阪野 貢 のすべての投稿

茶の間に居座る

21日朝から依頼された原稿の執筆に集中した
夕方ようやく添削を終えた
妻の夕食の声で茶の間に行った

豆ご飯とおかずを口に運ぶ
視線の先に「真相報道バンキシャ!」が流されていた
食後のお湯をすする時には 「NHKニュース」
天気予報でチャンネルを変える

「ザ!鉄腕!DASH!!」
東京湾沖で釣り上げたイナダ(ハマチ)の試食
ブリ大根ならぬイナダ大根の煮付けに秘訣を学ぶ
米のとぎ汁で大根を茹でると 煮汁の通り道ができる
飴色に煮詰まった大根を見て 
妻におでんで食べようと約束する

NHK大河ドラマ「青天を衝け」にチャンネル移動
北大路欣也の当時の江戸の世情の語りから始まる
大きな白布を使ったプレゼンに目を奪われながら
悪代官の理不尽な要求を飲み 道普請に駆り出される農民たち
いつの世も役人の横暴さは変わらぬと妙に納得
時代が動き始めるなかで能を舞う 徳川慶喜の心をおもう
ただ若者の装いも 40を超えた草彅剛では皺は隠せぬか

21時「サンステ~大坂なおみの特集」を妻に薦められた
NHKスペシャル「ワクチンあなたの町は感染収束への道筋は!?」
これは翌日NHKプラスで見ることにした
予定通り大好きな女優綾瀬はるかの「天国と地獄」を選択する
女刑事と男の犯罪者?が入れ替わった奇想天外なミステリードラマ 
安直なストーリーの展開の割には 謎解きが難しくなっていく 

22時NHKBSで「潜入10年・北朝鮮国際武器ビジネスの闇」
素人スパイデンマーク人ウルリクの潜入により暴かれる北朝鮮の武器取引
その実態が10年に渡って 隠しカメラやマイクを通して暴かれてゆく
スペインに本拠地をもつ北朝鮮との文化交流団体KFAにスパイとして潜入
KFA会長の信頼を得て 北朝鮮との武器取引ビジネスの話を持ちかけられる
偽の投資家とともに北朝鮮を訪れ 武器輸出ビジネスの実態を知る
武器を売るのではなく武器の製造方法を売るという 北朝鮮の商法には一理ある
武器のカタログにも価格が明記され ミサイルから銃の果てまで何でもござれ
製造工場基地をアフリカウガンダにつくり 技術者を送り込み生産する方式
その武器を紛争地帯に売りさばくのが 武器商人の出番となる
嘘の交渉と行動を取り混ぜながら 北朝鮮関係者を信用させる
国連で規制が強化されている石油も その瀬取りの方法が克明に暴かれる
臨場感あふれる緊迫した状況が伝わってくると同時に
素人がこうも簡単に 北朝鮮中枢の懐に入っていけるのか
懐疑的になるのは 妻だけではないだろう
NHKが流すのだからと 疑念を晴らす言い訳をした
虚実の判断は素人目にはできないが 事実だとすればただただ驚愕する

6時間茶の間のTVの前に居座った
ここ数年なかった
ニュース バラエティ ドラマ ドキュメンタリー
さすがに視聴疲れか 寝付けず目が冴えた

コロナのワクチン供給と接種の時期の遅れを知るにつれ
自粛生活で時間を持てあます者たちは
朝から夕方まで垂れ流される情報番組を
ながら見しながら相手にしなけりゃ間が持たない
それが日常だと言われると
堪えがたい日々はまだまだ続く

〔2021年2月22日書き下ろし。週末大坂なおみのAOのゲームに歓喜し、昨夜はべったりとTVの前に陣取った。それが日常になることへの辛さを感じた〕

想い出補正

初恋は 想い出によって語られるからこそ美しい

その感慨こそ 誰もが納得する
その歓喜こそ 誰もが心に刻む
ただ失恋の痛みは 飾るしかない
 
想い出せない
想い出したくない
想い出して欲しくない
消し去りたい過去に 人は執着する

想い出の補正しか 避ける術(すべ)はない
想い出の美化しか 繕う術はない
想い出の忘却しか 逃げる術はない

消し去りたい過去に 縛られる
慙愧に堪えない過去に おののく
嘘で塗られた過去を 上書きする

初恋の純朴さを想い出すということ
失った純真
涸れた憧憬 
捨てた希望
空虚な人生

※慙愧(ざんき):元来は仏教語で、「慚」は自己に対して恥じること、「愧」は外部に対してその気持ちを示すことと解釈された。自分の言動を反省して恥ずかしく思うこと。

〔2021年2月21日書き下ろし。初恋を美化する心に潜む闇とは何かを問う〕

アメリカのサービスラーニングの展開

出典:アメリカのサービスラーニングの展開/『日本福祉教育・ボランティア学習学会研究年報』Vol.6/万葉舎/2001年11月、252~262ページ。
謝辞:転載許可を賜りました原田正樹先生と日本福祉教育・ボランティア学習学会に衷心より厚くお礼申し上げます。

「福祉教育」研究の動向と課題に関する考察

出典:「福祉教育」研究の動向と課題に関する考察/『日本福祉教育・ボランティア学習学会研究年報』Vol.1/東洋堂企画出版社、1998年10月、74~99ページ。
謝辞:転載許可を賜りました原田正樹先生と日本福祉教育・ボランティア学習学会に衷心より厚くお礼申し上げます。

穀潰し

穀潰しが 世にはびこる
飯を食うだけで 稼ぎもしない

穀潰しが のうのうとしている
ただいるだけで 稼ぎが入る

穀潰しが 世迷い言をのたまう
天下国家と言うだけで 稼ぎとなる

穀潰しは メディアでちやほやされる
無駄なコメント電波に乗せて 稼ぎにする

穀潰しは なぜか大きな蔵建てる 
私腹を肥やして 稼ぎを増やす

穀潰しは 自覚がないだけ始末が悪い
ボスの顔色伺うだけで 稼ぎに代わる

世にはびこる 穀潰し
税金食べて 私腹を肥やす
献金食べて 私欲を満たす
料理食べて 公権を匂わす
人を食って 国難を招く

〔2021年2月19日書き下ろし。記憶にないことが恥ずかしい。そういう事になっていることはもっと恥ずかしい。役人も議員も穀潰しが少なくない〕

解き放す

運悪く無能を 世間に晒してしまった
お体裁を羽織った
みっともない衣が 脱がされた
見栄も外聞も
一緒くたに 捨てられた
お飾りだけのプライドも
いとも簡単に 空っぽになった

出来ないことの言い訳も
分からないことの言い訳も
みんな嘘だと バレてしまった

さも一人で手柄を立てた風な自慢も
さもさも能力が高いフリした自慢も
跡形もなく 霧散した

裸にされた
裸になった
でも恥ずかしくはなかった

重石が外れて
空っぽになった
偽りが暴かれて
せいせいした
無能を悟って
スッキリした

転機が訪れた
過去と決別し 踏み出す勇気
自己否定を決意し 自分を変える勇気
厳しい道程を覚悟し 振り絞る勇気

一つの未練も残さず いまに挑む
偽りの人生を演じることは もうない
ありのままの自分を 素直に受け入れる
きっと そこからしか出発できない

自分を解き放す
虚心で満たされる気分
自分が解き放す
自由を手にする気分
自分で解き放す
生きるを味わう気分

解き放されて 
人は 真の自分と向き合う

〔2021年2月19日書き下ろし。自己解放のときはいつか? まだ世間のしがらみの中でうそぶいて生きる自分を見ている〕

いかんよ!

行ってません
言ってません
否定から入るのが基本形です

確認の連絡が来ます
拒否が次の対処です
なしのつぶてで様子見します

写真を見せられました
録音を聞かされました
仕方がないと腹をくくるのが作法です

呼び出し食らって説明します
遺憾と言われて三行半を押されます
十秒間頭を下げるのが謝罪のポーズです

離党届で地位安泰となります
辞職などそんな無謀なことはいたしません
税金で暮らしを立てるのが処世術です

失敗した諸先輩から日々学んでいます
夜の遊びは男の甲斐性で許されます
特権を有効活用して今後も愉しみます

放った先から虚空に舞い上がる言葉の軽さ
使い古され色褪せた言葉の無力さ 
「わが党は、国民の皆さんのご批判を真摯(しんし)に受け止め、より一層、各議員に規律の徹底を図ってまいりたい」(17日自民党の二階俊博幹事長コメントより)
「では議員の皆さん、ご唱和を!」

〔2021年2月17日書き下ろし。スキャンダルにマニュアル通りの素早い動きで、遺憾とカタチばかりの叱責受けて離党届で事済みました。懲りない面々、いい気なもんです〕

ため息をつく

任された仕事に追われる
こなしきれずに 期待を裏切る

段取りまずく時間に追われる
間に合わずに 言い訳に走る

根拠のない自信に負われる
中身を見透かされて 不評が生まれる

しょぼくれた虚言に負われる
恥の上乗りをして 身の置き場をなくす

意味のない見栄に追われる
外面(そとづら)気にして 気構えを怠る

護身の虚勢に負われる
見かけ倒しを悟られ 人は去り始める

人は弱い
だから
意地をはり
虚勢を張っては 大きく見せる
虚言を吐いては 身を縮ませる

そこに
自分可愛さの切なさを見つけた
悪気はなくても習性となった
追われて 追われて
怯える悲しさを耐える
負われて 負われて
信を失う辛さを忍ぶ

素直になれない自分を悔いて
ため息をついた 

〔2021年2月17日書き下ろし。承認欲求は誰しもあり、能力とのギャップに苦しむ。いまだ弱い自分をさらけ出す勇気が持てずにいる、己を振り返る〕

人望を集める

人望を集める
指導者の必須条件
人間としても尊い評価
寛容力と包容力とを兼ね備えた代名詞
仁徳を体現している 最大の賛辞

人望を集める
才覚だけでは 決して身につかない
欲深な心では 決して身につかない
権威と地位と金では 決して身につかない
奇特なフリは いずれボロを出す

人望は崩れる
浅ましき言葉に 差別があれば
居丈高な態度に 蔑視があれば
誠意なき行動に 不正の根があれば
化けの皮は 一瞬に剥がれ落ちて朽ちる

人望を集めるとは何か
何をもって人望と称するのか

ただ一つわかったこと
人望は 欲得なしで生まれてくる
倖せにしたいという 真心の結実

〔2021年2月15日書き下ろし。渋沢栄一の生涯を貫いたNHK大河ドラマ「青天を衝け」が始まったが、面白そうだ。それにしても政治家の人望のなさが切ない〕

人を育てる

育つを育てる
こんな人になりたいという 憧れを育てる
こんなことをしたいという 夢を育てる

育つように育てる
こうありたいという おもいを育てる
こう生きたいという 志を育てる

育てるのは周り
育つのは自分
育てるのは自分
育つのは周り

育てるとか育つとか
お互い様のこと
よりよき人となりたい
よりよきことをなしたい

そのおもいを素直に受けとめて
周りも自らも 育つ力を育ててゆく
それが育つということ
それが育てるということ

育てる力は
育ちたいというおもいを 引き出すこと
育てられている喜びを 感じ動くこと
内なる育つ力を 自ら解き放すこと

育つ先にあるのは
自分と周りの 仕合わせづくり
育てる先にあるのは
共に生きやすい 世間づくり

〔2021年2月14日書き下ろし。育てるというのは一方的な営みではない。自ら育つ力を誘発し高めることが教育ではないだろうか〕