札幌で 学会があった
会員では すでにない
ゲストで 数年ぶりに参加した
分科会での発言を終えて
途中退席する大阪の友人を送って 廊下に出ようとした
その時
女性が 声をかけてきた
先生分かりますか?
分かるはずもない
彼女が学生時代 ボランティア活動をしていたという
師弟関係ではなく ボランティアの仲間だった
もう20年以上も昔のこと
面影を追うことは 無理だった
社会福祉士 精神保健福祉士 介護福祉士
福祉のプロフェッショナルになっていた
社協に勤めた
先生のように 大事なことを伝えたいと
一念発起して 大学の教員になっていた
福祉系の女学生だった子が
ボランティアの世界で育てられ
福祉の道を歩いた先に
自分が感化された ボランティアの心と活動を
次の世代につなぎたい
その強い「こころざし」を実現した
伝えたくて 伝えたくて 会いに来た
若者たちの道に 邪魔にならずにいたことに ホッとした
若者たちの道に ボランティアを学ばせたことは 間違えではなかった
若者たちの道に 蒔かれた志の種が結実したことの 深い感動をいただいた
もう少し世の中で そんな若者たちの成長を見てみたい
独りよがりの願望が 静かに心を満たした
〔2019年11月24日書き下ろし。人は逢うことが出来なくても、その志の中に生きていることの喜びを深く感じた再会だった〕