東京アラッと

小池百合子東京都知事
時局を読むのは 見事だった
オリンピック延期を決めた途端に 
コロナ対策に 大きく舵を切った
首都ロックアウトは 強烈なメッセージでもあった
政権の尻を叩いて 非常事態宣言を促した
そこには 首都のリーダ然とした姿を見せていた

記者会見の語りも演出も 上手かった
安倍首相など どうあがいても足下にも及ばない
テレビカメラに送る ぎょろ目の視線はさすがだった
質問に的確に答える 威風堂々の立ち振る舞いは 
政治家の貫禄としたたかさを 如実にアピールした
コロナ対策で出遅れた 失地回復のギアアップは さすがだった

さもさもらしい大袈裟なことが大好きだった
「東京アラート」と銘打って 
都庁とレインボーブリッジの色を 赤や青にライトアップ
アラッと見せた ただそれだけのことだった
10日も経たずに解除して 放った一言
「これからは自粛ではなく自衛の局面に入った」
政治がなすべきことを放棄して
都民を突き放し 自己責任を強いてゆく
これも 政治家の冷酷さの一面だろう
その声の乾かぬうちに
15日には 解除後最多の48人が感染した

前回の都知事選では
「7つの0(ゼロ)」公約をアピール
達成は「ペット殺処分ゼロ」 のみ
改善は「待機児童ゼロ」
「満員電車ゼロ」「残業ゼロ」は 緊急事態宣言中のおまけ
検証困難「都道電柱ゼロ」「介護離職ゼロ」「多摩格差ゼロ」

築地市場の移転の大失態
その跡地問題も そのまま放置して
2期目の都知事選に向けた新たなスローガン
「東京大改革2.0」
中身は何か分からないブラックボックス

7月5日投開票日 小池都政の評価が下る
コロナ禍で その都民度と自衛力が試される
都民よ 賢くあってほしい

〔2020年6月15日書き下ろし。地方自治がこれからはもっと重要になる。都知事選は民主主義と地方自治を問う重要な選挙。都民の小池都政への検証が急がれる〕