ縄漁船「第68翔洋丸」(29トン)
ロシア国境警備局の臨検を受け 国後島古釜布に連行された
日ロ双方の水域内での操業条件を決める日ロ漁業委員会を受け
1月から 北方4島周辺のロシアが主張する200海里内で操業していた
嫌疑は 船倉にあったアブラガレイの頭部が切られていたこと
マダラ漁で カレイの漁獲も認められていた
でも 1月からの日ロの新ルールの厳格化で 頭を落とした魚は積載できない
頭を切り落とすのは 加工したと見なされた
漁師たちは そんなルールは聞いていないと反論している

暮れにも 安全操業のタコ空釣り縄漁の漁船5隻が 拿捕された
タコの重量の記載が過小だったと クレームをつけられた
1100万円の罰金を支払い 放免された
儲けは飛んで 厳しい正月を迎えたことだろう
市長は容認できぬと 国に強力な漁協外交を求めている
安全操業は 日ロの協定に基づき 管轄権には触れておらず
政府はロシアに 拿捕や罰金は認められずと抗議している
その抗議 何の効果もなく 
15日 また拿捕が起こる

ロシアは 自国の法を厳格に運用したと 主張する
プーチン政権の 外交・内政に関わることで
過去にも 拿捕という常套手段を使って 実効支配を強調し
北方領土は自国だと 国民にアピールしてきた
関係者は 安全操業を続けるために
漁業者に よりいっそうの警戒を呼びかける 

これからも ロシアは強行に出てきます
糠に釘打つ 無力な外交 続きます 
ロシアとの領土交渉
友だちごっこで 期待させ気を持たせて 
待たせたあげくの果ての頓挫です
日米の安保条約が足かせだと ロシアの主張は建前で
本音は透けて見え見え 返すつもりは鼻からない

厳寒の国境の海で働く漁師たち
厳しいルールと労働環境の中
今日も 船を繰り出して
北方領土の問題と安全操業を 国民に訴え続けます

拿捕の翌夜 東京都内の日本料理店
有名芸能人と 嬉しそうに宴に興じる御仁
プーチンさんとの 次の会食機会がもしあるのなら
国境の海で採れた 根室のタコのしゃぶしゃぶを 一度ご賞味ください
舌鼓を打つプーチンさん 
なおさら北方領土はロシアだと 主張することでしょう

〔2020年1月17日書き下ろし。16日根室で出会った人たちからロシアの拿捕の意図を聞かされ、国境の海で生きる漁師たちの厳しさを思い知らされた〕

不始末の始末

人生の始末のつけ方 こうありたい
せめて他人(ひと)から 
事に当たって 
一念通して生きた人だと
言われたい

批判を恐れず のうのうと
国の財政の 舵を取る
毎年膨張する予算の認可と
借金財政放置する 
お役目ご苦労さまです

相手の痛みに添えぬ口害 数知れず
ジェンダー差別の発言も
今年も期待通りの 堂々不名誉連覇中 
刃向かいそうな輩には 
恫喝(どうかつ)まがいの すごみをきかせ
強面(こわおもて)を して見せる
怯(おび)えた者は 身が縮こまる

国会で 人を食ったような薄笑い
老後資金の二千万円の具申も
ないことにする離れ業 見事なり
誰に 顰蹙(ひんしゅく)買おうとも 
揺るがず生きるしぶとさは 彼の持ち味 
へたらない
こびらない
へこたれない
世間の常識通じない 
叩かれても 叩かれても
懲りない 懲りない
この御仁
恐れを知らぬ 政界の猛者(もさ)なり

総理の中東3国歴訪の 留守を預かる副総理
いつもの通り やらかした
一文化 一文明 一民族 一言語の国は 日本のほかにはない
制することもできず 制する者もいない 独断場
自由奔放好き勝手 こうして生きられるこの国は
なんて素晴らしい国だと言いたくて
思いつきで 考えなしに口走る
大陸や朝鮮半島から来た民が 文明文化を伝え
建国の礎になったことは ご存じないか
他国に占領されたことがないとはよく言った
GHQは なんなのさ
「誤解があれば」と失言訂正 
枕詞は 聞き飽きた
誤解した民に非ありと 言うが如し
民は 一言語の日本語の意味を 
取り間違うことはありません
ただし 沖縄の人と青森の人との
土地のコトバでの 意思疎通は難しい
コトバも文化も慣習も 大きな違いがあるのです

失言と 知ってか知らずか 
芯が通っていると 受けとめられて
地元ファンには たまらないキャラクター
郷土の誇り 郷土のたから 郷土のボンボン
だから選挙は 落ちません 落としません

不始末の始末のつけ方 こうありたい
あの人だから いまさら言っても仕方ない 
事に当たって 一念通して生きた人だと
きっと言われる人となる
そんなあなたに わたしもなりたい

〔2020年1月14日書き下ろし。懲りない面々の代表です。そのしたたかさにあやかりたい〕

付記
政治家のジェンダー差別発言 麻生氏がワースト「連覇」
2019年の政治家のジェンダーに関する問題発言を取り上げ、ワースト1位を決めるインターネット投票の結果が11日発表され、1位は麻生太郎財務相の少子化に関する発言となった。麻生氏は昨年も1位に選ばれており、ワースト「連覇」となった。麻生氏への投票理由「問題発言多いのに反省ない」
投票を実施したのは、上智大の三浦まり教授(政治学)らによる市民団体「公的発言におけるジェンダー差別を許さない会」で、今回で3回目。同会のウェブサイトであらかじめ提示された8発言に対して1人最大2票投票できる仕組みで、19年12月30日~今年1月9日の投票期間中、前回より約1800人多い3820人が参加し、投票総数は7593票だった。その結果、1位は麻生氏、2位は安倍晋三首相、3位は平沢勝栄衆院議員となった。(毎日新聞2020年1月11日)

麻生氏「2000年にわたり同じ民族が、同じ言語で、同じ一つの王朝…日本しかない」 批判呼ぶ可能性
麻生太郎副総理兼財務相は13日、地元・福岡県飯塚市で開いた国政報告会で、「2000年にわたって同じ民族が、同じ言語で、同じ一つの王朝を保ち続けている国など世界中に日本しかない」と述べた。「アイヌ民族支援法」はアイヌを「先住民族」としており、日本が単一民族国家と受け取られかねない発言は批判を呼ぶ可能性がある。
麻生氏は講演で世界の中での日本の存在感を語り、日本人が自国に誇りを持つべきだなどという話の流れで、この発言に及んだ。
アイヌ民族支援法は昨年4月に成立した。法律として初めてアイヌを先住民族と明記し、アイヌの独自の文化の維持・振興、アイヌ以外の国民との共生などを掲げている。(毎日新聞 2020年1月13日 )

やめられない

福祉に生きた師の生涯
二人で毎週語り合い ようやく脱稿
4ヶ月近い日々
なんと 充実した時間であったことか
出版までの時間が 待ち遠しい

終わった途端に
また新たな取り組みを 二人は考えた
やらなきゃならないことを 
置き忘れていることへの悔しさ
やり切れていないことへの口惜しさ
新たな課題へ挑む やめられない面白さ

きっと そうするだろう
きっと そうしなければならないだろう
きっと かなり愉しいだろう

今度の課題は 師が運営してきた老人施設の この十年間の経営検証
介護保険制度導入以降の老人施設の経営は
規模によっても 人材確保においても 厳しい状況に置かれてる
手強そうで 手応え充分
門外漢の素人が どこまで書けることなのか
まずは 当たって砕けろの 心・意気
二人で望めば 願いは叶う
二人で臨めば 怖くない
二人で語れば 文字になる

やめられない 仕事の面白さ
じっくり 味わい尽くすまで
まだまだ続く 気の抜けない緊張感
それが 二人が生きる実感そのもの
それは これからの老人福祉施設のあり方を問う問題提起
書き終えるまで 二人の昼にパンと牛乳は欠かせない

〔2020年1月13日書き下ろし。あります。施設経営者と共に、過去十年の検証を通して今後の展望を考えてみたい。パンと牛乳の昼食、これからも続きます〕

1・17以降に備える

阪神淡路大震災から25年
今年も 霊を悼み 静かに合掌する

地震 台風 暴風豪雨 酷暑と大雪の異常気象
家屋倒壊 地崩れ 堤防決壊 水害 停電 交通網の寸断
震災以降毎年 被害甚大な自然災害が
日本列島に 容赦なく襲いかかってくる

ダムも堤防も 役には立たない
過去のデータは 次々と書き換えられた
今まで何事もなかった地域に
満遍なく 見事に 
予想を超えて襲来し 民の暮らしを非情に叩く

ローンの残った家屋の水没 損壊
道路 橋 堤防 河川 農工業用地の 破壊と破損
農業地域は作物壊滅と 異常気象による生産ダウンを余儀なくされる
漁業地域へ流木・泥などが海へ流出 港湾や養殖施設が破壊される
工業地域の生産ストップ 生産縮小を強いられる
流通ルートが寸断され 被災地への供給が遅滞する
日本の全産業と国民に ダメージ与え続ける災害は
国の防衛体制不備のまま 今年も予告なく何度も襲来するだろう

予算超過の東京オリンピックの開催年
金儲けしか頭にない輩の 災害リスクは二の次
浮かれる前に 都市機能が低下する 最悪の事態を想定すべきだ
開催中 東京だけで1千万人を越えると予想される
海外からの観光客を いかに安全に避難させるかは
東京都民も承知しなければ 事は悲惨な事態となる
ボランティアにも 充分な学習機会が必要だ 
避難場所の確認や 水・食料の確保
近隣県への協力要請 交通機関の確保などなど
都も国も シミュレーションしておく重要事項
訪日する観光客にも 自分で自分の身を守るよう
リスクの伴う訪日を プレゼンしなければ 片手落ち
おもてなしとは 安全を保障することが 大前提で最優先
肝に銘じて 札幌に押しつけられた競技を楽しむことにする
 
〔2020年1月12日書き下ろし。自然災害は避けようがないが、二次災害を避けるためにも充分な備えが必要だ。ただどのタイミングで逃げるかも想定したい〕 

痛みなきゲーム

子どもらは ゲーム機もって時間を潰す
兵士らは 値の張るゲーム機持たされて
いつでも 正確無比に攻撃できるよう
シミュレーションで 時間を潰す

本番の指令が 飛んできた
心うきうき 作戦開始
飛ばした無人攻撃機を
ターゲットに向かわせる
宇宙から監視衛星で追跡し
撃ての命令 スイッチオン
見事攻撃成功 小躍りしながら 高揚する
作戦見事に的中し
敵陣は 幾多の屍が折り重なり 
阿鼻叫喚(あびきょうかん)の巷(ちまた)と化す

阿修羅道に踏みいれし者たちは
戦争ゲームに 夢中です
敵を殺戮(さつりく)する快感は
ミサイル着弾の瞬間に わきあがる
倒れし生身の人間の 一人ひとりの死にゆく苦悶の表情は
誰ひとり想像できない 仮想世界の出来事なのです
遠くにありて 仮想世界の出来事にしか過ぎないのです

痛みなき戦争ゲームに参加する
主導する者も 命令される者も
みな他人の死に対し
無慈悲無感覚となるのでしょうか
自らの最期の刻を迎えたときに 
よき人間だったと
よき人生だったと
みな神に召されていくのでしょうか

その墓には きっと花よりもゲーム機が似合います

※阿修羅道(あしゅらどう):仏法の守護神とされる一方、六道の一として人間以下の存在とされ絶えず闘争を好む阿修羅が住む争いの絶えない世界。

〔2020年1月11日書き下ろし。痛みの伴わない殺戮が繰り返されている。核兵器のスイッチは誰が押すのか。安全に厳重に管理されていると何を根拠に信じているのか。世界はいつでも狂気を満たす準備を整えていることを想像しよう〕

殺せ!

ターゲットは
モニターにあった
「殺(や)れ」
命令一下
兵士はボタンを押す
遠方から 命中のシグナル受信する
ハイタッチし歓喜する アメリカ軍
命令下せし張本人
座して してやったりのしたり顔
敵の攻撃未然に防ぐ 国家テロ
正義の鉄槌くだしたと
公然と冒した殺人 無罪なり
殺した兵士らは 英雄なり

緊迫した状況
モニターで 敵機だと確信した
「撃て!」
命令一下
兵士はボタンを押した
ミサイルは 見事敵機を撃墜する
歓喜したイラン軍
その後 民間機だと判明
意気消沈のイラン軍
まずは 撃墜を否定する
証拠を出され すごすご認知
誰がどう判断し命令したのか
調査の上で 処分する
兵士らは 犯罪人となる

その前に ミサイル攻撃したその朝に
なぜ 事前に運航禁止しなかったのか
最大の防御は 民間人をいかに守るか
低レベルの防衛能力と無策を露呈する

176人の 還らぬいのちと人生に
人的ミスしました すみません
これでチャラにしようとするのが
戦争という魔物が支配する残忍な世界
その原因をつくった者たちは
今夜も枕を高くして 寝つくことだろう
犠牲になった人たちの冥福を祈りつつ
家族の悼みに添う 想像力を絶やしてはならない

戦争の代償は いつも罪なき人たちに払わせる
勝ち誇る者は 征服欲に満たされ さらに傲慢となる

〔2020年1月11日書き下ろし。やり切れなさが続きます。176人方々のご冥福を祈りつつ、残酷な現実を決して忘れぬようにしませんか〕

付記
イラン、ウクライナ機の撃墜認める 人的ミスとおわび
イランの首都テヘランでウクライナ国際航空機が墜落して176人が死亡した事故について、イランの統合参謀本部は11日、イランメディアを通じた声明で、撃墜を認めた。「人的ミスだった」としている。ザリフ外相も同日のツイッターで撃墜を認めた。イランはこれまで、ミサイルによる撃墜を否定していた。
統合参謀本部は声明で、イランが8日に米軍の駐留するイラク軍基地をミサイル攻撃した後、「イラン軍は高い警戒レベルにあり、米国の戦闘機が我々を標的にしていると報じられるなど敏感な状態だった」と釈明。「(ウクライナ機が)イランの精鋭部隊・革命防衛隊の軍事拠点の方角に向かうなどしたため、不注意で撃墜した」と撃墜を認めた。同本部は、犠牲者への追悼と謝罪も表明した。
墜落により多数の自国民が犠牲になったカナダのトルドー首相は9日、「イランの地対空ミサイルによって撃ち落とされた」と指摘していた。(テヘラン=杉崎慎弥/朝日新聞デジタル版/2020年1月11日 13時20分)

裁かれるわたし

相模原やまゆり園事件の裁判始まる
1月9日 社説に見る個々と社会の責任を問う論調
「一人ひとりの、そして社会の深淵のある差別に向き合い、問い続ける」(朝日)
「障害者が地域の一員として暮らせるように社会全体で取り組む必要がある」(毎日)
「決して植松被告も強者ではないのに、弱者の排除に回るのはなぜか、誰もが自問自答しつつ、現代の病理の本質に迫らねばならない」(東京新聞)
「被害者だけではなく、社会全体の意識が問われていると捉えるべきだ。私たち一人一人が差別を生む土壌を変えていく決意が求められよう」(道新)

この世に生を受け 生きていく 
一人ひとりのいのちの尊さは
地球の重さに等しい 
美しいコトバ
きれいごとの建前論
知ってなおかつ そうあるように
理想の福祉社会を創る努力こそ
いま生かされている者たちの この世の責務

本音と建て前 総論と各論
さもわかったかのように 嘯(うそぶ)くところこそ
糾弾されなければならない
そこには 社会の意識変革をくじき
現状をただ憂うふりをした者たちが 群れ集まる 
結果 何もしない 何も起きない 何も変わらない
一人ひとりが 醒めていく
そしてまた 事件が起こり 同じ口調で論じ合う

差別の負のサイクルを 食い止める
そこに 名もなき弱き者たちが 
いま 裁きの場に立つ
裁かれるのは 被告だけではない
わたし自身の沈黙と怠慢 そして本音である

〔2020年1月11日書き下ろし。裁判を通して、《わたし》という存在を問われる場をとし考えていきたい〕