「知ったこっちゃない どうせ他人(ひと)ごと」
そういっちゃオシマイさ もう誰も相手にはしない
だって あんたから 世間と縁を切ったのだから
どうぞ お好きに ご勝手に
って 簡単に切れるものなら 気が楽かも
「なんで私がここまでするの…」
じゃ誰がすればいいの あんたの親の面倒
あんた もう少し近所づきあい うまくしときゃね
って あのとき 言ってあげられたら 良かったかも
「どうせ こんなことさ やっても無駄」
そのままお返しいたします
他人(ひと)に 頼んだままほったらかして
何もしないで いい加減にしなさいよ
って 思う言葉を飲み込んで 無駄でもやってみたら
「正直者はバカをみる」
うそぶいてるけど あんた正直者だったけ?
バカ見たこともないくせに よく言うよ
あんたの親が 一番バカ見てるって 知ってる?
って ここで親がどう暮らしたか 思い出してごらん
「やんなっちゃう もうダメ」
ひとりで 頑張りすぎている あんた
肩の力 少しだけ抜いてみたら
投げ出したい 逃げ出したい
捨てきれないおもいに 苦悶(くもん)するあんた
胸のうち 聴いてもらえる人が そばにいる
って 気がついた?
「人生なんて こんなもの」
確かに 親の看取りをしていくのは 覚悟がいるね
親も 老いて 病を患い 生きていくのはしんどい
でも「なんとかなるさ」
って おもいで 生き抜くことが いま大事かも
「昔はよかった 今はなんで…」
親も若かったし 身体もピチピチ よく働いた
あんたのこと わからなくなったって 愚痴(ぐち)るけど
親の徳で 周りに手助けしてもらえる
って ありがたいね
たわごと ごたく いいのがれ たくさん吐いても
あんたの甘えを 許してくれる
そんなひとが ひとりでもいることが
やりきれない やるせない
そんなおもいで生きる あんたを 救う
人の情けは まだ廃(すた)れていない
そう信じて もう少しここで頑張ろう
〔2018年12月2日。2019年度全道民生児童委員専門研修会で発表〕