老人介護施設がクラスターに晒されている
一時も休むことができない老人介護
三度の食事 排泄 入浴
手を抜くことができない老人介護
コロナは見境なく老人も介護士も襲う
老人は入院すら出来ず施設内看護を余儀なくされる
介護士は無症状や軽度であっても一時自宅待機を強いられる
健康な介護士の数も負担もすでに限界がきていた
学校の感染もインフルエンザの比ではない
子どもが感染したり濃厚接触したりすると自宅待機となる
そうでなくても介護士が足りない業種
現場はもう回らなくなっていた
他施設に応援を頼むにも難しい現状だった
施設長は同意を得て陽陽介護を決断した
陽性の老人を陽性の介護士がケアする
とんでもないと批判は覚悟した決断だった
許せないと非難を覚悟した行動だった
苦渋の決断を迫られる介護現場
切迫した現場はいまだ三回接種が進まない
医療現場に目がいきがちの国会論争
クラスターで疲弊する介護現場を注視したい
札幌圏がドカ雪で埋められた朝
4時間もかけて出勤する介護士たちがいた
そこには自分を待つ人がいる
そこには自分に頼る人がいる
そこには自分を信じる人がいる
陽陽介護はその尊い命と暮らしを護る究極のケア行為
生きるとはなんと苛酷なのか
仕事とはなんと苛酷なのか
それを承知で担う介護士たち
「人間は崇高にして偉大な存在である」(松下幸之助)
ただただ頭を垂れるしかない
〔2022年2月9日書き下ろし。クラスターが収まらない。介護現場で奮闘する介護士にエールを贈りたい〕