社協に肩入れしてもらって
子どもたちの福祉の学習も 楽しく様変わり
お返しするのが 世間の義理
それは社協の事業に 加担すること
校長室は 作戦会議室に 早変わりした
地域福祉を進める事業を 企画した
地域の人財を活用した 生涯学習
教育委員会の お株を奪って
社協が主催の 生涯学習はいかにあるべきか
簡単明瞭 そこで暮らすことの豊かさは 文化にあり
人と関わり合うことから生まれる 福祉文化を発信しよう
事業名は「きずな夜学校」
無機質な公民館の研修室は そぐわない
会場は 六年生の教室をあてた
地域の方々は 子どもの教室で学べることに興味津々
習字や図画の作品やら お道具類やらであふれ
懐かしい机と椅子の感触
35人定員で 45人が応募した
急遽 隣の教室から 補填する会場づくり
夜学校は3日間 一日二時間
科目は 六科目
故郷の風景写真を撮る 地域在住の写真家の作品鑑賞と解説
近くの精神科の病院長には 認知症の講義
障がい者と花樹栽培をしている造園家には 鉢植え花の育て方
町内会の運営で 全国的に評価された実践紹介を 会長さんに
地域の助け合い活動は 社協のスタッフから レクチャーとお願いを
子どもと福祉の学習は 校長の得意分野です
夜7時から9時まで
2階の教室と玄関をつなぐ動線は 夜のしじまに光がもれる
福祉は 特定の人の問題だけではない
日常の暮らしにある 当たり前の人とのつながりであることを再発見した
福祉文化と気取らずに 地域を豊かに耕している人に注目した
会場の教室は 夜学校を演出する最高の舞台となった
子どものいない教室は 子どもの文化であふれていた
講師は 校長室で講義を終えて一休み
会話は 初体験の楽しさで盛り上がる
社協スタッフが おずおずと薄謝を差し出す
中身は 図書券
講師はそのまま校長に手渡し 使ってほしいと申し出る
ありがたく 手を出し頂戴する
後日 学校図書館の運営を一手に担う
図書ボランティアに 図書券を手渡す
子どもたちに読んでほしい児童図書を 一番承知しているボランティア
ボランティアが 主体的に本を選ぶ
それが 活動を継続させる重要なポイント
だからいつも生き生きしている うちの図書館ボランティア
もう一つの 文化活動支援のあり方
校長室は 地域の文化振興の推進室にも様変わる
そこに 社協が絡むと もっと面白く市民と福祉を考える
福祉教育推進室にも 変幻自在
そのことを 校長が知るか知らぬかで
市民や子どもの福祉の学習に 雲泥の差がつく
〔2019年10月4日書き下ろし。登別市社協とのコラボ企画した事業の一つ。校長室は様々な推進室になると面白い。面倒くさい、わずらわしいと思った瞬間、校長室は閉鎖される〕