先日、愛知県豊田市にある「SOUP TOWN」を訪ねました。
この市民福祉教育研究所のブログでもたびたび登場する、コミュニティデザイナーの山崎亮さんが関わった福祉の拠点(総合福祉施設)です。
今回、私が顧問・アドバイザーを務める社会福祉協議会の地域住民が企画した視察研修に同行して訪問しました。
ここで印象に残ったのは、「高齢者」「障害者」「子ども」といった福祉の縦割りや、既存のサービスの枠から出発していないことでした。地域に暮らす人たちの声を聞き、住民とともに、この場所をつくり続けています。
そこの代表のお話を伺うと、最初から現在のような形が完成していたわけではないそうです。
職員が困っていれば、その困りごとに寄り添う。地域の人から声があがれば、その声に寄り添う。一つひとつ向き合っていくなかで、少しずつ今のSOUP TOWNが形づくられてきたといいます。
スタッフの方がおっしゃった「私たちは、ご利用者の5分の1の期間の家族になろう!」という言葉も心に残りました。家族そのものになるのではない。でも、単に支援するだけの人でもない。
私はそこに、「スープの冷めない距離感」という言葉の意味を感じました。
人は誰でも、「こんなまちに暮らしたい」「こんなことをやってみたい」という思いを持っています。しかし、それを声にしたり、自ら地域づくりのプレイヤーになったりすることは、そう簡単ではありません。
だからこそ、人と人とが出会い、互いに触発され、時には刺激を受けながら、「ちょっとやってみよう」と思える場所が必要なのではないでしょうか。
今回の訪問で、あらためて感じたことがあります。
まちづくりは、人づくり。
そして人づくりとは、誰かが誰かを一方的に「育てる」ことではなく、人が出会い、関わり、学び合いながら、それぞれが動き出せる環境をつくることなのだと思います。
それはまさに、市民福祉教育が大切にしてきたことでもあります。
近すぎず、遠すぎず。 でも、困ったときにはスープが冷めないうちに届く。
そんな人と人との距離感が、地域の「ふくし文化」を育てていくのかもしれません。
【参考情報】
SOUP TOWN(スープタウン)公式ホームページ
https://souptown.studio.site/
愛知県豊田市にある複合福祉施設。高齢者福祉・障がい福祉・児童福祉など、多様な福祉の取り組みを展開している。




