長電話

最近珍しく 長電話が続く
それも 同じ相手とだ

40代の男は 全道を 駆け回っている
仕事に没頭し スケジュールに追われている
やるべき業務も多い
こなすことに 精一杯のときもある
だから 長電話は貴重な時間となった

「今日はどこ?」
「会社です」
「大丈夫かい?」
三つの意味がある
いま電話大丈夫 普通の礼儀
男の身体しんどくないか 健康チェック
次の仕事の 打ち合わせの打診

半年以上 新しい研修企画の開発に 取り組んだ
課題は 山積している
地域や関わる人たちの 活動意欲や実態の把握
アンケート調査による 具体的な問題の抽出 
それを踏まえて
活動のモチベーションの維持と継続をめざした 
新たな研修プログラムの開発

男は この世界の 全道的なエキスパート
現場主義で ネットワークの構築は ピカイチだ
人当たりの良さで 相手の懐にスッと入る 不思議な存在感を持つ男
傾聴力と共感力が 持ち味だ
だから 周りの信用度も評価も高い
社会情勢を判断するための 勉強にも余念がない
相手と問題を共有する コミュニケーション力は
その成果を 補完する
いつも現場で問われるのは コーディネーション力
的確な情報と 結びつく人との関係性を 瞬時に判断しアップさせる
まだまだ足りないと 自覚するところに 
成長する男の 謙虚さを知る
知力を刺激し続けることが 男を次のステージへと引き上げる

重要なのは 仕事への執念だ
男は 従来の方法でこなしていくことを 拒否した
既成の枠を どうは超えるのかが 課題だった
どうすればいいのか その解決策を念頭において
仕事に向きあっていた

仕事の創造性とは 
自己成長に向かう線上にある 
自己の深い問題意識から導き出された 変革のアイディア
それを いかに実現可能なカタチへと 昇華させるのか
そのタイミングで 出会った触媒によって誘発され 求めていたものが顕示される
それが 半年前に変革の化学反応を起こした 

新しい研修スタイルと内容を 6月と11月に試行した
評価は予想以上だった
参加者の声を 改革の仕事力に変えて
来春 道内各地で頑張る人たちの 暮らしの現場に
開発プログラムを携え 遠路を向かう
そこが男の存在価値と 総合的な組織力が問われる
次のステージへの 実践検証の場となるのだ

男を支える組織こそ 健全である
その改革の意を共有し 協働して企画し
組織の立ちゆく理念の実現のために
新たな展望を持って 挑戦的に世に問う
多くの民の意思と活動が 協働化され地域を潤す
暮らしを支え維持する「民の力」を 貪欲に見出すために 
組織も 男も 動く

男は 一言でも聞き漏らさぬよう
夢の実現のために 心を器にして
聴いていたのだった

〔2019年11月28日書き下ろし。忙中閑あり。男は超多忙の中での長電話。流されることなく現状の変革を求め続ける現場人の意気地を感じてほしい。公務員頑張っていますか?〕