指切りげんまん

♪ 指切りげんまん 嘘ついたら針千本の~ます
約束を守る誓いの おまじない
いまも 子どもたちは楽しそうにしています
約束を守らず 嘘をついたら
指を切ります
げんまんは拳万だから 拳(こぶし)で1万回殴ります
さらに裁縫針を千本飲ませます
約束をたがえれば これだけの罰を与えます
だから 守ってください
決して嘘ついちゃなりません
そう唱えて 約束を確かめ合う 
かなり 厳しいおまじない

♪ 指切りげんまん 嘘ついたら針千本の~ます
指を切るのは
室町幕府が 永正9(1512)年に定めた
『撰銭令(えりぜにれい)』の条例に違反した者は
「男は頸(くび)をきり女は指をきらるべし」との
刑罰から始まったという
それが 男女が愛情の不変を誓い合う証にかわり
遊女が客に 小指を切って渡したという
ヤクザが 不義理で指詰めするのは この風習を真似たのだろう
約束や信義をないがしろにする者は
こんなにひどい罰が当たるのですよ
だから 決して破ってはなりません

♪ 指切りげんまん 嘘ついたら針千本の~ます
子どものたわいないおまじない
こんなに深い意味がありました
子どもの世界のことではなかった 指切りげんまん
大人は平気で嘘ついて 
指を切られて
1万回殴られて
針千本のまされる
そんな覚悟のないままに
平気で 約束破ります

♪ 指切りげんまん 嘘ついたら針千本の~ます
はじめからできぬ約束 
壮言大語(そうげんだいご)で はぐらかす
バレたら 誤魔化すつまらぬ言い訳
誰とも指切りしてません
バレたら 得意の証拠隠滅 早技披露
誰とも指切りしてません
バレたら 丁寧に説明しますのお約束 
一体誰と指切りしたのか わからない
だから ずっとオウム返しのままで許された

♪ 指切りげんまん 嘘ついたら針千本の~ます
大人の醜(みにく)い不正義を
誰か咎(とが)めてくれるまで
唱え続けます このおまじない
大人の許しがたい理不尽を
誰か諭(さと)してくれるまで
唱え続けます このおまじない
大人のさもしい根性を
誰か鍛え直してくれるまで
唱え続けます このおまじない

♪ 指切りげんまん 嘘ついたら針千本の~ます

〔2019年12月28日書き下ろし。シュプレヒコールにしてみると不気味ですね〕