高校生とボランティア

サークルで ボランティアしている
顧問の先生は 優しい人だ
だから 先生と一緒に活動するのは楽しい
先輩たちがやってきた 老人施設の訪問活動 今も続けている
介護する大変さを 横で見ながら
足手まといにならぬよう お手伝いをしている
月に一度 施設の喫茶室で 
カフェを開いて お年寄りさんをお接待
お茶やジュースを出しながら 楽しく動く 
お話ししたり 聴いたり 自然と笑顔になる
ほっこりしてくる 一番好きな活動だ

放課後 バイトも忙しいけど
それでも サークルを続けている
いつでも都合のいいときに できる範囲で できることから
そう誘われて 入ったサークル
規制が少ない分 負担も少ない
月に一度のカフェだけは できるだけ続けたい 

忙しい高校生活 その大事な時間
バイトしていたほうが お小遣いになる
自由時間は 好きなことしたほうが 楽しいに決まってる
部活に青春をかけている子も たくさんいる
それなのに どうしてボランティアしてるの?
大事な時間を どうして人のために使っているの?
なぜただ働きしてるの?
ボランティアしてない子から 
いいことしてるねって 皮肉っぽく
不思議がられて 聞かれる質問
冷やかし半分の相手に
言っても わかってくれそうもないし
わかってもらおうとも 思わないから
笑ってごまかす

でも 少しわかってきたこと
ボランティアって 肩肘張って することじゃない
ボランティアって 自分でこうしたいと思う気持ちが なきゃできない
ボランティアって 楽しくなきゃ 長続きなんてするわけない

ボランティアは 
きみが 大人に成長していく通り道にある 人としての学びの世界 
いろいろな人の生き様や 理不尽な社会の問題との出会いを通して
きみのこころが揺り動かされ 体験を尊い学びに変えてゆく世界
きみが 生まれて来た理由
きみが 生きる理由 
自問自答しながら
いのちの芯を鍛える 
こころの芯を鍛える  
まなびの芯を鍛える
それは 同級生より少し早めに大人になるための
自ら選んだ 初々しいトライアル

ボランティアの世界にようこそ!

〔2020年1月19日書き下ろし。今日苫小牧で高校生のボランティアスクールがあった。過去に出会った高校生たちの戸惑いや喜びを伝えたかった〕