老いることは 情熱の枯渇
持ち続けるには 若者との語り場がいい
地域福祉の世界に入り込んだ 二人の青年らと
久しぶりに 飲み語らう
福祉の職場で 行き場を失う者たち
他市町村の者たちと 横でつながることさえしなくなった
仕事の困りごとは そのまま放置
わずらわしい人間関係は 我慢できない
指示された業務を 勤務時間に見合ってこなせば一日終わる
福祉への志のあるなしで 評価はされたくない
とりあえず 喰っていければよしとする
人間関係面倒ならば 地方に定住 拒絶して
早めにリタイヤ 次探す
自分を生かす仕事を探して 彷徨(さまよ)う迷い道
そんな世相にさからって 福祉の世界に飛び込んだ
青年二人の 社協物語が始まった
こじゃれた居酒屋に誘われ 魚三昧の夕餉にありついた
社協の女性課長 有能でおもいと行動力が半端ない
いまも地域福祉の現場に 確かに生きる
大学を出たときから 注目していた福祉のひとだ
デスクを温める暇もなく 日中は町内を駆けずりまわり 当事者に添い続ける
道内でも希有な社協ウーマンとして 堅実に成長していた
その部下となった2人を 引き合わせてくれた語り場
ただただ嬉しいばかりで 酒がすすむ
驚いた
まだ4ヶ月と3ヶ月の新人男性二人
教育と医療の職場を経験してきた二人だが
ふくしのふの字も関わったことのない ど素人
彼女の思惑は 外の人間に会わせ
語り尽くせない福祉のいろはを 伝えてもらおうという
魂胆だったかもしれない
語る前に 肴とビールに酔っていた
新人に伝えたかったこと
ひとつ まずは 与えられた仕事を確実に習得すること
ふたつ 社協の仕事をよく見聞きし 気づいたことを書きとめる習慣を身につけること
みっつ 感じたことを 決してないがしろにしてはならないこと
学習能力が高そうな二人には 実践的な知識理解は早いだろう
書く力は 新人のいまだからこそ着実に習慣化したい力だ
成長の軌跡と実践の振り返り
そして 抽出した課題へのアプローチへとつながる自己変革の芽
それを しっかりと書きとめる
福祉を学ぶということは 人とことへの感応力を高め人間関係力をつけていくこと
相手の痛みに共感できなければ ただのやっつけ仕事に劣化する
課長は 今日の研修に 二人を参加させる
若い福祉の人材を しっかり育て上げること
彼女の人材育成力は これから問われていく
その意を受けながら いま研修の中身の練り直しを迫られる
社協マンになって 初めての外部研修
二人もまた期待を背負って 自己研鑽に臨む
〔2020年1月31日書き下ろし。20代後半の男性が社協の職員になっただけでも幸いです。これから大事なことを伝えていく上司たちの奮闘を応援したい〕