ポジティブに ~石狩レポート(5)

『妻の旅支度』
老夫婦の 究極の最期の別れ方を詠む
妻の夫への愛の深さと 
妻に死を受け入れていく 夫の添う姿も美しい
限られた時間(とき)に刻まれていく 夫婦の情愛
静かに 聴き入る

『きょうという日』
ときめきを失ってから
生きる時間の 浪費が始まる
そうじゃない そんな自分を否定する
そこに わたしを気遣い必要とする人がいる
手を握ってもらった それをご縁に
世間にそってみようかと 歩き出すわたし
きょうの日が それを確かめる日であってほしいと

『融和の心』
長い詩なので ラストのフレーズを紹介した
「そしていま、痛みや喜びをわかちあう“融和の心”を、
地域(ここ)に根付かせることが、大きな目標となった。
先輩らの頑張っている姿を見ながら、
身の丈に見合った応分の仕事を続けよう。
そして、いつか〈人生の恩返し〉という
民生委員・児童委員のおもいのバトンを、
“あついまなざし”をもつ次の世代に、力強く手渡したい」

『ほころびを繕う』
慰藉(いしゃ)の手を持つ人に導かれ 生かされているわたし
もしかして 
わたしの中の〈わたし〉へ 生老病死を問い続ける道程
それが 民生委員児童委員の活動かもしれない

それじゃ そろそろ行きますか?
『階段』
「今日も 団地の階段に挑む 私の体力づくり
どんなに 崇高(すうこう)な思いを 持っていても
民生委員に いま求められるのは 
この階段を上り下りする体力なのだ
この階段の先に 私を求めて待っている人が きっといる
その笑顔に 会いたくて 
一段目に 足をかけた
いつもここが 私の仕事のスタートライン」

ふりかえりの時間が来た
アンケート用紙の自由記載の欄に
感想や意見を 書いてもらう
書き終えて 参加した市町村から1名指名して発表
研修後の全員へのアンケート
赤 やろうという意欲が起こった
青 やるしかないとあきらめ 腹をくくった
白 無理だと再確認しつつ やるしかなと思った

赤が 8割近く上がった
白は 1割にも満たなかった
研修前の不安が 払拭された瞬間だった
ただ ポジティブな発問なだけに 肯定的だった
もう逃げられないお役目だとすれば
前向きに考えて 悩みも喜びも一緒に味わって行きましょう
みんないい顔をしていた
そして 最後の詩を朗読した

『めんこいしょ』
子を授かり 育てる
親になった喜びを
社会で育てる喜びを 
深く心に熱く刻んでほしかった

おまけがあった
引率で来た 市町村民児協担当者
一緒に研修を受けてもらった
担当者だけの「アンケート調査」を実施した
担当者として 前向きになれたか
今日参加して よかったか
根室と小樽では 100%肯定された
石狩の反応が 楽しみだ
道内全て回り終えたその時に
他の質問項目も併せて 分析をかけよう
全国でも稀な担当者への意識調査
結果を受けて 次を展望するのが楽しみとなった
道民児連の研修は 次を見すえたしたたかさにある
そこが 断然面白い 
残り11管内 道民児連の職員と共に
今日も午後から 十勝(帯広)行きのバスに乗る

※『妻の旅支度』:鳥居一頼の世語り(105)2019年10月28日投稿 から引用する
※『きょうという日』:鳥居一頼の世語り(1)2019年7月17日投稿 から引用する
※『融和の心』:鳥居一頼の世語り(10)2019年7月27日投稿 から引用する
※『ほころびを繕う』:鳥居一頼の世語り(8)2019年7月25日投稿 から引用する
※『階段』:鳥居一頼の世語り(95)2019年10月19日投稿 から引用する
※『めんこいしょ』:鳥居一頼の世語り(61)2019年9月14日投稿 から引用する

〔2020年1月27日書き下ろし。この研修は、道民児連の「第3次活動指針」の具現化の一つとしての取り組みでもある。丁寧な取り組みが、市町村民児協とのさらなる信頼関係を結んでいく。民児連としては、全国に2つしかない公益財団法人として、課題に果敢にトライする。その心意気と自負を持って事に当たる職員を、微力ながら応援したい〕