放課後児童クラブの指導員

午後3時30分 下校の時間となりました
放課後児童クラブの 子どもたちは一目散に
児童会館に向かいます
いつのも見慣れた 下校の風景
何の問題もありません

クラブで 子どもがおいたをします
なかなか言うことは 聞きません
泣かされた子を慰めて 謝るよう諭します
でも小馬鹿にするように 逃げていきました
危ない遊びと注意しても 何度も繰り返す子もいます
周りの子らも おもしろがって はやしてあおります
手に負えない やんちゃな子らを相手に
安全には ほんと気の遣い放しです
みんな帰すと どっと疲れが出てしまいます

迎えに来た親に話しても 
荒立てないでとばかりに 聞き耳は持ちません
そんなことしたの してはダメよと 優しい口調
子どもも甘えて聞き分けのいい子に 大変身
こうしてほしいと ないものねだりの毎日です

学校に行く機会がありました 
クラブの子の様子についての情報交換
かの子どもの様子を話すと
あの子はそんな子ではありませんとピシャリ
約束は守る 素直でいい子ですよ
さも泣かされた子に 非があるような口ぶりに
まるで告げ口をたしなめられたようなブルーな気分
私って 私たちって 何なんでしょう?

クラブで問題を起こす子どもは
先生や親の前では いい子ぶる
決して 本性出しません
たまったストレス 思いっきり発散するのも仕方なし
かの子らには ここが自己開放地帯です
抑圧されてる息苦しさを 毎日感じているのです
それが エネルギッシュな負の行動を誘発します
学校の道徳の教えは いっとき忘却の彼方です
生きるためのあがきです
小さき子らも 追い込まれているのです
だから 抱きしめてあげたいのです

先生でも親でもない ただのおばさん指導員
なめてかかって 手を焼かす
やりたい放題 言いたい放題 こんな愉快なことはない
しまいに放った一言で 唖然としました私たち
「子どもと遊んで お金もらっていい仕事だね」
子どもではありません
親が そう言わせているのです

放課後児童クラブの指導員
きょうも明るく元気に 子どもたちを守ります
何の権威も 社会的地位もありません
預けるのは当たり前だと 高飛車な親もいます
でも 子どもたちをほっておけないから
仕事とは 割り切れない仕事をしています

放課後児童クラブの指導員
きょうもめげずに手抜きせず 子どもたちを守ります
子らの不満を一手に引き受け 受けとめます 
たくさんの子らの笑顔と優しさをもらい
たくさんの親から感謝され やりがい感じて続けています

放課後児童クラブの指導員
働く親の しんどさを
甘えられない子の しんどさを
分かち合いましょう 親子の情愛
微力ながらも 子育てのお手伝い
これからも 明るく元気に続けます

全国でがんばっている人たちです
心が折れぬよう
応援してください

〔2019年11月19日書き下ろし。放課後児童クラブの指導員の実態を見るに連れ、親も学校もその地域のクラブで活動する指導員とのパイプを太くすることが喫緊の課題です。23日勤労感謝の日、指導員に慰労の言葉を。感謝の念は倫理です〕