阪野 貢 のすべての投稿

初給料

姉妹は 施設で育った

姉は 妹と二人で暮らしたかった
姉は 早く独り立ちしたかった
だから 介護福祉士を目指し 資格の取れる高校を選んだ

姉は 3年間施設を離れ 資格を取った
姉は 卒業し施設を出て 老人ホームに就いた
姉は 念願の独り暮らしを始めた
そして 初任給を手にした

姉は 迷わずスマホを買った
姉は すぐに妹に手渡した
やっと 誰にも気兼ねなくつながった

姉は 二十歳になった
姉は 成人になった
ようやく 妹を引き取る条件のひとつをクリアした

姉は コロナ禍介護の仕事に汗を流す
姉は 妹と会えずにいる
でも スマホが二人の希望と絆を紡ぐ

〔2021年1月15日書き下ろし。児童養護施設で育った姉妹の小さな夢。今日この話を聞いて心が揺さぶられた。厳しい介護の現場で頑張る姉と一日千秋の思いで待つ妹にエールを贈りたい〕

Stop the Steal(票を盗むのを止めろ)

俺が勝った
絶対勝った
騙されるな
俺の票が盗まれたんだ
俺だけの世界を盗まれた
俺の人生に 負けはあってはならない

俺を貶(おとし)めた者たちは
俺を血祭りに上げようと血眼になっている
俺は間違ったことは言ってない
俺の話はいつも誠実で真実だ
俺をはめようと 嘘で塗り固めて攻撃する
SNSもFacebookも そしてYouTubeとSnapchatも
奴らの隠謀で 君とつながる道を遮断された
大企業は 政治献金の差し止めや見直しで脅し始めた
愛国者よ この仕打ちを許せるか

俺も愛国者だ
俺を愛してやまない者たちの 希望そのもの
俺を信じてついてきた者たちの 勇者そのもの
決してあきらめるな
決してひるむな
いまこそ 勝利を高らかに宣言する時だ
50州に 勝ち鬨の声を上げよ

愛してやまない者たちよ
たとえ誰が大統領になろうとも
俺が正真正銘のアメリカそのもの
分断されたもう一人の大統領
俺が法と秩序だ
俺の言葉をバイブルとせよ
俺は神に一番近い男

愛してやまない者たちよ
票を盗んだものたちとの
遺恨を晴らす戦いは まだ序盤戦だ
すでにこの選挙で 民主主義は崩壊した
戦闘心を 鼓舞せよ 
敵対する者すべてを 撃破せよ 
いまこそ 正義への意志を示せ

民心を震撼させる恐怖が 
寛容を失った社会を覆う
狂気の時代の幕が上がった

〔2021年1月13日書き下ろし。遺恨のピリオドは打たれず、いまだ抵抗を繰り返し熱狂者に怒りを伝える。支持者から集めた3億ドル(約310億円)はどう使われるのか。そこに群がる議員たちに支えられた、二分化された統治は否定できない。追従してきた旧安倍政権の浅はかさが際立つ。管首相は静観してはならない〕

リスクファクターを取り除け

「年末年始、新規感染者数は減少する」
「そんな悠長なことを言っている場合ではない。国家の危機を前に陣頭指揮を執るリーダーとして、現状把握能力に欠けた致命的な発言だ。この発言が本心だったとすれば、政権の危機管理は相当危ういのではないか」(AERA2021年1月18日号抜粋)

管首相が 描いたコロナ対応の3つのシナリオ

①緊急事態宣言により感染拡大に歯止めをかける
宣言をしたからって すぐには歯止めはかからない
ましてや 4月とは全く違う状況に
瀕死な状態に カンフル剤を打ち込もうにも
その状態まで静観していた あんたらが悪い
中途半端な甘い給付策では おぼつかないだろう
罰則と支援の ムチとアメの使い勝手も難しい 

②2月上旬特措法改正により罰則などの強制力を持たせて実効性を高める
暮らしが成り立つように 財政発動をどれだけするかで決まるだけのこと
チマチマと 貧乏くさい度胸のないやり方を続けているだけでは無理なこと
そもそも パンケーキすら食べられない子をどう救うのか?

③2月下旬に前倒しするワクチンの接種開始を国民の安心につなげる
前倒しって何だっけ?
たかだか1~2週間早めますって さもさもらしく自慢げに言うことか
まずは その安全性をしっかり担保してからの接種だろう
接種に不安を持つ人たちに 正確に情報を示さなければ納得できない
学術会議へのコンプレックスは 見え見えだけど
専門家の科学的根拠に基づいた助言を まずは真摯に聞いてください
もう一つ これで不安が解消するわけではないということ
オリンピックを目指すという たわけた念仏を唱える前に
やるべき事を迅速にやるしかない
というより やれなかったから
「はいこれまで~よ」ってダメ出しされているでしょ

シナリオは どうとでも描ける
絵に描いた餅にならぬよう 心して為さねば
離反した民心は 戻るところを失う

シナリオは なんとでもなる
長中期的なビジョンを持った 短期的集中的な取り組み
期待だけ抱かせる愚弄は やめていただきたい

シナリオ通りに 回るわけではない
内閣支持率のための 受けねらいは捨てるべき
説明しない態度を まず改めることから始めよう

民心のリスクファクター(不安要素)を 
一つでも取り除いてほしい
だから 議員諸氏 心に汗して働け!

〔2021年1月13日書き下ろし。11都府県緊急事態宣言発出、2月7日まで。肝心な事は何も語らず不信感だけがつのってくる。緊急事態宣言の発出は「年末年始に感染状況が良くならなかったことにつきる」と、勝負の3週間なにも手当しないで他人事のように語る言葉に真実味はない〕

付記
道、集中対策期間を1カ月延長 緊急事態要請基準「週内感染10万人当たり25人超」
道は13日、道内で新型コロナウイルスの直近1週間の新規感染者数が10万人当たり25人を超えた場合に、政府に緊急事態宣言を要請する方針を決めた。道内の数値は13日時点で21人。これ以上の感染拡大を防ぐため、15日までとしていた集中対策期間を2月15日まで1カ月延長し、札幌市の繁華街ススキノ地区のすべての飲食店に午後10時から午前5時までの営業自粛を要請する。道は14日午後に感染症対策本部会議を開き、新たな対策を決定する。(北海道新聞2021年1月14日)

阪野 貢/「人間は善であると同時に悪である」という言説―リチャード・ランガム著『善と悪のパラドックス』のワンポイントメモ―

〇進化論や人類学などに関して全くの門外漢である筆者(阪野)が、興味深く読んだ本がある。リチャード・ランガム著・依田卓巳訳『善と悪のパラドックス―ヒトの進化と<自己家畜化>の歴史―』(NTT出版、2020年10月。以下[本書])がそれである。カバーの「そで」には次のような紹介文が記されている。「最も温厚で、最も残忍な種=ホモ・サピエンス。協力的で思いやりがありながら、同時に残忍で攻撃的な人間の特性は、いかにして育まれたのか? <自己家畜化>という人間の進化特性を手がかりに、(中略)人類進化の秘密に迫る」。この一文が目に留まったときなぜか、医療や介護の現場で献身的に働く職員の姿とともに、2016年7月の「相模原障がい者施設殺傷事件」のこと、2018年10月に20年ぶりに訪れた韓国の板門店(パンムンジョム)や非武装地帯(DMZ)の風景などが脳裏をかすめた(昨年12月に1週間の検査入院をしたこと、25年近く相模原市に居住していたこと、1989年前後の10年近くしばしば韓国・ソウルを訪ねていたこと、などによるのであろうか)。
〇「人間の本性(本質)は善か悪か」ではなく、「善良であると同時に邪悪である」(19ページ)。攻撃性の資質に関して人間は「どっちつかずであり、どちらでもある」(356ページ)。本書では、この矛盾を解明するために、「反応的攻撃性」(reactive aggression)と「能動的攻撃性」(proactive aggression)というキー概念を用い、「自己家畜化」(self-domestication)という仮説に基づいた進化論を展開する。その際、「専門的な論文と、その広範囲に及ぶ意味をわかりやすく(しかも丁寧に)紹介する」(5ページ)。筆者でも好奇心をもって通読できた要因のひとつである。
〇ランガムにあっては、「ほかの霊長類と比較して、人間が日々の生活で暴力的になることは例外的に少ないが、戦争時の暴力による死亡の割合は例外的に高い」という、この矛盾(paradox、背反)が「善と悪のパラドックス」(34ページ)である。それを解消するために用いる概念が、「反応的攻撃性」と「能動的攻撃性」である。反応的攻撃性は「恐怖や激情に駆られて衝動的に暴力をふるう性質」(「激情タイプ」)をいい、能動的攻撃性は「冷静に計画して相手を排除する性質」(「冷静沈着」タイプ)をいう(16、376ページ)。人間は、ほかの動物に比べて反応的攻撃性が低く、能動的攻撃性が高い。
〇その理由は「家畜化」にある。「ヒトは『家畜化された種』と呼んでさしつかえない特徴を充分に備えている」(16ページ)。その際の「家畜化」とは、生涯のあいだに飼い慣らされるというのではなく、「遺伝的適応の結果として従順になる」という意味である。ランガムは、「ほかの種にうながされることなく、反応的攻撃性が低下するプロセスを『自己家畜化』と呼ぶ」(116ページ)。「人間の(反応的攻撃性が弱く)従順な行動は、家畜化された種を思わせるが、われわれを家畜化しうる種がいない以上、自己家畜化したにちがいない」(82~83ページ)。
〇では、ヒトの自己家畜化はどうやって起きたのか。ランガムはいう。「ヒトは、おそらく比較的穏やかな社会的圧力に合わせて、とりわけ高い反応的攻撃性を示す個体をときおり排除しながら、ゆっくりと自己家畜化していったのだろう」(209ページ)。「言語能力の向上にともない、集団内で連携して支配的な攻撃者を排除、追放する個人の能力が発達した。その連合で、過度に攻撃的な人間を淘汰することが可能になり、結果として(中略)自己家畜化が進行した」(213ページ)。すなわち、横暴な支配者を連帯行動によって意図的・計画的に排除(「処刑」)する能動的攻撃性の発達が、(処刑の恐怖によって)反応的攻撃性を抑制し、ヒトの自己家畜化が進んだ、というのである。さらに自己家畜化の副産物として、有益な情報を意図的に共有する「協調的コミュニケーション」の能力(240ページ)が発達した、とランガムはいう。
〇およそ以上がランガムの議論・見識の要点である。一言でいえば、「人間は善であると同時に悪である」(12ページ)。「人類は『最高』で『最悪』の種になった」。すなわち、性善説か性悪説かの二者択一ではない。そのうえでランガムは、次のように述べて本書を締めくくる。

私たちはときに協調を価値ある目標と考えるが、道徳と同じく、それは善にも悪にもなりうる。/人類が探求すべき重要なことは、協調の促進ではない。その目標はむしろ単純で、家畜化と道徳感覚によってしっかりと基礎づけられている。それより困難な課題は、組織的な暴力が持つ力をいかに軽減させるかだ。/私たちはその道を歩きはじめたが、まだ先は長い。(366ページ)

〇筆者(阪野)は、市民福祉教育の思想や哲学、原理や価値についてどう考えるか、市民福祉教育の実践や研究の根底にはいかなる生命観や人間観、生活観を必要不可欠とするか、そんなことを考えている。本稿は、そのとてつもなく大きな課題にアプローチするためのひとつのメモにすぎない。

正義のお墨付き

管さんもやるじゃないか
お国のやり方に従わない奴らを 懲らしめてきたけど
これでやっと日の目が見られる
正義のお墨付きを もらったも同然
大手を振って 取り締まろうぜ
コロナ自警団とか 自粛警察なんて生っちょろい
正義は勝つ
俺たち摘発制裁特捜隊

自粛してるかどうか 片っ端からチェックする
ルールの守らないのは 金輪際店を開けないよう見せしめる
夜の盛り場 ほっつき歩いている若いもんや酔っ払い
この街にはいらない連中 追い出そう
危ないって? 
大丈夫!
用心に手抜かりなし 準備万端 用意周到
正義は勝つ
俺たち摘発制裁特捜隊

県外ナンバー 県内でも別の町のナンバー
しっかりチェックして 追い出そう
ランチなんて食べてる場合か
SNSでばら撒いて 二度と来ないように懲らしめる
移動制限かかっている以上は 許せない
正義は勝つ
俺たち摘発制裁特捜隊

昔々ハンセン病の撲滅に 
警察も保健所も世間も 一体になって取り組んだ
弾圧・密告なんて当たり前
なんせ感染病は恐ろしい
えっ! コロナが出たって
どこの家だ!
隠しても無駄なこと
あいつか! 
名前公表 非難批判は当たり前
正義が勝つ
俺たち摘発制裁特捜隊

ヤバい!
俺コロナに罹っちまった!
仲間はみんな濃厚接触者 だから陽性確実
俺たち世間の恥さらし 
世間から弾(つまはじ)きにされて
正義は 俺たちを糾弾する
摘発制裁特捜隊元メンバー 
風呂敷かぶって 世間に暮らす

※特別措置法(とくべつそちほう):現行の法制度では対応できない特定事態に対処する目的で制定される法律。被災地の復興支援,公害対策,感染症対策,テロ対策,自衛隊の海外派遣,防災対策など,適応対象や期間を限定することが多い。

〔2021年1月13日書き下ろし。歪んだ正義感や同調圧力による攻撃行動は後を絶たない。
鬱憤払いの実力行使もネット上での匿名非難も、特措法の罰則強化により正義漢ぶる者たちが増えることを否定できない。罰則よりも救済こそ必要である〕

付記
内閣支持40%、不支持41%(NHK世論調査)
NHKは、今月9日から3日間、全国の18歳以上を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかける「RDD」という方法で(アールディーディー)世論調査を行いました。
調査の対象となったのは、2168人で、59%にあたる1278人から回答を得ました。
それによりますと、菅内閣を「支持する」と答えた人は、先月より2ポイント下がって40%、「支持しない」と答えた人は、5ポイント上がって41%で、支持と不支持が逆転しました。
支持と不支持が逆転したのは、去年8月に安倍前総理大臣が辞任を表明する直前に行われた調査以来で、去年9月の菅内閣発足以降では初めてです。
内閣を支持する理由では、「他の内閣より良さそうだから」が39%、「人柄が信頼できるから」が23%、「支持する政党の内閣だから」が21%などとなりました。
支持しない理由では、「実行力がないから」が40%、「政策に期待が持てないから」が33%、「人柄が信頼できないから」が11%などとなりました。(中略)
新型コロナウイルスに自分や家族が感染する不安をどの程度感じるか聞いたところ、「大いに感じる」が45%、「ある程度感じる」が42%、「あまり感じない」が9%、「まったく感じない」が2%でした。
新型コロナウイルスをめぐる政府のこれまでの対応について、「大いに評価する」が3%、「ある程度評価する」が35%、「あまり評価しない」が41%、「まったく評価しない」が17%でした。
特別措置法について、政府は、事業者への財政支援と罰則をセットにした改正を目指しています。罰則の明記について聞いたところ、「賛成」が48%、「反対」が33%、「わからない、無回答」が18%でした。(NHK2021年1月13日更新)

教師とは雑用係である

進んで雑用をした

雪の朝は 子どもと一緒にスケートリンクを除雪した
運動会練習のグランドを 新車にタイヤをつけて整備した
清掃活動で地域から集めたゴミの山を トラックでゴミ処理場まで運んだ

やりたがらない雑用を 指示もされずこなした
拘束されずに 自由に判断できるのが面白かった
子どもは 自主的に動いた
子どもは 共に汗した仲間だった
子どもがやり遂げた達成感を そばで褒めてあげたかった
単純に 子どもたちの笑顔が見たかった

雑用に追われて 仕事が後手になる
雑用に振り回されて 仕事にならない
雑用がなければ 仕事に集中できる

授業が本分で 生徒指導は雑用?
教材研究が本分で 事務仕事は雑用?
校内が本分で 対外的なことは雑用?

偉い先生方の雑用って どんなものか教えてください
偉い先生方の勤務時間には雑談も含まれますか 実態を教えてください
偉い先生方の机上は整理整頓されてますか 教えてください
偉い先生方の給与の人工(にんく)計算の根拠を 教えてください
 
仕事の段取りが下手な者ほど 雑用だと文句をつける
仕事に身の入らぬ者ほど 雑用だと見下す
仕事に貴賤を持ち込む者ほど 雑用だと毛嫌いする
仕事についていけない者ほど 雑用に追われる
仕事に飽きた者ほど 雑用だと逃げ回る
仕事の手抜きをする者は そのうち雑用係を要望するだろう

偉ぶる先生は 授業に専念して権威者となる
偉ぶる先生は 指導書オンリーで趣味に没頭する
偉ぶる先生は 目下に雑用を言いつけ回避する

雑用となぜ呼ぶのか 
仕事に貴賤をつける
仕事を命じる優越感に浸る
仕事の下働きを意識させる

「先生、あのね…」
「いま忙しいから、後でね」
いま消毒作業で 手一杯なんだから

雑用の用を知らずして 子ども理解を無用化する

〔2021年1月9日書き下ろし。某新聞の社説にコロナ禍での教師の仕事について論じていた。その書きぶりに、エッセンシャルワーカーとの仕事への意識の違いを痛く感じた〕

カルトの呪縛を解き放す

1・6 米国のカルト集団が暴発し戦慄が走った
「集会に来てくれ、ワイルドになるぞ!」
「愛している。米国を再び偉大に」(トランプ大統領のSNS)
「首都ワシントンに向かう全ての愛国者たちよ、武装せよ」
「我々の全ての敵に通告する。戦争を望んでいるのか?」(呼応するトランプ支持者が集う新興SNSのパーラー)
「共和党員よ、頭を使ってくれ。戦え!」
「弱腰では米国を取り戻せない」(当日のトランプ大統領の演説)
「前進せよ、前進せよ」(議事堂に押しかけたトランプ支持者)
「(暴動は)大統領が扇動した合衆国への反乱行為だ」(シューマー上院院内総務)
「非愛国的で偽善的な羊が盲信的に行動する」(P!nkシンガーソングライター)
「彼は国の恐怖を駆り立てた。これはテロだわ」(レディ・ガガ)
「これは異議申し立てではない。混沌で、ほとんど反乱だ」(バイデン次期大統領)
「これはトランプにトランプ流をさせたことによる当然の結果だ」(ジョン・ケリー元首席補佐官)
「トランプは正気を失っている」(共和党のトランプ大統領側近)

1・6 米国の民主主義が 大統領自らによって恥辱にまみれた
洗脳され扇動された支持者の 過激な者たちが暴徒化した
5人が死亡する流血の惨事を招いた
SNSで流れた動画には
中継の画面を見ていた取り巻きたちが
得意顔で してやったりの笑みすら浮かべ
男の妻は 笑顔で手さえ振っていた

1・6 米国議会が襲撃された 最悪の日として歴史に刻まれた
デマゴーグの男は「不正があった」と 根拠のない陰謀説を力説し煽った
ワイルドな集会になるとの予知を放置し 警備は厳戒体制ではなかった
議事堂のドアは 内側から開けられた
「もし黒人差別のデモ参加者だったら、全く違う扱いを受けていただろう」(バイデン)
「メディアをアメリカ人の敵だと呼んだが、誰が本当の敵か、大統領は熟慮するべきだ」(7日CNNキャスター)
「大統領を今日刑務所送りにするべきだ」(7日MSNBCジョー・スカボロー)
暴動後狂気の男は 非難と弾劾を恐れ 円滑な政権移行を認めた
カルトの権化の男は いまも熱烈な支持者に呼びかける
「私に投票してくれた偉大な愛国者たちは、将来にわたって巨大な声を持つ」(トランプ最後のツイート。Twitter社は8日削除しアカウントを永久に停止する)
「任期満了を待たずに辞任すべき57%、事件後の対応を支持しない68%」(8日ロイター通信などが実施した世論調査)

1・6 米国民を守るためあらゆる手段を講じなければならない日となった
去年の2月6日 トランプの一般教書演説が終わった直後に背後で原稿を破り捨てた 
民主党のナンシー・ペロシ下院議長が動いた
米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長に電話した
錯乱したトランプが 核兵器使用に必要な発射コードにアクセスしたり
軍事行動や核ミサイル発射を強行したりする事態を避けるための予防策を協議した
大統領権限の制限に関する議論が 公になるのは異例中の異例だ
権力にしがみつき 狂気の沙汰を平然と繰り返す男である
TwitterやFacebookで政敵を熾烈に攻撃し フェークを流し続けた男である
カオス集団の指導者として 君臨する男である
自身の恩赦を考え 超法的な人間になりたい男である
自爆的にスイッチを押す可能性を察知した協議に 戦慄が走った
映画のワンシーンが 現実となった

1・6 米国の地に落ちた民主主義の再生と国民の分断を是正する日となった
「トランプ王国の崩壊が遅すぎた」(ジョン・ケリー元首席補佐官)
民主党が トリプルブルー(大統領・上院下院過半数)を取った
だがバイデン次期大統領には 厳しい船出となる
強引な議会運営をすれば 新たな火種を生みかねない
人種や宗教 健康(コロナ感染症対策) 文化の対立や貧困・失業などの経済格差
温暖化や環境問題 食料生産や貿易問題 国際問題など置き土産が山積する
火種は 複雑に絡み合い幾重にも分断され 苦渋し昏迷する国となった
人心に寛容と協調を 国是として動かしてゆくのは至難の業だ
やらねばならない
米国大統領としての威信と国民の誇りを取り戻すために

1・11「反乱の扇動」として弾劾訴追決議案が提出されれば不名誉な日となる
「大統領職にとどまれば安全保障や民主主義、合衆国憲法への脅威であることを証明した」(弾劾決議文の草案)
ねらいは 24年大統領選への再出馬を阻止すること
上院で否決されても 退任した後も弾劾裁判が続く可能性がある
そこで 罷免ではなく「有罪」の判断を議会が示すしかない
弾劾裁判で有罪を突きつけ 公職に就く資格を剝奪する
「トランプにトランプ流にさせた結果」の最後の審判
カルト集団に 男の罪状を一つひとつ明らかにして
カルトの呪縛から解き放すことが 議会の役割ともなった

〔2021年1月9日書き下ろし。オウムの様々な事件の首謀者たち信者を想起する。まさにカルト的な状況が一国を二分していることの戦慄である。理ではなくトランプ信仰である〕

付記
米民主、トランプ氏の弾劾決議案提出へ調整 米報道
【ワシントン=中村亮】米下院民主党がトランプ大統領の弾劾決議案を提出する方向で調整していることが8日、明らかになった。複数の米メディアが報じた。トランプ氏が連邦議会議事堂への乱入を扇動して民主主義を攻撃したと判断し、大統領として不適格だとの見方を強めている。(中略)
ペロシ氏は8日の書簡で「抑止の効かない大統領という緊急事態ほど危険なものはない」と指摘した。同日午前に米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長と電話し、トランプ氏が核兵器使用に必要な発射コードにアクセスしたり、核攻撃を命じたりする事態を避けるための予防策を話し合った。AP通信によると、ミリー氏は予防策を講じていると説明したという。(日経2021年1月9日)

米民主、スピード弾劾探る 「トランプ氏は安保脅かす」
今回は下院が異例の速さで弾劾訴追を決議する可能性がある。民主党が11日にも弾劾決議案を提出する方向で調整し、早ければ週半ばにも本会議で採決する案が浮上している。
(中略)通常は司法委員会での公聴会や決議案の審議を経て本会議で弾劾の採決をするが、民主党のナドラー司法委員長は決議案を本会議に直接提出すべきだと主張。議会占拠をめぐるトランプ氏の言動を容易に確認できるため詳細な調査や審議は不要だと考えているようだ。(中略)
罷免には上院(定数100)で出席議員の3分の2以上の賛成が必要になる。上院勢力が拮抗する現状では共和党から最低17人程度の造反が条件で、ハードルは高い。
20日にトランプ氏が退任した後も弾劾裁判が続く可能性もある。その場合、罷免ではなく「有罪」だとの判断を議会として示すことで、大統領選への再出馬を阻止することが目的になりそうだ。トランプ氏は24年の大統領選出馬を検討中とされる。上院は過半数の賛成で、弾劾裁判で有罪となった人物から公職に就く資格を剝奪できる。(日経2021年1月9日)

丑年の年男

辛丑の年が明けた
限られた生の時空に
望み高く子らに夢を託さん
尊き命と暮らしを護るべく
宇宙の悠久な営みの中にいて
自然との賢き共生が試される

7回目の丑年 辛丑
8回目があるかどうかは 未定

でも生きてこられた
たくさんの命を いただいて
たくさんのご恩を いただいて
たくさんのおもいを いただいて
生かされてきた

まだやり残してきたことがある
まだ求められることがある
まだ見届けなければならぬこともある

生きるという欲ならば そうだと言おう
生きたいという欲ならば そうだと言おう
共に生きたいという欲ならば 声を大にしてそうだと言おう

人生のピリオドを どうつけるのか
模索しながら 思考停止される日まで
生かされて 生きる

※干支の辛丑(かのとうし):辛は痛みを伴う幕引きを、丑は殻を破ろうとする命の息吹を意味する。

〔2021年1月7日書き下ろし。コロナ禍の幕引きの年なのか。期待したいのは命の息吹である。子らの未来のために存在するのか否かを自問自答する〕

盛り下がるオリンピック

7日 国内の新型コロナウイルスの感染者
7000人を超え 過去最多となった
7日夕方 東京・神奈川・千葉・埼玉の首都圏4都県に 緊急事態宣言再発出
世界も 感染者8700万人 死者190万人に迫る
ロックダウンを余儀なくされて オリンピックどころじゃない
米国は大統領自らが支持者に陰謀論で扇動し 議事堂が占領され4人死んだ
中国の香港統治など批判することも出来ぬ 自己ファーストの愚弄を続ける

面子で 数兆円の税金がぶっ飛ぶ
オオカミたちは口々に やると豪語する
原発事故の後始末も出来ぬまま
東日本大震災の復興をアピールするとか
コロナの収束を祈念するとか
実態を無視した 歯の浮いた開催宣言

東京の感染拡大を招いている張本人も
全国の感染拡大を招いている張本人も
同じ穴の狢で 口を開けば東京オリンピップ

巷の空気は冷え切って いまさらなんでオリンピック
アスリートの努力を無駄にするなと 説得にかかるが
当の五輪大臣いい気分で 仲間と酔いしれる
ブレーキとアクセルを踏み間違えるのは 車の事故だけじゃない
経済再生大臣何をおっしゃるのか よく理解できません
都民は他県に行かなきゃいいんだろうと 勘違い
周辺の県も同調せざるを得なくなり 今さらながらの対策請願

もうオリンピックの投入税金は ドブに捨てたも同然
予算がどれだけ膨張しても 規制をかけるわけもなく
盛大に振る舞われて 財政破綻は確実に
その象徴に東京オリンピック2020
記憶にも記録にも残る歴史的惨事
お調子者たちが いまもIOCに踊らされる

盛り上がるどころか
国民の健康を論じる前に 重大な禍根を残す 
盛り下がった東京オリンピック
いまコロナ下で 露の如く消えようとしている

〔2021年1月6日書き下ろし。東京オリンピックの開催をIOCに牛耳られ、一致も察知も行かなくて、東京と政府との駆け引き同様、IOCからカネを引き出す算段をしているのか〕

付記
二階幹事長「自民党として五輪の開催促進決議しても良い」
自民党の二階俊博幹事長は5日の役員会後の記者会見で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて今夏に延期された東京五輪・パラリンピックについて、「自民党として開催促進の決議をしても良いくらいに思っている」と述べ、開催に向けて強い意欲を示した。
新型コロナ対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言をめぐるやりとりなどの後、東京五輪・パラリンピックについても聞かれた。二階氏は開催すべきだと考える理由を問われると、「開催しないということのお考えを聞いてみたいぐらいだ」と強調。そのうえで、「スポーツ振興は国民の健康にもつながる。大いに開催できるように努力するのは当然のことだと思っている」と述べた。(朝日新聞2021年1月6日)