7000万票も取って 負けるはずはない
郵送の票さえなければ
大差を付けて 楽勝だったのに
こんなに簡単に ひっくり返されるなんて
悪夢だ 隠謀だ 叛逆だ
不利な予想を跳ね返して 負けるはずはない
信者のためにも 敗北なんて認めるものか
訴訟を起こして 闘うぞ
こんなことで怯(ひる)んでなるものか
「選挙人算定法」(1887年制定)で勝機をつかむ
連邦最高裁判事も味方する
決して負けるはずはない
半分は敵だ
隙を突かれて 騙されて 先手を打たれた
メディアも敵に寝返って フェイクを垂れ流す
これは生死をかけた戦い 決して油断するな
俺だけを信じれば 負けるはずはない
今日の敵の言葉に 一つだけ共感した
「アメリカをひと言で定義するなら、それは『可能性』だ。
アメリカは決してあきらめない」
違うのは アメリカではなく 俺だ
俺は決してあきらめない
赤い旗の下に 集いし者よ
敵と融和することは 断固拒否する
敵の戯れ言に 心動かすことはない
神の意志は 我にあり
誇り高き 真のアメリカ人よ
赤い旗の下に 集いし者よ
この戦いに 勝つことしか残された道はない
行く手を阻む者たちを 許してはならない
神の加護は我にあり
立ち上がれ 勇気あるアメリカ人よ
赤い旗の下に 集いし者よ
戦い抜くには 訴訟資金が必要だ
金が全てだ 金しか頼るものはない
神頼みでは 集まらない
献金せよ 金のあるアメリカ人よ
赤い旗の下に集いし者よ
いま可能性が 断ち切られる
いま夢が 霧散してゆく
団結せよ 声を上げよ 阻止せよ
我を信じる 無垢なるアメリカ人よ
〔2020年11月8日書き下ろし。幕引きを拒否する男とその支援者たちの悪あがきはいつまで続くのか〕
付記
133年前の「選挙人算定法」とは
…合衆国憲法第二章第一条第三項は次のように規定しているからだ。
「各々の州は、その立法部が定める方法により、その州から連邦議会に選出することのできる上院議員および下院議員の総数と同数の選挙人を任命する。(後略)」
マスコミなどでは、選挙人は大統領選挙の一般投票で最大得票の候補者の選挙人団に勝者総取りで配分されると解説されるが、それは各州の議会がそう定めた慣習に従っているからだけで、選挙人選出の主体はあくまでも州議会にあるのだ。
加えて1887年に制定された「選挙人算定法」には、その運用を具体的に規定した次のような「セーフハーバー(承認領域)条項」がある。
「選挙人集会の少なくとも6日前までに、開票作業等の懸案が解決し、当選者を決定できるならば、その州議会の決定は当該州の勝者決定の最終決定とみなす」
逆に言えば、選挙人集会(今年は12月14日)の6日前が開票作業の期限で、再集計や訴訟でそれに間に合わない場合は、改めて憲法の規定に従って州議会が定める方法で選挙人を選ぶということになる。その場合だが、郵便投票の有効性が裁判に持ち込まれるペンシルベニア州の州議会は上院で共和党35対民主党21議席、下院でも共和党103対民主党21議席で両院とも共和党が多数を占めている。この他、再集計が行われるとされるウイスコンシン州やミシガン州、ジョージア州も議会は共和党が多数だ。
もしトランプ陣営が、今回の選挙結果を受け入れず法廷闘争などで選挙人確定を12月8日までずれ込ますことができると、州議会の決定次第で逆転するという可能性が残っていることになる。…一方バイデン陣営は、この策を「トランプのクーデター」と非難しているが、憲法と制定法に規定されていることなので非合法なクーデターとは言えないだろう。
2020年の大統領選挙は、この133年前の法律をめぐって想定外の展開になるかもしれない。(執筆:ジャーナリスト木村太郎・2020年11月8日FNNプライムオンライン)