ターゲットは
モニターにあった
「殺(や)れ」
命令一下
兵士はボタンを押す
遠方から 命中のシグナル受信する
ハイタッチし歓喜する アメリカ軍
命令下せし張本人
座して してやったりのしたり顔
敵の攻撃未然に防ぐ 国家テロ
正義の鉄槌くだしたと
公然と冒した殺人 無罪なり
殺した兵士らは 英雄なり
緊迫した状況
モニターで 敵機だと確信した
「撃て!」
命令一下
兵士はボタンを押した
ミサイルは 見事敵機を撃墜する
歓喜したイラン軍
その後 民間機だと判明
意気消沈のイラン軍
まずは 撃墜を否定する
証拠を出され すごすご認知
誰がどう判断し命令したのか
調査の上で 処分する
兵士らは 犯罪人となる
その前に ミサイル攻撃したその朝に
なぜ 事前に運航禁止しなかったのか
最大の防御は 民間人をいかに守るか
低レベルの防衛能力と無策を露呈する
176人の 還らぬいのちと人生に
人的ミスしました すみません
これでチャラにしようとするのが
戦争という魔物が支配する残忍な世界
その原因をつくった者たちは
今夜も枕を高くして 寝つくことだろう
犠牲になった人たちの冥福を祈りつつ
家族の悼みに添う 想像力を絶やしてはならない
戦争の代償は いつも罪なき人たちに払わせる
勝ち誇る者は 征服欲に満たされ さらに傲慢となる
〔2020年1月11日書き下ろし。やり切れなさが続きます。176人方々のご冥福を祈りつつ、残酷な現実を決して忘れぬようにしませんか〕
付記
イラン、ウクライナ機の撃墜認める 人的ミスとおわび
イランの首都テヘランでウクライナ国際航空機が墜落して176人が死亡した事故について、イランの統合参謀本部は11日、イランメディアを通じた声明で、撃墜を認めた。「人的ミスだった」としている。ザリフ外相も同日のツイッターで撃墜を認めた。イランはこれまで、ミサイルによる撃墜を否定していた。
統合参謀本部は声明で、イランが8日に米軍の駐留するイラク軍基地をミサイル攻撃した後、「イラン軍は高い警戒レベルにあり、米国の戦闘機が我々を標的にしていると報じられるなど敏感な状態だった」と釈明。「(ウクライナ機が)イランの精鋭部隊・革命防衛隊の軍事拠点の方角に向かうなどしたため、不注意で撃墜した」と撃墜を認めた。同本部は、犠牲者への追悼と謝罪も表明した。
墜落により多数の自国民が犠牲になったカナダのトルドー首相は9日、「イランの地対空ミサイルによって撃ち落とされた」と指摘していた。(テヘラン=杉崎慎弥/朝日新聞デジタル版/2020年1月11日 13時20分)