手元に 52円切手しかなかった
10円切手と1円切手を 貼り付けた
郵便番号欄と差出人の住所が 一部覆われた
絵はがきは
版画家中野章が描いた 豊穣な北の大地
先の町長選で 2選を果たした知人に宛てた
祝いと激励の言葉を添えた
版画の空白の欄に追記した
貼った切手の意味
52円+10円+1円
それぞれの持てる能力を併せて
一つの目的に向かう
町政の要は 行政マンなりと綴った
力量の不足分を補うこともせず
今まで通用させたところに 無理があり
行政への信用の失墜があった
小さな自治体の限られた人員では
適材適所の配置には 自ずと限界がある
仕事を任せきれない人員も 時には混ざる
万全の人員で望めない体制や
機能不全を起こしている組織機構の問題は
国からして 地方であればなおさら
行政サービスの質と量の低下を仕方ないと
諦めてはいないだろうか
行政マンの「しない・つくらない・ひきうけない」
この三原則の変革なくして 行政改革はない
自ら仕事のスキルを高めようともせず
法や規則を取り出して正当化して
逃げ口上や逃げ道を模索する
そんなネガティブなスキルアップは もういらない
馴れ合いやサボりや無駄口は もうたくさんだ
行政マンは万能ではない
だから努力するしかない
それを怠る者たちが 職場の空気を支配する
年功序列の旧態依然としたシステムが 後押しする
採用年度での世代数の偏りが 弊害をもたらす
2~3年での部署の異動が 業務沈滞の負のサイクルとなる
行政サービスを担う人材の意識改革と育成が
いつの世でも課題となる
人材がいないと 嘆くのは容易だが
個々の力量の不足を どう補うかとは別の問題だ
仕事と能力の向上を自ら求める空気が 少しでも生まれれば
地方自治の活性化の糸口となる
それもネガティブな同僚から 変わり者・裏切り者と叩かれても
住民サイドに立つめげない存在を 決して孤立させてはならない
だれが担保するのか
それは首長であり さらに住民である
「民の力」を いかに引き出し協働できるかが
2期目の課題となる
地域を活性化するキーワード「民の力」
「民の力」を引き出すのは 行政マンの汗である
その汗を「見える化」させるのが 首長の手腕となる
その汗をかかせなければ 2期目の意味はない
1期で役場職員の人事考課は終わった
対立候補に投票した町民の意向は ないがしろにはできない
大きく包み込んで 共にまちづくりに汗かく4年間が始まる
そんなおもいを 63円のはがきに込めた
なんと安上がりのメッセージ代だろうか
多忙な町長から返信のはがきが届いた
「誰もが安心して豊かに暮らせる共生のまちづくりに
しっかりと挑戦し前進します」
町長のメッセージは スローガンではない
具体的な有言実行である
そのためには 公務員の三原則の放棄しかない
大胆な行政機構の見直しと人材配置
人材の有効活用と人材育成が 挑戦と前進を裏付ける
受けたのは信託であり 築くのは信頼である
そのための 住民への見える化は
取り組みの実態からしか生まれない
苦言を呈しながら 注目していきたい
〔2020年10月5日書き下ろし。2019年9月2日投稿『マチの公務員の三原則』を是非参照され、2期目の本稼働に期待したい〕