阪野 貢 のすべての投稿

仲良くなる現象

死期を前にして 死に神と仲良くなる一瞬がある
苦しみが和らぎ 時に穏やかな表情を見せて 逝く
何とも不可解な現象は 今生との別れの一瞬を刻む

コロナの感染者が 首都圏以外減少している 
札幌も3月以来20人台を切り ススキノは人出が増えだした
コロナウイルスとの 仲良し現象
しばしの休戦に 不気味な恐怖を覚える

4月28日 秋元克広札幌市長は宣言を出してもいい事態と口にする
鈴木直道知事は経済的ダメージを危惧して 市と噛み合わない
重点措置の要請を出したのは 1週間後のことだった
道知事は 札幌の感染拡大を放置したまま
強引に子どもの日に五輪テストマラソンを優先させた
科学的検証がないとはいえ 連休期間に人流が起こったことは事実だ
7日重点措置が国の分科会で了承され 夕方政府対策本部で決定した
分科会での「宣言にすべきだ」との意見は 政府に押し切られた

12日 酒類の提供「終日自粛要請」が開始された 
13日 感染者712人は過去最多を更新した
14日 北海道新聞夕刊の見出し
「『想定外』道庁に衝撃 緊急事態宣言発令へ 札幌市からは評価の声」
ようやく15日「緊急事態宣言」が発令された 

市長が宣言を口にしてから18日間
政府が「北海道に宣言する」と政治的な判断を下したなら
こうも多くの死者を数えることはなかった
知事の遅れた判断で 何度苦渋を呑まされたことだろう
たかが政治家 特別な能力をもった秀でたリーダーではない
バックに担がれただけの 普通の人間でしかない
経済的ダメージを回避できずに 失敗を繰り返す
そのたびに 死者は増えていくだけだった
国も地方も 覚悟のない普通の者たちが権力を振るう恐怖は まだ続く

6月20日: 52(38):緊急事態宣言最終日
6月21日: 37(28):まん延防止等重点措置 適用開始
6月22日: 29(23):死者12人(全国最多)
6月23日: 49(40):死者11人(全国2番目)
6月24日: 26(20):死者4人(全国2番目並ぶ)
6月25日: 33(22)
6月26日: 46(35):死者5人(全国2番目並ぶ)
6月27日: 28(17):死者3人(全国最多)
6月28日: 27(20):死者4人
6月29日: 札幌市内10名超える予想 
この日札幌で 1名のデルタ株の疑いが確認された
(括弧内は札幌市の感染者数)

この静けさは 次へのステージへの不気味な仲良し現象か
安心安全と宣言した途端 スイッチが入る
内地からの人流が活発になり デルタ株は暴発し抑制不能に陥る

今朝MLBのエンゼルス大谷翔平選手が トップに並ぶ26号を打った
彼の豪快で溌剌なプレー以上の 人間味溢れる言動は
閉塞するいまを 勇気づける
一方東京五輪は あまりにも政治的に汚染された世界となっていく

〔2021年6月29日書き下ろし。経験の浅いアマチュアに道政を任せることが道民としての選択の間違えであった。道議会議員も市会議委員もただの人に過ぎず、働いているのか、全く見えない〕 

付記
宣言解除1週間 増える人出、感染再拡大の兆し
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が東京や大阪など9都道府県で解除され、飲食店での酒類提供が再開されてから28日で1週間がたった。東京や関西圏の繁華街では、解除前から増え始めていた人出がさらに増加。インドに由来する感染力の強い「デルタ株」の確認例も増え続けており、感染再拡大(リバウンド)の傾向が収まる気配はみられない。
東京の新規感染者数は5月上旬に第4波のピークを迎えた後、減少傾向が続いていたが、今月中旬ごろには下げ止まり状態に。20日からは9日連続で前週の同曜日を上回っており、解除前からの人出増加が影響しているとみられる。(中略)
感染者に占めるデルタ株の割合の増加も、さらなる不安要素として指摘される。東京都によると、5月31日~6月6日の陽性例は15件だったが、7~13日は32件と2倍超、14~20日は124件と8倍超にまで急増。25日には1日当たりで最多の68件が確認された。都の担当者は「デルタ株の影響に加え、酒類の提供が可能になったことで、これから感染者がさらに増えることが懸念される」と不安を口にした。
西村康稔経済再生担当相は28日、全国知事会との意見交換で、東京の感染状況を「下げ止まり、増加傾向になってきている」と指摘。デルタ株に関し「各地で人の流れが増える中、(感染者数が)少し増加する可能性もある」と警戒感を示した。(産経新聞2021年6月28日)

卵は孵化するか

北海道の教員採用試験が始まった
前年より450人も少ない4030人
9年連続減少 求める人材の質は保障できるか

今春採用された公立小学校教員の採用倍率
全国平均 2・6倍
過去最低の去年の2・7倍を更新中
公立中の採用倍率の平均 4・3倍
去年は5・0倍だった
 
教員の大量退職で 採用枠は増えたが
長時間労働の悪しきイメージが浸透し敬遠される
去年は教育実習もままならず 不安も当然だ
採用する側も 先生欲しくてハードル下げる
大量退職のピークが過ぎれば 高倍率にシフトする
教員になりたいと思う人には チャンスは続く
数年前まで 十数年も本採用にならず臍を噛んだ人もたくさんいた

向き不向きは別にして 試験をクリアすれば教職に就ける
教員としてやっていけるかどうかは 別問題
学力が低かろうと コンプレックスを持っていようと
採用後は 本人次第で大化け可能
やってられないと思ったら リタイヤすればいい
そんな人もずいぶんいるから 離職で悩むことはない
教員には向かないと思ったら 躊躇なく辞めるといい
子どもにも保護者にも 学校にも有難い
ただし 悩みの向こうに可能性を感じたら考え直そう

大学で習った事なんて 大して役には立たない
一から学び直しをしなければ やってはいけない
授業は下手くそなんだから わかったふりだけはやめとこう
新任研修にもガッツリ食らいついて どんどん仕事を覚えよう
先生面して虚勢を張っても 子どもはすぐに見抜く 
子どもとの意思疎通は 決して粗末にしてはならない

子どもに 身を託してごらん
子どもは 教えられるプロだから信頼しよう
子どもに 教師とは何ものかを学ぶしかない
子どもは 教師を育てる魔法の力を持っている
子どもに ピンチを助けてもらってなんぼの仕事
子どもへ 感謝できなければ この仕事は無理だ

不向きか不向きでないか どう判断するかって
簡単さ
出会った子ども一人ひとりを 好きになれるかどうかだ
ハートだよ 
それしかない
依怙贔屓(えこひいき)なんか もってのほかだ
子どもを粗末にしない共育をめざすなら
きっと見込みがある

教師の卵は 自力で孵化するのではない
子どもが その殻を面白がって破ってくれるのだ
そこに 子どものパワーと魅力がある
だから 余計に子どもが愛しくなる
それが 仕事へのモチベーションとなる
だから 簡単にあきらめず 子どもに学ぼう

※2020年5月5日掲載「子どもを粗末にしない共育」を参照

〔2021年6月27日書き下ろし。四六時中子どものことを考えた。授業のことを考えた。いまもしんどさを夢に見る。時間で割り切る仕事であるはずはない。出会った子どもが忘れられないのは、情熱を捧げたと自負するからか〕

付記
9年連続志願者減少 道内公立学校教員採用一次試験始まる
道内公立学校の教員採用の一次試験が、6月27日札幌や函館、東京など、10カ所の会場で行われています。
6月27日に行われているのは、公立の小・中・高校などの採用試験です。
試験は午前10時半から始まり、札幌の会場となった札幌北高校では、感染対策がとられる中、受験生が真剣なまなざしで、問題に取り組んでいました。
道教委によりますと2022年度、札幌市教委分を合わせた志願者数は、前年度に比べ450人余り少ない4030人と、9年連続の減少です。一次試験の通過者は、8月に行われる面接や実技の二次試験に臨みます。(北海道新聞2021年6月27日)

覚悟なき者たち

覚悟の覚は 理をさとること
覚悟の悟は 世界の真実を偏見なく正確に見ること

政治家に なぜ事に当たって覚悟がないのか
なくて当たり前の実相が 見え隠れする
 
そもそもの志など 政界に塗(まみ)れて変節化する
そもそも大義など あろうはずもなく欲をかく
そもそもは政治など 器量なくとも金で買う

理をさとる力量がなくとも 体裁を繕えば事足りる
己のいたならさが たまらなく痛ましい
そう自覚できるのは まだ見込みがある
八十も過ぎて 知性の乏しきことを武器にする 
ふんぞり返って見下した言動は 手に負えない
ご機嫌取りが 保身に走る

世界の真実を偏見なく正確に見るのは 至難だ
政治家など 偏見の塊でしかない
主義主張は 虚勢と虚言の塊でしかない
立たせてくれる者の意向に 一喜一憂するばかり
不都合な真実など いくらでも変えることが出来る
司直の手に渡っても 平然と歪曲化し隠蔽する

覚悟なき者たちは 誤りを冒してもご免で済ます
覚悟が身についていないから 薄っぺらな謝罪を繰り返す
覚悟を求めても 理解すら出来ないのだ
覚悟の出来ぬ者たちが 政治の劣化と不信をまき散らし
1億2622万6568人の いのちと暮らしを牛耳る

覚悟なき者たちの群れは 
覚悟を捨て ご都合主義に徹し権力におもねる
覚悟を学ばず 自己愛に徹し風見鶏となる
そしていま 安心安全な眠りの床につく

〔2021年6月27日書き下ろし。菅首相は五輪開催に前のめりで、科学的偏見の塊は取り巻きも同罪、判断を誤る。赤木ファイルの原本開示を、麻生副総理は否定した。コロナのワクチン接種予約数を予見できない河野太郎行改相にも、覚悟なき人間の形相をみる〕

阪野 貢/追記/もうひとつの日本文化―「時間と空間」と「隣り百姓」―

〇本稿は、先の拙稿――<雑感>(138)「『時間』と『空間』の座標・尺度で『生きる』ということについて考えるために―建築家・内藤廣の『ちから』3部作に学ぶ―」(2021年6月21日投稿)の追記である。
〇図1は、内藤廣と加藤周一の言説から、未完(未定稿)ながら「時間と空間の座標」を示したものである。ここではひとまず、「現在(今=ここ)」を起点に時間の流れと空間の広がりを捉える。時間と空間は相対的なものであり、本質的に一体不可分のもの(「時空」)である。「時空」のなかの一点(今=ここ)から、歴史上の過去を振り返り、歴史上の未来を志向する。自然や季節との関りのなかで回帰・循環し、関係的に存在する時間と空間がある、という点について留意しておきたい。

〇「隣り百姓」という言葉がある。フランス文学者・評論家の多田道太郎(ただ・みちたろう。1924年~2007年)は、『しぐさの日本文化』(筑摩書房、1972年7月)という本のなかで次のように説明している。「隣りが田植えをすればわが家も田植えし、隣りがとりいれをはじめればわが家も急いでとりいれする。要するに『自主性』がないのである。独立の計画というものがない、といわれる」(18~19ページ)。
〇家庭菜園者を気取っている筆者(阪野)は、一面ではまさに「隣り百姓」的である。しかしそれは、模倣あるいは同調できる環境や状況下にあることによるものであり、また家庭菜園の作業の全てがそうであるとは限らない。ときには「真似(まね)ぶ」ことすなわち「学ぶ」ことを通して、自主性や計画性さらには独創性を生み出すことにもなる。
〇この「隣り百姓」について、『日本人とユダヤ人』(角川書店、1971年9月)の著者である評論家のイザヤ・ベンダサン(山本七平〈やまもと・しちへい〉。1921年~1991年)は、合理性をもった行動様式であるという。ベンダサンによると、「自ら隣り(模範)を選び、その通りにやるのは立派な一つの自主性であり、しかも的確にまねができるということは、等しい技量をもたねば不可能であるから、その技量に到達するよう自らを訓練することも自主性である」(54ページ)。日本人は、全員が一致して一定の方向に向かう組織的な同一行動(キャンペーン)がとれる民族である。日本の農業はまさにキャンペーンであり、「キャンペーン型稲作」(50ページ)と名づけることができる。それはさらに、もうひとつの決定的な特徴を日本人に与えている。「天の時、地の利、人の和」がそれである。「かつては、全日本人の85パーセントが、ある時期(天の時)になると一斉に同一行動を起した(人の和)。田植の時には全日本人が田植えをしなければならない。ゴーイング・マイ・ウェイなどとうそぶいていれば、確実に餓死するか他人様(ひとさま)のごやっかいにならねばならぬ」(53~54ページ)のである。
〇模倣すなわち「写し」について、内藤廣は『空間のちから』(王国社、2021年)のなかで次のように述べている。「オリジナリティこそが個人を支える価値だと考えられている近代社会では、わが国が伝統的に継承してきた『写し』という概念は遺棄されたに等しい。個人の表現こそが創造の意味そのものであり、近代的な自我の在処を保証するものである、と誰もが思い込んでいる。(中略)『写し』は、写されるたびに解釈され、意味を加えられ、咀嚼される。それぞれの時代に合わせて変容していく。(中略)クラシック音楽がよい例だが、変奏曲というのはよくある話だ。(中略)(それは)作曲家の残したオリジナルに対する『写し』と見ることもできる。否、作曲家当人でない限り、あらゆる演奏家は、オリジナルを理解し、解釈し、修練し、聞き手に向けて『写し』を披露しているのである」(164~165ページ)。ここで、「コピー・アンド・ペーストは悪である」という考え方も揺らぐ。
〇筆者は、「今=ここ」に住む地域で、とりわけ「隣り家庭菜園者」を自認してからは「郷に入っては郷に従え」「出る杭は打たれる」を痛感させられてきた。「天の時、地の利、人の和」の難しさも何度となく味わってきた。遠いよその地域ではなく、「我が身を置く我が地域」においてである(ここで、老舗和菓子屋「虎屋」17代目当主・黒川光博の「伝統とは革新の連続である」という言葉が思い出される。『空間のちから』66ページ)。そんななかで、「隣り百姓」は模倣と協調、写しと変容、共同性と独創性を含意する言葉であり、良かれ悪しかれそれが日本の地域社会やコミュニティのあり方や文化(「時間と空間」)を形づくってきた、と理解したい。

五輪へと駆り立てる

わたしは 五輪をしてほしくない
その関心は 誰かさんの作略と知って失せました
その感動は 誰かさんの思い出話で薄まりました

しかしIOCが 一方的にゴリ押ししてきた
世界中がコロナ禍で やってられないってときに
たかが民間団体が偉そうに五輪するなんて ほんと許せない
そんな不条理な五輪の世界に わたしを巻き込まないでよ

IOCの指導者は 悪意の塊のような人間だ
あんたも人のことはいえないけど
安心安全って なにを根拠にしてるのか皆目不明
賠償金払えって脅かされて 国民のいのちを担保にするのは許せない
意地汚い者を相手に闘うどころか 借りてきた猫となる
片意地を張るだけで 問答無用と開き直る
小心者の空威張りは 見苦しいだけのこと

IOCは崇高な五輪精神を実現するために開催する
崇高な五輪精神の元々はなんだったけ?
「女性や性的少数者を排除し、開催地住民や先住民から土地を奪い、反対の声を無視して強行されてきた暴力的な歴史をもつ。五輪はこれまでも、これからも、誰かの命を脅かし生活を破壊するものだということを知ってほしい」(井谷聡子「差別と開催地蹂躙こそ五輪の歴史『平和の祭典』という虚構から目覚めよう」(週刊金曜日6月11日号)
戦後リメークされた五輪の崇高さの裏の顔 バレバレなんだよね
恥ずかしいから 言い繕うのはもう止めようよ

誤って犠牲を出すことがある だがIOCは強引に開催する
故意にすることで 誤ってなんて嘘でしょ ごめんで済むはずありえない
いのちを危険にさらしておきながら IOCへの弱腰はなんなの?
戦後占領された 欧米人への負い目と人種的なコンプレックス?
みっともないから もう捨てようよ
開催すれば 助かるいのちも助からない
感動の共有なんてくそ食らえ!
子どもでもわかる これ常識

IOCは卑劣な言動と戦略を用いている
五輪って美しいものじゃないって ほんとは知ってるでしょ
アスリートを前面に出す戦略も みんな卑劣で残忍だよね
緊急事態宣言中でもやるって よく言うよ
リオの五輪後の荒廃を見たら 身の毛もよだつ
暮らしを奪われた残骸を もう一度見ておかなきゃいけない
札幌で冬季五輪誘致なんて やめてくれ!
全く説得力は ゼロ!ゼロ!ゼロ!だよ

IOCが受けた被害は小さく 国民に与えた被害は甚大
平和の祭典なんて いまじゃ誰も信じはしない
よくそうやって 世界中を騙してきたんだよ
東京では すでにリバウンドの兆候が表れたって!
そりゃそうだよ
五輪ありきのイベントごっこには ついていけない
呆れてしまうのは 当たり前でしょ

知識人も芸能人も この開催を疑いだしている
観客入れるとか 酒を提供するとか
水際対策失敗しても 知らん顔するとか
開催前倒しで進めるツケが 出てきただけのこと
中止や延期の声を小さくする マスコミの情報操作装置が働く
文化人よ 科学者よ 経済人よ 教育者よ 芸能人よ 信念あるマスコミ人よ 
民主主義の根幹が揺らいでいるのを 傍観するのかい
もっと中止の声を 大きく上げよう

IOCの大義は 神聖なものである
あんたらの さもさもらしい五輪神聖論
五輪教の布教は 御免被ります
ワクチンの接種も効果も間に合わない
供給できぬと 申込中止を指示する体たらく
期待し準備してきた 職場や大学の集団接種も戸惑い頓挫する
ここはAll Japanで乗り切るしかないと 腐りきった精神論
その言葉が吐かれるたびに どれだけの犠牲を払ってきたのか
学ばぬ者たちよ 黒歴史をいまさらながら読み返そう 

この正義に疑問を投げかける者は 裏切り者である
国威発動を夢見た者たちは 集団暴走し始めた
正義に見せかけて煽る戦術は もうたくさんだ
五輪に反対して 喜んで裏切り者になろう
五輪へ導くプロパガンダの法則は 通用しない
都議会選挙も始まった
都民はその良識が問われることを 心して欲しい
見せかけの者たちに惑わされぬよう 見極めて欲しい

開催ありきに執着する明日はままならない 
五輪名誉総裁天皇陛下も懸念されてると拝察される と報道された
官僚は揃って沈静化に躍起になる
安心安全を科学的な説明もできぬまま あざとい企てを続ける 
責任も覚悟も見せぬまま 論議を避け逃げ続ける
その滑稽さは 見事にみっともない恥のかきすて
少し賢くなったわたしは 拒絶権を行使する  
ただすでに「壮大な社会実験」に 
承諾なく強制的に参加させられている
そのことが 悔しくてたまらない
屈辱を味わい 強い義憤を覚える

※「壮大な社会実験」:BuzzFeedでの五輪開催に関するインタビュアーで東京大学先端科学技術研究センター教授牧原出氏の言葉。  

(2021年6月25日書き下ろし。『戦争プロパガンダ10の法則』(アンヌ・モレリ)をアレンジしながら、五輪開催に狂信する者たちに問う)

小さな抵抗

五輪を開催すれば 風向きが変わる
日本国民は単純だから すぐに五輪に熱中する
これまでの嫌なことは 全部忘れてしまうだろう

コロナのしんどさをぶっ飛ばす 強力な忘却剤
信奉するスポーツの力で 歓喜に誘う強烈な興奮剤
ぼったくられても 笑顔でおもてなしする洗脳剤
祭りの後に飲まされる 現実回避の覚醒剤

支給された薬を並べて観戦すれば
IOCと国の術中に 見事にはまる
興奮モードを全開し みな魂を抜かれる

今日は天国 明日は地獄 
市中のコロナは 猛威を振るう
緊急事態宣言どころか 最悪の事態に打つ手なし
インド変種がまん延し 誰も責任は取らず
能面みたいな顔を揃えて なすり合う 
感染した選手は 国を相手に即刻訴訟を起こす

強欲傲慢なIOCの幹部は 血税を湯水の如く浪費する
悪夢の始末に借財抱えるのは 侮辱された弱き者たち
悪因悪果の責めを負うのは 逆らわぬ心優しき者たち
悪衣悪食を約束されたのは お人好しの罪なき者たち

五輪経費は 総額1・6兆円にまで膨らんだ
「平和の祭典」の名の下に おぞましい搾取は懲りずに続く
いのちと暮らしを脅かす祭典を 諸手を挙げては楽しめない

〈わたし〉にできる 小さな抵抗
物わかりのいい人のふりは 決してしない
提供される薬剤は破棄し 全ての競技観戦を断つ
俯瞰剤を飲み 開催中の出来事に注視する

〔2021年6月24日書き下ろし。五輪への小さな抵抗の決意表明。水際作戦など強行突破され、バブルも見事に弾けるだろう〕

付記
隔離免除の特例入国 感染者さらに4人判明、計6人に 東京五輪
東京オリンピック・パラリンピックに参加するため日本に入国した外国の選手や関係者のうち、新型コロナウイルスの感染が確認された人は、ウガンダ選手団の2人のほかに4人いることが判明した。内閣官房が毎日新聞の取材に明らかにした。
内閣官房によると、入国後に感染が確認された選手や関係者は、2月にフランス1人、4月にエジプト1人、5月にスリランカ1人、6月にガーナ1人、ウガンダ2人。多くは来日直後の空港検疫で確認されたが、スリランカ1人は入国5日目、ウガンダ2人のうち1人も入国5日目に判明した。(毎日新聞 2021年6月24日)

孤独なる生命と魂

立花隆氏の死を悼む
「死後の世界が存在するのかどうかは、個々人の情念の世界の問題であって、
論理的に考えて正しい答えを出そうとするような世界の問題ではない」
(立花隆『知の旅は終わらない』より)

この世に ひとり生まれし生命(いのち)と魂
この世を ひとり去りし生命と魂
宇宙の時空の大いなる環のなかに 
〈わたし〉という人間存在を問う

孤独なる生命と魂
いまにとどまることなく 明日に進む時間
生命と魂は 運命づけられた有限の時間を生きる
閉じ込められ制約された空間
生命と魂は 約束された地の環境に生きる

孤独なる生命と魂
時空間に規定された存在としての〈わたし〉
意思ある生命体の存在としての〈わたし〉
生きたいと渇望し死を遠ざける〈わたし〉
つながりあう社会の存在としての〈わたし〉

孤独なる生命と魂
なぜ現世に生まれてきたのか
なぜ生きなければならないのか
なぜ人として生かされてきたのか
解を求め続ける 不可解な〈わたし〉

孤独なる生命と魂
人生の苦悩を 分かち合いたい人がいる
人生の意味を 孤独な魂に見出す人がいる
人生の価値を 愛に求める人がいる
生きる最中に 死の恐怖に抗(あらが)い闘う〈わたし〉 

ときに人は ひとりぼっちであるが
決して ひとりぼっちにはならない
生命と魂を救ってきたもの
それが愛だとすれば
そのことだけは 紛れもない真実だ

現世から解き放されるその日まで
情念の世界に執着し もがき続ける
凡なる〈わたし〉を 生きるしかない

〔2021年6月23日書き下ろし。生に執着し、孤独であるがゆえに求めてやまぬ愛なくば生きてはいけない〕

考える・書く・読む・見る

考えることに疲れたら
こだわることなく 別のことを考えよう
考えることが他にあれば
いま硬直した思考から 逃れられる

書くことに疲れたら
無理することなく 別の文章を考えよう
書くことが他にもあれば
いまどん詰まりの表現から 逃れられる

読むことに疲れたら
ためらうことなく 別の本を手にしよう
読むことが他にあれば
いまの悩みの検索から 逃げられる

見ることに疲れたなら
目薬をさして 目を閉じよう
眺めることが他にあっても
いまは心無にして作業から 逃れよう

考えること
書くこと
読むこと
見ること
新たなテーマがなければ 先には進めない

求めてやまない思索活動
表現の新たな着想と葛藤
解決の新たな発想と試行 
創造の新たな渇望と苦悩

考えること
書くこと
読むこと
見ること
新たな刺激がなければ 先には進めない

求めてやまない思索活動
連想し連動し連続する
猶予なき時間とおもいで織られるタペストリー
魅入られ心地よさに浸る いまがある

〔2021年6月22日書き下ろし。考える、書く、読む、そして見ることの当たり前がいまは嬉しい。ただそれだけのこと〕

紳士な手帳

父の日の娘からのプレゼント
「紳士な手帳」(商品名)
シルクのような滑らかな書き心地の紙質
万年筆が 紙の上をさらりと踊る
娘推薦の言葉の受け売り さらりと流した

翌夕おもむろに手帳を取り出し試し書きする
太字の万年筆の青インクが 紙に馴染むように滲みる
詩『いまを描く』(2020年5月18日自作)を 書き写す
用紙は 方眼のマス目で列は乱れない
見開きページに 縦書きする
そのうち書き慣れてくれば 
マス目を無視して 文字も躍り出すだろう
行数が多いときには 細字の万年筆を使のがいい
楽しみは明日にとっておこう

「紳士な手帳」は 似合わぬだけに照れくさい
「真摯な手帳」に 時間をかけて仕上げたい 
いつかこのノートは 娘たちの手に残こされるだろう
自作の詩を自筆で綴った「たった一つの詩集」
それもまた悪くない
それまでは 親父が詩に託したおもいを静かに記そう

父の日のいつもの酒は 「紳士な手帳」に変わった
万年筆の活躍の機会が出来て 幸いだった
自由に万年筆を踊らせて 書き続けることにしよう
創作意欲を喚起する 娘の作略に見事にはまった
これが父の日の最良のプレゼントかもしれない

〔2021年6月21日書き下ろし。日記を書くのは苦手だ。それよりも好きな自作の詩を書き留める方が楽しいに違いない〕

1回目ワクチン接種終わる

15日 年齢別に時間差で配布された接種予約券が届く
夕刻郵送されてきた
これで団塊世代に行き渡った

さっそく通いの病院に問い合わせた
受付時間には30分間に合わなかった
そこで予約状況を尋ねた
30日以降になるとの返答だった

即刻諦めた
市内の集団接種会場をネットで検索した
5月24日から最初に集団接種を始めた 
中島公園の札幌パークホテルを迷わず選択した
すぐに予約番号と生年月日を入力した

さすが団塊世代
目論見は外れた
画面は すでに予約で埋まっていた
ピンポイントで 20日父の日が数席残っていた
16:00~16:30をチェックして 確認し予約を終えた

二回目の予約画面に移る
3週間後は埋まっていた
多少過ぎても大丈夫だろうと
ここも数席空いていた7月14日13:00~13:30をチェックした
どちらの日も 地下鉄が混み合うリスクが少ない時間帯だった
予約情報をプリントアウトして作業を終えた
要した時間は10分程度だった

なぜホテルを選んだのか
自宅から歩いて10分余の新札幌のホテルにも会場が設営された
19日から接種が始まっている
道が運営する会場で 市外の近郊のマチからも接種に訪れる
交通アクセスがいいので 市外の高齢者には都合がいい
たった一人分でも 遠くから来る人にはありがたいだろう
予約した中島公園パークホテルまで 歩いて10分 地下鉄で30分
このくらいなら 別に不都合はない
よく知っている大きなホテルなので 使い勝手もいい
運営の様子も見てみたかった

20日15:45 ホテルに入った
入り口で体温確認36・2 2階の待合室に誘導される
入る前に予約券の受付(4カ所)を行い 席に案内される
待合会場には 14列×16席 計224人分の席があった
会場の正面のスクリーンには 
ワクチン接種に関する情報が繰り返し流される 
ハンドスピーカーを持ったチーフスタッフが 
接種会場が混み合っているので
帰宅時間は これから1時間程度かかるとアナウンスする
小用に方は会場を出て右手にトイレがあることを告げる
年寄りが多いので大事なことだ
会場が概ね埋まり 周りを見ると6割は女性だった
車いすで介助された人も数人いた
身体の弱い高齢者に付き添う介護者も 
ネームプレートを下げて着席していた

16:00 1列ごとに地下接種会場への移動が始まった
次の列まで3分程度の間隔で 自分の列までは20分程度待つ
16:20 予想通り20分でエレベーター前に移動する
3台のエレバーターが動き ピストンで地下に下ろす
ここでもスタッフが機敏に次の指示を出し 動きは滑らかだった
接種会場は入り口が2カ所あり スタッフが左右の振り分けをする
入り口で 予約券 予診票 身分証明書の準備を指示される

16:30 接種受付 ホテルに入ってから45分かかっていた
受付で書類を挟んだ赤いバインダーを手渡される
再度検温をされて 予備問診を受ける
アクリルの遮蔽板越しに質問を受けるが スピーカーがよくない
相手の声が 音声を変えた機械音のように響く
何度も繰り返し聞く羽目になった
お薬手帳を聞かれたが 持参すべき項目にはなかった
渡されたチェックシートには
手帳を持ってこない旨のコメントが 記されていた 

予診室は9カ所
各室の青ランプが点滅すると 次の人が入室する
接種可能かどうかの診断を受けて 接種の待機スペースで待つ
16:43 入室 
16:44 ファイザー社製ワクチン接種 一瞬で痛みもない
16:59 接種後15分待機して 体調に異常なく最終受付
返却された予約券には 1回目の接種券のシールが剥がされ
予防接種済(臨時)の1回目のシールが 貼られていた 
「コミナティ筋注 製造番号EW0201 有効年月日21年9月30日」

各所に配置されたスタッフの誘導や優しい対応は 高齢者には嬉しい
動線の流れは 予診後から接種までの待機に
多少改善があるかと思えるが 
スタッフの指示で 混乱もなく動いてきたことを考えれば
いまさらの変更は 野暮なことだろう
不安や不平不満を生まぬよう サービスに徹するスタッフ
長時間にわたる緊張の連続で 対応に当たるスタッフや関係者には 
頭の下がるおもいと感謝しかない
ホテルを会場にしたのもうなずける
ホテルとしても 単なる会場提供ではなく
プライドを賭けているのである

18:00 帰宅すると娘と孫の長男坊が待っていた
父の日を祝う夕食に 心を和ませた
早くこの現役世代にも 
ワクチン接種を受けさせねば 経済は回らないと 
五輪開催に狂信する政治に 失望と批判を重ねた

21日昼現在 打った箇所に痛みがあるだけで問題ない
 
〔2021年6月21日書き下ろし。1回目体験接種レポート。21日緊急事態宣言解除後まん延防止法が3週間発令された。札幌の感染者は3ヶ月ぶりに30人以下となる〕