母は 認知症を十数年患った
7回忌の盆を 迎えた
まだらの時は 夕方コロッと豹変した
介護施設では 人形を抱きながら徘徊した
もしも母が
コロナの感染を疑われ 隔離されたら
どんな行動を取るのだろうか
陽性が判明したら
果たして病院は受け入れてくれるだろうか
なぜ入院しているのか
その理由すら理解できず
環境が変わることで 混乱するだろう
病室を出て 徘徊し始めたら
看護の目は届くだろうか
治療と称して
施設に留め置くだろう
施設でのクラスターの多くは
施設丸ごと閉鎖の結果だった
札幌の老健「茨戸アカシアハイツ」の集団感染
陰性の利用者は 別の所に移すことも出来ず
家族の切望も 拒否された
行政は 一人ひとりの死と向き合い
感染対策が遅れたことへの 検証が急がれよう
もしも母が感染したら
隔離室に入れられ
宇宙服もどきの格好の介護士に
身の世話をやかれる
まるで別世界の環境は
理解不能 思考混乱
強い恐怖感にかられ 助けてと叫びながら
母ならきっと 飛び出すだろう
果たしてあなたは 部屋を施錠しますか?
隔離ではなく 監禁です
介護現場の介護士たちの苦渋を知らずして
行政は黙して 介護現場に丸投げを続ける
〔2020年8月13日書き下ろし。厚労省の分科会や官吏のデスクワークでは、想像することは皆無なのか。どうしたらよいのか是非知りたい〕