阪野 貢 のすべての投稿

夏の終わりに

唐突な辞任表明
散らかした後の始末は
きっとゆるくはない
火中の栗を拾うのは誰だろう

友は積み上げてきた熱いおもいを
若い世代に継いでゆく
きっと意気に感じ動くだろう
そこに確かに人は育っている

書き続けた原稿も
紆余曲折の末に目処が立つ
きっと喜んでくれるだろう
師との共生が同行(どうぎょう)に似る

1年経っても治らぬ腰痛
次から次へとガタがくる
きっと休めとサインが出てる
でも退屈の虫とは凄く仲が悪い

今夏の終わりに
意地を張らず
たじろがず
卑屈にならず
悲観せず
座して世を見るのは
幸いか

〔2020年8月29日書き下ろし。夏の終わりのこころのメモ〕

裸のこころ

飾りは 捨てよう
もう 裸のこころで生きていこう

嘘で飾る言葉は 捨てていこう
もう 裸のこころのままに語ろう

飾り立てる人は 捨ててしまおう 
もう 裸のこころでも生きていける

地位も 捨て置こう
見栄も 外聞も 捨ててしまおう

人はみな 願わくば
欲をかかず 欲を捨て
いらぬ飾りを 脱ぎ捨てて
裸のこころのままに 生きたいと

人はみな 
裸のこころの おもうがままに
ともに生きてゆくことが 仕合わせだと

人はみな
裸のこころで いつか逝く日を
静かに迎えることが 倖せだと 

〔2020年8月28日書き下ろし。安倍総理の辞任報道に接し、ふと浮かんだ「裸のこころ」〕

ミスる

根性なし
ミスると
しばらく立ち直れない
それが些細なことであってもだ

自己嫌悪
ミスると
愛想を尽かす
それがしばらく尾を引くのだ

自己否定
ミスると
能力を疑う
それが心底つまらないのだ

意気地なし
ミスると
意欲がそがれる
それが結構だらしないのだ

ひとは
小さいミスでも
これだけダメージを受ける
こころぼそい存在なのだ

気を取り直すまで
気を紛らわす
おかげで余計なことをさせられる
小さなミスだけど
決して小さくはないのが
ミスだと思い知る

〔2020年8月28日書き下ろし。恥ずかしくて言えないが、朝からアホなことをやらかして、意気消沈!〕

何をか求めん

確証は何一つない
糸口を探す
何を求めているのかすら
ボケてしまうような
漠然とした気分をかもす

手がかりすら疑わしい
とっかかりを探す
何を求めねばならぬのかすら
つかみきれないような
判然としない気分が襲う

無能だとわきまえていても
やり始めたからには やめられない
ここでリタイヤすれば
全てが無に帰す

確信はまだ持てない
思索の迷い道を
行きつ戻りつ 立ち止まり
時に思考停止に陥る

一筋の光明もいまだ見えない
混濁した世界の淵に
片っ端から言葉を 投げ捨てながら
時に立ちすくみ震える

何をか求めん
生きたいという自問は
解のない堂々巡り
書きたいという渇望は
存在が無になることへの反動

何をか求めん
内なる世界の 時間に囚われし戦慄
つまずき おののき 苛なまれながら
生きるを描く不思議を いま生きる

〔2020年8月26日書き下ろし。限りある命の時間と貧しい表現力に妥協しつつ、書く事への渇望が続く〕

ゆらぎ

生きている限り
一点に留まることは 決してない
ひとは いつもゆらぐ

なにもせずとも
ひとは ゆらぐ

何か考えていても
どうしょうかと ゆらぐ
何かしているときも
これでいいのかと ゆらぐ

こうしたいと思いながら
こうありたいと思いつつも
ひとは ゆらぎを楽しむ

ゆらぎは
分身との対話
本意との対立
本心の確かめ

ゆらぎつつ
生きる本質に迫る

〔2020年8月25日書き下ろし。生きている限り、まだゆらぎ続ける〕
 

名の下に

コロナ禍という名の下に
危機対応不能なるもの

信頼という名の下に
不実なるもの

正義という名の下に
隠蔽するもの

繁栄という名の下に
差別せしもの

決断という名の下に
利得するもの

教育という名の下に
恭順するもの

男女共生という名の下に
不作為なるもの

共存という名の下に
選別せしもの

防災減災という名の下に
不備せしもの

平和という名の下に
武装せしもの

勇退という名の下に
五輪期待せしもの

権力という名の下に
ただ長く居座りしもの
それだけがlegacy

みな 残滓なり

〔2020年8月24日書き下ろし。ものとは、長期政権の人たちであり政策の一端である〕

待ち明かす

早く逢いたい
5分も待てない 
10分すら 長すぎる
30分なら 我慢しよう
45分で もう限界
60分たっても 諦めない

出会いの新鮮さは
おもいの熱さのバロメーター
逢いたい一心で
刻まれる 待ち時間との葛藤
待たされても 待たされても
逢えば 笑顔にはかなわない

待ち遠しさの
募るおもいがいつの日か
相手の心の枷(かせ)となり
ためらう時間の長さに変わる

待ちぼうけ
いつか 待つだけの日が重なる
待ちくたびれて
遠くない別れを予感する
待ちわびた
一方通行の思い入れ
待ち明かして
片恋から ようやく醒める

〔2020年8月24日書き下ろし。待つことのやりきれなさを詠みながら…〕

くたびれる

くたびれた服を 脱ぎ捨て
少しはましな 服に着替えて
こころの乱れを 整えましょう

くたびれた靴を 脱ぎ捨て
少しは楽な スニーカーに履き替えて
こころの負いを 軽くしましょう

くたびれはてた身体は そのままに
少し休ませ 目を閉じて
こころのおもゆくままに 身を任せましょう

くたびれた日々の重荷は そのままに
少し見つめて 周りを見回し
こころが決まるまで 捨て置きましょう

なぜに身体が こんなに重いのか
なぜに心が こんなに虚しいのか
なぜに明日を こんなに恐れるのか

くたびれ果てた その先に
裸の心が 彷徨(さまよ)う
くたびれ果てた その背後に
裸の影が 長く伸びていく

〔2020年8月23日書き下ろし。くたびれた服、靴を脱ぎ捨てたとき、人は裸になってその運命を受け入れるしかない〕

リリーフ再登場

先発は 長いイニングを投げすぎた
マウンドに へたり込むように尻を落とした
すでに 目に力なく戦意を失っていた

ピンチに強かった
ごり押しのストレートが走った
カーブでかわす ご飯論法は絶妙だった 
鋭く切れ込むシュートで 論敵をなぎ倒し
落差のあるフォークで 煙に巻く
ゲームづくりは 独擅場 
血気盛んに マウンドに立ち
虚実で主導権を握り 勝利に導く 

イニングが進むにつれて
守りのミスが 足を引っ張る
1億5千万の金をかけた夫婦が ドジを踏む
ただいま 二人揃って拘留・裁判中
対戦相手がコロナになってからは
悪戦苦闘 作戦失敗 顔面蒼白 意気消沈 
ついに力尽きる

24日を目の前に マウンド譲る決心ついた
リリーフが告げられた
老体を引きずりながら 再登板
観客席から 歓声が上がった
ふりかぶった 投げた
超スローボール 届かない
二球目 いやいや投げた
というより ポトリと落ちた
観客席から 罵声が飛んだ
三球目 投げずに
自らマウンドを降り 敗戦を告げた

このチームに託すものは 
限りなくゼロとなった
新しいチームの人選は
ダッグアウト裏で 
我田引水の戦いが 醜くも始まっていた   

〔2020年8月22日書き下ろし。8月24日以降にXディーはくるのだろうか? リリーフにも期待うす〕