同調圧力

少女は 友だちがもてることは 心配しなかった
少女は 友だちになったことで 心配になった

秘密を打ち明けたら バラされた
信じられなくなった
嘘をつかれるかもしれない
はじかれるかもしれない
はぶかれるかもしれない

少女は 自分を封印した
少女は 友だちのコトバとタイドに敏感になった
少女は 空気を読むことを 自分に課した

付き合うことに 疲れてきた
その場にいることで 過呼吸になりそうだった
そこは 自分の居場所ではないと よくわかった

少女は ひとりになった
少女は それから友だちを求めなかった
少女は 中学を卒業して ホッとした

高校で ボランティアサークルに入った
ただなんとなく 知らない人に会いたかった
周りを気にせず 初めて受け入れられた
身構えていた力が スッと抜けていった 
自分らしく振る舞えるような そんな予感がした

〔2020年1月20日書き下ろし。昨日の続き。中学生時代に友人関係で悩む子は多い。ボランティアは、そんな子には自分を取り戻すことのできるチャンスかも知れない〕