青い手帖

「民生委員は、社会奉仕の精神をもって、常に住民の立場に立って相談に応じ、及び必要な援助を行い、もって社会福祉の増進に努めるものとする」(民生委員法第1条)

3年ごとの改選期
12月 初めて民生委員の辞令をもらった
挨拶の中で 期待とその社会的役割の重要性を説かれた
これから3年 地域の人のお役に立てるよう務めることを自覚する
青い手帖を 手にした
真新しい2020年度の手帖
民生委員のバッジのマークが目に入る

表紙の裏には「民生委員児童委員信条」 
社会福祉の増進
地域社会の実情の把握
相談と自立の援助
地域社会づくり
公正を旨として 人格と識見の向上

ただのおばさんしていた者には
読んだだけでは 何が何だかさっぱりわかりません
社会福祉のことは ちんぷんかんぷん
地域社会の実情把握って 何をどう把握するの
相談と自立の援助 なんとなくわかったようなわからぬような
地域社会づくりって 皆目見当もつきません
人格と識見 おばさんに求められても ただただ沈黙

そして「児童憲章の前文」
児童は 人として尊ばれる
児童は 社会の一員として重んぜられる
児童は よい環境のなかで育てられる

ただのおばさん 児童憲章初めて見ました
社会の一員 という意識はないわね
子どもは扶養されてるだけではない ということなんだ
よい環境か いまの子どもの問題 ここなんだよね

地域で暮らす 子どもも大人も お年寄りも障がい児者も
みんな ここで倖せに暮らしていくために
これから3年 福祉の勉強しっかりせねばなりません
いまは何も知らない おばさんです
いまは頼りにならない おばさんです
いまは困っている おばさんです
「初心者マーク」で スタートします
教えてください 先輩委員
教えてください 地域の皆さん
困りごとから 学びます
困ってる人から 学びます

青い手帖に 記録する
日々の予定と出来事を
1年経ったら 文字で埋まっているのでしょうか
出会いの記録が 記されているのでしょうか 

青い手帖に 記録する
日々の悩みとしんどさは
1年経ったら 少しずつ和らいでいくのでしょうか
出会いの喜びが 記されているのでしょうか

青い手帖は 記録する
人の生きることへの渇望と
人を尊ぶことの気高さを
1年経ったら 少しずつわかっていくのでしょうか
出会ったことがよかったと 言ってもらえたら…どうしましょう 

ただのおばさん 民生委員です
青い手帖を バッグに入れて
今日から 度胸試しの挨拶回り
明るい笑顔で 訪問します
ドキドキしながら ピンポン…押しました 

〔2019年12月9日書き下ろし。12月民生委員児童委員を委嘱され、特に新人はこれから慣れぬ活動にドギマギしながら、地域で奮闘されることでしょう。あたたかく地域で迎えてあげてください〕