携帯が手放せない

新米ママは 育児で悩む
公園デビューも 果たさぬうちに
コロナ禍で 外出自粛が広がった
頼りにしている実家の母は スマホじゃない
テレビ電話で話せたならと ないものねだり
東京からは 呼び寄せできぬ 
育児の相談 顔見てできる相手もおらず 
携帯で検索かけて 情報収集
世の中の不安と 育児の不安のダブルパンチで 
今宵も眠れぬ夜を 迎える
連れは テレワークなど無縁の会社で働きずくめ
疲れ果て 育児パパなどどこかの世界の夢物語
薄明かりの中で 静かに吐息を吐く乳飲み子に
起こされるまで しばしの添い寝が 今日のお駄賃

スマホで ラインのやり取りするのが 一番の慰め
誰かとつながっていないと やりきれない
いつ明けるともわからない コロナ禍の重苦しい空気を
せめて 誰かとつながることで 不安を払いのけたい
家族の無事や 友の無事を確かめたくて 
世代を問わず つながることで 心の不安と負担を軽くする 

入力が 絵文字ばかりじゃつまらない
元気? 大丈夫? と尋ねて 絵文字で戻るOKマーク
だから 声聴くことが一番と
長電話無料契約を有効活用
携帯を 耳に長時間当てるのは 無謀なこと
だからスピーカにして あたかもそばにいるかのように
お茶しながら 四方山話に 花を咲かせる

携帯の 人をつなぐ大きな力
携帯で 人がつながる確かな喜び
携帯がなければ 
もしかして ひとり残され 不安に駆られているかも
携帯があれば 
もしかして 誰かと一緒に この惨禍を乗り越えられるかも

だから携帯で 思う存分おしゃべりを楽しもう!
きっとそれが いま求められる新しいきずなづくりかも
 
〔2020年5月1日書き下ろし。私はガラ系。妻はスマホを充分活用している。80歳の師が一昨日スマホに代えたとメールがきた。このブログも今日操作を覚え見られるようになったとメールがきた。現代を生きる師にすでに置いていかれる〕