札幌五輪誘致に反対する

札幌冬期五輪誘致に向けて 市は大会概要案を29日公表した
大会経費2千800億~3千億円 市の負担は450億円
運営費を2千億~2千200億円と見込んだ
運営費はスポンサー収入などでまかなう 
税金は原則投入しないと明記した
取らぬ狸の皮算用 そうならない時の保険はない
札幌市内だけではなく 全道各地で種目を担う分散大会
だから全道規模でアンケート調査を実施するという
結果は誘致の是非にはならぬという怪奇な調査
高い経費と手間をかけ いいとこ取りして誘致の正当化を図る

札幌五輪誘致に反対する
一つは 五輪をなぜ開催するのか
東京五輪に見たIOCの露骨な商業主義と高圧的な態度が目に余る
五輪憲章すら踏みにじるIOCに加担することは許されない

二つに 東京五輪の経費を含めた検証が済んでいない
膨大に膨らんだ経費は 都民の意向を無視して負担される
経費圧縮を叫んで誘致した者たちは みな本番までには辞任した
誘致した責任は 見事に拡散しあやふやとなった
8年後の政治と経済の動向を予知することは出来ない
秋元克広市長も そのときにはその職にはいないだろう

三つに 必ず金儲けの美味しい話で道民を釣る
リスクを隠し 経済効果を煽り立てる
これこそ商業主義化した五輪の本質ではないか
東京の惨敗を見ても 学べぬ者たちの楽観主義が怖い

四つに IOCは「クライメート(気候)・ポジティブ」を義務づける
具体的にはまだ示していないが 対策経費が必要となる
冬期間暖房が欠かせない北海道の現状を把握すべきであろう
その上でリスクが生まれてきたなら 道民に規制を強いるのか

五つに 誘致の気運が高まるとは思えない
IOCの貴族気取りの金の亡者を 札幌に招くことなど許されない
IOC主導の東京大会に嫌悪感を憶えた人は 反対の意を示すだろう
国すら手玉に取るIOCは 札幌など赤子の手をひねるほど簡単だ
IOCの横暴な振る舞いを 決して許してはならない
その空気を察して アンケート調査で盛り上げたいと画策する
なんと見え透いたお粗末な企てか

目的を見失い アスリートを巧みに利用したIOCの卑劣さ
緊急事態宣言の最中 反対の声を踏み潰し強行したIOCと言いなりの国
五輪の恥部を見せつけた東京の教訓を 決して忘れてはならない

※「クライメート(気候)・ポジティブ」:地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減量が排出量を上回ること。

〔2021年11月30日書き下ろし。IOCの金権主義に懲りずに誘致を進める札幌市。アンケート調査も既成事実を積み上げるだけのこと。五輪の目的を歪ましたIOCを拒否する〕

付記
道民調査で招致是非決めず 30年札幌五輪で市方針 議会、他都市の意向参考
札幌市は2030年冬季五輪・パラリンピック招致に向け、来年3月にも全道規模で行う住民アンケートについて、結果だけで招致の是非を決めない方針を固めた。秋元克広市長は15日の定例記者会見で「(結果は)非常に大きなウエートを占める」と述べる一方、市議会や道内他都市の意向なども踏まえて最終判断する考えを示した。19年試算から最大900億円削減する開催経費は「招致決定後に増えることは許されない」と強調した。
住民アンケートは、20歳以上を対象に実施する。秋元市長は全道規模とする理由を「帯広市なども競技会場となるほか、冬場の観光客誘致など道内全体への効果も期待しており、道民の意向を把握したい」と説明。郵送やインターネットによる調査を検討し、世代や性別などのバランスを考慮する。(北海道新聞2021年11月16日)