ふくしとは

「ふくし」とは
「ふだんの・くらしの・しあわせ」

冬休み 元気に過ごしているかな
給食がないけど 三食きちんと食べている
今日も 子どもだけでお留守番
お母さん 朝から晩まで頑張って働いているんだね
昼ご飯 一人で支度できるようになったんだ
下の子に ちゃんと食べさせなきゃね
偉いぞ

とても寒いね
暖かいかっこうしてるかな
寒い部屋にいないかな
風邪引いていない
えっ 咳してるの 熱はないかい
下の子熱があるから 氷枕で冷やしているのか
病院には 行ってないの
そうだよね 母さん仕事でいないから
お正月だし 病院にも連れて行けないんだね
風邪引いても 買い薬飲んで 我慢して寝るしかないのか
お母さんも心配で 辛いね
何かあったら 連絡できる人はいるのかい
そうか あんまり迷惑かけたくないか
暖かくして やわらかい温かいものと水分だけはとってね
看病してるって 偉いな

今年のお正月も どこも遊びに行けなかったんだね
お年玉を もらうこともなかったんだ
でもなに
お母さんが 新しい服を買ってくれたの
お正月の朝起きたら 枕元に置いてあって
前からほしかった服だから すごくうれしかった
よかったね
お母さん 喜んでくれることが 一番
また頑張って働こうって 元気がでるみたい
今度の休みにその服を着て みんなで買い物に行くって
お母さんと約束したんだ
だから 早く風邪を治してあげたいんだ
やっぱりきみは すごく偉いな

ただね
靴が小さくなって
歩くと少し痛い

ないものねだりせず
わがままもいわず
身を粉にして
いまのくらしを 子どもとまもる

「ふくし」とは 母と子の
「ふだんのくらしのしあわせ」づくり

〔2020年1月5日書き下ろし。「物質的剥奪指標」から母子家庭の貧困について考えてみた。幼気(いたいけ)な子どもたち、母ちゃん、ガンバレ!〕