融通無碍でありたい

事に当たって 融通無碍でありたい
力量のなさが 暴露される
裁量のなさが 露見する
 
事を起こすに 融通無碍の態度を貫きたい
才覚のなさが 思慮を阻(はば)む
度量のなさが 同意を拒む

事を解くに 融通無碍で対処したい
学識の乏しさが 無知を証(あか)す
経験の未熟さが 無能を悟らせる 

事を治めるに 融通無碍で臨みたい
世間の縛りが 思考の自由を奪う
古き因習が 改革の邪魔立てする

何事にも 融通無碍でありたい
己の能力を過信して
横たわるハードルの高さと強さに
押し返されてもなお 生きながらえる

融通無碍になれない 己の現実と向き合う
そこに 確かな成長の兆しを感じていた
そこに 生きている実感を味わっていた
そこに 自分らしさを見つけていた

融通無碍でありたい
そう願いながら
愉快に生きるしか 道はない

※融通無碍(ゆうずうむげ):一定の考え方にとらわれることなく、どんな事態にも滞りなく対応できること。何ものにもとらわれることなく自由である・ことやそのさま。

〔2020年11月15日書き下ろし。己を知るということは、どんな生き方を求めるかで大きく視点が違ってくる。まだまだ未熟者あることを知らされる〕