おさなごが ふたり
秋の光の中で たわむれる
枝葉の広がった エルムのかげは 長く伸び
池の水面に 赤とんぼと 揺れている
光をさえぎり ふたりは かげを ふみあう
ひとりのかげを もうひとりが 追いかける
ふまれぬように 笑いころげて 逃げまどう
かげをふもうと はしゃぎながら 追いかける
光に向かう あどけないおさなごを
ふたつのかげが 追いかける
無垢なふたりを照らす あざやかな朱色の落陽
ふたりは 光の子となった
〔2019年9月10日書き下ろし。人生は光の如く一瞬の刻。光を全身に浴びる幼子の今日・明日の幸せを、ただただ祈る。9月20日70歳の誕生日を迎える〕